絶対転生特典間違えただろ in 咲-saki-   作:ナカタカナ

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 今回は二人目のヒロインを登場させました。


長野県には不思議な能力を持つ人間が多いのか?

 やぁ、読者諸君。みんなの十六夜くんだぞ。

 

 両親を亡くした俺は、婆ちゃんの家がある長野県で住むことになった。

 

 「婆ちゃん。きたぞ。」

 

 「おかえり、十六夜。今日からここがあんたの家だよ。」

 

 「分かった。ただいま婆ちゃん。」

 

 俺が家に着くと最初に婆ちゃんはそういって迎えてくれた。

 

 顔には出さなかったが、やっぱり「おかえり」っていってもらうのは、とても嬉しい。

 

 「晩御飯は何がいいんだい?」

 

 婆ちゃん家についてのは夕方だったので、すぐに晩御飯となった。

 

 エプロンが良く似合う婆ちゃんはニッコリと微笑んで俺に食べたいものを聞いてくれた。

 

 「そうだなぁ~、煮物は、作るの時間かかるから、だし巻き卵食べたい。」

 

 「なんだい、煮物が食べたいのかい?」

 

 「食べたいけど、また今度でいいや。今日は父さんが好きだっただし巻き卵が食べたい。」

 

 「はいはい、すぐに作るから待っててねぇ。」

 

 そういって、婆ちゃんは台所に立った。

 

 「さてと、荷物も置けたし。あっ、そうだ婆ちゃん。電話借りるぞ。」

 

 「いいけど、どこに掛けるんだい?」

 

 「岩手にいる友達。着いたら連絡してって。」

 

 「そうかい、ふふふ。」

 

 婆ちゃんの許可も取れたので、俺は豊音へと電話を掛けた。

 

 prrrrr ガチャ

 

 「もしもし姉帯です。」

 

 電話に出たのは豊音の母だった。

 

 「逆廻 十六夜です。豊音さんに代わってもらえますか?」

 

 「十六夜君。無事長野に着いたのね?」

 

 「はい、祖母が美味しいだし巻き卵を作ってくれるそうで、とっても楽しみです。」

 

 「そう、良かったわ。ふふふ、豊音ぇ~十六夜君よ!」

 

 「よいくん!! 代わったよ! よいくん無事に着いた?」

 

 豊音の母が、豊音に変わると半日聞かなかっただけなのに、豊音の声が懐かしいと思える。

 

 「ヤハハ、無事に着いたぞ。」

 

 「そっかぁ~よかったぁ~。えへへ、豊音ね、次よいくんと麻雀するときのためにね、いっぱい麻雀のテレビ見て勉強することにしたんだぁ~」

 

 「ほほう、それは楽しみだ。豊音も宿題忘れずにやれよ。俺がいなくてもできるよな?豊音は頭悪いわけじゃないし。」

 

 「うん、大丈夫だよ。私はお姉さんなんだからね!エッヘン。よいくんこそ、友達作り頑張ってね。」

 

 「ヤハハ、俺を誰だと思っている。十六夜様だぞ。俺に出来ない事はない。」

 

 「アハハ、ほんとよいくんは面白いな。」

 

 それから少し話をしていると婆ちゃんがご飯の用意ができたと教えてくれた。

 

 「ご飯できたみたいだから切るな。」

 

 「うん・・・ねぇ、よいくん。」

 

 「どうしたんだ?」

 

 「最低でも一週間に一回は電話してね。」

 

 「わかった。じゃあな豊音。」

 

 「おやすみよいくん。」

 

 

 

 

 

 

 

 「「いただきます。」」

 

 食卓に並べられた料理はthe和食というものだった。

 

 ホッカホカに焚けた白ご飯、だし巻き卵、みそ汁、たくあん、サンマの塩焼き。

 

 「おいしいかい?」

 

 「もぐもぐ、和食最高。」

 

 「そうかい、よかったよかった。あっ、ちゃんと噛まないと喉詰めるよ。」

 

 「大丈夫だって。みそ汁もすんげー温かい。」

 

 「ねぇ、十六夜。」

 

 俺が一心不乱に晩御飯を食べていると婆ちゃんの雰囲気が変わった。

 

 「あんた、神様に好かれてるねぇ。」

 

 突然の言葉に俺は胸をドキリとさせる。

 

 「ど、どうしたんだ急に?」

 

 「いんや、あんたの体には神様が宿ってる。私のお母さん。あんたの曾ばあさんは、鹿児島の霧島神鏡ってところで巫女さんをしてたんだよ。私もちょっとばかし、目はいいんだよ。」

 

 「へ、へぇ~。」

 

 婆ちゃんの語る内容に俺は内心をビクビクさせていた。

 

 「あんたの体は神様に好かれてる。それこそ、私はあんたくらい好かれてる人間を今まで見たことないね。」

 

 まぁ、女神様に転生させてもらいましたからなんて勿論言えるはずもなく、俺はただひたすらみそ汁を啜る。

 

 「両親のことは残念だけど、あんたがこうして生きてるのは神様が守ってくれたからかもしれないねぇ。」

 

 遠い目をしながら、婆ちゃんは箸を置いた。

 

 「そうだったらいいんだけどな。ヤハハ。婆ちゃんお代わり!」

 

 「はいはい。」

 

 

 

 

 

 

 

 婆ちゃんの家に住むことになってから三日経った。

 

 俺は近所の小学校に転入することになった。

 

 「今日から新しい友達ができるわよ。入ってきて。」

 

 担任は中年の女性で優しそうだった。

 

 ガラガラ

 

 「今日からこの学校に通うことになった逆廻 十六夜だ。」

 

 簡単に自己紹介を終わらせて、とっとと席に座らせてもらう。

 

 「逆廻くんの席は一番後ろのところ、あそこよ。空いてるところ。」

 

 そういわれ、俺は席に座った。

 

 「よろしくな。」と隣に座っていた女子生徒に挨拶をした。

 

 女子生徒は「えっ?」という困惑したような表情をしている。

 

 「わ、私が見えるっすか?」

 

 黒髪セミロングの女子はそんなことをいっていた。

 

 あれ、結構可愛いのに不思議ちゃんって奴なのか?

 

 「見えるけど、どうしたんだ?」

 

 「い、いや、大丈夫っす。」

 

 女子生徒はそのまま何もいわなくなった。

 

 それからというもの、転入生がやってくると必ずといっていい自己紹介タイムが始まった。

 

 「逆廻くんって何が好きなの?」

 

 「和食」

 

 「趣味は何? 野球部とか興味ない?」

 

 「野球は好きだけどクラブに入るつもりはない。趣味はしいていえば麻雀だ。」

 

 とまぁ、いろんな質問をされて疲れた。

 

 授業が始まると俺はすぐに夢の世界へと旅立った。

 

 

 

 

 

 

 

 女子生徒side

 

 私の名前は東横桃子っす。

 

 私を一言で表すなら無。

 

 なぜなら、誰も私を見えないから。

 

 私は昔から他人に認識されることなく過ごしてきたっす。

 

 それは家の中でもっす。

 

 きっとこれからも、私はこのまま過ごすのだろうと思ってたっす。

 

 でも、今日やって来た転入生は私のことが見えてるって、いや、まじ何者っすか。

 

 ずっと気になって声を掛けようとしていたんすけど、他の人が転入生に話しかけてて、私は話しかけれなかったっす。

 

 授業中に聞いてみようと思ってたんすけど・・・

 

 「・・・・・・・・・」

 

 『ね、寝てるっす。えっ?て、転入初日で普通居眠りなんかするっすか?』

 

 私の困惑はさらに大きくなった。

 

 「えぇ~と、ではこの問題を早速 逆廻くんに解いてもらいましょう・・・えっ、ね、寝てる?」

 

 すると、黒板に問題を書いていた先生が転入生を当てたっす。

 

 「うっそ~寝てるわ。この子、転入初日なのに居眠りだなんて、こらぁ~十六夜君。居眠りはダメよ。」

 

 先生が注意しても起きない。

 

 「もう、起きなさいッ。」

 

 いくら声を掛けても起きなかったため、先生は転入生の机を揺らして起こそうとしてるっす。

 

 「ふぁ~、んだよ先生? 休み時間か?」

 

 「授業中です! 居眠りはダメよ。」

 

 「はぁ~、分かった。起きてる。」

 

 「うん、わかればよし。それじゃ、あの問題解いて。」

 

 先生が出した問題は23×53でした。

 

 「黒板にひっ算と答えを書いて。」

 

 「1,219だろ。」

 

 「せ、正解。で、でも黒板にひっ算を「チョークがもったいなくないか? 俺にひっ算させたいんだったら100桁×100桁くらい持ってくるんだな。」なっ・・・」

 

 なんと転入生は頭が良かったっす。

 

 最近習うようになった2桁×2桁の掛け算を暗算で、しかも即答したっす。

 

 暗算くらいなら、私でもできるっすけど、でもあの速さは無理っす。

 

 えっ? いや、まじなんすか。机から顔をあげて問題を見た瞬間すよ。

 

 

 

 

 

 

 十六夜side

 

 せっかく気持ち良く寝てたのに起こされた。

 

 まぁ、仕方ないか。にしてもなぁ、小学三年生の算数なんて十六夜の頭脳からしたら余裕なんだよなぁ。

 

 かといって寝てたらしつこくおこしてくるし。めちゃくちゃ暇だぜ。

 

 そう思っていたら、隣の席に座ってる女子生徒が俺のことをずっと見てくる。

 

 「なんだ?」

 

 小声で話しかけた。

 

 「ほ、ほんとに私が見えるっすか?」

 

 女子はそういった。

 

 「だから見えるって。なんだよさっきから、お前もしかして幽霊かなんかなのか?」

 

 俺がそういうと女子生徒は急に席を立ち、教室を歩き回る。

 

 そんな奇行を他の生徒どころか先生すらも反応しない。

 

 「ほら、私は幽霊じゃないっすけど、他の人からは見えない体質なんすよ。」

 

 「ま、まじ?」

 

 これは流石の俺もビックリした。

 

 「お前、面白いな。俺と友達になってくれよ。さっきも自己紹介したけど、逆廻 十六夜。十六夜って呼んでくれ。お前の名前は?」

 

 「と、東横 桃子。モモって呼んで欲しいっす。」

 

 「そうか、よろしくなモモ。」

 

 こうして、俺は転入初日で面白い女子生徒モモと友達になったのだった。

 

 

 

 

 

 

 モモside

 

 『う、嬉しいっす。めちゃくちゃ嬉しいっす。初めてっす。私が見えるだけじゃなくて、友達ができるなんて。』

 

 顔には出してませんけど、内心では超ドキドキしてるっす。

 

 すると十六夜君は小さな紙を私の机に置いたっす。

 

 中を開いてみると・・・

 

 「授業中に話してたら怒られそうだから、こうやって話そうぜ。」

 

 十六夜君のほうをチラッと見ると笑顔を向けてくれている。

 

 彼自身の顔つきがワイルド系のイケメンのせいか、ちょっと肉食動物みたいっす。

 

 でも、嬉しかった。

 

 こうして十六夜君と出会った私は、ずっとモノクロだった人生に彩を感じたんすよ。

 

 

 

 




 モモちゃんってめっちゃ可愛くないっすか?
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