connect   作:苺のタルトですが

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朝起きると妙に変な夢を見たと記憶がぼんやりとしている。

ローに夜這いされて首を思いっ切り噛まれるなんてそんな願望はない。

首を振って、ふと周りを見るとそこは自船の中の己の就寝スペース。

そして、リーシャの身体に巻き付かれている浅黒い何か。

 

「っ、夢じゃ………ない?」

 

昨日寝る時には居なかった男が居た。

 

「ローさん……」

 

相手はスヤスヤと眠っている。

 

「……起きて、ローさん」

 

揺すると直ぐに目を開けてくれる訳もなく、寝起きの良くないローはスッと腕を違う所に移動させる。

そこは胸、つまりは揉んできたのである。

 

「え!?ちょ、何、どこ触って!」

 

引き剥がそうとして手を掴むと次は押し倒されていた。

視界が少し移動して天井が見えた。

それよりも男の顔が更に近くに見える。

 

「何してるんですか?」

 

「マウンドポジションに居る」

 

「いや、そういう意味で聞いた訳ではなくて」

 

「もういっそ俺のもんにしてやろうかと思案してる」

 

「思っている事を話す事が良い事だとは思いませんが」

 

「そうだな。イイコトをこれからするしな」

 

「しませんよ」

 

「……拒否されると尚燃える。アホなてめーに言っても無駄か」

 

「アホって……夜這いしてき貴方には言われたくありません」

 

「昨日みたく汚い言葉でてめェって言っても良いんだぜ?」

 

ローの不意打ちの言葉にバツが悪くなる。

昨日のアレは、別にローだと知っていたら言わなかった。

 

「あの、昨日の事は忘れていただけたらと思います」

 

「ほォ。で、代わりに何をくれる」

 

「昨日の夜這いでチャラに決まってます」

 

「てめーが馬鹿な事やってるから参加してやっただけだろ」

 

馬鹿な事ってなんだ、ローに聞けば彼はこのセキュリティが緩い船で呑気に寝ようとしていたアホな女の行動の事だ、と罵るのでムッとなる。

元はといえば余計なお世話だ。

放っておいて欲しい、言っても聞かないのだろうが。

 

「だって、この島のログって溜まるの遅くて滞在期間長いんです。ローさんも知ってますよね?だから、ホテルを取るより此処で寝た方が」

 

「宿代が減るって訳か。だが、下手したらお前なんてあっという間にやられる」

 

「そんなの、承知の上です」

 

「……誰かにやられるくらいなら」

 

「え?」

 

「何でもねェ。朝飯食いに行くぞ。さっさと着替えろ」

 

「私、朝ご飯食べません」

 

「あ?……もっぺん言ってみろ」

 

ローは低い声で言ってきた。

朝ご飯を毎日食べるとやはり食費が掛かる、つまりは抜けば浮く。

別にお昼は此処で本でも読んでいればいいし、お腹が空くような事をしなければいいのだ。

ローは怒った様子でこちらを見据えるとまたキスをして呼吸を奪う。

 

「ん、んっ」

 

抵抗しても抵抗にならない力量の差。

リーシャはローに手を掴まれ壁に縫い付けられる。

 

「はっ、はあ!」

 

息を吸って吐くを繰り返すがまた奪われ離される。

 

「飯食うだろ?答えろ」

 

「た、食べませ、っ」

 

またキスされて、今度は長い。

 

「食うだろ」

 

「や、嫌で」

 

今度は長い上に深い。

 

「食え」

 

最終的に負けてしまった、根負けした。

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