connect   作:苺のタルトですが

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「……ローさんはさ」

 

「いきなりなんだ、改まって」

 

今までの雰囲気を無視して語ろうとすれば的外れなような答えにくす、と思わず笑う。

 

「優しーね」

 

「お前は馬鹿か。海賊にお門違いもいいとこだろ」

 

「そーかな?そんなこと、ないと思うけど」

 

だって無理矢理自分を襲わないしお金を投げつけはするがくれたし。

上げていけばそれなりに優しさを痛感する。

そう、痛感するのだ。

 

「でもお気持ちだけ……ってことで!」

 

パッとベッドから降りると驚いたのか彼が「おい」と呼んだがまだ仕事の途中だったのでまた今度、と手を軽く掲げ相手が逃がしてくれそうな空気に気が変わらぬ内に部屋を出た。

 

(うーん、ドキドキ……いやドクドク?)

 

実はかなり動揺をしていた心臓に手を当ててゆったりと緩んでいく頬を感じた。

そこでふと背中に違和感がありそこをまさぐるとカサリと紙っぽいものに触れる。

 

「何これ……まっ!」

 

二回目となる動揺で奇声を発してしまうがそんなことよりも今自分が握っているベリー札に目が点になる。

これはまさか能力か、はたまた気付かない間に服の間に挟まれたのかもしれない。

心の悲鳴が聞こえたのか後ろからクスッと笑う悪魔の気配を感じたような気がした。

 

(悪寒……!)

 

捨てる訳にもいかず渋々札を握り締め、このお金の使い道に悩まされることになるのかと頭を抱えた。

 

 

 

***

 

 

 

小さな銀行にお金を預けようと決めた次の島でリーシャは無防備に手を頭より上に掲げていた。

そもそも銀行を活用しようとしたのはこの間ローから不本意に貰ってしまったベリー札を捨てるという勿体無い思考が起因だ。

そして、銀行に行ったはいいがそのお金を銀行員に預けようとする前にどう見ても強盗にしか見えない覆面を被った男等がこの場所に押し入ってきた。

まさかの巻き込まれる事態にリーシャはそこまで騒ぐ気にはなれない。

このグランドラインは決して全ての島が安全な訳ではなく、悪い人もゴロゴロいる。

そんな旅をしてきたからか初期に比べれば脆かったガラスのハートはいつの間にかカサブタと絆創膏と鉄を纏っていた。

つまり本位ではないが慣れてしまったということ。

 

「いーから早く出しやがれえ!」

 

複数の男達がそれぞれ定一に居店の中にいる一般人と銀行員に目を光らせていた。

やれやれと思いつつ今回はさすがに助からないかもしれないと何となく脳裏に浮かぶ。

何回か危険な目に合い、それなりの危機感は持てたが戦闘力なんていうものは他の一般人同様身に付く筈もない。

逃げるか走るか死ぬかしかリーシャには選択肢がなかった。

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