ファッション無惨様のごちゃサマライフ   作:頓西南北

31 / 64
今回、ほっこり魚沼市。


魚沼TSV ~転生者バリエーション~ 閑話 昼食時

 

 

 

   ◇    ◇    ◇

 

 

 

「サホリさんとタオさんの報告……ミサカシリーズの侵入に使われた結界の破れ目を特定、及び結界そのものは修復手順を完了、ですか。とりあえず問題はなさそうですね。後は、後日正式な祭祀班を派遣して修復作業を……おや?」

 

 ガイア連合魚沼支部の事務室にて、九重静は決済用の電子書類を表示したウィンドウを畳み、キーボードを手繰る手を止めた。卓上のデスクトップの画面から視線を外し、壁に掛かっている時計に目をやった静は、いつの間にか時刻が既に十二時を数分ほど回ってしまっている事に初めて気付く。

 

「もう食事の時間ですね。今日は確か、イベント会場で出るものと同じ────」

 

 周りを見回せば他の事務員たちも既に食事を始めているようで、残りは自分一人であるらしい。キリがいい場所でやめようとしていたら思いの外、時間が掛かってしまった。

 

 椅子を立って部屋の入口へと向かう。事務室に併設された給湯室には既に今日の食事が届いている。偽りの魚沼市で戦っている魚沼シェルターの異能者達に配給されるものと同じ献立で作られた今日の昼食は、新潟名物たれカツ丼だ。

 最後に残っていた一膳、ずっしりと重い丼を持ち上げて自分のデスクへと戻る。

 

「……何というか、想像以上に重いですね」

 

 重いだけでなく、丼の上に乗った保温用のフタも微妙にずれている。中身が多過ぎて、完全に密閉できていないというオチ。これが普通なら多分フタを取る前に冷めてしまっていただろうが、オカルト素材を利用した結界付与型の什器はそんな状態でも料理の温度と鮮度をしっかりと保全してくれているようだ。

 フタを外すと、丼の中には豊かに炊き上げられた純白のキクリ米がみっしりと詰まっており、特有の甘辛いタレに漬けた分厚いトンカツをその上に乗せた丼料理。

 

「うーん…………」

「どうしたんですか?」

 

 部下の事務員が声を掛けてくるのは、首を傾げた静の様子に気付いたからであり、その理由はといえば。

 

「いえ、今日のカツ丼、想像していたよりも多いんですよね」

「確かに、結構な量ですよね。まあ最初は驚きましたが、異能者は未覚醒者に比べてカロリー消費大きいですから、これくらいは普通に食べられますけどね」

 

 量が増えている事そのものは予期していたのだが、その増え方が想像以上に多い。普通に考えて丼に二枚ほど入っていれば十分なトンカツが、片手の指では足りない数になっている。丼に入りきらなかったのもそれが原因だ。

 

「実は、カツを一枚増やすように指示を出していたんですよ。ほら、あのミサカシリーズっていう子達、メシアンの実験体として苦労してきたようですから、作戦に参加するというのなら軽くでも労ってあげようかと思って。でも……想像以上に増えてますね。一体、どうしてなんでしょうか?」

 

 

 

   ◇    ◇    ◇

 

 

 

 偽りの魚沼市、鳥煮亭総合学園の敷地を利用して築かれた、偽りの魚沼市においては最も堅牢な陣地内にて。

 

 時刻はちょうど昼時、鳥煮亭総合学園の生徒達も食事時だ。さすがに周辺警戒を怠って全員が食べるというわけには行かず、校門周辺では門衛役の生徒が警備のイヌガミを連れて警備を続けているし、屋上のテントにも周辺監視の人員が双眼鏡片手に空や周辺地域を監視している。

 指揮下の人員をいくつかに分け、順番に休憩を取らせて交代制で食事をとる形式だ。

 

「そこの資材はこちらに。あちらの書類はFAXで外のセイアさんのところに。それから、巡回に出ていた哨戒第三班がそろそろ戻ってくるから、タオルとスポーツドリンクを人数分用意してあげてください。随伴していたイヌガミ達の分のドッグフードも忘れずに」

 

 そんな中、複数存在する生徒会長の一人である桐藤ナギサもまた、自身の仕事に勤しんでいた。

 一つ一つ指示を出していると、いつの間にか時間が経っている。既に時計の針は十二時を回り、20分ほど過ぎている。もういい加減、ナギサ自身も空腹を感じ始めているところだが。

 

「時間的に、そろそろ休憩に……いえ、もう一つくらいの案件は…………」

「ナギサ様、そろそろ休んでください。下が休めません」

「あ……」

 

 周りにいた生徒会員に注意されてはっと我を取り戻す。確かにその通り────それは上司として褒められたものでもない。

 

「そう、ですね。ではせっかくですし、休憩といたしましょう」

 

 優雅に紅茶の香りを楽しみながら昼食の時間。

 

 もっとも予期せぬ緊急事態が起きる事も考えて、安全第一のヘルメットは装備したまま。

 そしてメニューもカツ丼であるので、優雅というイメージとは微妙に掛け離れてはいたりして。御嬢様とて、カツ丼は食べる。紅茶とカツ丼は、あまり合わないが。

 

 中の質量で内側から少し持ち上げられている丼の蓋を開けて、ナギサはわずかに首を傾げた。

 

「……あら、少し量が多いですね。これなら、追加注文は不要だったでしょうか」

 

 そんなナギサに、同じく食事中の生徒会役員が話し掛けてくる。

 

「どうしました?」

「いえ、資料を見たのですが、あのミサカという子達、随分と酷い扱いを受けていたみたいですので、今日くらいは美味しいものを食べさせてあげようと思って献立のカツ丼のカツを一枚増量するように手配していたのですが……この量だと必要なかったかもしれないと思いまして」

 

 

 

   ◇    ◇    ◇

 

 

 

 偽りの魚沼市、平野部。

 

 水の涸れた田園地帯として描き出された平原地帯では、ガイア連合・過激派メシアン両勢力の大部隊がぶつかり合う一大決戦場が広がっていたものの、メシア教会側が戦略的転進……と銘打っただけの敗走を始め、ガイア連合側の指揮官である城之内克也が深追いを避けた事により、現在は一時的に戦闘が中断されていた。

 

「相手が逃げてくれるなら、その分だけ動き回って弱体化してくれるからな。逆に相手を追い詰めちまったら、むしろ逃げ場をなくした敵にヤケを起こして手痛い反撃を食らうかもしれねぇ。ここはじっくり行くところだぜ」

 

 と、そう結論づけた城之内は、この隙に補給を済ませ、休憩を取って昼食を食べておくように配下の部隊に指示を出し、デモニカのヘルメットを外す。そんな城之内の背中を、相棒である本田が頼もしげに叩く。

 

「何だ城之内、てっきり突っ込むと思ったんだがな。何だ、随分と大人になったじゃねえか」

「そりゃ俺だっていつまでもチンピラのままじゃいられねぇからな。戦術の一つや二つ、勉強はするさ」

 

 ちょうど新潟ロボ部に籍を置く“戦術の天才”二人────ヤンニキとラインハルトニキという黒札二人に師事して、基本だけでも教わってきた。まあ随分と出来と物覚えの悪い生徒だったが、それでも最低限の形にはなった、と及第点を出してもらえる程度にはなった模様。

 

 そんな彼らも、今回の昼食として配布されたたれカツ丼を受け取り、丼の蓋を取って……思わず目を見開いた。

 ずっしりと詰まった白米の上にこんもりと盛り上がった大量のトンカツ。やはり量が、多い。

 

 それは、彼らの上司にして姉貴分である九重静と同様の驚きだった。

 

「何というか、すげぇ量だな。中学生くらいの女の子もいたはずだけど、食べられんのかコレ?」

「うーん……まあ、異能者だし、食べられるんじゃないか、多分な……食べられるよな?」

 

 異能者は未覚醒者と比べ、傾向的にカロリー消費が大きい。だから多分食べられるはず、そう多分。

 

「ううん、やり過ぎだったかもしんねえな……」

「いや、お前の仕業かよ!?」

「いや、あのミサカって子達、いるだろ。メシアン共にいいように使われてひどい目にあってきたって話だからよ…………せっかくだから美味いモンでも、って思ってな。現場指揮官として、事前にカツ丼のカツ増やすように頼んどいたんだけどよ。いやー……やり過ぎだったかもしれねえな」

 

 

 

   ◇    ◇    ◇

 

 

 

 それとほぼ同じ時刻、同じ陣地内。

 

 十数分に及ぶ突貫工事で仮設された塹壕や柵、結界によって幾重にも守られた後方にて、士魂号やパワーダイザーといった大型兵器の整備は急ピッチで進められていた。

 

「換装用の腕部パーツ持ってきたぞ! クレーン上げて!」

「ボルトの締め忘れには注意しろよ! うっかりやらかしたら洒落にならんぞ!」

「うっしゃ! SSR引けた! 書けば出る教に入信していて良かった~!」

「弾倉の交換……待て、そっちはフォルマ弾倉だからMAG補給だけで十分だよ! そいつはあっちに持ってきな!」

「俺のターン! ドロー!」

「すいませーん! パワーダイザーの変形機構対応の増加装甲ってどっちに持ってけば!?」

「あの~、よろしければフェニックス様の氏子として入信しませんか! 今なら初回特典として────」

「ちょっとちょっと、そこ車両が通るから危ないよ!」

「霊装~霊装~! 今なら(スケベ部製の)経験値ブースト霊装がたったの5000マッカ!」

「ゼンラーだ! ゼンラーが出たぞ~!!」

「あのー、この部品ってどこ持ってけば……え、その辺!? ちょっと! 代名詞じゃ分かりませんよ!」

「おーい、ウチのウルトラボンド1ガロン分、どっちにいったか知らない……え!? ちょっと使っちゃったって何やってんの~!?」

「ちょっと、ここに置いてあるロングレンジライフル誰の!? こんなとこ置かれてると邪魔なんですけど~!」

 

 一つ一つは強烈な意思表示を込めた怒鳴り声でも、その喧騒から一歩離れて聞き流していれば、それはまるで潮騒のよう。そんな騒がしい仮設整備場の一角にて、戦場から戻ってきた武田観柳は自身の士魂号を仮設されたハンガーへと滑り込ませた。

 通常のパーツと比して大型に作られたホバー脚が噴出していた圧縮空気の渦が停止し、機体の脚が接地する。それと共にホバー駆動用に脚部関節を固定していたロックが解除されると、武田は機体をハンガーへと固定し、片膝を地面に突いた降着姿勢を取らせたままコクピットのハッチを開く。

 

「皆さん、ただいま帰りましたよ! 早速ですが整備を頼みます。備品や消耗品は遺漏なく揃えてありますから、普段通り万全にこなしてくれればボーナスは弾みますし有休も出しますよ! 特に今回はイベントですからね!」

 

 機体から降りてきた武田が声を張り上げると、金で雇った専属の整備士の間に小さくどよめきが走る。地味にせせこましく儲けているこの男が、こういう時には金をケチらないのをよく知っているからだ。

 金の亡者だが金離れもよく、金を得るために金を使うのを惜しまない。それで上手く回っている理屈は実に単純、コイツとにかくやたらと金稼ぎが上手いのだ。

 

「任せてください! 完璧に仕上げてみせますから!」

「ボーナスはお願いしますよ!」

「一生付いていきます!」

 

 急にやる気を出し始めた整備チームが調子の良い声を上げるのに鷹揚に笑って返し、武田は弟子であり相方である阿爛と合流すると、途中に遭った自動販売機でスポーツドリンクを買って、少し離れた休憩スペースへと向かう。その背中で、テンションを上げた整備班達が自分達の仕事へと没頭し始めた。

 

「おい、オイル取ってこい! 違う! 関節用じゃねえ、人工筋肉シリンダー用だ!」

「うっす! もう用意済みっす!」

「そこの工具取って!」

「装甲のネジはがっちり締めておけよ!」

「ジャッキ上げまーす!」

 

 そんな様子を一歩離れて見下ろしつつ、整備中の士魂号カスタムから少し離れたベンチの上にて、阿爛は肩をすくめた。

 

「調子のいい連中ですねえ……」

「それでいいのですよ。元気があって大変よろしい! いいですか阿爛、労働者にやる気を出させるために大切なのは、やれやり甲斐だの、やれアットホームな職場だの、そんなものではありません! まず第一に給料、つまり金! 金! 金! そして適度な有給休暇です! やり甲斐など金で買えます! この二つさえ押さえておけば、給与額と銀行残高を見た労働者は勝手にやる気を出しますし、職場も勝手にアットホームになります! 後は過労だの労基だのとかいう悪魔より面倒臭いナマモノを避けるために適度な休暇を与えておけば、理想の労働環境など後から付いてきます!」

「超絶即物的な暴論ですねえ…………」

「無論、モノを売るのが商人の仕事ですから。我々が売っているのは商品であって、精神論ではありません! そういうのは宗教家やガイアニの脚本家に任せておきましょう!」

 

 即物的だが、金払いもいいし、部下に無理な労働を強いる事もない。

 部下の功績は自分のものだと言い張ってやまないから、必要なだけ部下を労わる。

 部下の給料は投資だと割り切っているから、投資を惜しまない。

 

 ……割と良い上司では? という疑問に、阿爛は首を傾げつつ、いつの間にやらどっしりと重量のあるカツ丼の器を手に食事を始めていた武田を横目で見やる。

 

「ふふふ、副支部長と現場指揮官と兵站担当者の三者から肉を増やすよう指示があった時には驚きましたが、問題ありませんね。ガイアミートの供給能力は東北地方の需要に完全に応える事が可能……そのアピールとしては十分過ぎる成果といえるでしょう」

「あのー……それって売名行為では?」

 

 弟子であり相方の阿爛が肩をすくめるが、武田は相変わらず満面の笑みを浮かべたまま。

 

「その通り! しかし、それの何が悪いというのです? 我々は商人! 金が全て! ならば名前すらも売り物です! 特に信用とは単純に大金を積んだだけでは買うどころか余計に失う厄介な代物、であればこういった機会にコツコツと売名行為を行って信用を積み重ねていくのが合理的な利益追求というものです! 違いますか?」

「まあ、それはそう」

 

 何かいっつもハイテンションだよな、と阿爛の内心は呆れながらも感心するもので。ほくそ笑む顔も中身も悪徳商人そのものなのに、そのテンションのまま意外にも真っ当な事を考えていたりするから侮れない。

 

 

 

   ◇    ◇    ◇

 

 

 

 偽りの魚沼市、市内。

 

 住宅街の一角、アパートの屋上でピクニックシートを広げているのは、部長の栗山アイリが率いる放課後スイーツ部と、親の後について歩くカルガモの雛よろしく一緒についてきたミサカシリーズの少女達。

 アパート自体に簡易的なバリケードを置いて、簡単ながらも安全確保。その上で始める昼食は、生憎とサイケデリックな緑色の空のせいもあって、絵に描いたような楽しいピクニックとまではいかないが、しかしその場に漂う空気は和やかなものだった。

 

「至福です、とミサカはお腹を押さえながら言ってみます」

「しかし太ったりしないでしょうか、とミサカは少々の危惧を口に出します」

「食べた分だけ動けば問題ありません、とミサカは不安から目をそらします」

「それはそれとしてもう少し食べられそうな気もします、とミサカはこっそり付け加えます」

 

 食事を終えたミサカ達も揃って満足そうな表情を浮かべており、その内の何人かが空になった丼を重ねて回収している。そんな中、ミサカ達の一人が首を傾げた。

 

「そういえば、ガイア連合では毎日こんな料理を食べているのですか、とミサカは率直に質問します」

「今日はお祭りご飯だから特別、かな。それにメニューは毎日違うものだしね」

 

 問われた杏山カズサは、そう言って肩をすくめた。

 

「……毎日、違うものが食べられるのですか、とミサカは首を傾げて聞いてみます」

「そりゃ、魚沼シェルターは結構豊かだからね。他のシェルターだとそこまで色々とは食べられないって話だよ」

 

 終末期の世界情勢を鑑みても、魚沼シェルターは食料的に恵まれており、豊かな方だ。キクリ米の稲作が盛んだから食料が足りなくなることはまずあり得ないし、ガイアミートの食肉工場などもあってそれ以外の食材の生産にも力を入れている。

 一方、過激派メシアンの研究によって生み出された人造人間であるミサカ達のこれまでの食生活は実に貧相────毎食、天使の祝福が付いてとりあえず腹が膨れるだけの無酵母パンが一枚に、水が一杯。情報共有によって“本体”の記憶が閲覧できたためメシアンの食事の悲惨さが分かってしまうだけに、生まれて初めての“人間らしい食事”は衝撃的だった。

 

「ちなみに、デザートもあるわよ」

「「「「「「「デザート!?」」」」」」」

 

 デザートと聞いたミサカ達が、発言主である茨木ヨシミへと一斉に振り返る。それに気圧されたように視線を逸らすヨシミと入れ違いに、栗山アイリが小脇に抱えていた大型のクーラーボックスを開くと、冷気と共に甘い匂いが漂った。

 中に収まっていたのは大量のアイス……半分はチョコミントアイスで、残りはバニラやイチゴなど各種フレーバーだ。

 

「……これは、とミサカは喜びを表明します」

「こう見えて、ちょっとした特技なんですよ」

 

 栗山アイリは魔法系の異能者で、得意とするのは【ブフ】系の氷結魔法と、【ディア】や各種状態異常回復の治癒魔法。それだけであればごく普通の魔法系異能者であり、とりわけ氷雪を操る【ブフ】系魔法使いはガイア連合魚沼支部のトップである田舎ニキを筆頭に、魚沼ではさほど珍しい存在でもない。

 だが非常に珍しいアイリだけの特性として、妖精メンテーの権能を原型とする固有スキル【薄荷の祝福】により、【ブフ】系魔法によって通常の氷雪とは異なる、チョコミントアイスを生成し、発射する事ができる。最近では研鑽と権能の掌握により、チョコミントだけでなくバニラやチョコ、イチゴなどの各種フレーバーへの変更もできるようになっていた。

 

「と、いうわけでデザートはアイスです。結構いくらでも作れるからおかわりもいいけど、お腹を壊さないように気をつけてね」

「「「「「「はーい!」」」」」」

 

 号令もなく綺麗に整列したミサカ達に、スイーツ部の面々は手渡しでアイスを配り始める。中には、そちらに混ざって配る側を手伝い始めるミサカもいて、顔立ちは全員そっくりでも、ほんの少しずつ個性が出てきているのが何となく分かる。

 まだまだ区別は付かないが、それでも時が経つにつれて、その内に分かるようになるだろう。時が経ち、ミサカ達が成長して各々の個性を発達させ、あるいは魚沼市の人々が彼女達をよく知るようになって。

 

「……早く、そうなるといいね」

 

 アイスを配り終えたアイリは、その視線を遠く、眼下に見える魚沼市の市街へと向けた。絵として不気味に歪められた魚沼市の市街も、遠くに見える山々の稜線も絵として描かれた偽物だが、しかしそこに本物の名残を見て取る事はできる。

 そんな自分達が暮らす平和な町が、彼女達の居場所になっていけばいい。そんな未来を夢想する。

 

 

 




 次はラストバトルになるので、その前に入れておかなきゃならなかったシーン集、みたいなの。



~割とどうでもいい設定集~



・樹島サホリ&磯野上タオ
 原作キャラ。『真・女神転生V』に登場。
 名無しのレイ様『【カオ転三次】故郷防衛を頑張る俺たち』の『邪神ラフムの進軍。後編』にて登場。
 終末に際して東京から魚沼シェルターに避難してきた避難民であり、終末後の現在はガイア連合系の学校に通学している。
 所属している学校内で異能者としてそれぞれ成績1位、2位を取得し、その褒美として劔冑型デモニカ『零零式竜騎兵甲』を授与された。

・ヤンニキ&ラインハルトニキ
 Lilyala様『【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録』より。
 銀河英雄伝の主役っぽいビジュアルの黒札。両者共に元ネタ通りの才能をもつ戦術の天才だが、中身の性格は普通に俺ら。

・栗村アイリ
 元ネタは『ブルーアーカイブ』。
 放課後スイーツ部の部長。
 現地民の銅札異能者。
 異能者としてはブフ系の氷結魔法と、各種状態異常回復を含む回復魔法に長けるし、銃やアイテムも使う。クラウドコントロールとヒーラーを兼ねたパーティでは欠かせない支援担当。
 直接的な戦闘能力はそれほどでもなく、スイ部の中ではタイマン性能は最下位だが、特異性は高く、妖精メンテーの転生体としての権能に由来する固有スキル【薄荷の祝福】を持ち、氷結魔法によりアイスを生み出すとかいう、同じ氷結魔法使いとして遥かに格上の存在である田舎ニキでも多分できない(やらない。やろうとも思わない)事ができる。
 なお本人に転生体としての自覚はほとんどないし、その辺を理解するつもりもない。

・【薄荷の祝福】
 栗村アイリの固有スキル。ミントの女神である妖精メンテーへの転生体としての権能に由来する。
 原作再現スキルだが、原作だとあのサイズのアイスをどうやって持ち運んでいるのだろうか?
 【ブフ】系の氷結魔法により、通常の氷雪ではなくチョコミントアイスを生成、発射する。【マハブフ】ともなれば車両すら呑み込むサイズの特大チョコミントアイスを射出する。
 威力には変化がないが、凍結の発生確率が微増し、さらに【スクンダ】効果が追加される。
 後天的な努力によりフレーバーを増やす事ができ、現在はバニラ、チョコ、イチゴなど基本的なところは押さえている。なお元々の権能元がミントの女神であるため神話的な属性がミントに近いほどやりやすく、薬草の属性を持つ植物系フレーバー、特にギリシャ系に縁があるものが望ましい。
 またアイスだけでなくソフトクリーム用のコーンなども用意できる。
 他に地面にミントを生やす事もできるが、元々のミントの性質として繁殖力が非常に洒落にならないため、農業の盛んな魚沼市では時と場所と状況を選ばなければ大惨事を引き起こす。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。