connect   作:苺のタルトですが

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以前浚われた島を無事に出航した後、違う島に降り立った。

今度は宝石が盛んに売っていて、相場も安い島である。

ローが無表情で何か買ってやろうかなんて気のきいた言葉を言ったのだが、たかるような図太い神経は持っていないので首を振った。

ローは欲のないと顰めっ面をしていたが別に貰っても無くしてしまうかもしれないという考えからいらないし、買われても困るという思考に至っただけだ。

この島は別に鉱山が有るという訳でも無いのにレートも安く仕入れも怪しい。

前にちょこっと調べた時にそう思ったので、それも含めて此処に有る宝石に手を出すのは躊躇する。

海軍が乗り出さないのは、この島は天竜人を筆頭に様々な貴族が御用達の島らしいからだ。

下手にガザ入れしようとしたら貴族からクレームが来て権力に懐柔されるのは目に見えているからだろう。

世の中、お金で回っているのだから何もかも思った通りにいかない。

リーシャは町をぶらりと歩きながら宝石を見る。

見るだけなので百パーセント冷やかしだ。

周りを見ても皆手や服に宝石を付けている。

 

「……帰ろ」

 

暇なので歩いているのだが、もう宿に引きこもろうと宿へ方向を変える。

その際、ハートの海賊団の船員Cが見えた。

勿論名前は知っているがオリジナルキャラを作るつもりはない、特に意味はないのでこの発言は忘れてくれ。

 

「お、リーシャじゃん。買い物か?」

 

「うん。ウィンドウショッピング」

 

「ははは。まあお前はビンボーだもんな」

 

「貧乏なんじゃなくて慎ましやかな生活してるのっ」

 

図星だがそうだね、なんてあまり言いたくない。

マイ達に言っていたのは只単に火の車という実状を一番体験しているから見繕う必要もないと思っているからだ。

当初は二人養うのは本当に大変だった。

今というか、少し後になって二人も働き出したので楽になったが。

船員Cと話しながら町を闊歩し出すと一人の男に話しかけられる。

 

「すいません。今少しお時間良いですか?」

 

特にこれといった特徴のない顔をしている人だ。

それに頷くと相手は安堵した顔をして地図を取り出す。

島の狭さ的にこの島の地図っぽい。

その様子を観察してからこの島の人間でないから聞かれても教えられないと先手を告げる。

相手は申し訳なさそうに聞いてすいませんと謝ると去っていく。

 

「私ってこの島の現地人に見える?」

 

「さーな?」

 

彼は同じように首を傾げて分からないと告げた。

後々思うとこの出来事は完璧な布石だったらしい。

一時間後、リーシャは物言わぬ鉱石へと成り果てていた。

 

「見つけ次第おれが吐き出させる。何もかもな」

 

青筋を浮かべマジ切れしているローの手にはオニキスという宝石が握られていた。

握られているが、とてもソフトな触り方なので抱擁されているに近い。

ことの次第は、リーシャが路地裏に引っ張りこまれ、それに気が付いた船員Cが慌てて路地裏に駆け込むと何かの不思議な能力で宝石に変わる瞬間のリーシャを目撃した。

相手が見られたその経緯に不味いと判断して数人の男達をけしかけて襲ってきたので返り討ちにしてオニキスになったリーシャを何とか奪い返したらしい。

後手に回ったのは次々と人が現れたから。

相手を返り討ちにしながら船に急いで帰って電伝虫に各自連絡した船員Cが帰ってきたローを含めた全員に詳しい事を説明して今のローが青筋を浮かべているという結果。

実は意識もあってはっきり周りが見えているけれど、話せないし動く事も出来ない。

もどかしさにヤキモキしながらも犯人に宝石として売り出されなかった事に安堵していた。

なんせ宝石にされるという事はカットされるという事でもある。

市場に出回る前に原石は形が歪なので研ぎ澄まされるわけだ。

そんな事をされていたらと体が震える。

いくら悪運に好かれているとしても勘弁願いたい。

この島の宝石の販売が一部不明な理由が垣間見えたお陰で鬼も食わない恐ろしい事を知ってしまう。

 

(つまり、この島にある一部の宝石は、人間?)

 

末恐ろしい。

寒気と悪寒。

そんな事を平気でしてしまうのが人間なのだ。

それにしてもやはり巻き込まれてしまった事態に最早諦めが思考を占める。

今すぐ謝ってしまいたいが声の出せない身なのでうんもすんも言えない。

元に戻れたらお礼を言ってローから見返りを求められる前にとんずらしてしまえばいい。

見返りを与えるくらいなら共に居なかったら何も助けられる事もない筈。

兎に角、今は手も足も文字通り動かせないのでロー達頼りだ。

暫く船員達が総出で犯人を捜してくれているらしく、ローは自室にリーシャと一緒に居る。

 

「意識はあんのか?」

 

(あるよー)

 

暇なので答えてみるが当然聞こえない。

 

「石ころになったら何も出来ねーだろうが、馬鹿」

 

罵られた、今の状態では文句も聞こえないけれどこれは不可抗力だと凄く言いたい。

猛抗議したいのを我慢。

後で幾らでも言えるのだ、多分。

相手は恐らく悪魔の実の能力者で間違いないだろう。

宝石を人に変えるなんて魔法じみたそれは最早人のなせるものではない。

だとしたら能力者であるローにとっても厄介な相手だろう。

負けるとは思っていないが、この島は相手のテリトリー。

何が起こってもどんでん返しをされても可笑しくない。

不安という表情すら宝石のままでは気付かれないので、慰められないままその方が気が楽だ。

彼はぶっきらぼうな言い方を毎回するが、その実は励ましていたりするのだ。

かなり曲がった言い方が多いが。

宝石だと泣いたらどうなるのだろう。

きっと何の変哲も変化も起こらないだろうと予期。

もし、涙を出して宝石に何か異変があるならばとっくに宝石にされた人達の異変に所持している人間や売っている人間が気付くに決まっている。

リーシャがオニキスになって早一日経過。

お腹が空いたりするという現象は無かった。

 

(お腹空かないって便利)

 

お金も使わないで済むし空腹の苦しさも皆無。

極楽である。

貧乏記者には空腹が一番の敵なのだ。

空腹にならないのならば一年くらいはこの状態のままでも良いかも、なんて呑気に考えていると電伝虫が鳴って船員達から犯人を捕まえたと連絡が寄越される。

嗚呼、ついにタイムリミットかと肩がガックリと落ちた。

犯人だと連れてこられたのを待ちかまえているロー達の目に映ったのは、キラキラと輝く大きな五カラットくらいありそうなダイヤモンドだった。

 

「何か途中で宝石になって、叩き割ろうとしても全くヒビも入らないんです」

 

船員の一人が悔しそうに言う。

確かにこの世に存在する鉱石の中で一番固いのはダイヤモンドだ。

確か賞金首の中にもダイヤモンドに変身する人を見た事がある。

かなり有名な海賊だったが名前は忘れた。

 

「別に割れなくても問題ない。手はある」

 

ローは底冷えする視線でダイヤモンドに笑いかける。

 

「本当に怖いのは何か知ってるか、お前」

 

オニキスのリーシャに話し掛けるローに暫し考えるが特に思いつかない。

そもそも怖さの限界を知らない。

 

「人、知恵のある生命体だ」

 

くくく、と笑うロー。

次にダイヤモンドに向かって喋る。

 

「確かに石は固い。さぞ口も固いんだろうな。けど、お前は紛れもない人間だ。つー事は、感情もある」

 

ローはダイヤモンドに語る。

 

「どちらか選ばせてやる。一つ、こいつを元に戻して二度と面を見せないか」

 

目を細めて補食者の如く殺気を放つ。

 

「もう一つは、天竜人にお前を献上しておれの糧となるか」

 

選択肢のバランスがゲシュタルト崩壊している。

一つはとても普通だが片方はもう地獄だ。

 

「おれに出来ないと思ってるのか?もし舐めてるのなら今すぐマリージョアへ送ってやる。おれは別に何も困らないしな」

 

今や七武海になったローはマリージョアへ立ち入る事が可能だ。

ローがダイヤモンドを掴もうとした瞬間、一瞬で一人の男が現れる。

 

「や、止めてくれ!それだけはァ!」

 

もう泣いている男は土下座していた。

ローの圧勝だった。

ここまで特に手も足も出していないのに見事に話術だけで相手を降伏させたローの手腕に宝石のまま拍手を送る。

その時、体がチッと熱くなっていつの間にか目線が高くなっていた。

 

「あ、ローさん。皆……お、おはよー」

 

皆の視線に気恥ずかしくなって取り敢えず何か言っておく。

ローがそのままお姫様抱っこで何処かへ向かう。

 

「そいつに何か副作用がないか問い詰めろ」

 

ローは仲間達にそれだけ告げて部屋を去る。

無言でツカツカと歩くローにあたふたとならない。

今回は流石に心配させ過ぎたかと自覚している。

 

「あ、あの、ありがとうございました……戻してくれて」

 

「一時はどうなるかと思った」

 

「はい。でも、宝石になるとかなかなか良い体験になったかなーって思います」

 

人生の中で宝石として暮らすなんて早々ないだろう。

ローはまァなと同意して部屋へと入る。

もしかしてと思って緊張に体を強ばらせると「今日は何もしない」と言うので呆気に取られた。

 

「おれも何だか疲れた」

 

そう言って寝息を立て始めたローの頭をゆるりと撫でた。

感謝の気持ちである。

 

「お疲れ様でした」

 

 

 

 

 

暇なのでベポとお絵かきをしていた。

取り敢えず初めはお互いの絵を描き合い感想を言い合う。

ベポの書いた絵は……うん、まあ、ベポらしい。

それしか言いようがない。

強いて言うなら獣らしい絵だとしか。

 

「お前も案外絵が苦手なんだな」

 

横から覗き見るシャチに言われる。

大体そんなに絵も描かないし、描くのが好きな訳でもないので下手でも気にしない。

それならとシャチも絵を描く。

 

「猫描くのおれ結構上手いんだぞ」

 

自慢げ描き描きするシャチを横目に、ワラワラと暇を同じく弄んでいる船員達も我もと紙に絵を描く。

そしたら何故かローを描こうというお題を各自出して、描いて見せ合うという遊びが始まり、何故か自分も参加させられている。

 

「ぶ!おい、リーシャっ。おまっ、これはないだろっ」

 

何故か船員達から抗議が出てきた。

 

「でも、これもローさんだし」

 

バンっと紙を見せられながらまくし立てられる。

 

「だからってなー!帽子しか描いてねェのは駄目だろおお!」

 

船員達が必死過ぎるので適当に聞き流す。

彼等のロースキーには流石に共感出来ないので一人アウェイを味わっている。

 

(絵一つで大人気なさ過ぎ)

 

彼等は確かにロースキーだが、今回こんなに猛抗議しているのはローがリーシャを好いている事も、実は付き合っているのだろうと薄々広まっているので扱いが酷いと嘆いているだけなのだ。

別にローが神様だと思って言っているのではないが、それが伝わる事はない。

 

「じゃあ髭でも付け足したら良いの?」

 

「違う!」

 

「そういう事を言いたいんじゃないっ」

 

「おれ、もし彼女にこんな絵描かれたら自信無くす」

 

「おれも」

 

「船長マジ可哀想」

 

(絵だけで、本当大人気ないなあ)

 

どれだけ想いをぶつけてもその不憫さを教え込められないのは必然だ。

途中でローが来たら船員達が紙を隠そうとしたが、先にリーシャが見せたので全員の目が飛び出した。

 

((止めろー!))

 

船員達の想いは届かない。

紙を見たローが初めは怪訝に眉を寄せていただけだったが、これをローだと言われ口元が引き結ばれる。

怒っているのか、それともこんな風に写っているのかと考えているのかは誰にも分からない。

 

「もしかして人の顔を描くのが得意じゃねェのか?」

 

「はい。ベポはパーツが単純だから描きやすいけど人はパーツ多いし。特にローさんは濃い顔してるから描くの面倒でした」

 

素直に言うリーシャに取り敢えず船員達は胸を撫で下ろす。

そういう事なら怒る必要も落ち込む必要もない。

 

「あれ?でも帽子だけしか描いてないのに得意とか関係あるのか?」

 

一人の船員の言葉に全員ハッと気付く。

ただ顔を描くのが面倒なだけなのだとリーシャを再び見る。

 

「たかが絵で、拘る事もないと思います」

 

うんうんと頷くリーシャに何を言っても無駄なのだと理解するのは簡単だった。

対するローは別に不満はない。

別に絵に対して特に何か興味があったわけでも、描かれても描かれなくてもどっちでも構わないという無関心さからくる反応である。

ある意味似ている二人なのだと数人は思った。

 

 

 

停泊した島へ降りたので、兼ねて観光と買い物を楽しもうと決めていた。

お付きはベポだ。

前の宝石事件の反省を生かしてボディーガードを付けられてしまった。

確かに誰かが居ると助け易いし異変に気付き易いが誰かが居ても結局は何かに巻き込まれてしまうのは前の島でも経験済みだ。

しかし、それでも懸念が残るよりマシだとロー達は思ったのだろう。

その時、考え事をしていたせいでドンっとぶつかってしまう。

 

「っ、すいません」

 

「い、いえ」

 

相手も謝ってきたので互いにすれ違おうとすると声をかけられた。

相手は白衣に身を包んだ人で如何にもな研究者っぽい出で立ちをしている。

 

「あ、あのっ。ひ、一目惚れしました!」

 

「え」

 

唖然としながらも相手は顔を赤く染めて俯いた。

空気がしんとなる。

沈黙が周りを包むとベポが手を引いて意識を拾ってくれた。

 

(こ、告白されてしまった)

 

別に平凡なのに何故一目惚れされたのか。

いや、平凡だからこそなのか。

少し混乱している頭で可笑しな方向へと思考が流れる。

 

「あの、私、行きずりの旅人ですので……」

 

「あ、わ、分かってますともっ。付き合うなんておこがましい事は考えてません。あの、少し、だけ……で良いのでお話ししたいだけなんです……駄目、でしょうか?」

 

相手のウルルとなった目にチラッとローが過ぎる。

別に付き合っている訳でもないし、ローが勝手に自分の物だとか言ってるだけなので別に問題はないかと思う。

ローが相手に対して消し炭にしようと考えなければ。

けれど、ユースタス・キッドの時は明らかに嫉妬していた。

だが、たった一度、しかも話すだけならば別に良いんじゃないかと思う。

 

「今日の二時からなら……カフェとかでも良いですか?」

 

付き合うとかではなくただお喋りするだけという意味で言うと、相手は顔を明るくさせて大きく勿論ですと喜ぶ。

そこまで喜ばれては無碍にも出来ない。

 

「では」

 

相手が去っていくとベポが慌てた口調で言う。

 

「駄目だろリーシャ!」

 

「具体的に何が駄目なのか教えて欲しい。何か不味いの?」

 

ベポに言うと彼はごにょごにょと小さく呟く。

 

「だ、って……キャプテンと付き合ってるんだろ」

 

「付き合ってないよ」

 

「え!?」

 

発表も公表もしたことはない。

船員達の勝手な思い込みだそれは。

 

「でも、毎日じゃないけどキャプテンとリーシャからお互いの匂いする」

 

「!……それ、誰かに言った事ある?」

 

そう言えばベポは獣の嗅覚だった。

迂闊だ。

ベポは首を振る。

 

「他の奴らも同じような匂いするけど、そういう時は黙っておくものだってキャプテンに言われたから」

 

「あ、そういやそうだね」

 

船員達だってお忍びだったり遊んでいたりするのだから当然ベポは分かる。

だとしたらリーシャが誰かと関係を持ったら確実にベポには分かってしまうわけだ。

ベポの立ち位置の悪さに彼へ励ましを送る。

 

「ベポは沢山苦労してるんだね、偉い偉い」

 

よしよしと頭を撫でようとするが彼は背が高いのでお腹を撫でるしかない。

ちょっと予想外の事もありながらも買い物は無事終えた。

部屋に戻るとふと、鏡に自分の姿が写る。

男装を意識した服装にこれで会うのは流石に失礼かもしれないと柄にもなく思う。

着替えようかなと服が幾つかあるタンスを漁る。

別に漁る程はないが。

一番女っぽい服装を選んで来てみると嗚呼、似合わないと苦笑。

マイとかなら似合うだろうそれはとことん似合わないと自己評価せざるおえない。

二人は良く女なのだから似合わない訳がないと言っているが自分は別に男装で良いのだ。

でも、今日だけは女になろうかなと鏡の前で笑った。

待ち合わせの時間になったのでカフェに向かうと彼は居たのでホッと密かに安堵。

もしかしたらあれは嘘かもしれないと思っていたのでやってこないかかもしれないと不安だったのだ。

嘘というか、あれを無かったことにしてくれとでも言われそうでドキドキした。

相手は普通にこちらに笑いかけてくれたのでまだ印象は悪くなっていないようだ。

リーシャは元から自己評価は高くない。

よく見てみたら別に普通かも、何て思われても可笑しくないと思っている。

ローから好意を寄せられているのだって未だに何故だか分からない。

他の異性よりも長く知人として付き合っていたからかもしれないと何となく思う。

それで近くに居ても楽に晒け出せる相手だとも思っているのかもしれない。

取り敢えず今はお話しをする事だけを考えよう。

島を出てしまえば二度と会う事はないだろうし、そう考えても別に悪い出会いではないだろうと思えた。

頼んだジュースとバナナのタルトがやってくるのを確認してから彼は微笑んだ。

 

「来てくれないかと思っていました」

 

こちらの台詞だというのは内心だけに留めておく。

どちらも思う所は一緒だったという訳だ。

ふふふ、と笑って「お話しだけでもというのは悪い話ではなかったので」と言っておく。

相手はとても嬉しそうに笑うと目尻がキュッと寄る。

タルトを口に入れると相手は小瓶を取り出した。

このタルトにこれを掛けると美味しくなるというフルーツのジャムだと説明されて見てみると確かに美味しそうだ。

 

「私も良くそれを掛けて食べるのですが、なかなか美味しいですよ」

 

お勧めされれば試したくなる。

瓶の蓋を開けてドロリとした半透明のジャムを掛けた。

一口食べてみると確かにフルーティーな味がする。

租借していると得意気に彼は言う。

 

「私は見た目通り研究者ですが食べ物には特に気を付けてきます」

 

愚かにしそうなイメージを持たれている事を理解している発言だ。

良く言われているのだろう。

 

「とても美味しいですね。食べる事、お好き何ですか?」

 

「ええ。研究だけし続けるのも精神的に辛いですからね」

 

辛そうに聞こえないのは穏やかな顔をしているからだ。

きっとそれ程研究が好きなのだろう。

それから二時間程ポツポツと話してから外へと散歩に誘われた。

歩きながら話すのも楽しそうである。

それからベンチに座り話していると気温の穏やかな町だからかうつらうつらと眠くなってきた。

それを見た彼は「そろそろお開きにしましょうか」と宿へ送ってくれると進み出てくれたのでお願いする。

眠いのでボーッとしてしまって誰かにぶつかるのは困るので助かった。

本格的に眠くなってきたので目を擦る。

 

(?……何でこんなに眠いの?)

 

脳も休み出す始末で、あまり思考が働かない。

 

(ええと、今は散歩中で)

 

相手が居るのに寝てしまうなんていけない。

慌てて覚まそうとするがなかなか瞼が開かない。

 

「眠ったか。随分と睡眠薬が効くのが遅かったな。耐性でも持っているのか?」

 

意識が途切れる瞬間、そんな言葉が聞こえた気がした。

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