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四国霊道環状線の一件でロボ部とのコネクションができたので、その辺から色々とロボ関連の開発を進めていくことにする。
現在、ガイア連合で開発されているロボット────というか主に人型機動兵器を中心とする大型戦闘機械には、いくつかの技術系統が存在する。
まずメジャーなのが、ガイア連合の中枢である山梨を中心に開発された多脚戦車ツチグモや、マシンであるオボログルマなどの系統。ショタオジが製造したシキオウジロボを源流とする、機械で構成された鋼の躯体に悪魔の霊基を降霊する事によって稼働するシステム。
京都で研究されているというルシャトラマンなどもこの分類だろうな。
利点としては、操縦するのはともかく、戦うのは機体に降霊された悪魔の霊基なので、誰が使っても機体のレベルに応じた戦闘力を発揮できる点。逆に、パイロットのレベルがどれだけ高くても関係ないというのは高レベルの操縦者が乗ってもそのステータスが役に立たないという表裏一体の弱点になるか。
また、ある意味端的に表現すれば、降霊に適した器を作り、適合する悪魔を降霊するだけなのでオカルト的に考えれば非常に単純な構成をしており、製造に際しての工程はそれほど複雑ではない、というのは利点だな。
士魂号に代表される魚沼系の技術。ミスラや三宝荒神といった神格が持つ炎の権能を利用した動力炉や、超力戦艦に使用されていた技術をベースとする人工筋肉を利用した駆動系に代表される、悪魔素材を利用した技術に優れているのが特徴だ。
霊山同盟で多用されるパワーダイザーや、宮城のトイボックス・イカルガなどもこの系統に分類される。
その実態は巨大ロボと呼べるまでサイズを拡大したデモニカであり、機体がシキガミやアガシオンなどと同様に一体の悪魔として成立するのは多脚戦車系統と似るが、鋼の装甲とフレームの内側に悪魔素材を綴じ込み、最後にシキガミコアを封入する事で一個の人造魔として成立させる工程は、シキオウジ系統のそれと比べてより複雑だ。
バルキリーやナイトメアフレームに代表される呉ロボ研の技術。危険度の高い悪魔素材を嫌い、悪魔の権能を使用せず、異様に発達した科学に魔術理論を加えて組み上げられたこの系統の機体は、前二者とは異なり、これ単体では悪魔として成立しない。
実態は科学と魔術によって構築された霊装であり、操縦者の霊能を補助し補強する事を主眼において作り出されたこれらの機体はデモニカの系譜とは異なり、その性質上、操縦者のレベルやステータスにその性能を依存するという特質を持つ。操縦者が強ければ強い程に高い性能を発揮し、操縦者のスキルまで使える一方で、操縦者が弱ければ半端な力しか発揮できないという弱点にもなり得る。
また一部の……というか結構多くの機体が、専用に構築されたシキガミによる操縦補助を前提として製造されている事も最大の特徴の一つだろう。これにより操縦者・シキガミ・機体の三要素が一心同体を為すわけだが、逆にシキガミ必須であるため黒札専用、かつ黒札にとっても簡単には換えが効かないシキガミそれ自体にも専用の調整を施す必要があって、他の機体よりもハイコストな一面もある。
中心となっている呉支部の奇妙に閉鎖的な性質上、他との技術交流も少ないがゆえにガラパゴス的に発展した技術力は圧倒的だが、その一方で悪魔の権能に対しての理解が薄いという弱点を持ち、権能による干渉や情報漏洩が不安な一面もあり……実際にフラッグシップであるMk.Seinの情報が多神連合の神々に抜かれるとかいう事態も発生しているのが難点か。
蓬莱島・巌戸台支部を拠点とする探求ネキによって開発中の超機人シリーズ。
外部からのマグネタイト収集に特化した五行炉系動力炉、自在に展開可能な装甲護符による装甲・フレームの構築、悪魔素材ではないオカルト植物由来の人造筋肉など、数々の独自技術によって構築された機体は、悪魔の素材や権能に依存していないという意味でも、またモビルトレースシステムや【情報接続】によって機体を操縦者の手足の延長と化すその操縦形態からしても呉の系譜に近いが、科学よりも魔術に寄った技術体系となっており、悪魔の権能に対する理解も浅くない。
装甲護符の技術を応用すればその気になればどこまでもコンパクトに収める事ができ、何ならシキガミやデモニカの中に搭載できる可能性もあって、上手くすれば割と面白い使い方ができるだろう。
こっちの問題は……開発がほぼ探求ネキ一人に依存している点かな。探求ネキ自身は、呉支部の中心人物である⑨ニキが自陣営の技術の多くを自支部での機密にしているのとは対照的に、こうして自分の作品に関するデータは詳細に記録を残し、技術部のデータベースにアップロードしており、その技術を閲覧するにもそれほど困らず、また探求ネキ自身が分身を心得ているため開発に要するマンパワーも十分……なのだが、やはり考える頭が探求ネキ一人分しかないという事で、その辺のガラパゴス化が気になるところ。
番外として、メシア教会過激派が近年採用し始めたマライカアーマーなんてのもある。
これ、元はメシア教会がこっちの技術であるデモニカスーツをパクって作ったマライカスーツを、士魂号の真似でも始めたのか巨大ロボサイズに拡大した代物なんだが……素直にコピー商品を作っておけばいいものを連中、何を考えたか妙な独自色を入れ始めて、それこそ士魂号なら悪魔由来のフォルマを使っている人工筋肉シリンダーとかその辺の中身が“おおむね、ヒト”なのだ。
それどころか、一体何を考えているのやら装甲まで人間の血液から抽出した鉄分を凝結させた人血鉄材で構成されているんだよな。まあ確かに…………キリスト教、とりわけカトリックの教義では教えに殉じて死刑になった人間は時間が掛かるとはいえほぼ例外なく聖人認定を受けるものだから、素材にするために潰した信徒の血液となればそれは紛れもなく聖人の血だ。それを凝結させて鍛造した金属材ともなれば、それはまさにメシア系の術式や権能とも最高の相性を有する“聖なる鉄”といえるから…………ヒトとして認めたくはないが、百歩譲って合理的……なおメシア教の教義は通常の十字教とは違って基本的に“聖人”として人間の功績を認めたりはしないので、その分だけ素材の質が落ちていたりは、する。
……まあ、やりようによっては普通に量産できそうでは、ある。具体的には、こう、SCPでサーキックな感じで。というか、一般的なメシアンが治癒と破魔に長けるって事は、それだけ“人体素材”と“人体改造”に長けるという事でもあるのだ。
なら、メシア教会過激派の能力と体質からして、時間が経てばその内、マライカスーツ共々普通に量産ラインに乗ってきそうだな。マライカスーツの性能は中身の人間のレベル+10という事で、どんな雑魚が装備しても最低10レベルにはなれるって事だから、中華戦線とかその辺、世界各地の戦場で非常に厄介な事になりそうだ。さらに高レベル異能者もそのまま強化されるって事だから、高レベル程レベルを上げづらい事を考えると、やはりそちらの方も脅威ではある。
で。
そんなわけで、僕の方でもロボット開発に参戦してみようと思う。
素体にするのは魚沼系統、一番量産が進んでいる士魂号だ。単純に安いから、という問題でもなく、構造がデモニカに近いので以前デモニカパーツの開発に手を出した経験がある分だけ理解しやすく、また魔術的な構成要素が多い分だけカスタマイズしやすいから、という理由もあったりするが、ともあれ。
モデルとするのは往年の大傑作アニメ『境界線上のホライゾン』……の遥か未来の世界を描いた『都市シリーズ』に登場する重騎。それを再現する……感じで、順番にシステムを組み上げていこう。
◆ ◆ ◆
最初に注力したのは操縦機構だ。
蓬莱島・巌戸台系統の超機人なんかは都市シリーズと世界観を共有する『境界線上のホライゾン』に登場する武神をモデルにした【情報接続】による合一機構を採用しているわけだが、それとはまた違った合一機構となる。
都市シリーズにおける重騎のコクピットは『書斎』と呼称されるが、これは厳密には操縦席ではなく“分解装置”だ。これによって操縦者を概念情報レベルにまで分解し、それを微細な伝導版や管を伝って機体全体を循環させる事により機体そのものと合一、機体そのものに宿る意志となる。
……これをそのまま再現するのは、かなり怖い。というかそもそも、パイロットを概念レベルで分解するとか怖過ぎるし、機体を降りる時には当然再構成する必要があるんだが、その辺に失敗したらヤバい。また、合一という特性上、機体の受けたダメージや損傷が操縦者にそのままフィードバックされるという弱点もあった。
そんなわけで、とてもではないがこれをそのまま実用化したくない。
が────似たようなものなら、あるのだ。
機体に搭載されたCPUを基盤として極小の電脳異界を構築し、それをコクピットとして運用する、という構想。
この形式なら機体へのダメージが酷かろうと操縦者に被害が及ぶ事はないし、何ならたとえ撃墜されたとしてもDDSが繋がる場所であればそちらを通って、ターミナルシステムによる退避が可能で実際安全。何なら、某アクエリオン方式で状況に応じてパイロットを入れ替えるとかいう訳の分からん事も可能になるだろう。
さらに居住性も良好。外界からの衝撃や加重力など伝わらないし、電脳空間内部の環境を弄れば空調や気密性なども考える必要が無くなってしまう。
機体内部にCPUさえ設置できれば機体の物理的な内部空間の容量も気にする必要もない。
あるいは合体ロボとなれば合体する各機体ごとに全身に分散配置されて存在する操縦席に配慮する必要があるが、この形式であれば操縦席それ自体が電脳異界に存在しているため、パイロットの存在を別の電脳異界に転送するとかも比較的簡単に行う事が出来るからして、たとえば何故か合体後は全員が一つの操縦室に転送されている戦隊ロボみたいな真似も簡単にできる。
そして、最大の利点が“反応速度”だ。
電脳異界内部の設定を弄って内部時間の時間速度を加速する事により、中にいるパイロットの知覚速度をコクピットの内部時間基準で加速できるのだ。
初期の電脳異界開発において、既にショタオジ監督下の電脳異界では常時1000倍速が実現されていた。現状でロボに搭載できる規格のCPUではさすがにショタオジの制御下に置かれている筐体程の性能は出せないし、それ以前に機体そのものの耐久性や摩耗強度なんかを考慮すれば文字通り1000倍速で機体を動かすような真似はできないだろうが、それでも圧倒的なアドバンテージである事に違いはない。
それもロボのレベルが上がり、また電脳異界が異界として定着し、CPUに依存せず安定するようになれば、CPUの性能限界に囚われず1000倍速、あるいはそれ以上の知覚速度を獲得できるようになるはずだ。
元ネタとなる都市シリーズでもパンツァーリッター計画とかアティゾール計画とかその辺、機体と合一した操縦者の知覚速度を天井知らずに引き上げる技術は存在していたが、それすらも自動人形だの全身義体だのいう特別な操縦者を用意した上で百倍とちょっとが限界だし、これは実質的に原作越えといっても過言ではないな。
……と、このようにメリット満載の『書斎』だが、欠点もある。
何よりもまず、そもそものモノが電脳異界だからね。認知異界で行動できるペルソナ使いか、概念存在に変身できる悪魔変身能力者にしか乗れないんよ、コレ。少なくとも、ターミナル技術がその両者以外に対しても解禁される終末以降まではね。
まあ、仕方ないね。
ってなわけで『書斎』を搭載した実験用素体の士魂号を試しに動かしてみたんだが…………何かこう、想像以上に機体の損耗が激しい。まあ1000倍速とまでは行かないまでも10倍速で動かしているからね、仕方ない。
それくらいはあらかじめ予想できた話であるから、フレームや装甲部分の剛性や強度が高いのを使っているが、それでも機体の損耗は無視できない。何なら自己修復術式を組み込むとしても、全出力を攻防に叩き込む全力戦闘の事を考えると不安だ。
そこで、フレームの強度を重視して機体構造を根っこから見直してみる事にする。
ここで登場するのが、以前『人魚の子守唄』の一件で開発した生体合金樹素材だ。
前回レコードの素材に使ったのは砕いた木材を接着剤と混ぜて熱圧成形したパーティクルボードだが、今回はもう少し強度の高い配向性ストランドボードを利用する。パーティクルボードとの差異は、接着剤と混ぜて素材にする木片のサイズがより大きいという点で、パーティクルボードよりも強度が高く、一般的にも建材として用いられている技術だ。
で、メイン素材は強靭な上に不朽の概念を帯びたエレクトラム合金と、木行の元素と相性の良い翠木鋼のチップをブレンドし、それを無垢の合金樹の葉から生成した接着剤と混合して熱圧成形したエメラルドラムボード。これを基盤に、フレームそのものに装甲護符の術式を組み込む。
単なる紙の呪符に別の素材────主に金属の性質を付与する装甲護符の原理によって、エメラルドラムボードにアダマスの強度を追加。その上にダメージを受けるたびに強度を上昇させる【強度逓増】スキルを突っ込み、さらに治癒の術式を乗せて加工する事により、メインフレームが完成。
高出力での稼働によって発生する負荷が【強度逓増】を引き起こしてフレーム強度が上昇、そして受けたダメージは治癒の術式にて再生させる事により、一発で潰れないように慎重に稼働を繰り返していけば、その内に負荷に耐えられるだけの骨格が完成するという算段だ。
最終的には、機体そのものを1000倍速で動かしても耐え切れるだけの骨格にまで成長する……予定。
人工筋肉シリンダーにも木行との相性がこれ以上ないほどに高い龍神セイリュウのフォルマを使った事により、フレームを中心に発動する治癒術式に巻き込んで機体全体の自己再生を可能としている。これは戦闘時の再生用というよりは、機体のメンテフリー化を目指したものだが、さすがにメンテフリーとまでは行かないだろうな。
そして更なる補強として外部霊装の導入を図る。
そこらへん、使えそうな技術という事で魚沼ロボ部のゲイナーニキが開発していたロボ用装甲服『オーバーコート』を採用。これに探求ネキが使ってる装甲護符とかその辺の技術を参考に、防護と自己再生の術式を一通り組み込んで、と。
とりあえず機体に装備させた上で試験的に何度か動かしてみて、ひとまずこれで許容範囲かな、ってぐらい。
これにて、士魂号をベースに開発した試験機『
さて、そこまでやったところで本題に入ろう。
元ネタとなる作品群において、『境界線上のホライゾン』『終わりのクロニクル』などに登場する武神と『都市シリーズ』の重騎とを分かつ最大の相違点。英語・独語ならオーバーエンブレム、仏語ならエクシード・アンブレムとルビを振られるこの機能こそが、重騎にとっての最大最強の秘奥────“凌駕紋章”。
操縦者の強い意志に感応する事で起動し、騎体の全身に刻まれた紋章によって周囲空間の流体に干渉、紋章が示す形へと機体を変生させるというもの。
機体構造が根底から組み変わり、ある機体は背翼展開により音速超過での空中戦を可能とする翼を獲得し、またある機体は自身の武具を変成して身の丈を越える業火の大剣へと作り替える。あるいは全身へと完全展開すれば、その鋼の機体をそれこそ神々や魔性に近いモノにすら造り替えてしまうという必殺形態。
これをどうやって再現すればいいか……それ以前に、そんな事が可能なのか────結論から言えば、問題なく可能だ。
実験用素体となっている士魂号の本質は巨大なデモニカであり、そしてデモニカのコアとなっているのは黒札専用のシキガミと比べればグレードは劇的に落ちるとはいえ、その実態はシキガミコアだ。そしてシキガミに悪魔変身能力を与える技術は、既にルビー達四人で完成している。
まず悪魔変身スキルを“快”のコアに組み込み、変身先として凶鳥ネヴァンの悪魔カードを内蔵。さらにそれを核として機体の装甲・フレーム全体に錬成・鍛造系の術式を組み込み、操縦者の意志に従って発動し、機体それ自体を悪魔変身させる機能を搭載して────凌駕紋章“飛天”の完成である。
とりあえず、テストパイロットには我がシキガミの四姉妹の一人であるルビーを起用。
宮城系の技術から導入した内蔵COMPを通して、ルビーの本体である大鎌クレセント・ローズを拡大展開する事もできるから、“書斎”による反応速度増幅も相まって、かなりブッ飛んだアクロバティックな動きを見せては、元気よく機体に負荷を掛けて……というか壊している。
“快”が満足に動いて戦えるようになる未来は、いつになったら来るのやら。
◆ ◆ ◆
降霊術に関してだが。
本日、佐渡のパピヨンニキがダ・ヴィンチラボを訪れた。
以前、聖都天草の異界にて大量の神話生物とやり合った事があった。その時に出会った神話生物のラインナップについてだ。
とある神話生物の霊基────悪魔カードやフォルマが欲しい、出来れば降霊して知識を引き抜きたいのだとか。
その、問題の神話生物というのが妖蟲シャン────別名、シャッガイからの昆虫である。
「コイツらを呼びたいって事は────あれか、アザトース炉心」
「ああ。神話として事実上成立しているオカルト核融合炉、その技術が欲しい」
なるほど。
……うん、なるほど。
実際問題、不可能じゃない。
シャッガイからの昆虫自体そこまでレベルの高い悪魔ではないし、今の僕のレベルで問題なく降霊できるし、知識の引き出しも十分に可能だろう。問題は、これが“アザトースを扱う技術”であるという事……ペルソナ5の続編のラスボスを動力源にする技術って事なんだよな。
しかもクトゥルフだから、知識の伝達・伝承それ自体にも正気度へのダメージが伴うとかいう。
そして一週間かけて降霊を終え、パピヨンニキと共同して魔導書として執筆……魔導書『禁忌炉心降霊法』として書き残したコレは、一定のレベルと精神耐性・狂気耐性を持ち合わせており、かつ危険思想を持たない術者にのみ閲覧可能とする形式でプロテクトを掛け、山梨支部の書庫に封印という形と相成った。
まあ、それはさておき。
このアザトース炉心の技術……これをベースにヨグ=ソトースのフォルマでも使ってみれば、デモンベインを作っていた魚沼ロボ部が断念した銀鍵守護神機関(ガチ)が作れてしまうのではないだろうか。
しかも、聖都天草事件の時の大天使ヤズラエルから獲得したヨグ=ソトースのフォルマを封じたマナウス神像(仮)とかいう特級素材が、既に手元に存在している。
「うーん……何に使うべきかね」
まあロボに使うのはほぼ確定かな、とか思うのだが。
◆ ◆ ◆
呉で開発された技術の一つに『概念燃焼式熱核ジェットエンジン』という推進機関が存在するのだが、この技術を、こちら側の技術で再現してみようと思う。
じゃあ熱核ジェットエンジンとは何ぞや、ということになるのだが。
元は宇宙世紀を舞台にしたガンダムシリーズにおける技術の一つだ。機体外部から大気を取り込み、内蔵された熱核融合炉の炉心熱を付加して加熱・膨張させ噴射する事で推進力を得る熱核スラスター、という事らしいが。
呉系の技術では“翼に流体力学系の概念を貼り付け『外界の環境を塗り替えて飛ぶ』”なんていう科学の系統樹に収まる代物かどうかすら割と怪しいものが何の疑問もなく一般化されているのだが、実はこれもそれに近いシステムが使われており。
スラスター内部に流体力学系の概念を貼り付けて内部環境を塗り替える事で“大気を取り込む必要すらなく空気を存在”させ続け、それを加熱・膨張させ噴射して飛ぶ、とかいう感じで飛んでいる模様。
うん、ちょっと言葉にすると頭がこんがらがってくるのだが。
ともあれ技術的には高度ながら、理屈そのものはそれなりに単純なので。
とりあえず試してみよう。
流体力学系概念の貼り付けによる外界環境の塗り替えそのものにも、既に成功している。
要は異界制御技術の応用で、翼やスラスターの表面に小規模な異界を貼り付けてやればいいので、既存の技術で割とどうにでもなる。
問題となるのは熱核炉心の再現だが。
「まあ、これも割と何とかなりそうだな。感知水球作るために【アクア】系魔法を固定したみたいに、【フレイ】系核熱属性魔法を固定した炉心を作ってやればいい」
「よし、それじゃあその方針で試していこうか!」
ってな具合だが。
ネックになるのは、炉心そのものの耐熱性だ。呉では、これを科学的に製造した素材そのものの耐熱性だけでクリアしており、その辺の技術はガイアマテリアルを抱える呉支部ならでは、って事だが。
「こっちの技術で再現するなら【火炎耐性】スキルカードの組み込みで何とかなるかな」
「一応念のため【核熱耐性】もプラスして比較実験を試してみよう」
【火炎耐性】オンリーの炉心。
【核熱耐性】オンリーの炉心。
【火炎耐性】【核熱耐性】両方を搭載した炉心。
ついでに【火炎無効】を搭載した炉心。
四つを比較実験してみる。
核熱属性はレアだからして【核熱耐性】を加えると、当然ながら量産性は下がるし、値段も跳ね上がるからして、できれば【火炎耐性】だけに留めておきたいところだが。
「やっぱり、【核熱耐性】を付けた方が限界出力が上がるのは当然、か」
【火炎耐性】だけでもある程度の耐熱性は確保できるのだが、やはり核の力を抑えられるものでもなく、出力に天井を設けなければならない。そしてそれを【火炎無効】に替えても、やはり核の炎は別属性ということなのか、耐熱性は多少マシになる程度に留まった。
やはりその辺に関しては【核熱耐性】の方が上、と。本音をいえば【核熱無効】が欲しいところだが。
とはいえ、炉の素材は本場の呉では既に型落ちしている旧式とはいえガイアマテリアル製を使っているし、日天合金木素材を利用した出力増幅も使っているからな、【火炎耐性】でもある程度────東北で作られている士魂号クラスの出力なら十分な耐久性を確保できる。トイボックスやイカルガ級となれば怪しいが。
これに関するレポートは、今度ロボ部に送るとしよう。何か適当に対価でももらえれば嬉しいな。
◆ ◆ ◆
さて。
“快”やアザトース炉心関連、熱核ジェットエンジンその他の開発からそれなりの期間が過ぎて。
ちょっと思いついたので、機体の開発を進めていこうと思う……などと考えたのは、探求ネキが開発した量産型超機人“防人”からの発想である。
“防人”は宝玉型五行器をCPUと動力炉を兼ねたメインコアに据え、それを核として装甲護符を展開する事でメインフレームと装甲、果ては筋肉タイプの駆動系までをも構築する非常にシンプルな機体構造を持つのだが……このシステム、割と便利に利用できると思うのだ。
機体サイズそのものは10~30mの可変ながらその大半は装甲護符で賄っており、宝玉型五行器それ自体はせいぜいボーリング玉と変わらない程度の大きさしかないので、多分コレ、デモニカやロボに組み込もうと思えばできるんだよな……。
それをどう使うか、というのが最大の問題であるのだが、まあそこはそれ。
「そういうわけで」
まずは装甲護符から始めよう。
用意するのは以前“快”のフレームに使用した翠木鋼・エレクトラム混合の配向性ストランドボード────エメラルドラムボードを用意。短冊状に加工したこれに装甲護符の術式と【強度逓増】を組み込んで、エメラルドラムボード製の装甲護符を量産。
装甲護符なのでフレームや装甲になる分は適宜アダマス化できるから、実質的にフレーム強度はアダマス基準。
で、宝玉型五行器にはフォルマ式護符ホルダーとして専用の壷中天を接続し、装甲護符はその中に格納。予備も含めて機体10セット分くらいを収納し、機体が損傷しても装甲護符で編まれたパーツを適宜交換する事によって状態を維持する仕組み。
消耗した装甲護符は時間経過により周囲空間からマグネタイトを吸収して復活するが、同じく周辺空間からマグネタイトを収集する五行器の性質上、五行器を全力稼働している間は枚数が回復しないのが痛し痒しだな。まあ、完全破壊とかされなければディア系で治るし、そうでなくてもMAGバッテリーである程度のフォローは効くんだが。
で。
まあ、これだけやっても単にストランドボード素材にしただけの“防人”と変わらんので、差別化、というか何というか……というか、装甲護符による機体構築メソッドの活用というコンセプトからして、こっちが本題なのだが。
────変形機能。
まあ【変化】スキルで良くね? ってなってしまうのは仕方ないのだが、そこはそれ。
装甲護符を組み替える事で、変形できるのだ。変形パターンは各形態ごとにあらかじめプログラミングしておく必要はあるが、まあこれは大きいだろう。
そういったわけで、ロボットモードとビーグルモードの切り替えを可能とする機体。
ベースはあくまで“防人”だからコアになる宝玉型五行器はボーリング玉サイズなんだが、これがあるだけでも結構違うよね。
で、このボーリング玉を【情報接続】でシキガミ体の中に突っ込んで、僕のシキガミの一人であるヤンの体内に一体化する事で、シキガミをコアユニットとするロボ型シキガミを構築したわけだ。
僕と他の面々が見守る中、ガレージのハッチが開き、電脳異界内部に建造された特設会場サーキットへと鮮やかなイエローの車体が走り出す。スマートでスタイリッシュなスポーツカー『シボレー・カマロ』を模したビーグルモードの車体の各所が複雑に展開しながら変形、異能者の知覚ですらほんの数瞬としか感じ取れない寸毫の間に人型へと変形。
外観はオーソドックスな人型、両脚部から展開したホイールをローラースケートのように扱い、ビーグルモード時の加速を殺さずそのままのスピードで高速移動を始めたその姿は、カマロの車体が描く空力特性を生かした緩やかな曲線はそのままに、しかしどこかユーモラスで見る者に安心を抱かせる────そう、米国製の実写版トランスフォーマーにて主人公級の活躍をした大人気のヒーローであるトランスフォーマー『バンブルビー』だ。
「どうして、わざわざ変形機構を? “装甲護符を瞬間的に組み直す”形式の方が機能的にも構造的にも単純で済むから製造コストも抑えられただろうし、分解にも利点は多いんじゃないかな?」
「そうでもないよ。原作再現っていうのが、まず一つだけど……それ以上にさ、たとえ一時的にでも機体全体を装甲護符単位でを分解すると……狙撃型の異能者とかが相手だと、その瞬間に護符の隙間を縫ってコアを狙い撃ちされそうで怖いじゃないか。キノネキとか」
そういうわけで、変形機構はきっちり造ってある。とはいえ、変形するのは表面の装甲で形作ったモノコック構造だけで、その内側に存在するフレームやらシャーシやらの内部構造は、やっぱり装甲の内側で装甲護符を組み替えているわけだ。
だからこそ、全身を部位ごとに一旦バラバラにしてから再度戻すとかいう、実写版バンブルビーの固有技を再現する事もできるので便利。
なお変形時には自身のシキガミ体を“書斎”に格納するから、その辺邪魔にはならない仕組み。マスターも一緒に収容できるので、変形と同時にその辺に放り出される心配もなしだ。
「速く、それでいて落ち着いていて安定感のある走り……ヤンのイメージにはぴったりね」
「分かるか、ブレイク。悪くないだろ」
スピードスケーターのような挙動の高速移動でサーキットを周回していくバンブルビーだがその頭上、サーキットの上空からチョコブロックを象った立方体のブロックがランダムに生成され、地面に向かって落下していく。出現した障害物をバンブルビーは全身各部から展開したマギジェットスラスタからの加速で回避し、あるいはビーグルモードに変形してドリフトでかわし、また人型に変形しては体操選手のような動きで飛び越えて、さらに射出したアンカーを利用した三次元の立体機動で速度を落とさず回避し切っていく。
そして頭上へと三個、一直線に落下してくるチョコブロックには、掲げた右腕を変形させて展開するカニバサミを突き込めば、ハサミから放出された高周波震動により一つ目のチョコブロックが破砕。
さらに続いて落ちてくるチョコブロックはハサミの内側から射出されるアンカーに接触した途端にさらに粉砕。
最後に落下してくるブロックは、やはりハサミの内側から展開する霊子加速砲から投射された【ザンダイン】によって爆砕。
一連の動きを決めつつヘアピンカーブを抜けたバンブルビーの挙動の鮮やかさに、サーキットの観客席から感嘆のどよめきが上がる。掲示板に動画を上げたら、大喜びで見に来たロボ部所属の暇人の皆さんだ。
「劇場版四作目『ロストエイジ』準拠の、複合兵装の腕だ。便利だろ」
「高周波ブレードだね。出力の割に信じられないくらいの破壊力だ」
横で見ていたダ・ヴィンチが感嘆の声を漏らす。
「そう。だから切れ味も抜群だし、高周波をコントロールして震動破砕もできるし、震動それ自体が敵の持つ概念的な防御を“眠らせる”事で大抵の術式や権能は突破できるし、プラスして突き刺した敵を眠らせて即死させられる」
「……!???」
別に大した事じゃない。
前に作った『人魚の子守唄』の最新バージョンを流用し、高周波ユニットに人魚ネキの歌声と【永眠の誘い】を組み込んだだけの事。さらにアンカーを通じて【子守唄】を伝導させる事も可能な必殺武器だ。当てれば、大抵の敵は一発で殺害できる。威力的にも、効果的にも。
さらにはスピーカーとして展開する事で、威力は落ちるが広範囲攻撃も可能という便利武装だ。
全てのチョコブロックを切り抜けてサーキットを回り終え、ビーグルモードに戻り速度を落として停車したバンブルビーは、そのまま無数の装甲護符へと分解して壷中天へと収納。同時に“書斎”からヤンの人型のボディが解放される。
早速動画をDDSへと公開したら思いの外反響があった。
◆ ◆ ◆
バンブルビーの開発を経て、一つ思い知った事があった。
────大量の装甲護符を用意するの、超絶大変。
まあ、言うまでもない。
単純に機体構造を形作るだけでも大量の装甲護符が必要になるわけで、必要枚数に再生分の予備も含めた数の分、複数種の合金樹材を複合加工して配向性ストランドボードを仕立て、そこに装甲護符としての術式を組み込んだりするのは、非常に手間がかかる。
手作業とか、死ねる。
ので、オートで作れるようにした。
霊山同盟支部でG-3シリーズを作るために使われてるのをベースにして、合金樹材の材木加工用と、配向性ストランドボードの製造用、さらに装甲護符の作成用と三種類、シキガミ式マザーマシンを開発した。
同時に、大量の合金樹材を用意するために専用の異界を開設。そうしてできた異界に合金樹専用の製材所『奇仏寺ウッドマテリアル』を併設し、そして合金樹の伐採と加工、さらには森林管理能力を持たせた林業特化専用シキガミ『ポール・バニヤン』を製作し、その管理を任せる事にした。見た目はFGOの『ポール・バニヤン』だ。
現在、100倍に時間加速した異界にて通常の鋼材合金樹と、そして翠木鋼、エレクトラムの合金樹を栽培し、ストランドボード製装甲護符を量産している。
で、そんなこんなでバンブルビー開発もいったん終了したわけだが、せっかく作った製材所がお役御免になるのも寂しいし、前回バンブルビー開発をした時にアップした動画が思いの外好評だったので、量産型となる『スティンガー』をシキガミとして開発し、生産を開始。
ソリッドで攻撃的なデザインが特徴的な真っ赤なパガーニ・ウアイラに変形するトランスフォーマーだ。半終末に際して各国のメーカーを吸収したガイアモータースの協力によりナンバープレートも取得できるから、ビーグルモードなら普通のスポーツカーに擬態して公道も走れる。
何なら【食没】を組み込んだのでガソリンをマグネタイト変換できるから、給油でマグネタイト供給だってできる…………実はその辺の水道水でも十分だったりする。腹に入れば何でもマグネタイトだからネ!
コアはショタオジ製の純正品じゃないからその辺はアレだけど、別料金になるが妥協せずにショタオジにコアを貰ってくるなんて手もあるし、何なら自分の嫁シキガミの体内に組み込んで制御ユニット扱いで動いてもらう事だってできるので────装甲護符を畳み込んでコアに収納して、実際にシキガミの体内やデモニカのドライバー内部に格納できてしまうので……まあ、その辺は好き好きって事で。
スティンガーは結構売れた。普段乗りの乗用車としても使えるからってのもウケた理由の一つだな。
で、その後に作成・量産した実写版トランスフォーマーシリーズはといえば。
他にも都市環境内で目立たず行動できるようにって業務用のトラックに変形できる『トラックス』は、支部運営系とか企業経営系の俺らなんかにそこそこ売れた。
性能的にはスティンガーと大差ないんだが……異能者からの攻撃に耐えられるトラックってのが、そもそも最大のセールスポイントだからな。輸送中にどっかその辺のメシアン共が襲撃を掛けてきても、普通のトラックなら輸送担当の異能者は無事でもトラックが木っ端微塵になるところを……トラックスであれば無事、それどころか戦闘に参加してくれる。
ついでに荷台の奥は壷中天に繋がっているから見た目以上に積載量が大きいし、異界への格納なので荷物を異界内に保護したまま普通に変形して戦闘できるというメリットもある。
その一方で戦闘機に変形する飛行仕様の『KSIボス』の方は、国内ではあまり売れ行き芳しくない。この辺は、日本国内では現代社会が生きている以上、自衛隊以外の戦闘機が大手を振って日本の空を飛び回るのはよろしくないって事で。
……ロボットモードでなら垂直離着陸できるし、簡易的な光学迷彩とレーダー欺瞞も搭載してあるから、絶対に飛べないというわけじゃあないが、それでも事故起こす危険性とか、色々とあるからな。
それ以外にも海外支部なんかでもバルキリーの集中運用をやっていたりして、その辺のニッチと食い合うのが痛いんだよな。そもそもバルキリーの実戦データを基にしているからな、性能が似通ったものになってしまうのは避けがたいところ。
◆ ◆ ◆
どうやら建築重機の需要があるらしいと聞いた。
土師ニキなど、土偶や埴輪を量産するために異界から環境破壊レベルで大量の土を掘っているらしく、そういう異界での活動を前提にした重機というのも重要だ。
何より大事なのは、異界で悪魔が湧いた時の防衛能力があるという事。これに関しては終末環境下のシェルター外で活動可能な重機という意味でも重要だから、終末が訪れたとしてもその辺の需要は変わらないはず……むしろ終末下での新シェルター建設だとか、シェルター外の資源採掘だとか、必要とされる状況はいくらでもあるから、むしろ需要は伸びるかもしれん。
同時にもう一つ、聖剣ソードライバーで複数のライドブックを同時接続した時の技術を叩き台に、複合シキガミコアの技術を利用してみよう、という事で。
他に、デュアルコアになっている人魚ネキの武器型シキガミに使われた技術も利用できそうだが、あれは生み直しというプロセスが必要だったから、それ相応にやり方を考える必要があるから今回は見送り。
んで、変形合体して戦闘可能な建設重機という、方向性がとっ散らかった代物の作成が決定したのだった。福井支部製のアースムーバーでいいんじゃないか、というツッコミは置いておくとして。
作成するのは実写版トランスフォーマーに登場した『コンストラクティコンズ』。ディセプティコンに所属する建設重機チームで、合体して怪物のごとき巨大なトランスフォーマー『デバステーター』を完成させる物騒な連中だが。
とりあえず大雑把な方向性から。
相も変わらず実写版トランスフォーマーという事で、“防人”をベースにした装甲護符での機体構築を基本とする。これに関しては物理的に無理がある変形合体を前提とし、機体構造を内部から変化させる事で再現するための構想でもある。
この手法であれば、内部に複雑な変形・合体機構を作らなくて済むという利点もある。
で、システムの基幹はロボ型シキガミとしてシキガミコアを封入する形での構築となる。これに関しては、操縦者がいなくとも独自判断で作業や応戦が可能になるという点を重視している。
量産を目指すので、あまり高度な素材は使わない。普通の鉄材系装甲護符にヒヒイロカネ・マルエージング合金の属性を付与する事で強度を確保する形に。
と、いうわけで合体システムを構築しながら、一体一体製作していく。
原作におけるデバステーターへの合体は劇中でその全てを描写される事がなく、また映画とその後に発売された玩具版でも合体に参加するメンバーがあからさまに異なっているという謎や矛盾の多い合体ではあるが、とりあえずこの七体という事で。
指揮統率を担うリーダーはミキサー車に変形する『ミックスマスター』。
コンストラクティコンズの中でも最大級の巨体を持つ油圧ショベルに変形する『スカベンジャー』。
鎖鉄球を武器とする物理ファイターで、ホイールローダーに変形する『スクラッパー』。
大型クレーンに変形する『ハイタワー』。
ダンプに変形し四本腕を持つ異形の機体『オーバーロード』。
同じくダンプに変形し、多彩な武器と重装甲を持つ『ロングハウル』。
ブルドーザーに変形し、バネ状の下半身で跳び回る異形の『スキップジャック』。
これら七機をセットまたはバラで販売し、七機揃えれば超大型ロボシキガミ『デバステーター』に合体可能。建設重機として使ってヨシ、戦闘用としてもヨシ……特に、敵対勢力の拠点やその防衛設備を物理的に粉砕するキルドーザー系の兵器としては十分以上に強力な代物となるだろう。
とりあえず、合体ロボの概念実証はこれにて完了。
うん、いいんじゃないか?
これを技術部のデータベースにアップしてみたら、列車ニキこと舞人君がこのデータを基にとうとうマイトガインの設計を始めるとの事。是非とも頑張って完成させて欲しいものである。
◆ ◆ ◆
さて。
せっかく量産型人造トランスフォーマーを作ったのだから、ガルヴァトロンも作ろう。
実写版の。
なお、実写版だとガルバトロンではなくガル“ヴァ”トロンなので、その辺微妙に違うので注意……したところで、特に意味はないけれど。
ともあれ、こう、トランスフォーマーシリーズのフラッグシップ機みたいな感じで作ろうと。
さて、それでガルヴァトロンをどういった感じで再現するか、だが。
バンブルビーの時に断念した、あのシステムを再現しようと思う。こう、人造トランスフォーマーらしく、装甲護符単位で分解・再構成する形での変形機能を。
とはいえ、それを単純に再現するだけだとバンブルビーの時に考えたように、細かな隙間を射抜かれてコアを破壊される恐れがある。
だから、ちょっと色々と考える必要があり……まあとりあえず結論に達した。
特定の場所にコアが存在しなければいいんではないか、と。
いうわけで。
まずは装甲護符を製造、するのだが。
そもそも量産を前提としていないので、コスト削減にこだわる必要はない。とことん、良い素材を使いまくっていこうと思う。
「と、いうわけで」
トランスフォーマー型ロボというかシキガミとしての機体を構成するのは、当然ながら装甲護符、配向性ストランドボード型だ。素材には翠木鋼とエレクトラムを使い、そこにアダマスとしての性質を付与していくデフォルトだが……【強度逓増】を組み込むなら、これが一番効率がいいので仕方ない。
ただし、そこに余計な一手間。ぶっちゃけ、実写版ロストエイジの人造トランスフォーマー────特にガルヴァトロンが多用していた、無数のチップに分解して攻撃回避とか移動とか、そういう事ができるように仕込みたいんだよね。
それをやると構成素材の隙間からコアを射抜かれそうで怖い、ってのがバンブルビー作る時の考えだったんだが、この辺を両立するための工夫としてね。
エメラルドラムボードを量産しつつ、それを素材に装甲護符を構築すると共に、細かく色々と組み込んでいく。一枚一枚に、限界まで小型化した飛行石とシキガミコアを埋め込み……飛行石はそれだけで超高性能の光量子コンピューターだからね、さらにそれを【情報接続】を利用してネットワーク化して相互接続し、装甲護符の総体でクラウドコンピュータを構築。
そして、そのクラウドを基点に電脳異界を形成し、それを“書斎”として構築した後、その中に中枢たるメインのシキガミコアを封入する事で、群体制御型シキガミとして成立させる。
この方法なら現実世界に物理的にコアが存在しないので、部品の隙間を撃ち抜かれる心配もなし。
また飛行石はコンピューターであると同時に動力炉と、そして重力制御機関も兼ねる。だから部品単位での浮遊飛行もできるという事。
武装関連は胸部中央に備えたシュレッダーと、腕部内蔵のキャノンとブレード。後は内蔵したトリガーホルダーやフォーゼシステムからトリガーやアストロスイッチの兵装を展開する形で。
特に注力したのが胸部のシュレッダー機構だ。機能的にはデバステーターの頭部に組み込んでいたものを流用しているが、パーツを構成する装甲護符からして素材レベルで別物であり、アダマントス合金素材によりその頑強さは他の部分すら上回る。
デバステーターのシステムを流用した事で、原作とは異なり強烈な吸気で敵やその攻撃をシュレッダーへと吸い込んで破壊する事だってできる。
それに加えて悪魔素材を使用した『万魔録』と同規格のライドブック型魔導書『カリュブディス』を搭載して神話の神獣クラスまで破壊力と殺傷力を底上げしており、それどころか吸い込んだ敵の攻撃をコピーして放つ事すら可能としている。
【変化】による人間形態も追加。モデルは『C³-シーキューブ-』のフィア……だから愛称は原作通り『フィア』でいいな。
それに合わせて、32種類の拷問器具・処刑器具への変形パターン……これに関しては装甲護符の組み替えに加え、魔導書に追加記述を組み込む事で概念強度を引き上げる形で。
◆ ◆ ◆
航空艦を作ろう。
そう思ったのは、魚沼や宮城で作られている航空艦の画像を見た時だ。特に宮城の飛竜戦艦。
ただまあ、まだターミナル輸送が完全なものとなっていない半終末期における海外間の大規模輸送を考えて、ある程度は量産に向いているものを作ろうと思う。
と、いうわけで形式は山梨発のシキオウジ型。鋼の機体を構築し、そこに適した悪魔を憑依させる事で機械制御可能な人造魔を製造する技術。
主要部は大型の簡易シキガミコアを中核に、探求ネキが開発した飛行石8基をCPUと動力炉に加えて浮遊機関を兼ねて【情報接続】にて並列接続する事で『エニアゴンコア』を形成。
飛行石の数を増やしたのは、複数系統の設置による姿勢安定や緊急時の予備といったメリット以外に、飛行石の動力機関としての要諦────類感術式を用いた飛行石同士でのエネルギーの相互供給と相互増幅によるネットワークの存在を、安全面から考慮したものだ。外部妨害による類感ネットワークの遮断だとか、あるいはネットワーク感染を考慮してのこちらからのシャットアウトなどといった事態に備え、類感ネットワークを艦体内部のみで完結させる事により機体を稼働させ続ける事が可能。
また状況次第では類感ネットワークを外界の干渉から遮断しつつ、内蔵したターミナル端末を経由してのDDSネットワークから類感ネットワークに繋げる事もできる。
飛行石を8基も使った事でコアそのものは軽自動車1台分くらいにまで大型化したが、そもそも大型航空艦を作るので問題なし。
そして、後は艦体の構造材だが。
量産する事を前提にした設計にするため、あまり高価格なオカルト金属を使うわけには行かない。今後、金属資源の供給源として主流になっていくと思われる霊木化合金木材の使用を前提に、通常の鋼材の合金樹をベースにした配向性ストランドボードを素材にした装甲護符を量産。
さらに対外部環境を主眼に、装甲護符としての材質変換術式により不朽概念を宿したエレクトラム合金の特性を付与。これで構築した船体に魔獣バケクジラを降霊する事で、人造魔として成立させたのが航空艦『ホエールキング』。元ネタはゾイド。
全長225.0m、全高は54.0m、最高速度は時速827kmと、スペック面はほぼ原作準拠。飛行石に加えて魚沼由来の人口重力発生装置を用いての垂直離着陸が可能で、浮遊後の推進は従来型のマギジェットスラスタを使用。
外部装甲には呉由来の環境テクスチャ添付技術を用いており、装甲表面に一定深度の水中環境の特性を展開する事で、バケクジラの特性も相まって海上・空中のみならず潜水艦としての水中運用も可能と三種類の環境で活動する事が可能な万能艦だ。
ペイロードも大きく取る事ができ、何なら船体が装甲護符で構築されている事もあり、貨物に合わせてある程度は内部構造を変える事も可能。
構造的には探求ネキと山梨ロボ部が合作した飛空艇ハイウインドにも近いのだが、あれは一品ものであり、こっちは量産を視野に入れて設計しているから、あまり高い素材とか、高度な技術とかを突っ込めないのが微妙に痛いところだな。
まだ終末前の常識と国家体制が生きている半終末期の日本国内での運用を考えて、光学迷彩やレーダー欺瞞を搭載しておくのも面倒だが、しっかりやっておかなきゃならない。
兵装としては内蔵式トリガーホルダーからガトリングモジュールやランチャーモジュールを展開しての射撃が可能な他、電磁カタパルトをエレクトロンマスドライバーキャノンへと転用する事が可能だが、これはよほど巨大な敵か、あるいは対城破壊とかその辺の役割がメインだろうな。
それ以上が欲しければ、エニアゴンコアのシキガミコア・飛行石複合CPU内部に構築された電脳異界の専用フォルダに格納したゾナウギアのパーツを装甲表面に展開、接続する事で、コマンド一つであっという間に戦闘艦に早変わりする事も可能。
なお、ゾナウギアは別売り……皆、買ってね。
ともあれ、これで新しいホエールキングの誕生である。実に素晴らしい!
量産型航空艦とかいう、この半終末後の世界でなら間違いなく需要のある代物。これは、売れる。
終末後はターミナル端末による転移が一般的に解禁されるから、どれほど需要があるかは知らんけど……まあゼロになったりはすまい。
まあ、それはそれとして。
ホエールキングを造ったのは量産型航空艦として、なんだが。
これだけ作ると、自分用にも一つくらい確保しておきたい。自分ら用のスペシャルなヤツを。
ってなわけでクラフト開始だ。
まず、基本構造はホエールキングのままでいい。
その上で、基本構造材は配向性ストランドボードの装甲護符を使うのには変わらないが、素材は以前も使用した翠木鋼とエレクトラムの混合材。【強度逓増】と治癒術式の合わせ技を生かす形にしつつ、さらに装甲護符としての素材変成により、水の属性と相性が良い神珍鉄への変化によって強度の下限を確保する。
そして、これを八隻用意して連結し、一体のシキガミに制御させる超弩級戦艦構想────シキガミのモデルは『蒼き鋼のアルペジオ』からムサシを起用。
左右舷側、各三艦。空母と人型機動兵器揚陸艦、そして戦艦。
中央部二艦、指揮統制艦と特装砲制御艦────そしてその上に伸びる全長1000mにも及ぶ巨大な言詞塔砲。
────『都市シリーズ』に登場するガルド級航空戦艦“
ホエールキング用のエニアゴンコアを8個並列接続しているため、出力も乗数倍になって途方もない事になっている。
メインコアには【水面展開】スキルを組み込んだので、展開した水面下の異界へ潜行する事により通常空間から完全に消え失せる形でのステルスも可能。
防御手段としては結界にプラスしてグライ系の重力操作を応用した重力障壁と【雷の壁】にジオ系魔法を重ねた電磁バリアを加える三重の防御……出力は十分に足りるからな。
戦艦部の砲は内蔵式フォーゼドライバーからNSマグネットキャノンやランチャーモジュールを多重展開する仕組み。迎撃火器もガトリングモジュール展開でオッケー。出力の桁が違うので、威力も通常のデモニカサイズとは桁違いのものになっている。
空母部にはゾナウギアパーツを利用して無人戦闘機『ザバット』を量産し、艦載機として大量に格納……格納庫自体をフォルマ弾倉化し、好きなだけ使い捨て可能なザバットを、“書斎”からミクさん型の電脳簡易シキガミ群が操縦する形で。また量産型空戦トランスフォーマーであるKSIボスも十分な数を搭載。輸送機としてガンペリーなんかにも対応した格納や発着用のスペースを作っておこう。
重騎揚陸艦にはスティンガーやトラックスを搭載する他、それ以外にも士魂号やナイトメアフレーム、バルキリーといった一般的な量産機に合わせ、それらも搭載できるようにするように規格化して……当然、バンブルビーや“快”にも対応、と。
艦を運用する船員はパピヨンニキからクローンヤクザの製造プラントを買い付け、それで量産された船員仕様のクローンヤクザで賄うとして……プラントそのものを艦に組み込む事もできそうだな。
さらには陸戦隊・空挺部隊として扱うために……これもクローンヤクザで良さそうだが……いや、純粋な戦闘力ならガイアメモリとアマゾンズドライバーで強化したてらほくんの方かな?
問題は“葬送曲”に搭載する二つの特装兵器だが。
まずは、言詞塔砲。“葬送曲”の外観における最大の特徴であり、その砲身長は八隻連結した巨大極まりない船体そのものよりも一回りも大きく、現在の設計では全長1000mにも及ぶ。原作における発動原理は『言詞=空間を構築する流体内に内包された概念素子を抽出・加速させ、収束照射する』という代物で、射線上の空間を言詞崩壊させ破裂させる凶悪な代物だ。
これをどうやって再現するか、といえば────まあ強力な砲を作ればいいんじゃね、という思考放棄に近い結論を出す事になった。あの作品世界は色々と世界観やら設定やらが独特で、再現とか非常に難しいので。
なので、これに関しては八隻連結艦の超高出力と、そして【螺旋丸】の原理でどうにかしていこう。
単に強力な砲撃なら、再現するのはそれほど難しくない。高エネルギーを余すところなく照射してやれば、それで片が付く。だが、それで倒せるのはエネルギー総量と出力で優っている相手だけだ。大抵の敵に対してそれができるだけの出力を確保して尚、僕達ガイア連合が対峙すべき終末に対してはまだまだ力不足と言わざるを得ない。
四文字。ルシファー。クズリュウ。セプテントリオン。ベル神。メム=アレフ。クラリオン。ニャルラトホテプ。ニュクス。イザナミ。ヤルダバオト。あるいは他にも、他にも。それら全ては予測される程度の危機でしかなく、しかし僕達の力はそんな彼らに対してすら届いているかも微妙なところであって。
ましてや“女神転生”というルールに縛られない他の世界から来る脅威がどれほどのものか。理想を言えば時天空やラ=グースみたいな手合いでも追い返せるくらいの力を得ておきたいところだし、そのために出来る事は可能な限りやっておきたい。
……と、いうわけで【螺旋丸】────マグネタイトの高速乱回転による圧縮原理を利用した兵器『重力子放射線射出装置』。
「組み込むスキルはグライ系の重力操作魔法と、空間に干渉するトラポート系の転移魔法。そして────【丸かじり】だ」
【丸かじり】は本来、魔法ではなく物理スキルだ。だが物理スキルを魔法スキルとして扱う技術なら、ガイア連合にきちんと存在している。以前、探求ネキが各種魔法を五行思想に対応させた折に、金行に該当する魔法が存在しなかったため、本来は物理スキルである【九十九針】を魔力依存の魔法スキルとして発動する術理を組み上げた。
それを応用し、魔法スキルとして扱う【丸かじり】────あえて属性に当て嵌めるのであれば“捕食属性”とでもいったところか。
前にガルヴァトロンの胸部シュレッダーに組み込んだのと同じライドブック型魔導書『カリュブディス』を媒体として使用し、捕食概念という属性魔法として【丸かじり】を発動。それを【グライバリオン】【トラポート】と複合し、【螺旋丸】としてまとめ上げ、言詞塔砲機関部の炉心を用いて限界まで乱回転圧縮し、霊子加速砲の原理によって収束放射する。
その結果、何が起こるか。
重力変動を伴う空間干渉により射線上の空間それ自体が一直線に消滅、それによって発生する空間の亀裂そのものが“捕食”の属性に影響されて捕食器官としての性質を帯び、周辺の空間を内包する物質・霊質問わず巻き込んで噛み砕き呑み込んでいく事で大規模な空間縮退が発生、局所的な疑似ブラックホールが完成する。
……想像以上に、恐ろしい兵器が出来上がってしまった。
【丸かじり】を組み込んだせいか消費したエネルギーをマグネタイトとして還元できるから消費は思った以上に少ないが、しかし周辺被害とかその辺を考えると気軽に撃っていいような威力でもない。
試射の実験標的にしたのは宇宙ステーション“ミール”────前世の歴史でも存在したソビエト製の国際宇宙ステーションだが、どうやら過激派メシアンに汚染されて天使の拠点になっていたらしく、数発の核弾頭が運び込まれたとの情報がアメリカの狩人ニキとかその辺から流れてきたので、ありがたく試射の標的とさせてもらったが。
異界化して本来の宇宙ステーションの何十倍ものサイズに構築されたミールの中枢ブロックが一瞬で消滅し、そこに開いたブラックホールにしか見えない黒い渦がその周辺のブロックを、慌てて逃げ出そうとする天使共まで巻き込んで咀嚼しながら引きずり込んでいくのはかなりグロいもので、見ている側としては中々精神にクるものがあった。
その後、ショタオジからは今後大気圏中ではできるだけ撃たないようにとの御達しがあったのだが、まあ仕方なし。
ともあれ。
もう一つは機甲紋章────これに関しては“快”に搭載された凌駕紋章と同じもの、機体を竜体へと変容させ、1000m越えの巨大な艦体でもって音速超過の高速飛行や格闘戦を可能とするシステムだ。
ベースは仮面ライダーカリバーのデモニカシステムを作成する時に作ったライドブック『ジャオウドラゴン』を核に、セト=アペプの伝承を核とした闇と嵐の龍。女神転生シリーズの邪神セトは本来の伝承であれば敵対者であるはずのアペプと意図的に混同された上で、さらにはサタンの半身として関連付けられた特別な存在でもある。
そこから、サタンの原型としての側面を引き出したのが機甲紋章“
どちらも膨大なマグネタイトを消費する代物だが、それも上空のM-BUSとリンクする事で、供給される太陽マグネタイトを同調稼働するエニアゴンコア8基で五行サーキットを循環させて増幅してやれば、数発程度なら連射できるだけの余裕はある。
……割と、既存の技術だけでどうにかなるものだな。
とりあえずこの艦はちょっと大き過ぎるので仙境型結界で隠してあるのだが……これもその内、何とかしないとな。
次回は別主人公で沖縄の予定。
~割とどうでもいい設定集~
・重騎“快”
グラッチェ。
元ネタは『都市シリーズ』。
ベースになっているのは士魂号だが、都市シリーズに登場する重騎を再現する形で様々な新技術を盛り込んで再設計しているため、構造的にも性能的にも既に別物と化している。
操縦者はシキガミのルビー。
操縦機構には、コクピットを小規模電脳異界の内部に構築し、そこに操縦者を格納する“書斎”を採用。操縦席が通常空間や機体そのものと空間的に切り離されているため、操縦者の保護や居住性も万全であり、DDSネットワークを介してターミナルシステムを使用可能なため緊急時の退避も可能。何より操縦席を時間的に加速する事により、操縦席内の反応速度を天井知らずに加速する事が可能。
ただし、電脳異界を利用しているために操縦者はペルソナ使いかデビルシフターに限られる。
機体構造の基幹となる内部フレームは生体合金樹素材。エレクトラム合金と翠木鋼のチップを混合した配向性ストランドボード素材。これに装甲護符の術式を利用してアダマスの強度を付与した上で治癒術式と【強度逓増】スキルを組み込み、メインフレームを構築している。
高次の出力を引き出す事による負荷により治癒と【強度逓増】を繰り返す事により徐々に強度が増していき、最終的には“書斎”の時間速度を最大限に加速して発動する超過駆動にも耐え切れるだけの骨格強度を得る予定。
人工筋肉シリンダーには木行の元素と相性の良い龍神セイリュウのフォルマを使用。全体的に高い治癒能力を発揮する。
また外部装甲の上に装甲服『オーバーコート』を着せる事により機体の頑強化を図っている。
さらに切り札として、機体構造に術式を組み込み、機体それ自体が操縦者の意志に感応して凶鳥ネヴァンへの悪魔変身を発動する“凌駕紋章”による超音速駆動を持つ。
・禁忌炉心降霊法
魔導書。
無惨ニキ・パピヨンニキの共著。
シャッガイからの昆虫から引っ張り出したオカルト動力炉“アザトース炉心”の技術を記したもの。
下手すると終末案件になる代物であるため、一定レベルの精神・狂気耐性持ちで、かつ危険思想を持たない者にのみ閲覧可能となるプロテクト付きで、山梨支部の書庫に封印された。
・概念燃焼式熱核ジェットエンジン
石は転がる様『【カオ転三次】DRUG FATE』より。
呉系統の技術であり、ホワイトグリントなどに採用されている推進機関。元作品中における稼働原理は不明。
内蔵した熱核炉の炉心熱で、半異界化した空間テクスチャ内の大気を加熱・膨張させ噴射する事で高速飛行するスラスター。
炉心出力さえ維持できれば外部環境を選ばず半永久的に飛んでいられる。
・バンブルビー
元ネタは実写版『トランスフォーマー』シリーズ。
シキガミ・ヤンの外部拡張躯体。設計的には蓬莱島系列の量産型超機人『防人』に近く、装甲護符で内部機構を組み替える事により物理的にはまずもって不可能な変形機構を実現しており、黄色のシボレー・カマロから人型機体へと変形する。
右腕部はカニバサミと霊子加速砲、アンカーを組み合わせた複合兵装腕となっており、『人魚の子守唄』を流用して人魚ネキの歌を再現した『人魚の子守唄』を高周波化して【永眠の誘い】と共に武装に上乗せする事により、物理破壊に加えて大半の防御を概念的に眠らせた上で睡眠と即死を貫通させる必殺兵装となっている。
・エメラルドラムボード
翠木鋼・エレクトラム合金の破砕チップに、無垢の合金樹の葉を原料とする接着剤と合わせて混合材として製造した配向性ストランドボードを、さらに装甲護符化したもの。
木行の治癒と相性の良い翠木鋼、不朽概念を持つエレクトラムの混合に加え、装甲護符の術式でアダマスの強度を持つ。さらにダメージを受けるたびに物理・概念面の双方から強度を増していく【強度逓増】術式で補強され、治癒と強度逓増を繰り返す事で、稼働を繰り返すごとに強度が上がっていく。
・奇仏寺ウッドマテリアル
合金樹材の製造と材木加工を主業務とする合金樹専用の製材所。林業=金属加工業。
管理者としてシキガミ『ポール・バニヤン』を起用している。
現在は主に通常の鋼材合金樹に加え、翠木鋼・エレクトラム合金樹を栽培し、ロボ用のストランドボード製装甲護符を量産している。
・ポール・バニヤン
元ネタは『Fate』シリーズ。
無惨ニキのシキガミの一体であり、奇仏寺ウッドマテリアルの管理者。
筋力・体力特化型物理タイプであり、【巨大化】スキルにより絶大な物理破壊力と耐久力を誇るが、本領は伐採と森林管理、木材加工という生産職。
・トランスフォーマーシリーズ
元ネタは実写版『トランスフォーマー』。
バンブルビーをプロトタイプとするトランスフォーマー型シキガミシリーズ。ショタオジ製のコアではないため、簡易シキガミの分類に入る。
赤のスポーツカー「パガーニ・ウアイラ」に変形するスティンガーは基本的にバンブルビーの量産モデル。さすがに『人魚の子守唄』までは組み込んでいないものの、性能自体は高い。
業務用のトラックに変形可能な『トラックス』は、都市環境で目立たず運用できる戦闘車両、応戦できる輸送車両という両面のニッチから、かなり普及した。
航空機型の『KSIボス』は呉製のバルキリーと性能が似通っており、ニッチを食い合ってしまうため、売れ行き控え目。ただし同程度の性能は、ある。
・コンストラクティコンズ/デバステーター
元ネタは実写版『トランスフォーマー』。
建設重機としてのニッチを狙ったトランスフォーマーシリーズの機体であると同時に、複数のシキガミコアを同期させる事を目的とした合体ロボとしての試験機。
ミキサー車型のミックスマスター、油圧ショベル型のスカベンジャー、ホイールローダー型のスクラッパー、大型クレーン型のハイタワー、ダンプ型のオーバーロードとロングハウル、ブルドーザー型のスキップジャックと計7体が合体する事により、超大型ロボシキガミ『デバステーター』となる。
アースムーバーという先客が存在していたため生産台数は少なかったが、後の合体ロボ関連の技術の叩き台となった。
・ガルヴァトロン
元ネタは実写版『トランスフォーマー』。
トランスフォーマーシリーズのフラッグシップ機となるロボ型シキガミ。人間形態は『C³-シーキューブ-』のフィア、愛称はそのまま『フィア』。
生体合金樹材を用いた配向性ストランドボード素材の装甲護符それ自体に小粒の飛行石を組み込み、量産したそれらを【情報接続】を用いてリンクさせ、ネットワーク化して形成したクラウドコンピュータを基盤に電脳異界を構築、それを“書斎”として内部に純正品シキガミコアを封入、群体制御型シキガミとして完成させた。
大量の装甲護符の一枚一枚がCPUと動力炉、重力制御機関を兼ね備え、部品ごと、パーツごとよりも小さい単位で浮遊飛行を行い、機体構造を分解して組み替える事が可能。
武装は腕部内蔵のキャノンとブレードに加え、内蔵トリガーホルダーやフォーゼシステムからトリガーやアストロスイッチの兵装を展開可能。
さらに胸部に設けられたシュレッダー機構には『万魔録』と同規格のライドブック型魔導書『カリュブディス』が組み込まれており、強烈な吸気により敵やその攻撃を引き寄せて破砕し、あまつさえ吸い込んだ敵の攻撃をコピーして放つ事も可能という凶悪な代物。
加え、人間形態のモチーフに合わせて三十二種類の拷問器具・処刑具への変形パターンを組み込まれている。
・ホエールキング
元ネタは『ゾイド』。
量産型の航空艦。世界的に航空・航海網が破壊され、しかしターミナルシステムが未だ稼働できない半終末環境下での大規模輸送艦としての運用を目指して開発された。
設計的には“防人”や飛空艇ハイウインドに近いものだが、分類としては山梨系のシキオウジロボの系列に属しており、装甲護符で編まれた艦体に魔獣バケクジラを宿している。
環境テクスチャ添付技術による表面装甲には一定深度の水中環境の特性を展開する事により、バケクジラの特性と合わせて海上・空中のみならず潜水艦のように水中潜行も可能な万能艦。
ペイロードも大きく、また船体自体が装甲護符で構築されている事もあって、貨物に合わせてある程度内部構造の変更も効く。
兵装は内蔵式トリガーホルダーからガトリングモジュールやランチャーモジュールを展開してターレットとして運用する事を前提としており、それ以外の自前の武装としては電磁カタパルトを転用したエレクトロンマスドライバーキャノンのみ。
それ以外、それ以上を求める場合には別売りのゾナウギアを電脳異界内部に収納し、必要に応じて展開する事が可能。
・ガルド級航空戦艦“葬送曲”
元ネタは『都市シリーズ』。
中枢となるシキガミは『蒼き鋼のアルペジオ』からムサシ。
ホエールキングと同規格のコアを有する艦体8隻を三列接続した連結艦。ホエールキングと同規格のコアを8基連結して出力増幅を行っているため、その出力は次元違いに高い。
左右舷側、各三艦。空母と人型機動兵器揚陸艦、そして戦艦。
中央部二艦、指揮統制艦と特装砲制御艦────そしてその上に伸びる全長1000mにも及ぶ巨大な言詞塔砲。
基礎的な術式設計そのものはホエールキングのものと変わらないため、空中・水上・水中と三環境での活動が可能となっており、さらに【水面展開】スキルを使用して仮想水面下の異空間への潜行も可能となっている。
戦艦部の兵装は内蔵式フォーゼドライバーから展開したNSマグネットキャノンやガトリングモジュール、ランチャーモジュールなどを多重展開する事で賄う形。
空母部の格納庫には艦載機として無人戦闘機ザバットを多数格納した上でフォルマ弾倉化し、無尽蔵に使い捨て可能な装備としている。さらに航空型の量産型トランスフォーマーであるKSIボスや輸送機であるガンペリーなどを搭載可能なスペースと発着用のカタパルトデッキも配備されている。
重騎揚陸艦にはスティンガーやトラックスなど無人機として運用できるトランスフォーマー型を主力として搭載している他、空挺隊・陸戦隊としてクローンヤクザとてらほくんを積み込んでいる。
艦の運用人員は主にクローンヤクザの製造プラントを買い付け、それを艦内に組み込んで自力生産する事で賄っている。
最大の兵器である言詞塔砲の実態は、空間破壊兵器『重力子放射線射出装置』。
グライ系の重力属性、転移魔法の空間属性、魔法として発動された【丸かじり】の捕食属性を合わせて【螺旋丸】の原理で圧縮されたマグネタイトを霊子加速砲の機構により全長1000m超過の砲身から一直線に投射するもの。
発射されるとまず射線上の空間が一直線に消滅し、発生した空間の亀裂が巨大な口腔と化して周辺空間とそこにある物質・霊体を“喰う”事で空間縮退を起こし、局所的な疑似ブラックホールを生成。さらに喰ったものをまとめてマグネタイトに還元し、吸収する。
もう一つの切り札である機甲紋章“駆天竜”は、ライドブック『ジャオウドラゴン』を中核に邪神セトの形態へと変化し、超音速機動を可能とするもの。
セトの霊基からサタンの権能すら引き出し、【メギド・アーク】すら発射可能な代物。