ファッション無惨様のごちゃサマライフ   作:頓西南北

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今日はアリスメインの話。


永久凍土探索行 とある支部長との関係性

 

 

 

   ◆    ◆    ◆

 

 

 

 数知れない影蟲が群舞する黄昏の空。

 空間を塗り潰すように底も果ても知れない闇。

 芙蓉の薫煙を漂わせながら上空に浮かぶ中華の大宮殿。

 

 それら、多重展開された三重の固有領域が、もはや維持する力も失われ、粉々に砕け散り、崩れ落ちていく。

 

 世界が、本来のカタチを取り戻していく。

 

 

 ロシア上空────空が、蒼く輝いていた。

 

 普段であれば重苦しい灰色の雪雲に覆われ、息を吸うだけで肺腑の奥まで凍てつかせる絶対零度の寒気の中を、吹き荒れるブリザードに乗って赤子大の雹塊やギロチンのごとき首斬り氷柱が荒れ狂う死の世界────それが今や、晴れ渡っている。

 

 ロシアという大地を覆っていたのは自然の猛威が生み出した超強度の異界法則。三重の固有領域すら内側から突き砕く黒輝の神風がそれを吹き散らし、その結果として永劫に続く厳冬の極寒地獄を抉り貫き、ほんの一時ながら蒼く晴れ渡った空を地上に垣間見せていた。

 

 

「昴の群星奏でる唄、王の蔽衣が羽搏く中にて、誰に聞かれる事なく消えてゆく、薄暮のカルコサの地で。我が声は涸れ果て、謳われる事なく消え去るは我が魂の詩。もはや涙も流れる事無く渇き果てるはカルコサの地────唄は消えよ、声は絶えよ、涙は!!」

 

 

 その只中、数千メートルの距離を落下しながら。

 

 

 

「流れるまま涸れ果てよ────!!!!」

 

 

 

 神威招来────邪神ハスター。

 

 

 僕のペルソナ『塔・シュブ=ニグラス』が司る魔術の権能において、邪を祓う邪悪、魔を討つ魔性たる風の神格が、悪魔召喚プログラムなどという紛い物にあらず、“混沌の言語(カオス・ワーズ)”で編纂された正統なる召喚儀式によって、神話にて語られる本来の規模でもって呼び起こされ、直径数千メートルにも及ぶ巨大な竜巻と化し。

 

 圧縮し。

 

 乱回転させ。

 

 それをさらに寸毫の間に幾度となく圧縮と乱回転を繰り返す事によって形成される【風遁・螺旋手裏剣 Ver.邪神】が────全であり一なる、門にして鍵なる、虹色にして極彩色の球体群の中央へと直撃し、抉り砕いていく。

 それは存在の根底から概念的に捻じれ絡み合った呪詛と狂気と暴風の三重奏、ナノサイズの微細な刃と化した魔の神風が毒のごとき攻撃密度で、時空間の邪神を暴食していく。

 

「クトゥルフ神話の世界なら、圧倒的に格上の神格────でも、この世界はメガテンだ。相応のレベルがあれば、対クトゥルフ邪神特攻持ちのハスターの方が、相性面で上回る」

 

 それは本来であればそれは外宇宙の脅威、“人類史における想定外”という属性ゆえに、常に人類の想定と対応力を越える事を権能として許された神格。その数少ない対処法こそが、同種・同系統に属するクトゥルフ神話の神をぶつける事であり、ゆえにクトゥルフ神話に属する神格は少なからず同族に対しての強い特攻を持つ。

 その中でもハスターこそは、“邪神を討つために召喚される神”。ゆえにこの風神は、同種の神を祓う同族殺しの権能を持ち────その苛烈さは、同じく旧支配者の対抗存在として創造された旧神どもすらも凌駕する。

 

「これで、最後だよ」

 

 時空の神────邪神ヨグ=ソトースが悲鳴を上げた。無数の球体群から破滅的な震動を放出しながら多重に響き渡る絶叫は、それは正しく断末魔の叫びであり。

 

 それを聞きながら、僕は落下していく。

 自由落下の加速に身を委ねて、そのまま真っ逆さまに地上へと。

 

 右半身を大きく抉られ、そちら側の手足は根元からどこかに千切れ飛び。

 最後の【風遁・螺旋手裏剣】の反動により左腕も、また。

 

 既に姿勢を立て直す力もなく、落下していく。

 

 ただ、最後の足掻きとばかりに、邪神は半ば砕け落ちながらもなお残存する球体の狭間から無数の触手を放出し。

 あれに巻き込まれれば、やはり僕自身もただでは済まないのだろうな、とは直感で理解できた。

 

 だから。

 

「使いたくなかったけど、使うしか、ないか」

 

 深呼吸、一つ。

 

 落下しながら。

 

 今にも消えそうな生命力の灯を、身体機能の維持も度外視して生命それ自体を削ぎ落すように霊力へと変換しながら。

 

 魂の奥底にあった鍵を、あるいは枷を、一つ、外す。

 

 魔術的な。

 呪術的な。

 あるいは、心理的な。

 

 途端、僕の。

 

 頭上に頂く宝冠のように、星の煌めきが。

 肩から羽織る外套のごとく、太陽の光輝が。

 両脚を飾る羽衣のごとき、月光の輝きが。

 

 溢れ、あるいは足元を覆う猛禽の翼のごとく広がって。

 

 

「────【■■■■■■奇■】」

 

 

 柔らかな純白の輝きが、その場に拡大していく。

 

 全体蘇生。

 状態異常治療。

 復活禁止強制解除。

 

 現存するあらゆる信仰の中でも最上位に位置する“奇跡の権能”が、既に死亡状態に陥り、動けなくなっていた仲魔達全てを復活させていく。

 

 地母神セドナ。

 神獣レプンカムイ。

 邪神イタクァ。

 霊鳥コタンコロ。

 軍勢チシナプ。

 魔王キングフロスト。

 外道エペタム。

 神獣キムンカムイ。

 軍神ホンカンカムイ。

 破壊神チェルノボーグ。

 

 そして。

 

「待った?」

「うん。待ってたよ、シトナイ」

 

 

 ふわり、僕の半身にして伴侶であるシキガミが、僕の身体を受け止めた。

 

 

「じゃ、最後は任せたよ」

「うん、任された」

 

 氷雪まとう大鉈を振り下ろしたシトナイを中心にして一斉に降り注いだ攻撃が、生残の余地もなくヨグ=ソトースの霊基を破砕していく。そうして、後には雪が積もった大地と、蒼く晴れ渡った空ばかりが残り。

 

「ごめんね、マスター。私がもっと最後まで耐え切れれば良かったんだけど」

「いや、僕も僕で問題だった。耐性に頼り過ぎてたんだよね。いくら貫通無効化スキルの権能化ができてるからって、それを権能域で上回られたらどうしようもないのにさ」

「……マスター、それは私達の課題だよ。私達が、マスターの耐性に依存し過ぎていた」

 

 それはそれで、召喚主である僕の責任になる気もするけどね。

 

「じゃあマスター、今は休んでいて。残り、後片付けくらいは私がやっておくから」

「うん。フォルマの回収とか色々、お願いね」

 

 そっと頭を撫でてくれたシトナイが、治癒魔法を発動させて傷ついた身体を治療してくれる。その暖かさに身を委ねて、最後に言い残して意識が途切れようとした、その時。

 

 こちらに向けていた顔を跳ね上げるようにして、シトナイが頭上の空を振り仰ぐ。

 

「マスター、接近反応。北極圏を横断して、北の空から何か来る。これは────何? 敵味方識別信号が味方になって……?」

 

 僕も、その反応を捉えていた。相手の動きはこちらを意識したものじゃないが、しかし既にこちらの存在に気付いている。この反応を、僕は知っている。

 

「大丈夫だよ、シトナイ。あれは敵じゃない」

 

 北海の空を抜けてこちらへと飛来する気配────白亜の鋼鉄で全身を装甲した人造の猛禽『ホワイトグリント』。

 

「何これ? ……マスター、メッセージが届いてる。今読み上げるわね。えっと……『前方進路の確保、感謝する。無理せず、負傷を軽視せず、十分な休養を取る事を心掛けられたし』だって。……そんな事を言うなら、始めから手伝ってくれてたら良かったのに」

「いや、これでいいよ。今、あの人はインドのメルカバーとの戦いで忙しいはずだ。むしろ他の事で邪魔するのは良くないし、それに……あの人に手伝ってもらったら、報酬の総取りもできないし、ね」

 

 最低でも120レベルを越える邪神ヨグ=ソトースのドロップ。最低でも神核を含むフォルマの類、できれば神器とか、そういったものもあれば嬉しい。

 

 今回の戦闘でボロボロになった装備の新調。

 大事な半身であるシトナイの強化。

 極地探索の為の新規装備の製造。

 

 それら全部やっておきたいし、その為に“シュブ=ニグラスの配偶神”であるヨグ=ソトースのフォルマは、あればあるだけ絶対に欲しい。

 

「もう……強欲は身を滅ぼすわよマスター」

「必要だから欲しいんだよ。特に今は、少しでも強くなるために」

 

 封じていた“資格”を解放してしまった今となっては、とりわけ。

 

 南────インド亜大陸の方角へと飛び去っていくホワイトグリントの背中に向かって、シトナイの腕に抱かれながら僕は軽く手を振った。それに鋼の腕を掲げて応え、ホワイトグリントの機影はそのままヒマラヤの向こうへと消えていく。

 

「懐かしいよね、⑨ニキ。何年ぶりになるかな、しばらく顔、見てないけど」

 

 確か、あの人と僕が出会ったのは────僕がこのロシアの探索に乗り出した、ちょうど最初の頃の話だ。

 

 

 

   ◆    ◆    ◆

 

 

 

 そう、あれは数年前。

 

 僕がその大先輩────⑨ニキこと『藤原朱莉』さんと出会ったのは、ちょうどそれくらいの話だった。

 

 ちょうどその日は、現在におけるロシア探索の足となる多脚戦車の受け渡しの当日だったから、僕とシトナイは連れ立って、ガイア連合のロシアにおける橋頭保であるウラジオストク支部を訪れていた。

 

 ガイア連合ウラジオストク支部は、半終末を迎えた際に現地に留まっていた黒札によって建造されたものだ。この支部は、日本海に面した巨大な港湾施設を持ち、ロシア及び中華戦線に対する一大戦略拠点ともなっている。

 そのため対終末を前提にした大都市規模のシェルター結界に覆われ、極寒の氷結地獄である外界と隔離されたウラジオストク支部は国際色豊かで混沌としている。地元の現地民であるロシア人街、ガイア連合から出向してきた連合員を中心とする日本人街だけでなく、中華戦線からの離脱者が集まって形成された中華街などが存在し、通りを行き交う人々も肌の色から服装まで本当に多種多様で、実に国際色豊かだ。

 

「んー……すごい場所だね」

「そうね、マスター。はぐれないように手を繋いでいきましょ」

 

 遠目には今のウラジオストクで一番大きな建物であるガイア連合ウラジオストク支部の中枢、阿弥陀如来と英傑オオタカクミンを本尊として祀っている浦潮本願寺が見える。仏寺という割には全くそれらしく見えない近代的なビルだ。

 だが行き先はそこじゃない。客引きや商談の声が飛び交う猥雑とした商店街の大通りを抜けて進んでいくと、シェルターの周囲を取り囲む外壁に貼り付くように建っている大型施設────旧ウラジオストク空港を改装した格納庫区画へと辿り着く。

 

 巨大な格納庫には、大きな滑走路を必要とする航空機が半分。残り半分は多脚戦車に代表される地上用の車両や、多種多様な人型ロボの類。運用も製造目的も何もかもが異なる機体群が一つの施設で管理されているのは、面倒な“技術者”という人種を一括管理して一つの箱に押し込めておくためだ。

 

 ウラジオストクのマップをインストール済みのシトナイに手を引かれて、フェンスと外壁に覆われた格納庫区画へと辿り着いた僕は、重金属製の分厚いゲートの手前に置かれた設置端末に自身のガイアポイントカードを翳す。

 僕の個人情報を読み取った端末が小さく電子音を鳴らすと、外壁を守っていたウラジオストク支部所属の兵士達がそれを確認し、自身の端末を操作してゲート脇の通用口を解放する。

 

「ちょうどこんなタイミングにやってくるだなんて、本当に運がいいな。ほら、あっちだ。見てみるといい」

「おや、あれは……」

 

 兵士の人が指し示す先を視線で追うと、空から舞い降りてくる白亜の大鴻の姿が見えた。胸元から巨大な嘴を伸ばしたかのような白亜の人型は、澄んだエメラルドグリーンに輝くマグネタイト光を散らして空中で減速し、ゆっくりと滑走路に降り立った。

 

「────呉のMk.Sein。でも、公開情報とは少しカタチが違う」

 

 この時期にはまだ現役で運用されていたMk.Seinが背に負うのは、大型ブースターと追加のプロペラントタンクを大量かつ無理矢理に掻き集めて組み上げたような異形の追加ユニット。

 

「お、知ってるのか。新装備の超長距離試験飛行だってさ。ブリテンから西に向かって、カナダ・アラスカの上空を一直線に飛んで、それでこのウラジオストクまで。後はこっちの格納庫で整備と補給をしたら、その足でニホンまで戻るんだとか。それで今、ニホンから来た技術屋がえらくたくさん来てるんだよ」

「何と……それはまた。そんなイベント当日の受け渡しとか、びっくり」

 

 そんな事を教えてくれた兵士達に頭を下げると、僕は格納庫区画へと踏み込んだ。

 

 

 

   ◆    ◆    ◆

 

 

 

 格納庫の中は、やはり猥雑としていた。空間拡張により広大な格納庫が狭く感じるほどに所狭しと並んでいるのは終末環境と、そしてこの極寒地獄のロシアの環境に対応した現地改修型の航空機群。とりわけ、今回の件で呉支部から提供された多数のヴァルキリー型可変戦闘機が目に付く。

 

 だが、何より目を引くのは格納庫の中央で降着姿勢を取ったままハンガーに固定されたMk.Seinだ。飾り気のない白亜の鎧に身を固めた騎士のような、あるいは大理石から剥き出しの筋肉を削り出した逞しい闘士像のような、工学的であり生物的な奇妙な存在感を持つ特徴的なフォルム。

 その周囲には多数の技術者が集まり、互いに鋭く意見を交わしながら機体整備を進めている。

 

 その様子を見守っていると、Mk.Seinの背中に装着されていた巨大なスラスター群がゆっくりと取り外されていく。本体との接続を解除された瞬間、いくつかのスラスターが爆ぜるように砕けてマグネタイトの粒子と化し、消滅する。たぶん破損個所をマグネタイトで無理矢理でっち上げる形で修復していたのが、機体との接続を解除した影響で、ああやって存在を維持できなくなって消滅したか。

 

「えーと、多脚戦車の受け渡しまで、あと30分か……ちょっと時間あるな」

「どうするマスター。ここで見学してく?」

「うーん、それも悪くないと思うけど…………」

 

 どうにも、ぴんと来ない。眼前の巨大ロボに興味がないと言ってしまえば嘘になるが、さりとて、今この場にいてどうなる、って気もするし。うんうんと首を捻っていると。

 

 

 

 どこからか、くるっぽー、と迷い込んだらしき鳩の鳴き声が聞こえた。

 

 

 

「…………ふむ」

 

 

 一つ頷いて、僕は山梨にいるはずのショタオジへと一つ連絡を入れる。『ウラジオストクの格納庫近くで、鳩の鳴き声が聞こえました。嫌な予感がするので探索に入りますが、関係各所への指示その他、それからもし何かあった時にはフォローお願いします』と、そんな事をメールで。

 ⑨ニキ含む複数人の実力者が張っている場所に普通に割り込んでくる“鳩の神格”なんて厄ネタ、どう考えてもショタオジ案件だ。

 どこにどういう報告をして、どういう指示を出すかも含めて、ショタオジに判断を投げるのが最善だという。

 

 ……何事もないなら、それが一番いいんだが。

 

「どうしたの、マスター」

「決めた。シトナイ、ちょっとステルスお願い。……軽く探検してみようよ」

 

 不思議そうに首を傾げた相棒に、僕はそんな事を口にした。

 

 

 ……どうやら、呼ばれているらしいので。

 

 

 

   ◆    ◆    ◆

 

 

 

 広い格納庫に置かれている車両群────終末対応された雪上車や多脚戦車その他諸々の車両の間を何も言わずに進み、関係者以外立ち入り禁止と書かれた扉のところまで。

 厳重な電子ロックと結界で封じられた扉だが、ロックの読込端末に呪詛を流し、そこに乗せた魅了効果で概念的に機能を乗っ取り解錠すると、外部に一切の異常を伝える事もなくドアは開く。

 

「ま、このくらいのセキュリティなら普通に何とかなるかな」

 

 ドアが開いたことそのものにも周囲に気付かせない認識阻害で自分を守りながら、中を進んでいく。内部は結構厳重な警戒が敷かれていて、呉支部ロボ研の協力もあって増設された監視カメラや探知術式も幾重にも張り巡らされているが、まあその辺はシトナイのステルスでどうにもなる。

 シトナイのステルスはショタオジの使役するオンギョウキに由来する、ショタオジ基準の隠蔽ができるとかいう、ガイア連合からしてもイレギュラーな能力だ。たとえ上位修羅勢であっても簡単に察知できるような代物じゃない。

 

 厳重に守られた科学と魔術の要塞を無人の野のように進んでいくと、やがて厳重に守られた扉があったので守衛らしき異能者の脇を通り抜け、最初の扉と同じようにロックを解除して中に入ると、何やら会議の最中だったらしく、椅子に座っている中には見覚えのある顔も何人かいた。

 

 ウラジオストク支部長である臥藤門司さん。

 そのパートナーにしてウラジオストク支部の本尊である英傑オオタカクミン。

 それ以外にも知った顔のウラジオストク支部の幹部陣の何人か。

 ここから転移でMk.Seinを持ち帰る予定だというイナバニキ先輩。

 

 そして、その中でも一際目立つ、銀色の髪の少女────いや、少年か。呉支部の支部長をしてる藤原さん。

 コスプレ霊装を流用した特徴的なパイロットスーツの形に加え、小学生くらいの年齢から身体が成長してないらしく、それこそ女の子にしか見えない。

 

 

 驚いたのはそのタイミング────そんな藤原さんがいきなり椅子から転げ落ち、倒れたまま血反吐を吐き出した。床に広がった血痕の中に含まれていたマグネタイトが結晶化して、気泡のように無数の白い羽が浮かんでくる中、僕はシトナイのステルスから抜けて藤原さんを抱え起こした。

 突然現れた僕の姿に、周りの人たちが驚愕を露わにするが、無視。今そんな状況じゃないし。

 彼の容態を見て、あ、これマズいわ、と初見で分かったので、とりあえず応急処置からの緊急治療に移る。結構ヤバ目の症状だけど、とりあえず僕なら能力的には何とかなりそう……というかコレ、治療のためには医療部よりもスケベ部員が必要になってくる類の負傷だよ。

 

 駄目だこりゃ、しゃーない。

 

 仕方がないから。

 

 ⑨ニキの体を抱えた僕は、血で汚れた⑨ニキの口をちょっとだけ開くと、喉奥に残った血塊を吐き出させ、そして────唇を重ねて舌を入れた。

 

 

 

   ◇    ◇    ◇

 

 

 

 状況を擬音一つで表すなら『ズキュウウウン!!』だろうか。

 

 唐突に倒れた⑨ニキに動揺していた事もあり、その場に揃っていた全員、大半がガイア連合の上澄みともいえる腕利きの異能者だったにも関わらず、厳重に警備が敷かれていたはずの会議室に何の脈絡もなく現れたアリスに何の反応もできず。

 どこからか迷い込んだ鳩の間抜けな鳴き声が響く中、唐突に⑨ニキの唇を奪った挙句、舌まで入れ始めたアリスの行動を前に、その場にいた大半が呆然と見守るしかなく。

 

 

 否、ただ一人────ある意味一番どうしようもなく真性のトリックスターであるイナバニキだけが、その場の空気を読まずに行動する。

 

 つまり。

 

 淡々とスマホカメラを取り出し、DDSを通じて生中継を始めたのだった。

 

 

 

   △    △    △

 

 

 

443:名無しの転生者

 エッッッッッッ

 

444:名無しの転生者

 エッッッッ

 

445:名無しの転生者

 エッッッッッッッ!

 

447:名無しの転生者

 エッッッッッッッッッ!

 

450:名無しの転生者

 エッッッッッッッッッッ

 

451:名無しの転生者

 エッッッッッッッ!!

 

453:名無しの転生者

 エッッッッッッッッ!

 

456:名無しの転生者

 エッッッッッッッッッッッッ

 

457:名無しの転生者

 エッッッッッッッッッッッッッッ

 

 いやもう、ちょっとこれ滅茶苦茶エロ過ぎない?

 

458:名無しの転生者

 イナバニキGJ

 

460:名無しの転生者

 ●REC

 

461:名無しの転生者

 エッッッッッッ!!

 

462:名無しの転生者

 皆同じ事言ってて草ww

 

463:名無しの転生者

 抜いたわwwww

 

464:名無しの転生者

 時折⑨ニキの腰のあたりがビクンッってなってるのが最高にエロい。

 

465:撮影スタッフ

 少なくともウチの撮影所で撮ってるネタAVの数々よりは確実に抜けるwwwww

 

469:名無しの転生者

 というかこれ、片方は⑨ニキだよな。

 もう片方の子、誰よ? ナインズの新メンバー?

 

470:名無しの転生者

 >>469

 アリスネキだと思う。

 命の恩人が極限状態のロシアにいるからって、ロシアに行こうとしてる男の娘。

 

471:名無しの転生者

 狩人ニキのロシア版みたいな子なのか。

 それは応援したいな。

 

472:名無しの転生者

 まあ狩人ニキと違って、現地民との関りはあまり持たないみたいだけどな。

 その場でできる範囲の事しかやらずに、顔も見ない会話もしないでさっさと立ち去る方針だとか。

 

473:名無しの転生者

 というか♂だって分かってるのにネキ扱いなんか。

 

474:名無しの転生者

 あれだけ美少女だとな。

 ぶっちゃけ、普通に男のカッコしててもボーイッシュ系の服着てるだけの美少女にしか見えへんのや。

 

477:名無しの転生者

 >>473

 当人、最初の頃は「ネキじゃありません、ニキです」って律儀に否定してたんだけど、その内に面倒臭くなってきたみたいでな……最近はもう言ってくれへん。

 

478:名無しの転生者

 俺、あれが楽しくてネキ呼びしてたんだけどなー!

 残念だなー!

 

480:名無しの転生者

 そういう事やってるから無視されるんやで。

 

481:名無しの転生者

 でも案外日本側に知り合い多いのな。

 目撃情報もたいてい日本だし。

 

482:名無しの転生者

 日本の学校に通いながらターミナル経由でロシアと行き来してるから、そらそうよ。

 生活拠点が日本側なんやし。

 

483:名無しの転生者

 俺も見掛けた事あるわ。

 前に山梨でデビルシフターオンリーの修行イベがあって、そこで修行してた。

 信じられないレベルの美少女だったから二度見したけど、結構マジメに修行してたから驚いたの覚えてる。

 

 そうか、あれ男の娘だったんだな……。

 

484:底辺黒札

 俺、今さっきまで一体目のシキガミの発注書書こうとしてたんだけど。

 最初金髪巨乳って書こうとしてたのに、気が付いたら男の娘って書いて発注したったわ・・・

 

485:名無しの転生者

 >>483嘘松。

 それはない。あの子ペルソナ使いだから。

 スライムニキの弟子やぞ。

 何か、パーティに入ってるだけでスライムニキが死ななくなるとかで崇められてた。

 

 それと>>484新しい世界にようこそ。

 

486:名無しの転生者

 って事はあの子、スライムニキのハーレム要員って事!?

 何で⑨ニキとキスしてるの!?

 NTR!?

 

487:名無しの転生者

 いや、あのチームでは珍しくスライムニキにそういう矢印は向けてなかったよ。

 

488:名無しの転生者

 >>485

 マ?

 タルタロスでたまに見掛けるんやが……。

 

489:名無しの転生者

 いやいや、それ大丈夫?

 妖怪タルタロス誘いにさらわれたりしない?

 

490:488

 むしろそのタルタロス誘いのパーティにいたぞ。

 しかも複数回。

 普通に笑顔だったから、無理矢理って様子でもない。

 

491:名無しの転生者

 同じ穴のムジナだった!?

 

492:487

 まあ、あの子がいるとタルタロス誘いの襲撃頻度が減るから、ありがたい存在ではある。

 

493:名無しの転生者

 いや、あのスライムニキのパーティ入りしていてスライムニキに矢印向いてないのが一番信じられへんのだが・・・

 

494:名無しの転生者

 >>494

 禿同

 

495:南ィ

 >>493も事実ですよ。

 あの子、ペルソナ使いとデビルシフターとガーディアン憑きの三重能力者ですから。

 

496:名無しの転生者

 何それ裏山

 

497:名無しの転生者

 つまりあれか。

 男の娘で、ペルソナ使いで、デビルシフターで、ガーディアン付きで、さらに男の娘で、スライムニキの弟子で、タルタロス誘いの準パーティメンバーで、ロシア版狩人ニキで、しかも男の娘で、って単体でどれだけ属性盛ってるねんwwwwwwwww

 

498:名無しの転生者

 よく知ってるなミナミィネキ。

 

499:南ィ

 知ってるも何も、あの子スケベ部の名誉会員ですよ。

 

500:名無しの転生者

 それは知らなかった。

 何、エロいの?

 

501:名無しの転生者

 スケベ部からASMRも出してるぞ

 しかもその繋がりで、ガイアニからちょっとだけ声優デビューとかもしてるみたい。

 

502:南ィ

 あの子、妖獣チェフェイのデビルシフターなんですよ。

 で、チェフェイの霊基から仙術とか房中術とか、その辺の知識も引き出せるみたいでして、白面金毛九尾の狐のエロ仙術とか、スケベ部としては絶対に見逃せないじゃないですか。

 

503:一般スケベ部員

 あの子本人はそんなにエロくないんやけどな。

 何でも、触られる事が苦手だとかいう話で。

 だから正式部員になってくれなかった。

 

 それがなかったら、ぜひ一戦お願いしたいところなんだが。

 

505:南ィ

 でも房中術そのものに関しては、相当にハイレベルなのは間違いないですね。

 映像を見る限り、私が知っている頃よりさらに精度を上げているようです。

 

506:名無しの転生者

 強い?

 

507:詐欺師

 強いというか、まあ今時点で強い事は事実だが、それ以上にこの先間違いなくもっと強くなる。

 これだけ揃っている時点で運命愛され勢なのは確定だからな。

 

 だが、それはそれとして耐性が全属性反射バステ無効+貫通無効化スキル持ちで攻撃手段が【死んでくれる?】なのはチートにも程がある。

 貫通無効化スキル自体権能化してるしな。

 

508:雑魚修羅勢

 何なら反射ダメージを細かくコントロールして、ダメージが反映される部分を変えたり、攻撃元とは全然違う相手に当てたり、何なら反射ダメージそのものに【死んでくれる?】が上乗せされたりとかしてくるから、攻撃掛けた時点で逆にこっちの即死が確定する。

 

509:名無しの転生者

 最近だと弱体も効かなくなってるぞ。前にたまたま修行用異界で見掛けたんでちょっくらアイサツしてみたんやけど、一ヶ月みっちり頑張ってやっとこさ権能化したワイの【ランダマイザ】が反射された件について。

 

510:名無しの転生者

 最低限呪殺無効用意して挑むのが前提かwwwwww

 まあ妥当やな。

 

 それで相手に【呪殺貫通】がないのを祈るしかないが……まあ、そのスキル構成だと確実に持っとるやろな。

 

511:名無しの転生者

 万能属性の方やで。

 というか万能も呪殺も両方イケるっぽいぞ。

 

512:名無しの転生者

 まさかのデビサバ仕様かよwwwww

 チートやんそんなんwwwww

 

513:名無しの転生者

 万能と呪殺の複合もできるっぽいな。

 だから呪殺ブースタとかの常時スキルも乗ってくる。

 どうせ万能属性って事はデビサバ仕様のはずだし~現在HPと同点ピッタリの攻撃しか飛んでこないから1点でもダメージ軽減できれば死なない~とか油断してた下位修羅勢が、現在HPの4.5倍のダメージとかブチ込まれて瞬殺されとったで。

 

 

 

 

 

 

 まあ、ワイの事なんやけどなw

 

514:名無しの転生者

 つまりアリスネキの【死んでくれる?】は『敵全体に現在HPの数倍以上の呪殺・万能複合属性ダメージ+呪殺属性即死効果200%越え』とかいうクソ効果になる。しかも貫通付き。

 

515:名無しの転生者

 属性複合ダメージって耐性とか基本どうなるの?

 

516:名無しの転生者

 人による。

 でも大抵は「攻撃側に有利な相性で判定」になる。

 つまり上の場合、呪殺弱点なら倍のダメージプラス往々にして即死確率も倍、でも呪殺に耐性とか反射とか持ってるヤツだと万能扱いになってダメージとか即死確率とか、弱点に減衰されずに通常効果になる。

 

517:名無しの転生者

 そんなんチートや! ビーターや!

 

518:名無しの転生者

 しかも近接もそこそこ戦えて、補助回復もできて、術式も使えて、そこそこ速いっていう。

 

519:詐欺師

 一番厄介なのは、それだけ揃ってる上で耐性に頼り切りじゃなく、欠片も油断せずに攻撃を普通に回避してくるし、逃げに入る判断も早いって事なんよ。

 不利そうだなと判断したら躊躇なく逃げを打って、その後は態勢を整えて問答無用で殺しに来る。そして一度逃がしたらシキガミのステルス能力がやたら高いのもあって、まず確実に先手を取られるからな。

 

520:名無しの転生者

 >>501

 ASMRについてkwsk

 

522:名無しの転生者

 それが何であんなところでキスシーンやってんのよ?

 

524:名無しの転生者

 俺達の⑨ニキの唇を穢した罪は重い。

 

525:名無しの転生者

 おっ何かユニコーンが湧いてるみたいやなwwwww

 

526:名無しの転生者

 >>524

 ⑨ニキ推しガチ勢さんチーッス

 

527:名無しの転生者

 >>524さん見てるぅ?

 

529:名無しの転生者

 ⑨ニキガチ恋勢の連中からすれば、それこそNTRかBSSみたいな気分だろうな。

 

530:名無しの転生者

 NTRはいかんよNTRは。脳破壊滅ぶべし。

 

531:名無しの転生者

 やっぱ人間相手は駄目だよ。シキガミちゃんが一番。NTRされないからね。

 

532:名無しの転生者

 メガテン世界の人間の仲間なんて、ロウカオスとか音楽性の違いとかであっさり喧嘩別れになるのがデフォだしな。

 真1とかまさにそれやろ。

 

533:名無しの転生者

 うーん、それはそう。

 

534:名無しの転生者

 反論の余地がないなwwwww

 

535:名無しの転生者

 >>520

 亀レスだけど、スケベ部関連の依頼で催眠ASMRとか洗脳ASMRの声優を頼んでるんや。

 

 声関係の仕事で一番有名なのって人魚ネキだけど、あの人の声スキルって【子守唄】ベースだから歌が関わってないASMRとかいう分野はそこまで向いてないんよ。本人もほとんど興味ないしな。

 だから【キャンディボイス】をベースにして歌以外でも似たような事ができるアリスネキにその辺の依頼が逝くのね。要するに一種の隙間産業やな。

 というかむしろ【キャンディボイス】ベースだと効果が睡眠じゃなくて魅了だから、催眠とか洗脳だと余計に得意分野だったりするんやで。

 

 特にスキル効果まで組み込んだガチの霊装ASMRはガチで洗脳されるって評判や。

 基本はエロ用途だけど、中には捕獲したメシアン狂信者に強制視聴させたら本当に洗脳できたなんて報告も上がっとる。

 

 んで、その辺に目を付けたガイアニが交渉して、声優業もやってもらってるわけや。

 

536:名無しの転生者

 どのアニメに出てるとかは分かる?

 

537:名無しの転生者

 今やってるのだと幼女戦記のデグ様役だな。ガイアニのサブスク取ってる人ならリアタイで見れるで。

 

538:名無しの転生者

 まさかの主演、あれアリスネキかよ!?

 悠○碧ボイスか・・・

 

539:名無しの転生者

 悠○ボイスだけじゃなくて、水○奈々とか田○ゆかりとか斎○千和とか、それっぽい声のサンプルさえあれば何でも演じてくれるで。

 しかも女狐のデビルシフターだけあって演技力も抜群や。

 

540:名無しの転生者

 まさかガイアニが幼女戦記の新兵教育ASMR出したのって・・・

 

541:名無しの転生者

 どう考えてもそっちの関連やな。

 あれ異界で事故起こしたから呪物扱いで回収騒動起こしてたやろwwww

 

542:名無しの転生者

 事故?

 

543:名無しの転生者

 幼女戦記ASMRをヘッドホンからエンドレスで流しながら異界に突撃したアホがおったんよwwww

 

544:名無しの転生者

 ワイ知ってる。

 ドアノッカーニキの話やろ、見た目がパンプキンシザーズのランデル伍長なソロ修羅勢。

 元は修行用異界浅層で稼いでるだけの平和な一般アニオタ黒札だったのが、何かASMRでラリってバーサークした状態で異界に突撃した挙句、何をトチ狂ったか浅層でやり合ってた修羅勢同士の殺し合いに巻き込まれて、異界の構造が不安定になったせいで試験無しで中層に落ちたらしくてな。

 手足が千切れても【高速再生】で復活しながら原作通りの感じで距離を詰めてゼロ距離射撃で悪魔をLOS! LOS! LOS!しまくってたとかいう。

 

 で、一週間後にはレベルを上げて中層試験クリアして、今はもう立派な修羅勢の一人とかいう。

 

545:名無しの転生者

 想像以上にヤベー事態で草wwwwwwwww

 というか浅層で修羅勢が殺し合いしてるのも修行用異界が不安定になるのもヤベーけど、ノッカーニキも十分以上にヤベーよwwww

 

546:名無しの転生者

 何か変なところのガチ勢が色々と混ざってますねwwww

 

547:名無しの転生者

 おかげでNTRに目覚めちまったじゃねえかwwwwどうしてくれるwwwwwwww

 

548:南ィ

 新しい性癖の世界を楽しみましょうwwww

 

549:ユニコーン

 NTR死すべし慈悲はない。

 

 

 うっ、ふぅ・・・

 

550:名無しの転生者

 だからここはNTRの心配がないシキガミちゃんルートをだな。

 

551:名無しの転生者

 >>549

 ⑨ニキには既にナインズとかいう嫁がダース単位でいる定期。

 

552:名無しの転生者

 >>551

 おお、言ってはならん事をwwwwwwwwwwwwwwww

 

553:ユニコーン

 >>551

 ギャァアアアアアアアそこ突っ込むんじゃねえ俺のバンシィ・ノルンでブッ飛ばすぞ!

 

 

 うっ、ふぅ・・・

 

554:551

 何がバンシィだwwwwwwwwこっちはビルバインやぞwwwwwwww

 

555:ユニコーン

 オメー魚沼のヤツにダンバイン対決で負けた分際で偉そうな事言ってんじゃねえ!

 

 

 うっ、ふぅ・・・

 

556:551

 そっちこそデストロイモード未実装のユニコーンなんて怖くも何ともないんだよ!

 

558:名無しの転生者

 ていうかユニコーンニキ、ユニコーンなのにバンシィなのかよwwwww

 

559:名無しの転生者

 ぽっと出のバナージに愛しのオードリーをNTRられるリディ少尉のポジションじゃんねwwwww

 

560:551

 そらそうよ。

 コイツ、ユニコーンの癖にNTRで脳破壊されるシチュ好き杉なニキだしwwwwww

 

561:ユニコーン

 こらそこ、人の性癖をバラすんじゃありません!!

 

 

 うっ、ふぅ・・・

 

562:名無しの転生者

 ユニコーンニキ、レスバしながら何回抜いてんのよ・・・・・・

 

563:ユニコーン

 アリスネキの洗脳ASMRをリアルタイムで視聴中やで。

 ちょうどさっきのキス動画と一緒に流すと、⑨ニキが洗脳調教されてるのを為す術なく眺めてるような気分になれて、背徳感で余計に興奮して抜けるんや。

 

564:名無しの転生者

 あかんコレ……。

 

565:名無しの転生者

 コイツは本当に……。

 

566:名無しの転生者

 それはそれとして、これヤバない? アリスネキ、⑨ニキガチ勢の連中から狙われたりとか、しない?

 

567:名無しの転生者

 しかし百合だぞ。

 しかも男の娘同士って事で、これはむしろ神聖なのでは?

 ボブ訝(ry

 

569:名無しの転生者

 >>567

 一理あるなwwwww

 

570:名無しの転生者

 というかユニコーンさんが>>549-563の時点でもうね……www

 

571:名無しの転生者

 ホモォwwwwww

 

572:名無しの転生者

 だからホモではなく百合だと定期(ry

 

573:名無しの転生者

 男の娘同士はホモなのかレズなのか、解釈が分かれるところだなwwwww

 

574:名無しの転生者

 レズではなく百合だと (ry

 

575:名無しの転生者

 ところで今気付いたんだが、これシキガミ手術で男の娘になれば、あの二人の間に挟まっても許されるって事?

 

577:名無しの転生者

 天wwwww才wwwwww現wwwwwwwwwるwwwwwwwwwwwwwwwwww

 

578:名無しの転生者

 俺、ちょっとシキガミ移植受けてくる(ガタッ

 

579:名無しの転生者

 待て早まるな俺が行く(ガタッwwwww

 

580:名無しの転生者

 お前一人にばかりいい恰好はさせないぜ俺が逝く(ガタッ

 

581:ユニコーン

 ヘヘッお前らにばっかりいい恰好はさせないぜ俺がやる(ガタガタッ

 

582:名無しの転生者

 お前ら落ち着け(ガタガタガタガタッズダダダダダダダwwwww

 

585:名無しの転生者

 >>582が一番落ち着いてない定期wwwwwwwwww

 

586:名無しの転生者

 まあワイらだしwwwww

 

587:名無しの転生者

 というか>>581ユニコーンぇ・・・

 

591:探究者

 あれ、たぶん医療行為ですよ。

 映像越しだから詳しい事は分かりませんが、⑨ニキから吸収したマグネタイトを無害な地母神系のマグネタイトに変化させて⑨ニキの体内に還元していますね。

 それと並行して、体内に細かく治癒魔法も使っています。

 

 

 

   ◇    ◇    ◇

 

 

 

 ⑨ニキこと藤原朱莉が倒れたのはMk.Seinと、本来であればその後継機に合わせて設計された試作型オーバードブーストとの食い合わせが最悪だったという一点に尽きる。

 

 Mk.Seinが有する最大の能力“同化”は強力ではあるものの、欠点が多い能力でもある。とりわけ重篤な一点、広域探知手段として使用するなら、範囲内の敵に対しても自身の存在を知らしめてしまうという危険性が一つ、あるいは巨大概念悪魔に接触した際の概念侵食の危険が一つ────だがこの場で問題になったのは、使用者に対する純粋な負荷の大きさだ。

 

 単純に、効果範囲内の異界の根絶、悪魔に対する鏖殺手段として扱うなら致命的という程では、ない。

 だが、効果範囲内に存在する何万人にも及ぶ人間から洗脳や天使化の呪詛を引き受け、肩代わりしようとすれば、その負担は事後に喀血を引き起こすほどの反動となる────実際問題、ハワイ奪還戦にて起きた事態だ。

 

 通常のMk.Seinであっても、そうなる。

 

 であれば、試作型オーバードブーストを追加装備し、より長時間・広範囲を駆ける今回のMk.Seinとなれば、どうなるか────その負荷が今、この場に表出していた。

 天使化の呪詛を逆用した霊基の自己改造という秘められた裏事情を考慮しても、大陸間を一息に飛び抜ける間に蒐集した“天使化”の処理が追い付かなかったのが今回だ。

 

 その危険性は、同化のリスクを自身の霊基改造という秘めた目的のために積極的に利用していた藤原朱莉当人も承知の上ではあったが────それでも今回の作戦を敢行したのは、彼が転生者としてこの世界で目覚めた時から、彼の精神をじんわりと蝕んでいた慢性的な恐怖と焦燥が理由に他ならないが、ともあれ。

 そうして蓄積した反動は、技術や術式で誤魔化せる閾値を越えて、こうして表出していたのだった。

 

 

 アリスが行ったのは、その負荷に対する対応だ。

 

 

 藤原を体内から蝕む“天使の呪詛”を生体マグネタイトごと【吸魔】し、吸収したマグネタイトを悪魔変身形態の自身の肉体とペルソナとの間で相互循環させつつ内包する呪詛ごと変成、無害な地母神系のマグネタイトへと転換し、彼の体内へと還元する。

 そのマグネタイトを媒介に、あえて低出力に抑えた呪殺魔法を伝播させ、重ねた唇から人工呼吸の容量で相手の呼吸をコントロールしてそれを全身へと拡散させて、天使化の呪詛の影響で体内に発生した腫瘍や癌細胞のごとき天使の肉を殺処分していく。

 あらかた腫瘍が消えた辺りで呪殺を同じく低出力の治癒魔法に切り替えて緩やかな治癒と回復を促すと共に、大量の組織が消えてごっそりと肉や臓器の抉れた腫瘍の痕には、体外から刺し込んだ【九十九針】に治癒魔法を乗せて患部の奥から直接的に治療し、臓器や肉ごと再生させて回復させる。

 順番は脳と心臓、そしてその二つを結ぶ血管と神経を最優先に。それから全身を巡る気脈の基点となる主要チャクラと、それらを結ぶ気脈の流動を維持する事を意識して。それ以外の神経系や循環系、筋肉や臓物は即死に繋がらないし、後からいくらでも治療できるから後回しでいい。

 

 そうやって数十分……時間だけならそこまで長いものではなかったが、しかし神経の消耗だけは相当なものであり……ようやく全ての工程を終え、藤原朱莉の治療が完了し、彼が肉体・霊質共に完全な健康体に戻っている事を確認し終えて、唇を離したアリスは、そのまま意識を失って彼の隣へと倒れ込み、気絶してしまったのだった。

 

 

 

   △    △    △

 

 

 

592:名無しの転生者

 え、何?

 あれ、治療行為?

 

593:名無しの転生者

 俺医療部だけど、言われてみれば⑨ニキ、結構な重体だわ。

 で、それをアリスネキが急ピッチで治療してるのも今気づいた。

 

594:呉在住

 確かに⑨ニキはMk.Seinに乗るたびに不自然なくらいの負荷を負ってたのは間違いないけど、それにしても信じられないくらいの消耗っぷりだわ。

 洒落にならん。

 

595:ユニコーン

 ちょっとマ!?

 あの機体にそんな負荷があるとか、そんなの聞いてないんだけど!!

 

596:呉在住

 事実。

 整備班の知り合いの中でも、たまにコクピットに妙な血痕が残ってるって噂になっとるんや。

 俺が確認したのは直接一度だけだけど、他の連中も何回か見てるし、何なら記録も残ってる。

 で、その記録を警察系俺らの鑑識に詳しいヤツにコッソリ見せたらな、これ吐血の跡じゃないかって話や。

 

 今、Mk.Seinの後継になる新しい機体が開発中だけど、その辺が最大の理由かもしれんな。

 

597:名無しの転生者

 で、今回のアリスネキの行動はその症状の治療と。

 んじゃ、これってむしろアリスネキに感謝せなアカンちゃう?

 

599:名無しの転生者

 確かにな。

 

600:名無しの転生者

 アリスネキに足向けて寝られないな。

 

601:名無しの転生者

 でもそれだと、どっちの方向に気をつけて寝ればいいんだ?

 山梨?

 それともロシア?

 

602:名無しの転生者

 単純にロシアでええんちゃう?

 

603:名無しの転生者

 つまりユニコーンニキは重態の⑨ニキで抜いてたってコト・・・?

 

606:ユニコーン

 >>603

 その件に関しては、申し開きようもなく思っております。

 

607:黒白医者

 ところで気になっていたんだが、アリスネキが行っている治療って医療部の技術体系とは全然違うんだが、あれ何やってるのか分かるヤツいるか?

 

608:名無しの転生者

 え、何?

 医療部でも分からんの?

 

610:南ィ

 ああ、あれ房中術ですよ。

 

611:黒白医者

 ファ!?

 マ!?

 

612:錬金医者

 房中術であんな事ができるんですか!?

 何それkwsk!!

 

615:名無しの転生者

 そもそも今の医療部の医学って、ああいう事できないの?

 アリスネキがやってた事って、医療部の技術と何か違うの?

 

617:錬金医者

 今の医療部で治療に携わる異能者は大雑把に分けると、現代医学を学んだ医学畑俺らと、治癒魔法を習得した治癒異能系俺らの二種類に分類されます。

 両方できるのもいますね。上で発言した黒白医者ニキとかがそれです。

 

 治癒異能系俺らは基本的に【アナライズ】して相手の容態に即した【ディア】や状態異常回復を掛けるのが基本です。治癒に向いた異能を普通に治癒に使います。

 

 で、医学畑俺らはまた話が別で、こちらは現代医学や生物学をベースにして、そこに異能や術式をミックスさせて発展させた技術を使います。

 たとえばメジャーな部類ならシキガミ移植手術が該当しますし、それ以外にも簡単で想像しやすい範囲なら、出力を絞った【ジオ】で心臓マッサージ、同じく切開の時に縫合の代わりに【ディア】で傷を塞ぐ、などなど。

 術式の方は、基本的に現代医療と相性が良いものが中心になりますので今のところ錬金術やウィッチクラフトがメインになっていますし、それ以外の術系統は限定的なものが大半です。

 

 もし仮に、今回アリスネキが行った⑨ニキの治療を我々医療部の、医学畑俺らの技術で治療しようと思ったら、まずは各種霊薬での投薬治療と並行しつつ、全身を切開して腫瘍を除去するような大手術になります。

 まず間違いなく1時間足らずでは終わりませんし、全身を切り刻む必要があるのでそれだけで死に直結しかねないリスクがあります。

 

 ちなみに今回、治癒異能系俺らが何も考えず下手に回復魔法を掛けた場合、最悪は逆効果になります。

 具体的には生命力を強化して自己再生を促す等の治癒魔法の効能により体内の腫瘍や変異が増殖して、症状が悪化します。だから術者の治癒魔法で治せる範囲内の症状かどうか、事前に【アナライズ】は必須なわけですね。

 これに関しては癌治療にも同じ事が言えますね。癌のステージによっては最悪の場合、再生促進の効果で全身に転移した腫瘍が急成長して、目も当てられない事になりますから。

 だからこの手の症状に治癒魔法を使う場合、最低でも正常な健康状態の情報を元に肉体を概念ごと再構成するくらいの技術、理想を言えばその正常な状態の概念情報ごと治癒できる能力が欲しいところです。

 

 

 一方、アリスネキが行った治療は房中術を利用したものです。おそらく気功術、整体術、鍼灸術の高度な応用も含まれているものと思われます。どちらかといえばスケベ部の方々の方が詳しい分野ではないかと。

 少なくとも、我々の技術とは根底からして異なる技術体系なのは間違いありませんね。

 

619:名無しの転生者

 はえーサンガツ。

 

622:南ィ

 確かに、気功や整体は房中術の延長線上の技術ですから私達スケベ部の方が詳しいのは事実です。

 ただ、あの練度で房中術を治療に応用できる面子は限られていますし、何より鍼灸術に関しては私も知らなかった技術です。

 

624:名無しの転生者

 ああ、針とかはエロにそこまで関係ないもんな。

 

627:錬金医者

 なるほど、それは興味深い。

 今度、お話を伺いにいかなければなりませんね。

 

630:南ィ

 それとあの子のASMR、スキル効果込みのディスクであれば天使の羽根の内部設定を上書きできる事がスケベ部のテストで検証済みです。

 

631:名無しの転生者

 >天使の羽根の内部設定を上書き

 

 !?

 

 

 

   ◆    ◆    ◆

 

 

 

 今となっては懐かしい思い出である。

 

 作業を終えて無事取り押さえられ、とりあえずとばかりに牢屋にブチ込まれた僕のやった事が救命作業であると、イナバニキの撮った動画越しに見抜いた人がいたらしくて、そこからロシアでコイツの処分どうしたもんかと頭を悩ませていたウラジオストク支部に、山梨と呉から連絡が行ったらしい。

 で、あの後、割とすぐ目を覚ました⑨ニキが口利きしてくれた事も大きい。想像していたより元気だったけど、あれは僕が何もしなくてもその内に自力で復活していたかもしれん……と思うと複雑だが、まあガイア連合の重鎮である⑨ニキの復活が早まった分、ガイア連合全体にもプラスの影響があったはず、なんて前向きに考えておいた方がいいのかも。

 

 …………今考えてみれば割と失礼な真似をしてしまった気もするので、何とも言えないが。

 

 

 

   ◇    ◇    ◇

 

 

 

 時は戻って、現在。

 

「────今回は、比較的良い戦果が得られましたね」

 

 東南アジア上空を経由して飛翔するホワイトグリントの機上にて、藤原朱莉は呟いた。

 

 インド亜大陸一帯を制圧下に置く“神の戦車”メルカバーに対する強襲。それも敵が想定していなかった、通常の機体では不可能な極限の厳冬に閉ざされたロシアを経由した北方からの奇襲攻撃────魚沼支部から提供された【氷結吸収】を付与した追加装甲の装備によって可能となった戦術だ。

 

「……戦闘中に壊れてパージしたから、当分は使えないがな」

「それでも十分ですよ、2B」

 

 だが奇襲の初撃で、相手のリソースは想定より遥かに大きく削られた。勝敗は普段通りの痛み分けに終わったが、戦果としては十分過ぎる。

 

 進路を塞ぐ形で現れた邪神ヨグ=ソトースと戦っていれば、そこまでの戦果は得られなかっただろうし、むしろメルカバーとの戦場に無事に辿り着けたかも怪しいものだ。

 

「なら彼────立花アリスには感謝するべき、か。護衛する側として、警備を抜かれた以前の失態はいささか認めがたいがな」

「それは仕方ありません、が、結果的に繰り返し借りを作ってしまったのは事実ですね」

 

 頼みたい仕事があるのだが、と藤原は呟くように嘆息した。

 

「────ホワイトグリントの完成でお蔵入りになってしまったあの機体。集めて嬉しいコレクションじゃあないんですから、ただ倉庫にしまっておくには、もったいないと思いませんか?」

 

 時刻は、夜。もっとも、普段から呉を飛び立ち各国を飛び回るホワイトグリントの騎手にとっては、あまり意味のない話だ。音速超過で呉へと帰還するホワイトグリントは、普段通りに衝撃波で雲を散らしながら雲海の上を飛び抜けていく。

 

「いいのか9S? あの機体は元々、お前のために製造した機体だろうに」

「構いませんよ。どの道あの機体の“目的”は既に達成していますし、元より彼は、あの機体のテストパイロットとして検討されていた人材です。彼の特殊性が強過ぎてテストにならない点からお蔵入りになっていた話ですが、今となってみれば関係のない話だ」

「……お前がいいなら、それで構わない」

 

 藤原のシキガミの中でも最古参の存在である2Bは、先程擦れ違ったばかりの少年の、少女としか認識できない可憐に過ぎる容貌を思い浮かべる。魅了や精神干渉に頼らずともその容姿だけで空気さえ変えてしまえる美貌に、シキガミである彼女は惹かれる事こそないものの、しかしそんな人間もいるのだという意味では印象的だった。

 

「だが絶対、真っ当に使ってはくれないだろうな。どんな悪質な使い方をされるか分からないぞ」

「ええ。きっと、確実に……最悪なまでに悪辣に使いこなしてくれるでしょうね」

 

 そんな藤原の言葉に、2Bは何も言わず、ただ淡々と肩をすくめるのだった。

 

 

 





鳩「おっ、ヨセフ君の転生体とキッスしとる子がおるや~ん! ヨシ、そういう事なら“資格”あげたろ! ん? この子、よくよく見たら男の娘やん……ま、ええわ減るもんやなし、資格かてそうそう簡単に剥がせるモンと違うしな……っていうかこの子、資格と相性高杉ィ! こんなに好相性やったら、もうワイにも剥がせへんわゲラゲラゲラ!!」

 やっぱ四文字って最低じゃんねっていう。




 それはそれとしていい加減、魚沼編のエピローグを書かなきゃならないはずの今日この頃。



~割とどうでもいい設定集~

・領域展開
 Lilyala様『【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録』より。
 【異界作成】をベースに、自身の霊的根源を空間に投影する技法。
 領域展開、あるいは固有結界。
 術者のもっとも戦いやすい世界を作り出す。
 元ネタとは異なり、他者の固有結界をコピーして展開する事も可能。
 アリスは異なる領域を三つ同時に“閉じない領域”として展開し、多重展開した領域がせめぎ合いを起こさず、同一空間内に共存させながら維持する事ができる。

・混沌の言語
 緋咲虚徹様『【カオ転三次】終末を約束された世界で心のままに生きていく』より。
 カオス・ワーズ。
 曰く、統一言語に類するナニカ。
 集合的無意識を外部プロセッサとして扱い、術を編纂し、カタチとして固定する技法。

・ホワイトグリント
 石は転がる様『【カオ転三次】DRUG FATE 』より。
 Mk.Seinに代わる戦闘用の機体として開発された⑨ニキの専用機、その二代目。ガイア連合呉支部のフラッグシップ。
 地脈接続状態のショタオジを仮想敵として開発された(勝てるとは言ってない)だけあって、法外な戦闘能力を有する。
 MAG整波装置によるプライマルアーマーや、推進術式の多重化によるクイックブーストやオーバードブーストを完備。
 Mk.Seinに搭載されていた精神波レーダーや同化能力はオミットされているが、その分操縦者に対する霊的干渉への防御能力は向上し、またセンサー系やステルス機能に関しては充実している。
 先代のMk.Seinとは打って変わって特異性を投げ捨てた、単純にひたすら強い機体。

・ガイア連合ウラジオストク支部
 半終末を迎えた際に現地に留まっていた黒札が建造した支部。支部長は臥藤門司。
 日本海に面した巨大な港湾施設や同じく大規模な空港設備を持ち、過剰な氷雪に包まれたロシアという安全圏に陣取りつつ中華戦線を支援するための軍事拠点としての性質が強い支部。
 またロシアを覆う大氷雪圏内への探索事業を進めており、アリスがロシア探索の拠点としているのもその一環。
 現地民であるロシア人、ガイア連合から出向してきた日本人、他、中華戦線から離脱してきた中国人など、色々と国際色豊かな都市になっている。
 浦潮本願寺を中枢として、阿弥陀如来と英傑オオタカクミンを本尊として祀っている。

・英傑オオタカクミン
 太田覚眠。
 ウラジオストクの御当地英傑。ミラクル日本人。
 元は日露戦争の頃の浄土真宗本願寺派の僧侶であり、当時ウラジオストクに現存していた浦潮本願寺の住職。
 日露戦争勃発に際して、本土からの引き上げ命令を拒否し、何故か浦潮本願寺の本尊であった阿弥陀如来像を背負ってシベリアを横断、ロシア帝国政府の手によってウラル山脈山中に抑留・監禁されていた800人ほどの日本人を救出、日本へと送還した……何やってんだこの僧侶。
 半終末に際する核攻撃の際、阿弥陀如来の化身としてウラジオストクへと降臨した。

・Mk.Sein
 石は転がる様『【カオ転三次】DRUG FATE 』より。
 マークザイン。
 ⑨ニキの専用機、初代。『探知術式や遠視術式等の機械化』をコンセプトに、呉支部の総力を挙げて開発されたフラッグシップ機。
 感知系の機能の大半は搭乗者の霊感を補助する事に特化した構成になっており、随時改良が加えられていたが、今回登場した頃にはホワイトグリントへの乗り換えを目前としていたため、それもほぼ完成に近づいている。
 最大の特性として“同化”を持ち、増幅された搭乗者の霊的知覚によって超広範囲の悪魔を捕捉、マグネタイト結晶に強制変換して回収する、ガイア連合としては非常に珍しい超広域制圧兵器。ただし制約も大きく、気軽に扱える能力でもない。
 この機能は、実は天使化の呪詛を逆用しての霊基改造という裏の用途を持っており、それが完了した後はより危険性が少なく、単純な戦闘力に秀でたホワイト・グリントへと世代交代し、当機は厳重に凍結封印された。
 今回は、当時ロールアウトを目前としていたホワイトグリントの装備として開発中だった試作型VOBを搭載した長距離飛行試験型として登場。
 試作されたVOBの超高速・超長距離飛行能力を利用し、同化による攻撃範囲を飛躍的に伸ばす事を目的とし────より甚大化した反動によって搭乗者が倒れる事態に陥った。

・ドアノッカーニキ
 『パンプキンシザース』のランデル伍長みたいな見た目の黒札。
 一般修羅勢。特に脳改造とかされた事もないのにビジュアル通りの戦闘スタイルなヤベー奴。
 新兵教育ASMRの教育パートをエンドレスでキメてトリップ状態で異界へ突入し、脱出後は同じくASMRの御褒美パートをキメてトリップしている。つまり大体いつもトリップしているヤベー奴。
 トリップしていない状態では普通に温厚な好青年。
 元は一般アニオタ黒札だったのが、偶発的に浅層で勃発した修羅勢同士の殺し合いに巻き込まれて中層に落下し、そこで修羅勢へと覚醒した。

・ユニコーンニキ
 呉支部所属の黒札。ロボ研のパイロット。
 ⑨ニキ推しなので呉支部に入ったドルオタ系俺ら。しかしNTRを許さないユニコーン属性と見せ掛けて、実はNTRが性癖のニキ。ただしシキガミNTRは解釈違いかなって。
 呉支部で建造されたバンシィ・ノルンのパイロット。ただしデストロイモード未実装。

・ビルバインニキ
 石は転がる様『【カオ転三次】DRUG FATE 』、名無しのレイ様『【カオ転三次】故郷防衛を頑張る俺たち』より。
 呉支部所属の黒札。ロボ研のパイロット。
 元々はダンバインに乗っていたが、魚沼で建造されたダンバインニキのダンバインとダンバイン対決を行い、敗北し、次はビルバインを作ると宣言してダンバインニキを煽りながらフェードアウトしていったニキ。
 現在はビルバインに乗っている。

・アリスの房中術
 房中術、また整体術や鍼灸術を基盤とした治療術。他者のマグネタイトを外部から操作する、仙術に近い分類のカルトマジック。
 即効性はほぼ皆無に等しく、戦闘中に使えるものではないが、従来の医療や治癒魔法と比して、体内に複雑な影響を残す病気や、根深い疲労などに対する回復効果が高い。
 対異能者に関するリフレッシュとしても非常に有効。
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