connect   作:苺のタルトですが

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リーシャは今、麦藁海賊団にてサンジのご飯を食べて、同席させてもらっていた。

 

(本物、目の前に……イかれた海賊団と悪名高い人達が居る……)

 

新聞では海賊は悪なのでそういう嫌な捉え方で書かれているが、記者としてこれはまたとない機会だ。

真実を知るのも記者としての役目。

意を決して質問をしてみる事にした。

勿論機嫌を損ねる真似はしないように気を付ける。

 

「この海賊団はとても仲が良いですね……」

 

「おうよ!船長がこんなんだからな!」

 

一番初めに反応したのはフランキーという男性(変態)だ。

パンツ一枚の格好なのはこの際どうでもいい。

 

「おめェ、本当に一般人か?海賊なのに物怖じしなくねェ?」

 

ウソップの言葉に苦笑。

 

「私、この成りですが、一応記者なんです。なので、貴方達以外の海賊とも良く会うので慣れてるんです」

 

「「記者だったのか」」

 

ウソップとチョッパーの言葉がハモる。

差ほど驚かないので良かったと安堵。

下手に騒がれて警戒されても何も出来ないか弱い身なので。

 

「名もない社会に属するただの記者です。別にどうこうしようとか考えてません。助けてもらったのがもう奇跡ですし。元々、生きられる確率はなかったので、こうやって此処でご飯を食べられているだけで十分なんです」

 

そういうと皆がシーンと黙る。

そんなに空気を凍らす事でもない。

でも、周りは違ったらしい。

 

「そんな詰まんねー事言うな!お前はもう俺の友達なんだぞっ!」

 

「!」

 

目を見開いてパチクリとしばたかせる。

 

「フフフ」

 

ロビンが愉快そうな声音を響かせたら次は皆が笑みを浮かべていた。

その空気に飲まれるとコクっと喉が上下する。

彼が何かを言えばこんなにも空気が変わるのかと驚く。

自分の鬱蒼とした気持ちまでも払拭してしまう。

皆の前で人生を放っている発言をしたのに、あっという間にそんな発言は吹き飛ばされる。

 

「ハハハ……たく、レディに今の言い方は許せんが、まァいいか」

 

ジュポッと煙草に火を付けるサンジ。

 

(凄いなあ……本当凄い)

 

彼のようになりたいとは思わないけれど、羨ましい。

マイとヨーコにもこの海賊団のような破天荒さ等はあるが、ルフィの様な人は居ない。

 

「…………この船に乗る方はとても暖かい方ばかりですね」

 

ボソッと言った事は聞かれたか分からないが、言ってしまいたかった。

 

 

 

数刻すると外が騒がしいくなって、外に出てみると人魚が海から飛んでここへ着地する。

目がパッと合い驚きつつも目を反らす。

厄介事の匂いがとてもするし、この問題は流石のリーシャもどうにも出来なさそうだと判断。

どうやら飛び魚に乗った男達に追われているらしく、彼等は捕まった彼女の仲間を助けて上げようと言う満場一致となる。

自分は居候、余所者なので口に等出来ない。

それを理解していたので成り行きを見守るだけ。

 

「あ!そういやリーシャも居るじゃねーか!どうすんだ?戦え……ないよな?」

 

もう決定しているお荷物を覚悟で苦笑して頷くと皆が気まずげに見てくる。

 

「我が儘を言う身でもないですし、それに、皆さんの意志に同調します。私は隠れておきますので。ええ。お荷物になるのはとても理解してますから」

 

ニコニコヘラヘラと笑みを浮かべて平気アピールをする。

皆は一様に違う仕草や顔をして、困っていたり、安堵していたり笑っていたり。

笑っているのはルフィだけだが。

自分の身の程を笑っているし、弁(わきま)えるべきと本能が言っているので当然だ。

 

「私は私の身を守ります。全力で応援しているので」

 

最後にぐっと手を握ってから部屋へ引っ込む。

此処から敵のアジトが近いらしく今にも引っ込まないと被害を被る。

己のような弱い女は慎ましく過ごす。

マイとヨーコの時はリーダーみたいな、年長者と言う意識だったから前線をいけた。

けれど、ここでは船長は麦藁のルフィだ。

 

「フレーッフレーッ」

 

小さい声で応援してから机に座る。

この海賊団ならば大抵の事では苦戦しないだろう。

 

(死ぬのは私だけってオチでしょ)

 

外に居たら狙われるのは自分。

もうすぐグランドラインの半分だろうから、強者が集まりやすく生き残り易い。

 

(せめてマイとヨーコ……に、生きてるっ、て…………言うべき…………なの?ほんとに?)

 

考えてしまえば嫌な方向に考えてしまう。

このまま死んだ事にして彼女達が海に出る理由となった根元(自分)はもう居ないという認識になり、もう諦めてもらって、彼女達に土地での定住をさせる理由を作るべきという考えが脳裏に出来る。

割と良い案かもしれない。

元はと言えば、自分という存在さえなかったら彼女達はちゃんとした土地に足を着けていた筈だ。

頭がどんどん冴えてくる。

 

(私、彼女達の足枷みたいなもんだったしね……これはもう運命かなあ)

 

きっと何かの神秘的な存在がそう言っているから自分は海に飛び込み、且つ、拾われたのだと思ってみる事にした。

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