connect   作:苺のタルトですが

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LAW-side

 

 

嫌な予感というものを感じた。

虫の知らせなんて綺麗な言葉で言い表せられるものではない、尋常ならざる感。

ローとてそこそこの海賊歴を重ねてきた身。

失うのが試練だという程過酷なグランドラインは過酷。

だから、どうしようもない。

自分のものにしたい、永遠とは言わない、だけど、他の奴に渡したくない。

激しい飢えを感じた。

前々から骨さえも舐めたくて、骨の髄まで欲したいという衝動に見回れ、遂に食った。

想像していたよりも柔らかくて、気持ちよくて、たまらなかった。

後悔をしてしまう前に、自身にしてはかなり衝動的な行動だった。

気付いたら押し倒していて、服を剥いでいて。

彼女は抵抗していたが、予想していたよりは受け入れた。

それが何よりも高揚して、内心歓喜で。

ずっとずっとこうしていたいとさえ思った。

無意識に求められた時は正直ヤバかった。

 

(ギャップが凄ェ)

 

終わった後にして思えば、その時の顔や表情が堪らなくさせる。

まるで中毒だ。

味を思い出すとまた身体が疼いた。

腕を回された感触や声が何度もリピートされる度、また欲しくなった。

 

(あいつは俺を嫌でも思い出すな……くくく)

 

それが、とても楽しみだった。

 

 

 

***

 

 

 

ローと出来るだけ会わないようにと航海中に祈った場合、不運が舞い込む事をすっかり失念していた。

 

「けはははは!最高だ!女しか乗ってねェ!!」

 

大型の海賊船に運悪く遭遇。

白旗を上げようと上げまいと最終的に行き着く末路は同じだ。

負けた、結果を言えば何と呆気ない事か。

マイもヨーコも苦戦して囲まれて。

嗚呼、遂に来たと思った。

 

「……お願いが、あります」

 

人によっては意地汚いと言われる。

 

「私を煮るなり焼くなりしてくれても構いません」

 

でも、最後くらい。

 

「彼女達は見逃してあげてください」

 

リーシャの望む末路を願ってもいいだろうか。

 

「彼女達は只金で買った用心棒」

 

敵は舐めるように上から下まで下心を浮かべて見てくる。

 

「どうせ使い捨ての、駒」

 

そして、自分は自己犠牲の塊。

エゴだ。

 

「お願いします。可愛がるなら、私を」

 

「ああ?娼婦か?」

 

「ええ。これでも自信はあります。あんな小娘達よりも私の方が、貴女達を喜ばせられますよ」

 

妖艶に微笑む。

 

「ひゅう!こりゃァ良い!」

 

本気にした男達はもうこちらしか見ない。

 

「ふふふ」

 

笑えてくる。

 

「奉仕だって」

 

男の近くに寄って、リーダーらしき頭の肩へ手を置く。

彼はもうこちらしか見ない。

 

「お任せ下さい」

 

「ふへへ、確かめさせてもらおうか」

 

艶めかしく腰を撫でてくる手が気持ち悪い。

 

「お好きに。SもMも」

 

触るな、見るな。

心は悲鳴を上げて、けれど逃げない。

何故なら、リーシャは逃がすもの、守るべき存在があるから。

 

「な、何だ!?」

 

黒いスモークが船の板の隙間から出てくる。

所謂目を欺くシステムだ。

その隙にマイとヨーコを逃がす。

海を泳がせるのは無理なので簡素なボートだ。

 

「リーシャさん!」

 

絶望的な声を上げる二人は、最初こそ頑なだったが、全滅する未来を感じていたからか、納得していないけれど、ボートに乗ってくれた。

 

「おい!女が二人逃げたぞ!」

 

「追え!」

 

自動スクリューを付けたボートに追い付ける訳もない。

 

「---さん!」

 

手を伸ばそうとする二人を冷たい目で見送り相手に媚びをへつらう。

 

「チッ!」

 

リーダーはこちらが残ったからか、深追いはしなかった。

 

「あの女達は気に入らなかったので、私的には厄介払い出来て何よりです」

 

クスッと笑って腰をゆるりと揺らす。

 

「まァいい」

 

(ふう、これで、遠くに行ってくれれば良いけれどなあ)

 

嬉しいと偽物の笑みを浮かべれば相手は舌舐めずり。

これで良い。

後は単身で海へダイブするだけだ。

 

「あ?おい、何やっ」

 

--ドボオオン!

 

相手から手を離して、緩んだ隙に海へ飛び込んだ。

運が良ければ海王類の餌である。

冷たい海へ身を任せた。

 

(あんな男に傷物にされるなら、死んだ方がずっとマシ)

 

最後に浮かんで消えたのは、気泡と少女二人とローだった。

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