connect   作:苺のタルトですが

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角度を変えて、深さもより大胆になっていきこれはかなり雲行きの怪しい空気になってきた。

 

「っ、くるしっ」

 

「体力が無さすぎだ」

 

やっと長い呼吸が出来るようになって何度も呼吸を繰り返す。

 

「はぁはぁ……え」

 

周りを見渡すと景色が外ではなく室内に変わっていて間抜けな声が出た。

恐らく彼の能力の仕業だろう。

目を白黒させていると後ろからまだ終わってないとキスを受けてベッドへと自然に押される。

その感触にハッとなりダメだと慌てれば何が駄目なんだと聞かれやっと言えると真剣に言う。

押し倒されながら言うのはなんとも不恰好な感じだが、それでも自分なんかを相手にしても時間の無駄だと言えば、

 

「くだらない」

 

と一蹴されガーン!となった。

 

「く、くだらなくなんてっ、な」

 

「萎えるからそれ以上の説明はいらねェ」

 

と、服を脱がせにかかるローに赤面を起こしながらも反対に引っ張る。

それを面倒に思ったのかズホンに手をかけ出したローに益々顔が赤くなっていく。

 

「うひゃあああ……!」

 

「変な奇声上げんな」

 

と、言いつつも手を休めない男はニヤリと笑みをその口許に浮かべている。

 

「ほ、ほんとに、あの、あの!」

 

何か言わなくてはとパニックになっていると首筋に吸い付かれ何も考えられなくなる。

 

「そんなに言うなら、俺とは遊びだと思えばいい」

 

「え」

 

「そしたらお前は気が楽になんだろ」

 

「何言って……」

 

「こうやって触るのも、全部これから火遊び……」

 

それは、ただの関係だけになれと言うのか。

ローの言葉の意味は理解したが、そんなことに何の意味があるのかと疑う。

 

「遊びなんて、余計に……出来ませんよ……」

 

「…………じゃあ何なら納得する?」

 

「納得とか以前に……そんな問題じゃ……」

 

言葉を決めかねずにいているとローが捲っていた服や脱がしかけの衣類を元の状態に戻してリーシャの横に移動すると溜め息を一度洩らす。

 

「今日は譲歩してやる。だから抱き枕なお前」

 

「う、それだけなら、ううう」

 

「今日は、って言っただろ。次は覚悟しとけよ馬鹿」

 

「覚悟とか馬鹿とか言われたああ」

 

「煩い」

 

腰を抱かれ引き寄せられると目を閉じるローに内心ホッと安堵したリーシャだった。

 

 

 

 

 

目を覚ますと朝のようで、隣を見たらローがいて一瞬驚いたが、そういえば昨日は抱き枕というものを名目にさせられていた事を思い出す。

そして、昨日はマイとヨーコとは変な空気になってしまいそれっ切りだったことも今思い出した。

もしかしてローはその空気を感じて自分にあんなことを仕出かしたのだろうかと思ったがそんな事はあり得ないかと考えローを起こそうと体を揺する。

しかし、相手は低い声で返事っぽいものをするだけで目を一行に開けない。

どうしようと悩んでいると体に巻き付いたままのローの腕の力が強くなり密着が近くなる。

このままだと抜け出せないし、仮にもこの部屋に誰か来たら説明が面倒だ。

やはり強制的に目覚めさせる事を決め、先程よりも強く揺すり起こすとうっすらと開く瞼に御早うございますと挨拶する。

 

「昨日は…………ああ、思い出した」

 

寝ぼけた口調で数回瞬きするローはこちらをジッ見るとニヤリと不適な笑みを浮かべ試す様に言う。

 

「眠ってる俺にキス一つくらいしろよ」

 

「私のそれはタダではないです」

 

「くくく」

 

「な、い、今の凄く恥ずかしかったんですからね!笑うとか、酷いっ」

 

あくまでローの戯れ言に合わせてみたのに笑う始末。

先に言ってきたのはそっちなのにとむくれる。

 

「悪かった……それにしても寝顔は子供っぽいなお前」

 

その発言に唖然となる。

 

「まさか見たんですか?……なんか変態っぽい……あ、うそうそ、嘘ですすいませんっ」

 

刀に手を伸ばしかけるローに平謝りする。

そうして、いつもと少し違う朝を迎えるとローとリーシャは食堂へ向かう。

その途中で三人の女子部屋に宛がわれている部屋を覗いてみればもぬけの殻で驚く。

ローに二人が居ないと伝えればもう起きたんだろうと何でもない風に言われそうか、と安堵する。

昨日の今日だから出ていったりしたりしていないかと不安になったがそういえばこの船は今は海の真ん中だったと思い出し早とちりな自分に溜め息が出た。

食堂へ向かうと中に二人が居て内心良かったと安心する。

こっそり覗いているとローに早く入れと押さえられて勢いよく飛び出してしまう。

反動で転けそうになり体勢を立て直すとローがなに食わぬ顔で横を通り過ぎた。

睨み付けても相手は向こうへ向いているからか何の反応もなく、こちらも仕方なく席へ座る。

ローに呼ばれ何だろうと振り向くと船員達が凄く見ている事に気が付きびっくりした。

マイもヨーコもこちらを見ていたが目を合わせた途端に気まずそうに目を逸らす。

当たり前の反応に少し落ち込み俯いているとローが再び呼ぶので何ですか、と返した。

 

「こっちに座れ」

 

「え?何でです、」

 

「つべこべ言わず座れ」

 

「私、もうここに座ったんですけど……言うなら座る前とかにお願いしますよ…………」

 

ぶつぶつと呟きながら席から立ち上がるとローに指名された隣の席へ座る。

で?と尋ねると特に意味はないと言われ、え?とハテナマークが頭上に飛ぶ。

意味も用もないのに何故隣に呼んだのだろう。

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