connect   作:苺のタルトですが

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ローの船に乗って一日が経過した時、彼に甲板まで来るように言われてマイとヨーコと三人で向かう。

三人揃って呼び出すなんて珍しい、何かサプライズでもやろうとしているのか。

甲板への扉を開けると船員達も揃っていた。

扉が開くのを見ていた彼等の横に並んで前を見るとローの隣に見知らぬ女が居るのを知る。

 

「全員揃ったな」

 

ローは周りを見渡してから隣に居る人について説明した。

 

「別にお前らを呼んだ覚えはないがな」

 

どうやら船員達を呼んだわけではなくギャラリーだったらしい。

用があったのはリーシャ達らしい、船員達は笑って「別に良いじゃないですかー」と揃って述べる。

それに苦笑気味に笑うロー。

 

「前の島から一時的に加入したレバリーだ」

 

「レバリー?……もしかして“赤目”のレバリーなの!?」

 

「え?あの賞金首の?」

 

マイとヨーコは新聞を毎日欠かさず読んで手配書も良く二人で見ているので世の中の動きに敏感で詳しい。

二人が言うのならそうなのだろう、とあまり知識を増やさないリーシャはぼんやりと思った。

驚いているのは何故なのかは甚だ疑問だが。

目の前にいるローだって億越えの人間なのに、慣れだろうか、慣れたから新鮮味がないのかもしれない。

話題の渦中にいるレバリーと言う女性は短く「宜しく」と言ってローを見た。

 

「もう言って良い?」

 

「……嗚呼」

 

呼び止める理由もないからかあっさり答えるロー。

少しの間があったのが少し気になったが。

どうやらレバリーはさっぱりとした性格のようだ。

船員達も色んな反応で彼女を見送る。

 

「船長!ほんとに乗せてくんすか?」

 

一人の船員が不満そうに言う。

 

「あいつは女でも九千万ベリーの賞金だ。戦力は貴重だろ。ギブアンドテークで既に話しは着いている」

 

(九千万……もう直ぐ一億か……ルーキーの候補って所?)

 

「でも船長さん」

 

マイが不安そうにというより不可解そうな顔付きで言う。

 

「彼女、先程は戦闘に参加してませんでしたよね?それに新聞では海軍ばかりを狙うって書いてましたよ」

 

マイの言葉に成る程、と思った。

確かに先程の戦場ではどこにも見当たらなくて見覚えがなかったのも理解出来る。

ローは暫し黙った後に答えた。

彼曰く彼女は海軍が相手なら喜んで討つらしい。

そういう一時的な契約を結んでいる、という事を彼は言う。

 

「まァ、向こうに干渉しなければこちらに干渉する事もねェ」

 

「分かった」

 

ヨーコが返事をするとそこで解散となる。

 

「リーシャ」

 

名を呼ばれてそこへ向くと呼んだのはローだった。

手招きされて近寄るとそのまま手を引かれたのでされるがまま付いていく。

乱暴な事をされる理由も思い付かないのでただ何か用があるだけだろう。

引かれると素直に足を動かす事に満足しているらしい彼はご機嫌だった。

引き摺られているわけでもなく連れ歩かされているのでいつもの性急感がない。

いつもこうだったら良いのになんてつい思ってしまう、考えられる余裕があるせいだ。

部屋に着くとそこは船長室だった、彼は慣れた手付きで扉を開けると中へ入り扉を閉める。

リーシャの手をやっと離すと「コーヒー、二人分」と言ってコーヒーのインスタントとお湯があるテーブルを指す。

メイド扱いか、と思ったが借りも恩もあるのでそれくらいなら良いかと用意をした。

用意し終わるとコーヒーのマグカップを彼に渡す。

 

「座れ」

 

さっきから命令しかされていない。

素直に座った。

 

「レバリーさんは正式じゃなくて限定雇用なんですか?」

 

ローが話す気配が微塵もなかったのでこちらから話題を提供する事にした。

ローは質問にスラッと答えてくれる。

 

「嗚呼。あいつが良いと思った時までこの船で戦力として働くのが条件だ」

 

「へぇ……レバリーさんって九千万ベリーでしたよね。やっぱり強いんですか」

 

彼女について関心がある訳ではないが、欠片程度の興味はある。

強いのだろうが、ローはまた違う感想を持っているかもしれないので試しに聞いてみた。

彼はニヤッと楽しそうに笑う、何故笑うのだろう。

 

「嗚呼。あの女は強い。特に海軍に対しては恐ろしくもなる」

 

そう言えばマイとヨーコも海軍しか狙わないと言っていた。

 

「おお!じゃあローさんと身の丈が合うんじゃないですか?」

 

強いし綺麗だしと揃っている。

進めてみれば満更でもないかもしれないとプッシュしてみた。

 

「は?」

 

ローは意味が分からないと言う表情を浮かべてこちらを凝視した。

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