ファッション無惨様のごちゃサマライフ   作:頓西南北

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また内政ターン……。


見た目無惨様の何か色々開発記 宇宙編02

 

 

 

   ◆    ◆    ◆

 

 

 

 木星から飛んできたディビニダドモドキを撃退したと思ったら、さらにプラス9機分のおかわりが飛んできた今日この頃。

 

 見た目ディビニダドの癖にゲッター線に【光子力ビーム】とか、中身絶対ゲッターとマジンガーのちゃんぽんなのは間違いない。

 ガワをディビニダドにするならもう少し中身ガンダムに寄せてからにしろと言いたいところだが、ガンダムもガンダムでヤバいのはヤバいので、その辺に関する言及は控えておこう。

 

 

 まあ騒いでもどうしようもない事はどうしようもないって事で、ディビニダドが迎撃ラインとなる小惑星帯に到達するまで、それなりの時間が掛かる。その、さして長くもない“それなり”の時間を最大限に活かすには何をすればいい、か。

 幸いにも、前回の戦いで【獅子像孤狼】を使った影響で、あの力の向こう側にいる“絶対に呼んではならないもの”の残滓が僕の身の内に残っており、外宇宙の曼荼羅から流出した邪神鏖殺の特攻作用が取り込まれているため、僕とその仲魔であればクラリオン(?)が持つ反ガイアの理を貫通して攻撃と防御ができる。

 

 故に、詐欺のような手口に頼るしかなかった前回よりもずっとマトモな戦いになる。

 言い換えるなら、僕は絶対に出なければならない。

 

 

 まず、ラピュタ支部の面々には最低限指示を出す。

 

 

 特にラピュタと宇宙方面の各システムを統括する情報統御シキガミ群ヴェリタス。

 また呉から移籍してきた宇宙部の面々。

 それ以外にも衛星ネットワークを管理する飛電インテリジェンスをはじめ、ラピュタに支社を置く各企業にも協力を仰ぐ。

 

 また僕が不在の間の愛媛支部に関しても通信を介して各方面に指示を出しておく。

 

 

 そして、それが済んだらターミナルを通して山梨第一支部に飛び────ショタオジによる修行の時間だ。

 

 

 ゲッター線を浴びた事によるレベル上限の拡張と、【獅子像孤狼】の副作用により“絶対に呼んではならないもの”から供給された莫大な存在強度、その相乗によりレベルが上がり、ステータスが向上し、各種スキルや権能が強化され、ついでに術式の構築や制御、発動に関わる適性がアホみたいに上昇した。

 また、身の裡に残った外宇宙の曼荼羅の残滓に関する検証も必要だ。

 

 

 じゃけん、上がった能力をきちんと使いこなせるように修行せねばならん。

 

 

 地獄のごとき。

 

 

 わざわざ大昔に試作された100年ボタンの正式版である1億年ボタンに強化してまでの修行である。傍から見ればごくごく短時間の修行だが、体感時間では永劫に片手を引っ掛けるレベルの大修行だ。魂が摩耗し果てるギリギリのところまで行っては、引き戻される事数度、ようやくショタオジの太鼓判を貰って刑期を終える事に成功した。

 成長の結果として、悪魔変身先である『妖獣ヌエ』、ペルソナである『道化師 ドウマン』からそれぞれ某邪神の因子が抜け、権能と化して僕の霊基へと取り込まれた。本霊と邪神、それぞれから権能を受け継いだ形になるな。

 さらに邪神の影響が抜けた事とレベルアップの影響により、悪魔変身先はヌエから『秘神 カオス』に、同じくペルソナは『宇宙 ガイアレンゴウ』へと進化した。

 

 何というか、一気に強くなった感があるが、進化した悪魔変身先とペルソナを使いこなせるように鍛錬しなければならなかったのは、割と大変だった。

 

 

 そこから先が、また苦行だった。

 

 

 既に完成している“悲嘆の怠惰”“焦がれの全域”を含む10基の大罪武装、そして同じく20基の聖譜顕装────これら30基の大霊装を完成させる必要がある。これに関してもショタオジの手を貸してもらう事になり、同じく永遠の一歩手前に片足を突っ込んだレベルの体感時間を経て、ようやく全ての兵装が完成した。

 

 

 そうやって最低限の前提条件を整えた僕は、満面の笑顔を浮かべたショタオジに見送られ、ラピュタへとトンボ返りするのだった。

 

 

 

   ◆    ◆    ◆

 

 

 

 こうしてショタオジの修行ウルトラハードコースから解放された僕が最初に始めた事は……装備の見直しである。

 

 

 まず精査すべきは、僕の主戦力ともいえるオーズドライバーとコアメダルだ。

 

 いくつかのメダルは既に型落ちといえるレベルになっているし、それ抜きでも現行のシステムそれ自体が全体的に、レベルアップによって向上した能力に追いついていない。特に、本来はヌエの補強のために製造されたオーズドライバーは、今の僕の悪魔変身先である『秘神 カオス』の能力には対応していないし、また対応し切れない。

 

 なので、オーズドライバーも今だから使える高位素材を惜しみなく使って一から作り直すし、手持ちのコアメダルだって全てバージョンアップする。

 

 ドライバーにはデモニカと同等の情報支援機能に加え、内部にはトリガーホルダーと壷中天、そしてフォーリナーのサーヴァントカードを内蔵。壷中天にはコアメダルとアストロスイッチ、その他各種補助兵装用のストレージを組み込み、思考一つでコアメダルの換装を行う転送術式を搭載し、様々な状況に対応できるように。

 また、ゼクターとの連動機能を本格的に実装……あのディビニダドモドキとの戦闘でも重要だったからな。

 基本的にはシンプルでいい……と言いつつ、割とゴテ盛りになっている気がしてならない今日この頃。

 

 

 

 コアメダルは第四世代型にシフト。技量が上がった事で、これまでよりも遥かに質の高い兵装が作れるようになっており、メダルの容量も向上している。

 高位悪魔の霊基に加え、対応する生物の生体情報、魔導書としての情報と術式、そして全身各部位に組み込まれる各種機能と、専用兵装のデータまで組み込んだものを標準とする。

 コアメダルそれ自体にデモニカコアとしての機能も組み込み、その上でコンストラクティコンや聖剣ソードライバーで確立した多重コア連動のデータを元に、連動性を強化していく。

 また、今まで作っていなかった各種メダルも、あらためて作っていく。

 

 それに合わせ、コアメダル各種に組み込まれる兵装や機能も一から作り直した。

 

 タカメダルの視力関連に関しては写輪眼術式をベースに強化した浄眼に。

 ライオンメダルの発光機能は【ライトマ】をベースにした閃光による目晦ましだが、ここに霊子加速砲の増幅原理を組み込む事で光量を強化すると共に、コンボ形態時の特殊能力である熱線放射のための砲門として機能するように。

 タコレッグの触手展開機能に関してはそのままに、【螺旋丸】の原理を組み込んで普段は水中用の高速推進機構として機能する形に。必殺技の際には触手を束ね、水流を収束させてドリルのように機能させ、破壊力を向上させる形。

 

 トラメダルの『トラクロー』に関しては“抉り取る”機能に特化した性能に。

 カマキリメダルに組み込んだ『カマキリソード』に関しては純粋な性能強化に落ち着いた。折れず曲がらずよく斬れる、刃物としての性能を追求したもの。

 クジャクメダルに組み込まれる炎弾投射円盤『タジャスピナー』。オーズドライバー同様にコアメダルのスキャン機能を組み込み、武器必殺技に特化する代わり、七枚までのコアメダルをスキャンして必殺技を撃ち出せる形式に。またコアメダルをスキャンする代わりにマッカを消費する事で、出力増幅も可能。

 ウナギメダルに搭載された『ウナギウィップ』、これも【ジオバリオン】を組み込んで強化した放電機能にプラスして高速の伸縮機能を組み込み、捕縛に秀でた構成に。何なら伸縮と絡め取りを利用して移動に使う事も視野に入れて構造を強化していく。

 ゴリラメダルに組み込まれた射出籠手『ゴリバゴーン』。これに関して重力属性の射出機能をメインにはゴリラアームの膂力をそのまま伝導する形式の、重力属性の物理攻撃武器という形に。さらに念動属性による弾道制御や、着弾時の打撃威力を標的内部に効率よく伝導する衝撃属性も組み合わせた。

 

 そんな具合に、他にも色々。メダル全種を各三枚ずつ用意する。

 

 

 また、これまで作ってこなかった恐竜系メダル三種『プテラ』『トリケラ』『ティラノ』、これに関しても完成させる。

 “葬送曲”でも使用した邪神セトの高位霊基。

 恐竜の化石から得られた生体情報。

 魚沼のデモンベインの稼働実験後に外された損耗部品。

 内部に組み込む魔導書のメインは、北欧神話のラグナロクの始まりを告げるフィンブルの冬の記述に由来する氷結属性と、そして黙示録の終章を主題とした“世界の滅亡”に関する特性────そして何より前回【獅子像孤狼】を放った時に流入してきた“呼んではならないもの”に関わる記述。

 

 これらを用いて、片鱗とはいえ“呼んではならないもの”の力をある程度気軽に扱うための霊装を構築する。

 

 また、その中に組み込むための専用兵装『メダガブリュー』。

 アダマントス合金をベースとして重力鋼とフォールドクォーツを合わせた“終末鋼”を素材とし、斧と砲の二形態を持つ可変武装として構成し、“悲嘆の怠惰”で確立した携行可能な重力子放射線射出装置の決定版として作成。主動力はオーズ本体からのマグネタイト供給に加えてマッカを消費する事による出力増幅機能を持つ高威力兵装だ。

 メダルさえ持っていれば武器として召喚できるからな、他のフォームでも使えて色々と便利だ。

 

 

 とりあえず、コアメダルに関してはこんなところ。

 

 

 

 さて。

 

 それとは別にゼクターについてだ。

 

 オーズドライバーに試験的に組み込まれていたゼクターとの連動機能は、元々は「あったら便利」程度のものに過ぎなかったが、レベルオーバーの邪神と化したクラリオンとの戦闘において、戦いの土俵に立つために最低限必要なものだった。

 あの時は単一のゼクターで足りるかどうかも分からなかったためカブトゼクターとダークカブトゼクター、二つのゼクターを過剰出力で同時使用した。結果、それは正解だった。むしろ間に合うかどうかもギリギリのラインだった。

 

 結果として二つのゼクターはオーバーヒートを起こし、自壊寸前の域に追い込まれ、無事に帰還・回収されたもののダメージは大きく、再調整が必要になった。

 

 この時のデータを元に専用のゼクターと、そして二基のゼクター間における連動を前提とした『ハイパーゼクター』を製造する。

 

 コアとなるゼクターのベースは……量産試作型のザビーゼクターをベースに少量生産した正式な試験量産型『カブティックゼクター』が開発済みなので、それをベースにハイパーゼクター対応モデルを、ある程度量産可能な形で製作していく。

 太極炉術式によりコアメダルやオーズドライバーと連動しての出力強化を行い、クロックアップの加速率は既存の全ゼクターを上回る性能を発揮できる強化版だが、ゼクター同士の連動を前提に設計しており、ここにハイパーゼクターを合体させる事で、前回二つのゼクターで強引に発動した多重クロックアップを安定稼働させる事ができる。

 

 

 ひとまず、これで最低限の基礎はできたかな。

 

 

 

   ◆    ◆    ◆

 

 

 

 さて、黒札といえば専用シキガミ、専用シキガミといえば黒札である。ガイア連合内において黒札に与えられる最大の特権だ。

 

 その専用シキガミだが、これはアガシオンやイヌガミのような通常の使い魔どころか、姫路のディスガイア系シキガミ、宮城のてらほ君などを始めとする通常の簡易シキガミとは一線を画している。

 

 

 ────寝取られないのだ。

 

 

 単純な性能より何より、その一点が重要だ。

 本霊を含む多種多様な神格からの干渉防御どころか、運命力とかいう一番厄介な類の意味不明な干渉すらも完全に防ぐ事ができるという至れり尽くせりっぷりだ。それを実現しているのがショタオジお手製のプロテクトコードであり、これを解く事ができた黒札は未だ存在していない。

 

 ……僕達が頑張って成長すれば最終的にはそれくらいの領域まで到達できるらしいが、ぶっちゃけ永遠に解けない神聖不可触の領域であってほしい、そんな風にも思う。

 

 

 当然、今の僕でもまだ届かない…………のだが。

 

 

 それでも、指一本引っ掛けるくらいの領域にまでは到達した、らしい。プロテクトそのものをどうにかする事はできないが、それをそのままコピーアンドペーストして無垢のシキガミコアに貼り付けるくらいの事はできそう……まあ、これに関しては既にフリスビーニキなんかがもっと早い時期に達成してしまっているので、今さら驚くような事でもないか。

 

 という事でその辺、ショタオジに監修してもらってプロテクト複写型シキガミの試験的な新規製造を開始。

 まずは『バンバン』『バンバリーナ』『ジャンボジョシュ』『オピラバード』『スティンガーフリン』『シェリフトードスター』『クイーンバウンセリア』『ナブナブ』という試験機8体を完成させ、シキガミそれ自体にも問題は無しとショタオジにお墨付きをもらったため、8体にラピュタの防衛にプラスしてそれぞれ仕事を割り振って。

 

 

 そうして 続いて開発するのは、最近、研究する事が多くダ・ヴィンチにかかる負担が増えてきたという事で、作成するのは研究・開発用のシキガミを、プロテクト複写型シキガミとして一気に三体。

 

 

 設計技術特化型『ウタハ』。

 製作技術特化型『ヒビキ』。

 データベース特化型『コトリ』。

 

 

 の、三名。

 

 結果、無事成功。

 三人揃って『エンジニア部』だ。

 

 ひとまず、ウタハはカブティックゼクターとハイパーゼクターの量産ラインを設置するように。

 ヒビキには電脳異界専用デモニカであるゲーマドライバー専用のガジェットである『ライダーガシャット』をトリガーチップ用の仕様に落とし込むように。

 コトリにはロックマン系属性付与トリガーチップのバリエーション開発を進めるように。

 

 新しく誕生した彼らの経験蓄積を兼ねて、とりあえずそんな具合に指示を出しておく。あまり無理はさせられないからね。

 

 

 戦闘や情報収集に特化したシキガミなんかも作りたいところだが、今一番必要なのは技術担当だろうからね。その辺は、追々だ。

 

 ともあれこの一件が無事に成功した事により、ショタオジのところにシキガミ製作補助として分身シキガミを派遣する事になったが……ブラック労働の予感しかしない。まあ分身だしショタオジの助けになるのなら仕方ないとはいえ…………某NARUTOの影分身よろしく、解除と同時に本体や他の分身に記憶と経験がフィードバックされるシステムのため、解除した後の精神的なダメージにいささか不安が残る。

 報酬そのものは非常に良いから、この仕事を切るという選択肢がないのが、なおさら一層不安をそそられる。

 

 

 さて、それはそれとして技術開発関連といえば。

 

 呉に本社を置く有沢重工、そのラピュタ支社には、ラピュタが衛星軌道に浮かぶ宇宙開発都市であるという事を生かし、呉支部ロボ研の中でもバルキリー型戦闘機などを通じて研究が進められていた宇宙開発や宇宙用の機体開発などを行っていた部署がそっくりそのまま移ってきている。

 

 そこに所属する黒札の樺太ニキが持ってきたのが大型モビルアーマー『アプサラス』シリーズだ。

 

 見た目が第08MS小隊のギニアス・サハリンな樺太ニキだが、彼が研究していたのはフロートパネル系の重力制御ユニットやフィールド系バリア技術であるらしく、その技術は呉支部の歴代フラッグシップであるMk.Seinやホワイト・グリントにも使われているとか。

 機体コンセプトは非常に単純で、大型の熱核ジェネレーターを搭載した巨大な機体を分厚い装甲と大出力のバリアで守って重力制御で浮かせ、大出力のビーム兵器で敵を薙ぎ払う。重装甲・重火力という言葉を至極端的に体現した機体だ。

 シンプルゆえに隙が無く、高い出力を必要最低限の要素に無駄なく配分し、純粋な攻防力でどうにかなる領分の話であれば大抵はどうにかなる、そういったコンセプトの機体だ。

 

 

 で、樺太ニキが言うにはこのアプサラスをベースに、宇宙戦用のモビルアーマーを製造したいとの事。

 

 

 とりあえず有用そうだって事で、使い過ぎないように釘を刺しながらも要求分にいくらか色を付けたマッカを投資したのだが。

 

「……まさか一週間でビグロを作ってくるとは思わなかった」

「計画そのものは地上で研究していた頃から存在していたからね、単に宇宙関連の技術が後回しにされていて予算が出なかったから作らなかっただけで。それに実機を作る段階ではBALLS、彼らの存在にも随分と助けられたよ。おかげでこちらの想像以上に工期を短縮できた」

 

 分厚い装甲を備えた重量級の機体に大出力のジェネレーターを搭載し、大出力のスラスターによる加速力で一気に距離を詰め、大型標的や拠点を狙ってやはり大出力の術式魔砲で焼き払う要撃をコンセプトとするモビルアーマー。

 搭載している術式魔砲は火炎・電撃複合属性の霊子加速砲に五行炉の技術と日天合金を利用した増幅サーキットを組み込んだ新型の高威力砲で、小型化や効率化が進んでおらず機関部が大型化して通常サイズの機体への搭載が難航していたものを、大型モビルアーマーへの搭載を前提に持ち込んできたものだ。

 巨体である利点を最大限に活かした性能を持つ反面、的が大きく重い上に、それを出力任せで無理矢理加速しているせいで小回りが利かず、回避性能がお粗末なのが弱点で、それを補うために堅牢な装甲で身を固めている。

 

「弱点があるとするなら、主兵装の粒子砲は大威力・直射型で攻撃範囲も狭いから、多数の敵と戦うにはあまり向いていないという点かな。常に物量で攻めてくる天使と戦うには、少々気になるところだ」

「そういう意味なら、こういうのもあるぞ!」

「……って、いつの間にザクレロまで作ったし」

 

 自信たっぷりに樺太ニキが見せてきたのは、もう一台の試作モビルアーマー『ザクレロ』だ。ビグロと並行して作っていた代物であるらしい。まあコンセプトと設計自体はビグロとそこまで変わらんからな……出力と推力に任せた一撃離脱戦法がメインなのはビグロと変わらないが、標的が違う。

 ビグロとの最大の違いは主兵装であるマルチロックオン・自動追尾可能な拡散魔導砲で、これにより多数の敵を一度に撃破する事ができ、天使との戦いも安心。また近接用に備えた二本のヒートナタは、ビグロのクローアームよりも扱いやすい。

 

「アプサラスもそうなんだが、どちらの機体も最大の問題は重装甲にしても防御面が不安なところだな。機体が大きければどうしても的にされるのは避けられないし、小回りも効かないから回避もできない。せめてIフィールドが再現できれば良かったんだが」

「やっぱり、呉でも難航してるのか?」

「ああ。ミノフスキー粒子なんてこの世界には存在しないからな。代わりにマグネタイトと霊力はあるが」

 

 ふむ。

 

 となると……。

 

「重力鋼を利用した次世代型フロートパネルの構造をベースに、重力変換機構を念動属性と入れ替えてみればそれっぽく仕上げられるかもな。念動属性特化合金樹のサンプルはラボの倉庫にあったはずだし、それを時間加速異界で育てて増やせば数は稼げるか」

「念動で魔法をそらして無効化するのか。この原理なら魔法だけでなく物理も弾けそうだが……強いのはいいんだが、原作再現派が抗議しそうだな…………」

「ターンタイプのIフィールドは実体弾も防ぐから問題なし……と言い張る事にしよう」

 

 ううむ、まあ類似のケースは割とあるし、そこまで問題はない……と、いいなあ。

 

「それで、追加のプランは…………アッザム、ビグ・ザム、グラブロに…………ナンバリングがおかしいな。ビグロがNo.1、ザクレロがNo.2として、アッザム以降がNo.4からになってるぞ。3番はどうした?」

「3番のプランはヒゲマンニキの専用機として建造した機体だな。元は有線ビット兵器の試験用に設計された機体でね。ちょうどラピュタの外側の宙域で模擬戦をしているところだが、見るか?」

「なるほど、面白そうだな。ちょっと興味が出てきた」

「承知した。今、映像を回す」

 

 

 樺太ニキが指を振ると、その動きに合わせて空中に仮想モニタが展開する。

 その中心に表示されているのは、巨大な帆立貝にも似た寸胴の形態をした大型モビルアーマーだった。機体の半分以上を占める巨大なマギジェットスラスタから火炎・衝撃複合属性のバックファイアを曳いて、その機体は宙域を加速する。

 

「ブラウ・ブロか……キケロガじゃないんだな」

「ヒゲマンニキはジークアクスよりもサンダーボルトの方が好みだったらしくてね。だからコアユニットとして宇宙仕様のバルキリーが接続されている」

「おお、本当だ」

 

 菫色と鉄灰色のツートンカラーで塗装されたブラウ・ブロを追い掛けて、後方から迫る機体が三機。戦闘機形態から素早く変形して戦闘態勢を取るのは、呉支部から移転してきた宇宙部が使用している標準的なバルキリーだ。

 手にしたバルカンポッドでブラウ・ブロの巨体に向け、素早く照準しトリガーを引き絞るが────それよりも一手早く、ブラウ・ブロの巨体が横に跳ねる。コアとなっている鉄紺色のバルキリーがグローアップユニットで延伸された四肢を踊るように動かした事で重心がずれ、同時に姿勢制御スラスターを解放した事により、ほとんど横っ飛びに等しい動きでブラウ・ブロは射線を回避する。

 

「デカブツの割に無茶苦茶な運動性────こうして見た限りだと、テスラ・ドライブの開発は順調みたいだな」

「ああ。重力制御と慣性重量を個別に変動制御するベクトル制御機関────原理としては重力属性と念動属性の合わせ技だな。スパロボ原作だが、今はブラウ・ブロに追加搭載して動かしているところだよ」

 

 急激な回避運動によって発生したベクトルを回転運動に変換しつつ、その遠心力に乗せて解き放たれるのは三門の有線ビットだ。緩やかな周回軌道を描いて拡散したビットが敵を取り囲むように三方から霊子加速砲を照射、三機のバルキリーは散開してそれを回避するが、その内の一機はブラウ・ブロが本体から投射した閃光に巻き込まれて撃墜判定が入る。

 

「というか今のビーム、霊子加速砲じゃないな。まさか……」

「ああ、無惨ニキが持ち込んだ【光子力ビーム】だ。要求される出力が足りないから通常のバルキリーへの搭載は見送られたが、モビルアーマーの出力であればどうにか実戦レベルで扱える」

 

 超合金ニューZαから取り出した光子力エネルギーを日天合金と『エイジャの赤石』で増幅して投射するガイア連合版【光子力ビーム】は、ディビニダドモドキのフェザーファンネルに搭載したものよりも構造そのものは単純ながら、出力は決して劣らず、むしろ収束率が高い分だけ貫通性に優れ、高威力だ。

 

「もう実用化に成功したのか。……じゃあ、光子力についての生成機序もほぼほぼ形になってきた感じかな」

「ああ。呉のロボ研でもホワイト・グリントの副機として搭載が検討されているらしいな」

 

 【光子力ビーム】の元になっている“光子力”は、超合金Z系列の合金の主原料となる新元素ジャパニウムの核分裂によって発生する超高エネルギーだ。原子力を上回る出力と完全無公害が特徴で、一説には初期型の光子力エンジンですら太陽にも匹敵する超エネルギーを気楽に生み出せるとか、人類を丸ごと恒星間旅行に連れていけるだとか…………設定盛り過ぎでは?

 とはいえ決して弱点がないわけではなく、超合金Zは原作中でもスパロボでも割と気軽に損傷しているし、何なら機体の構成素材である超合金Zから直接エネルギーを抽出しているため、しばらく使っているとやがて材質そのものが老朽化し、強度が落ちていくのだ。

 

「その辺の弱点は、五行炉と日天合金素材を組み合わせる事でクリアできそうだ。五行炉と同様、抽出したエネルギーを循環増幅しつつ還元し、余剰分を蒐集して動力に────代わりに出力はノーマルの光子力エンジンよりも落ちる公算になるが、それはそれで大型の炉心を作ればいいだけだからな」

「何だか、色々なところで色々なものが開発されているな……」

 

 ブラウ・ブロの機体側面から伸びる有線ビットが敵機を包囲するように動き、同時にコアにしたバルキリーからも多数のビット兵器が射出される。どうやらあの機体、コアバルキリーの方にも小型の無線ビットを搭載していたらしい。

 それ自体は別に不思議な事でもないが、驚くべきはその操作精度だ。ただ数に任せて袋叩きにするのではなく、ビット同士が緻密な連携を行い、巧みに敵を追い立てていく。

 

 猟犬のように周囲を飛び回るビットに追い立てられた敵機は、ビットの放つ霊子加速砲の閃光を回避し切れず少しずつ傷を増やしながら、やがてブラウ・ブロ本体が放つ光子力ビーム砲の射線上へと追い込まれ、下るのは容赦のない撃破判定だ。

 

 

「ふむ……勝因の半分以上はヒゲマンニキの技量というのは、技術者としてはいささか気に入らないところだが」

「とはいえ、パイロットの腕を引き出せる機体を作るというのはエース用機体の課題だからな。その辺だってエンジニアの腕の見せ所だろうよ」

 

 

 まあ、何はともあれヒゲマンニキみたいな例外を除き、的のデカいモビルアーマーは随伴用の小型機動兵器と合わせて使わないと話にならない。だからその辺の生産ラインも合わせて作っていく必要がある。

 

 とりあえずは呉系のバルキリーの宇宙仕様の他に、飛行機型トランスフォーマー型シキガミ『KSIボス』の宇宙空間対応型を設計していくとして……既存の機体に追加パッチを加える事で、割と簡単に宇宙仕様に切り替えることができるのはトランスフォーマー型の良いところだな。

 

 

「────とはいえ、ヒゲマンニキも少しばかり消化不良なようだ。無惨ニキ、ここは一つ追加戦力など投入してはどうだろうか?」

「僕のところの機体との模擬戦がお望みか……うーん、確か今……」

『マスター、今ならワイス姉様、ブレイク姉様の手が空いていますから『ファービュラリス』と『ルーンドラッヘ』が出せますよ。二人とも、あまり出番がありませんでしたから、ちょうどよいかと』

「……ふむ」

 

 ラピュタを統括するヒマリからの進言を受けて、僕は遠隔で己のシキガミへと指示を送る。二体のシキガミ────ワイスは普段通りに恭しく優雅に承諾し、ブレイクは肩をすくめつつも躊躇なく肯定の意を返す。

 

 ややあってラピュタから光の尾を曳いて飛び出したのは蒼く差し色をした鮮やかな白の機体、ワイスが搭乗する『ファービュラリス』。孔雀の尾羽に似た五枚の翼から青白く燃える凍気の尾を曳いて加速するのは、両腕に鋭角の大型兵装を携えた騎士のごとき姿。

 ファービュラリスが左右に携えた兵装から放出する【マハブフバリオン】を収束させ、無数の氷柱が雨霰と投射される。

 

 鋭角な軌道変更を繰り返し複雑な軌道を描いて迫る無数の氷柱が降り注ぐ中、ブラウ・ブロはその巨体で数度のバレルロールを打って爆発的な推力を全開に加速しつつ氷群の顎から逃れ、遠心力で解き放った有線ビットから霊子加速砲の多角的な砲撃が回避軌道を計算に入れた時間差で放たれる。

 それを多重展開する氷の盾で防ぎながらもファービュラリスの手に出現するのは武器型シキガミであるワイスの本来の姿であるレイピアが拡大顕現、その切っ先から展開する魔法陣から投射される【ブフゲイト】による凍結光が、咄嗟に回避したブラウ・ブロを掠めるようにして宙域の彼方へと消えていく。

 

 軽い攻防を経て再び反撃に移ろうと【光子力ビーム】の砲門を展開したブラウ・ブロに向かって、その刹那、あらぬ方角から閃光が走る。寸前で気付いて急速回避を行ったブラウ・ブロの装甲表面には深々と一文字の傷が穿たれていた。

 

「っ、“葬送曲”からの砲撃────では、ない? ……まさか『ライトクラフト・プロバルジョン』!?」

「そう、それだよ。元ネタ種ガンで、作中だと外部からレーザー光その他を照射する事で、機体後端の推進剤ブロックに積んだ燃料を燃焼させて加速するっていうアレだけど────こっちのは基地や母艦から発射した霊子加速砲を展開した術式フィールド表面で受け止めて、その出力を後方に収束噴射して瞬間的に加速する。原理的にはマギジェットスラスタの応用版だね。ロボ研宇宙部で研究開発が進められていた資料を参考にさせてもらった」

 

 ドックに停泊していた“葬送曲”の砲門から放たれた霊子加速砲の粒子光を尾と曳いて、回転しながら全身の運動ベクトルを散らしファービュラリスの隣に並ぶのは、黒の装甲の上に黄金色を配し、狐の意匠を纏った機体『Yzルーンドラッヘ輝夜』。

 その全身から赤紫に燃える光刃が展開し、ルーンドラッヘは乗り手であるブレイクの本体である小太刀を拡大顕現。その機構が瞬間的に組み替わり、鎖鎌となった刀身の後端から伸びるリボンを掴み、高速回転させて投げ放った。

 

 ブラウ・ブロがそれを回避するや、ファービュラリスが放つ氷の刃の合間を縫うようにして、ルーンドラッヘは周囲に無数の幻影を散らしながら宇宙空間を密やかに疾走する。それに応えて、ブラウ・ブロも機体各所に備えられた大推力のスラスターを全開に噴かし、加速。

 

 

 そうして、三機の機動兵器が宇宙空間で激突する。

 

 

 

   ◆    ◆    ◆

 

 

 

 宇宙の話。

 

 宇宙探査のためにウーレンベック・カタパルトで飛ばした射出用コンテナ『チューリップ』が、火星に到着。飛ばしたチューリップは火星上空で展開し、内部に設置されたターミナルを起動しつつ軌道を修正して衛星軌道に乗った。

 現在はグリゴリアイズ数機を放出しつつ、そのターミナルを基点に転移したホエールキング二隻が火星の赤道近くに位置するエリシウム平原へと着陸、ターミナル経由でコンストラクティコンズやアースムーバーなんかの建設重機を転送し、その端にあるアイオリス山に拠点の建造を開始している。最終的には、ここがガイア連合火星支部となる予定。

 

 ひとまずはラピュタ支部で大量に余っている大型マグネタイトバッテリーをいくらか飛ばして当面のマグネタイト源を確保しつつの、四国霊道環状線の技術を利用した大規模なマグネタイトの増幅サーキットの建造に着工、並行して拠点地下には松山駅地下にあるのと同じ大規模地脈抽出炉“祖国”も建造開始。

 完成したらメテオシステムに接続して既存の太極炉術式ネットワークに接続する事で、大規模霊地に匹敵する生体マグネタイトを好き放題に使えるようになる予定、……というかここが既に火星の大規模霊地なんだよな。

 

 同時に魚沼支部から買い入れたアクアダインストーンを利用して建造した大型マグネタイト変換器で水を生成し、アイオリス山周辺のゲールクレーターを湖に変えつつ、ダンジョンコアを核に仙境結界を構築して人間の生存可能域を確保……終末が来ていない今、ターミナルの機能で気軽に転移できるのはデビルシフターとペルソナ使いだけだから、今のところ人間なんて一人もいないがな。

 いるのは簡易シキガミとBALLSにクローンヤクザ、後は少し前に宮城の幼女ネキや海魔&虚空ネキと共同開発したラニシリーズ、後は姫路で開発されたのをライセンス生産中の量産型百式観測型レアリエンくらいで、そんな彼らの手で、愛媛でライセンス生産したアースムーバーを使って開発を進めているわけだ。

 

 特に、ラニシリーズが有難い。建築・製造特化のビルドタイプ────ラニ=Bは今必要とされている能力を持っているし、列車やホエールキングを多数運用していくスタイルから、運転能力に特化したトランスポータータイプのラニ=Tも欠かせない。

 また資材生産の関係上、農業生産用に調整されたガーデナータイプのラニ=Gも重要だ。安定して利用できる水源が確保できたら、それを元手にまずはサクナ米とキクリ米の栽培をスタートしていく予定だし、それ以外にも合金木などの生産もあるからして、そのためラニ=Gタイプは今後もさらなる増産が必要になってくるだろうな。

 他に管理や電子戦を担当する量産型レアリエン、観測・索敵を任とするイーリャンなどもまだまだそこまでの数は必要ないとはいえ生産を続けている。

 

 

 それに先駆けて作成したのが新アイテム『豊穣杭』だ。これは以前ブーストニキが作成した聖域鉄杭をベースにしてテラフォーミング用に再設計、BBコーンの芯材を素材に量産したもので、周辺地域を結界化すると共に土壌の肥沃・豊穣・豊潤化を行うものだ。同時に大気や日照量などの調整も行い、おおむね人間の生きていける、そして農業に適した土壌を作り上げる。

 BBコーン自体、元々オカルト食材として開発されたものではあるが、その辺の神社に生えている下手な霊木よりも高い格を持つ霊樹の一種だ。そして食材であるから強い豊穣の属性を持ち、それもあって豊穣杭の素材としては最良のものだった。

 このお陰でこれまではキャベツの芯のように捨てる部分として扱われていたBBコーンの芯にも需要が出てきたため、現場と市場が少しばかり混乱が起きているようだが、その辺も時間が立てば鎮静化するだろうな。その辺は農業部と富豪系俺らと、後は事務課が上手く調整するだろう。

 

 

 これで一通り農業ができる土壌が整ったら農場建てて、道路作って、倉庫建てて、物流拠点建てて、線路敷いて、駅作って、大型ターミナルに宇宙港も作って、と建設を進めていく。またクローンヤクザやラニシリーズの製造工場や居住施設、各種物資や資材の生産工場なども片っ端から建設していく。

 とりあえずは農業重視で、余った作物は倉庫に突っ込んで保存。どうせ終末が来たら食料なんていくらあっても足りなくなるのだ、それまで全部備蓄米にしておけば問題ないだろう。前人未到の火星であれば土地の所有権など気にすることなく好きに開拓ができるので、開いた土地は全部農地にしてしまってもいいくらいだ。

 合金木や鉱石木、豊穣杭の素材となるBBコーンなど、生産すべき素材は山程あるのだ。

 

 

 火星の衛星であるフォボスとダイモスにも拠点建てて、要塞兼宇宙港として整備。宇宙港設備は基本的にはホエールキングやメガシップに対応したものだが、“葬送曲”にも対応できるドックを一つ用意しておく。

 またホエールキングやメガシップを増産するための造船所も用意するが、素材はまだまだ外部からの輸入頼みだ。その内に自己生産できるようになるのがベストだが、今は無理。

 小惑星帯にもチューリップが届いたら、そこから資源になりそうな小惑星を引っ張ってくるのがベストだろうが……まあ、それも後の話だな。

 

 最終的には火星と地球を行き来するための体制を整えて、地球から開拓用の移民なんかを受け入れる形にしていこうかな、と思っているが……治安が乱れる事やら何やら、色々と想定してあらかじめ作っておく必要があるだろうな。

 

 火星開発の将来的な目標はいくつか存在する。

 まず日本以外の全てがメシア勢力の手で陥落した時に、日本の霊脈を維持するため火星と日本の霊脈を直結して、マグネタイト支援のためのバックアップを行えるようにする事。これに関しては、まずショタオジとの話し合いが必要だろうな。

 そして、それを含んで日本に対する後方の大規模生産拠点とする事。食料や資材など、作るべきものは山程ある。

 最後に、ガイア連合が日本を維持する事ができなくなった時のため、仲間達を含む日本人をメシア教会の手が届かない場所に移住させるための移住先とする事。

 

 とりあえず、この辺を戦略目標として、できる事を進めていく予定。

 

 

 

   ◆    ◆    ◆

 

 

 

 宇宙開発に関して、金星・水星にもチューリップを飛ばし、金星軌道コロニー『ビーナス・グロゥブ』、水星軌道コロニー『シン・セー』の建造を始めている。これらの拠点の役割は多数のメガソーラー衛星を並べたエネルギー生産拠点で、コロニーの役割はその維持管理設備で、今はまだ人間の居住とかその辺に関しては考えていない。

 最終的には『ビーナス・グロゥブ』は居住を前提にした自然環境構築型コロニー、『シン・セー』には学校を建てようと思っているが、それもまだまだ先の話だ。

 これらの拠点で太陽エネルギーから変換されたマグネタイトは太極炉術式によって増幅され、火星や地球へと送り届けられる予定で、このため現状、ラピュタの工場で生産されたメガソーラー衛星の大半は、順次チューリップを通じてこちらの拠点へと送り込まれている。

 

 

 そして、火星である。

 

 金星や水星と異なりぎりぎりテラフォーミングが視野に入る環境を持つ火星では、普通に地表の開発を行い、さらには各種生産活動まで展開しているわけだが……ビーナス・グロゥブやシン・セーを遥かに上回る膨大な量の設備を管理する必要上、どうしても専属のシキガミが欲しくなる。

 

 さらに、日本と異なり火星には人間が住んでいない = 土着の神がいない。というか、そもそも悪魔がほぼ湧かない。人間もいないからね。

 これは好き放題に開発できるという利点でもあり、土着の神格や地元名家の協力を仰ぐ事ができないという弱点でもある……まあ、悪魔くらいは普通に呼び出せばいいんだけどね。とはいえ、何の神格を呼び出すかという点で、吟味は必要になってくるが。

 

 そうして、現時点において必要とされる最良の能力を持ち合わせている神格こそ────。

 

 

「────エジプトのオシリス神、だ」

 

 

 荒れ果てた砂漠に大河を引き、豊穣の恵みを運び来る豊穣神。農業生産をスタートさせた今の火星にとっては、これ以上ない程に有用な権能の持ち主だ。

 

 だが、一つ重要な問題がある。

 

 コイツはエジプト神話の主神なのだ……そう、かつて多神連合がメシア教会と対決し、雌雄を決した大決戦を決定的な敗北に導いた、あの大戦犯の、だ。

 ……やらかしの度合いが大き過ぎて、全く信用できない。危なくなったら肝心なところで逃げ出すような神とかいらんのよ。

 

 と、いうわけでエジプト関連に最も通暁した脳缶ニキへとコンタクトを取って、彼が山梨の修行用異界へと潜る際のパーティメンバーとして同行させてもらう。エジプト神話の中でも元々主導的な立場にいた神々……かつての決戦でやらかして信徒達にそっぽを向かれて地上に顕現する事すらできない彼らは、自分達を差し置いてファラオを名乗る脳缶ニキが気に入らないらしく、彼が修行用異界に潜るたびに高位分霊を突撃させては返り討ちに遭っているらしい。

 

 つまり彼に同行すればエジプトの主神格たちのフォルマが比較的容易に集められるというわけだ。

 もちろん狙いはオシリスのフォルマだが、タカメダルの強化に使えるホルス素材を始め、ラーやセトといった様々な神格のフォルマも全て素材としては優秀だし、集めない手はない。早速だがガタキリバコンボに変身して分身しての人海戦術を展開、その上で多重コンボチェンジを決めながら効率よく標的を狩っていく。

 

 そうやって十分な量のオシリスフォルマを蒐集しつつ、格と性能が一番優秀なオシリス神を脳缶ニキと力を合わせて適度にボッコボコにした後、強制的に封魔管に詰め込んで捕縛したら、次の段階に移る。

 

 

 オシリス神から狩り集めた大量のフォルマを素材としてシキガミボディを作成。それを依り代にして、可能な限り位階の高いオシリス神の分霊を召喚する。いかにもエジプトのファラオらしい恰好で神々しく出現したオシリス神は、出現直後に実に嬉しそうに高笑いしながら、居丈高な態度で騒いでいる。

 

「よくぞ余を召喚した! 褒めてやるぞ下僕共よ!! さあ信仰を捧げ、生贄を献じるのだ! 余を見捨てた愚かな信徒共とあのにっくき自称ファラオめに神罰を下してやらねばならんのだ、そのためには今の状態では力も勢力もマグネタイトも足りぬからな!! ………………あれ?」

 

 そうしてひとしきり騒ぐと、周囲を見回して様子がおかしい事に気付いたのだろう。ここは豪華な王の間でも、あるいは豊潤なナイル河の畔でもない。だが少々、気付くのが遅かったな。

 僕は、気配を消して待機していたシキガミの一人、チームRWBYの黒担当であるブレイクへとこっそり合図を送る。

 

「────ぬ? ────貴様、よもやそこま、ガ────!!!???」

 

 オシリス神の背後から忍び寄ったブレイクが、その尻に極太の浣腸器を突き刺したのだ。スケベ部の手によって道路工事用のパイルドライバーをベースに改装されたウルトラピストンドライバーが唸りを上げ、秒間数千回の高速ピストンを繰り返しながら、その肛門へと約30リットルにも及ぶ信仰排泄ゼリーを流し込んでいく。

 

「おのれ────おのれ、おのれおのれおのれおのれおのれおのれ……!!!」

 

 腰砕けになりながらも尻に力を入れて必死に耐えるオシリス神だが、しかしその努力もむなしく、腹を一発殴られるとついに耐え切れなくなり、その肛門が決壊する。ブチブチブリュブリュと汚い音を立ててひり出されてくるのはいかにも身体に悪そうな極彩色のゼリー塊────オシリス神の記憶や知識、人格といった精神の様々な構成要素が含まれたそれをダ・ヴィンチがトングで拾い上げ、無言のまま錬金釜へと放り込んだ。ここからもスキルカードを抽出し、素材にするので。

 そして何より、ゼリーに混じってひり出されてきた神核を回収。

 

 後は残った体だが……こちらも別途、大型錬金釜へと放り込む。そしてその心臓に当たる部分にまずはショタオジ製シキガミコアを組み込んだ後、その他素材色々、特に拠点運営と火星開拓に必要そうな各種スキルカードを突っ込んで錬成開始。

 シキガミボディのベース設計には、ラニシリーズを火星で運用する関係上、その統括個体としての機能を組み込んで。

 数時間に渡ってじっくりと身体を構成しつつ、最後にそのコアの内部にオシリス神の神核を封入する事で、オシリス神の神格と権能を宿したシキガミ『ドゥアト』が完成する。司る職務は火星拠点『レジオン』を中心とする、火星一帯の管理だ。

 

 

 また、その手足となるプロテクト複写型シキガミとして、ロックマンシリーズのボスを元ネタとする『カットマン』『ガッツマン』『アイスマン』『ボンバーマン』『ファイアーマン』『エレキマン』『メタルマン』『エアーマン』『バブルマン』『クイックマン』『クラッシュマン』『フラッシュマン』『ヒートマン』『ウッドマン』を製造する。

 なおボンバーマンはあくまでもロックマンシリーズに登場するボスユニットの方が元ネタだ。

 

 

 ともあれ、これでメインとなるシキガミが完成したので火星の開拓を進めていく。

 

 

 まず真っ先に建造する必要があるのは何よりも線路だ。列車を走らせる移動・輸送経路としての鉄道路線ではなく、四国霊道環状線の構想を拡大発展させた、火星の霊脈からマグネタイトを汲み上げて循環増幅させるエネルギー生産施設としてのサーキットである。

 このために大量の世界樹素材が必要になるわけだが、それを賄うために生命樹の系譜の中では現状最も生産性に秀でた『グレート・テオブロマ』の苗をアリスニキネキ・給食ネキから大量に買い付け、これを林業・木工製造業担当シキガミであるポール・バニヤンと、その補助役を割り振ったカットマン・ウッドマンの二機、またその指揮下に移したラニ=G達に担当させ、時間加速型壷中天を用いて可能な限り速やかに世界樹素材を量産する。

 

 そうやって製造したグレート・テオブロマ素材は速やかに加工され、ターミナルを通じて出荷され、量産されたBALLSやラニ=G、また彼らが操縦するアースムーバーによって、火星各地に設置される大型線路として敷設されていく。

 この辺の作業を統括しているのはガッツマン、ボンバーマン、クラッシュマンの三機だ。

 

 

 同時、将来的には地球から移民を呼び寄せる事を想定して、その時の為の仕込みを進めていく。中枢等活シキガミ『ドゥアト』が持つオシリス神の権能によって、いずれは火星首都として機能する予定の中枢拠点『レジオン』を基点にし、農業・工業・生活用水となる巨大な水路を火星各地に広げていく。

 この辺の治水施設を管理するのは水上・水中戦を主眼に設計したバブルマンの仕事になるわけだが……どう考えても一人では手が足りないため、『トードマン』『ウェーブマン』『ダイブマン』を追加生産する事に。

 

 中枢拠点『レジオン』の基盤である大神殿型シキガミロボ『キングピラミッダー』を中核として、KSJ研が建造を進めている『テラゲート一号』のシステムを参考に、冥界を司るオシリスの権能と連動させた人工冥界『冥界機構』を電脳異界として構築。支配域全体に張り巡らせた大水路を媒介に、火星一帯の死者の魂を回収する巨大なシステム────将来的に火星に移住してくる人々の死後の魂の輪廻転生を司る機能を、今の内に構築しておく。

 この時に使用するのが『ディス・レヴ』だ。脳缶ニキが製造した巨大ロボ『ベルゼビュート』や、探求ネキが蓬莱島に移築したタルタロスなどに使われているこのディス・レヴは本来“悪霊怨霊死霊の類を輪廻転生させる際の正負の狭間のエネルギーを動力に変換する”という代物な訳だが、その時にちょっとしたイタズラを仕込んでみた。

 死して輪廻の輪に戻る魂から悪念や罪業を抽出してエネルギー変換する際に、その抽出対象となる悪念や罪業の範囲に“メシアン信仰”を追加したのだ。それもコアメダルに使用した技術を使い、聖娼婦シャムハトと地母神キュベレのフォルマから権能を引き出して使用したこれは、メシア教に対する信仰を抽出する際に、その要素を魂から去勢するレベルで縁切りする事ができる。

 

 こうすると何が起こるかといえば────再び生まれ変わっても、メシア教を信仰できなくなるのだ。メシア教に対する好感度がゼロ以上にはならない、そんな感じで。

 それこそ聖歌で脳味噌まで漬かるくらいに情動をコントロールし続けるか、さもなければ外付けパーツとして天使の羽を頭に仕込むとかしない限り、そういう風に魂が機能しないし、制御が切れたら即元通り。

 

 とりあえず将来を見据えたメシア教会対策の一環として、将来的な被害をどれだけ削減できるか。まあ今やっておいて損はないだろう。

 

 

 

   ◆    ◆    ◆

 

 

 

 さて。

 

 現在、火星において大絶賛建築ラッシュの真っ最中だ。

 

 量産したBALLSやクローンヤクザ、てらほ君、ラニシリーズなどを主力にした建築部隊が、線路と水路を軸にして火星のあちらこちらに人間の住める領域を拡げていっている。

 人間の人口はまだまだゼロ人なのだが、マグネタイト生成サーキットである線路が拡大しているため、こちらの使えるエネルギー総量も大きく増えつつある。

 多分そろそろ四国霊道環状線の発電量に並ぶんじゃないか、という位の勢いだ。

 

 

 それはいいのだが。

 

 

 この線路は、生命樹や菓子の木、そしてグレート・テオブロマから切り出した枝や根といった木材を翠木鋼と組み合わせる事によって作られているわけだが…………そんな事をしていれば当然、素材が余るのだ。特に、果実。

 生命樹が実らせた多種多様な果実。そして菓子の木から収穫される多彩な菓子類。何よりグレート・テオブロマから生成されるアホみたいな量のチョコレート。総量からするとグレート・テオブロマ製のチョコレートが9割以上を占めているが、かといって他のもこれっぽっちも無視できる量ではない。

 

 ぶっちゃけ大問題である。

 毎日のように日替わりで違う果実を実らせる木だからして、そこから収穫された果実はとんでもない量になるし、曲がりなりにも“世界樹の果実”などという特級の看板を背負った果実をホイホイ廃棄するなど、勿体なさ過ぎて出来るわけがない。

 一部はシキガミやラピュタ・愛媛両支部所属の異能者達に振舞われたし、DDSを通じて売りに出してもいるが、到底それで消費し切れるような量でもない。大半は、電脳異界内部の時間停止倉庫へと格納中だ。

 

 

 よって、これら世界樹の果実をどう活用するか、という問題が持ち上がってきているわけだが。

 

 

 

 『果実』と『菓子』、その二つから連想されるのは何か────そう、 仮 面 ラ イ ダ ー である。

 

 

 

 ……冗談はさておき。

 

 フルーツをモチーフにした仮面ライダー、スイーツをモチーフにした仮面ライダー、どちらも普通に存在しているので、原作再現をする価値はそれなりに存在する。

 そんなわけで、新型のデモニカを作る時間だ。

 

 

 最初に開発したそのデモニカが────『戦極ドライバー』だ。量産を視野に入れると同時に、世界樹の果実を素材として製作するライダーシステムの叩き台としての製作でもある。そして同時に、メテオシステムを始めとする太極炉術式に依存せず、これ単騎で戦えるコンパクトな高出力ドライバーを目指している。

 

 モデルは『仮面ライダー鎧武』だが、これを原作再現する上で最も重要視したのが、このデモニカの要である『ロックシード』生成機能だ。生命樹の果実に触れる事により、その果実を錬成変換し、果実の意匠を取り込んだ錠前型のマグネタイトバッテリーを構築する。

 構造そのものは、探求ネキが五行炉について色々と模索していた時期の試作品の一つに、五行炉の基礎設計の元になった宝玉ピスタチオをそのまま組み込んだものがあったので、その設計と稼働データを参考にした。

 生命樹の果実は宝玉ピスタチオとは異なりマグネタイトと養分の循環増幅とかいう五行炉ライクな特性を持たないために勝手はそこそこ違うが、バッテリーを中心に増幅回路を組みつつ、世界樹の果実という概念それ自体を炉の外殻として形成、高純度の魔法思念料に圧縮変換した中身を燃焼させる炉心として構築した。

 

 これを戦極ドライバー本体のドライブベイにセットする事により、そこから吸い出したマグネタイトをドライバー側に搭載したサーキットで五行炉の原理で循環増幅しつつ全身に供給して、従来型のデモニカを上回る……メテオドライバーとほぼ同等の出力を叩き出す事ができる。あちらと違い大型施設のバックアップがない分、電池切れになればそこまでだが、代わりにバックアップが途切れた状況でも問題なく戦える。

 電池切れのリスクそれ自体も、通常のロックシード一つで数十回は変身して戦闘して必殺技も出せるので、そこまで怖いものではない。何ならドライバーを稼働させ続けていれば五行炉から抽出された出力の一部をドライバー側のMAGバッテリーに回して蓄積しつつ、それをロックシードに再供給する事で内包マグネタイトを回復させる事もできるので、必殺技を撃たなければマグネタイト収支はむしろプラスになるくらい……外部に供給するユニットは、MAG収支がマイナスになるようにリミッターなり何なりの措置を用意しておく必要もあるかもしれないな。

 

 後はロックシードをベルトにセットしてデモニカを展開する事で、スーツ状の素体デモニカの上にロックシードの種類に応じた増加装甲を着装し、同じく武器を構築・装備する形で、ここらへんの機構はゼロワンドライバーとかその辺の、霊基をアーマーとして装着するシステムをベースに再設計した。

 またドライバー側のMAGバッテリーからの出力で汎用武器の『無双セイバー』も出せる。拳銃と刀の複合武器で、弾丸はフォルマ弾倉にバッテリーからMAG供給でチャージする方式。威力そのものは低いコスパ重視型だが、鍔元のスロットにロックシードをセットする事で高威力の武器必殺技を出して火力を補う形。

 

 なお生命樹の果実は“あらゆる種類の果実を実らせる”というだけあって多種多様だが、生成されるロックシードの種類はその果実の種類に依存し、『オレンジ』『バナナ』『ブドウ』『メロン』などを始めとしてその他色々とりあえず原作に出てきた通常種のロックシードであれば大半を普通に使用できる。

 ただし果実に内包された生体マグネタイト量が一定値に達していないと『マツボックリ』、さらにその域にも達しておらず鎧を形成するだけの出力にも満たないと判断された場合は外れロックシードの『ヒマワリ』になってしまう。

 

 まあマツボックリでも普通に戦えるし、ヒマワリにも価値がないなんて事もなくマグネタイトをドライバー側のMAGバッテリーに吸い上げて、装着者の肉体の負傷を再生&疲労・空腹を回復しつつ、他の当たりロックシードに再供給する事で蓄積マグネタイトを充填する事ができるので、決して無駄ではない。

 

 

 それともう一つ、同じくロックシードと同型の格納形態から展開可能なマシン『ロックビーグル』だが。

 

 これも有用だからな。ある種、最高の携帯性を誇るバイクとかいう便利な代物だ。

 バイク型の『ローズアタッカー』に『サクラハリケーン』……原作だと異次元『ヘルヘイムの森』への転移機能を備えたバイクだったが……ここら辺は異界突入機能という事で、【トラエスト】搭載型バイクでいいな。

 後は二足歩行型ビーグル『チューリップホッパー』に飛行型バイク『ダンデライナー』。

 

 ともあれ、この辺があるのとないのとでは機動力がまるで違うからな。作らない手は、ない。

 なお、こっちはロックシードとは規格が異なり、普通のデモニカバイクだ。戦極ドライバーとの連動機能こそあれ、その辺は他のデモニカでも十分可能な話だな。

 

 

 

 とりあえず、生命樹の果実の使い道としての戦極ドライバーはこれでいいとして、次は菓子の木の果実の用途…………まあ、ほぼほぼ一緒なのだが。他にもグレート・テオブロマの実らせるチョコレートの実にも有効だ。

 

 

 そんなわけで、製造したのは『変身ベルトガヴ』。

 

 大雑把なシステムは戦極ドライバーと同じだが、このベルトが菓子の木の果実から生み出すのはロックシードとは異なり、自律行動可能な簡易シキガミ『ゴチゾウ』だ。菓子の木orグレート・テオブロマの果実(菓子)1つにつき、ゴチゾウ10体ほどが目安になっている。

 もちろん機構そのものはあまり変わっていないので、偵察用の使い魔として運用できるようにある程度のステルス機能と、攻撃性能を代償に本体であるベルトの使用者が無事であれば攻撃対象にならない【自己保存】スキルを付与したくらいで、MAGバッテリーとしての機能はそのままだ。ただ複数体の生成となるためバッテリーとしての容量はむしろ戦極ドライバーよりも下がっており、それを補うためにデモニカとしての機能は装甲を始めとして、損耗と、そしてMAGバッテリーであるゴチゾウの追加投入による修復を前提にしたピーキーなもの。

 割とコスパを考える事ができたロックシードと違って、本当に使い捨て前提なのだ。

 

 また戦極ドライバーと比べて機構と機能が複雑化している分、生産性が落ちて値段も上がっているものの、まあ問題ないだろう。単純にデモニカとしても扱いが難しいからね、高レベルの玄人向けなら多少高額になっても仕方ない。

 

「一番汎用性の高いポッピングミフォームですら、扱いが割と大変だからね」

 

 

 装甲や人工筋肉といったデモニカの全身各所に反映される形で体現されたグミの特性が様々な形で戦闘を補助する……といえば聞こえはいいが、全身を覆う弾性装甲は限界を越えたダメージを受けた際に自ら破裂してダメージを逃がす代わりに損耗するから、その部分を残った装甲でカバーしつつゴチゾウを追加で消費して装甲を回復、といった面倒臭い立ち回りをする必要があり、ゴチゾウの残り具合と相談してその辺の見極めができなければゴチゾウの消費も嵩んでしまいコスパが悪い。

 四肢は弾力性に優れたグミのアシストにより投擲や跳躍に優れ、特に脚部ソールの粘弾性を操作して壁に貼り付いて三次元移動したり、何なら細分化したグミ化マグネタイトを放出して空中足場として移動したりするような機能もあるが、その辺の機能も使いこなすためのハードルを上げている。

 

 そのため汎用武器である『ガヴガブレイド』に関しては単純に強度と威力を重視したものになっているが、こちらもコスパはあまりよろしくない。まあ一応ゴチゾウの射出機能はあるけど、正直コレ何に使うの? 原作再現以上の用途があるかどうか、微妙なところだ。

 

 

 そんなこんなで継戦能力を上げるため、ベルト内部に最小サイズのターミナル機能を組み込んで、DDSに繋いで通販サイトから菓子の木の果実を購入・転送可能な機能を搭載した。多分これが一番継戦能力と汎用性の向上に繋がってるんじゃないかと思うが、それはそれとして財布にもダイレクトにダメージを与えていく機能でもある。

 

 なお原作である『仮面ライダーガヴ』に登場する仮面ライダーは他作品のライダーと比して総じてスペックが低い傾向にあるが、この変身ベルトガヴはそこまで他と変わらない……ぶっちゃけメテオシステム搭載のデモニカと大差ないレベルの高出力型である。

 

 

 さて、ゴチゾウ生成システムになる変身ベルトガヴを作ったので、今度はその廉価版となるシステムを用意しよう。高級機に分類されるガヴシステム一択だとライダーの頭数を増やせないから、ゴチゾウ……ではなく、菓子の木とグレート・テオブロマの消費が大して進まないからね。

 菓子の木よりも生産しやすいグレート・テオブロマがあるから、チョコの実が大量に溢れているのだ。

 

 ゴチゾウ用の安価版・量産型デモニカ────当然、製作するのは仮面ライダーガヴの相棒である、チョコがモチーフの仮面ライダーヴァレンが扱う専用武器にして変身アイテム『ヴァレンバスター』だ。チョコを消費する必要があるからね。

 銃としての機能に関しては、ガイア銃というカテゴリ内においてそこまで特筆すべき点はない汎用的な性能だが、アリスニキが開発した特殊金属『チョ鋼』にグレート・テオブロマの樹脂を添付して補強したフレームと外装は耐久性に関しては群を抜いており、メリケンサックのような鈍器として殴りつけたり、そのままゼロ距離射撃を撃ち込んだりしても問題なく振り回せる。

 

 こちらもフレームと装甲にチョ鋼を利用しており、ここに変身に使用したチョコ系ゴチゾウからのマグネタイト供給を受ける事で概念補強がなされ、強度や硬度が上昇するだけでなく、チョコレート概念のブーストにより人工筋肉系が持久力・回復力を中心に強化されるため、その辺はゴチゾウを利用した高出力型という事もあって従来型のG-3を大きく突き放した性能を発揮できる。

 

 ガヴとの一番の差異は、ゴチゾウの生産機能が搭載されていない事だ。これに関してはゴチゾウ生成機能を持つガヴとのセット運用を前提に、ハイローミックスという形での部隊運用を主眼において生産しているから、というのもあるし、こちらの操作でゴチゾウの供給を絞れば簡単に弱体化されるため、増反されたり鹵獲されたりしてその力がこちらに向いた時にも対応しやすい、なんていう目論見もある。

 

 

 

 なお、ロックシードとゴチゾウ共にトリガーホルダーにセットして使う事もできる。専用のドライバー抜きでトリガーホルダーから使えるのは専用武装の具現化と予備電源としての機能、後はゴチゾウなら偵察用の使い魔として使うくらいで、そこまで便利なものではない。

 特にゴチゾウの使役に関しては、本来なら数を揃えて使うのが前提のゴチゾウなのにトリガーホルダーにセットした個体数しか使えないからな。あまり役に立つものでもない。

 

 基本はドライバー側の内蔵トリガーホルダーから手順をいくつか飛ばした高速換装を行うための機構と考えた方がいいだろうな。……その辺も解決していきたいところだが、それは追々、ってところだ。

 

 

 

 そして一番の問題は、これらのデモニカをどこで運用するかって事だ。ヴァレンシステムを中華戦線に流すとか、やってみるのもいいかもしれない。

 

 




 果物と菓子と聞いて、仮面ライダーと連想した人は間違いなく重症者……。



 ライダー型デモニカ、一人で作り過ぎ問題……の半分くらいは、技術ツリーを伸ばす為だったりする。
 太極炉術式ネットワーク技術の為のフォーゼ・メテオ系、シキガミコア連動技術の為のセイバー系とか。



~割とどうでもいい設定集~



・100年ボタン
 ポポァ様『【カオ転三次】本霊デビルなの バ レ バ レ』より。またマカーブル様『【カオ転三次】酒と葉巻と病と死神 ~みんな楽しく踊ればいい~』でも黒死ネキが使用していた。
 ショタオジが製作した1億年ボタンの試作品。
 精神だけを加速空間に閉じ込める事で、たった1分で100年分の経験フィードバックを得られる、とかいう代物。

 今回使用されていたのは正式版である1億年ボタンの方。


・プロテクト複写型シキガミ
 ショタオジ製高級シキガミの持つ対NTR防止プロテクトを、コピペする形で実装したタイプのシキガミ。
 日λ........様『【カオ転三次】滅亡を防ぐ為、汝第七の竜を狩れ』で、ほぼほぼ同じ事をフリスビーニキが既に半終末前に達成してしまっているため、技術的ハードルはおそらくそこまで高くない。

 なおラピュタ防衛と各施設管理に割り振られた8機『バンバン』『バンバリーナ』『ジャンボジョシュ』『オピラバード』『スティンガーフリン』『シェリフトードスター』『クイーンバウンセリア』『ナブナブ』の元ネタは、洋物ホラーゲーム『GARTEN OF BANBAN』より。
 火星支部を防衛・管理する『カットマン』『ガッツマン』『アイスマン』『ボンバーマン』『ファイアーマン』『エレキマン』『メタルマン』『エアーマン』『バブルマン』『クイックマン』『クラッシュマン』『フラッシュマン』『ヒートマン』『ウッドマン』『トードマン』『ウェーブマン』『ダイブマン』達は『ロックマン』シリーズから。


・エンジニア部
 元ネタは『ブルーアーカイブ』。
 設計技術特化型『ウタハ』、製作技術特化型『ヒビキ』、データベース特化型『コトリ』の三名で構成されるユニット。
 生産・研究型シキガミであるダ・ヴィンチの配下として、技術開発を担当している。


・樺太ニキ
 『ガンダム』シリーズのギニアス・サハリン似の黒札。サハリン=樺太。
 ロボ研宇宙部、及び呉・有沢重工ラピュタ支社に所属する技術者系黒札で、大型モビルアーマー開発に携わっており、安定した既存技術を生かした堅牢堅実で骨太な重装甲・重火力の機体設計が持ち味。
 自身の専用機として『アプサラス』を持つ。


・モビルアーマー
 元ネタは『ガンダム』シリーズ。
 呉からラピュタに移籍してきたロボ研宇宙部が開発に携わった機体群。主任である樺太ニキの機体『アプサラス』をベースに設計されている。
 大型標的を破壊するための高出力砲塔を搭載された『ビグロ』、多数の敵を焼き払うための拡散ビーム砲を搭載した『ザクレロ』の二機を皮切りに、いつの間にやら色々と製作されていた。


・ブラウ・ブロ
 元ネタは『ガンダム』シリーズ。
 ガンダムのシャリア・ブルっぽい見た目の黒札ヒゲマンニキを専属パイロットとする機体。
 ロボ研宇宙部で開発されているモビルアーマーシリーズの3号機。
 ヒゲマンニキの見た目はジークアクスの方のシャリア・ブルなのだが、機体の実態は『機動戦士ガンダム サンダーボルト』の方に登場するブラウ・ブロ。
 カスタムモデルのバルキリーをコアユニットとし、有線ビットを主兵装にしつつ、ブラウ・ブロの本体側に搭載された主砲として【光子力ビーム】を装備している他、バルキリーの方に装備した手持ち兵装や遠隔操作型のビットも使って戦える。


・テスラ・ドライブ
 元ネタは『スーパーロボット大戦』シリーズ。スパロボOGにおける登場機体の多くに搭載されている。
 重力制御と慣性重量を個別に変動制御するベクトル制御機関。
 ロボ研宇宙部により、宇宙船の推進機関として開発されたもの。


・ファービュラリス、ルーンドラッヘ
 元ネタは『スーパーロボット大戦』シリーズ。
 本来は武器シキガミであるワイス、ブレイクのために製造された二機。
 氷結属性特化・バランス型と高機動・隠密行動型。


・ライトクラフト・プロバルジョン
 元ネタは『ガンダムSEED』。
 基地や母艦からの砲撃を推進力に変えて加速するシステム。母艦側の出力を推力に変えるため、推進力を機体側に依存せず、低出力の機体でも気軽に大推力を出せる。
 ルーンドラッヘに搭載されている。


・ガイア連合火星支部
 火星赤道付近、エリシウム平原の端にあるアイオリス山に建設された火星拠点『レジオン』、及びその基盤である大神殿型シキガミロボ『キングピラミッダー』を中心にして火星の開拓や生産活動を行っている支部。
 他に火星の衛星であるフォボス・ダイモスを、造船所を併設した要塞兼宇宙港として整備している。

 管理は支部の中枢ユニットであるシキガミ『ドゥアト』が行っており、その直属の配下としてロックマン系再現シキガミ達が、ラニシリーズやクローンヤクザなどを統括しながら大規模な火星開拓を進めている。
 反面、半終末である現在、ターミナル経由で気軽に転移できるのはペルソナ使いかデビルシフター位であるため、人間の人員は一人もいない。
 将来的に地球から移民を募る事を見越して、ディス・レヴを原型とする人工冥界『冥界機構』などを試験的に実装しており、住民は死亡した際にメシア教信仰を概念的に去勢され、転生後はメシア教への信仰を抱けなくなる。

 将来的にはメシアンに制圧された海外全ての霊脈に対して日本の霊脈のみで対抗する羽目になる可能性を見越して、火星の霊脈を利用した出力バックアップ、もしくは直接的に、いつかメシア教会に地球が完全に制圧された時の為の避難先としての利用を視野に入れて建造が進んでいる。


・ラニシリーズ
 タマヤ与太郎様『【カオ転三次】TS^2ようじょの終末対策』より。
 何気にダ・ヴィンチラボ製、幼女ネキに海魔ネキ・虚空ネキとの共同開発品の量産型シキガミ。戦闘よりも生産活動に重点を置いた、他にあまり類を見ない性能が持ち味。
 医療・看護型『ラニ=R』、警備・護衛型『ラニ=D』、操縦・輸送型『ラニ=T』、調理特化型『ラニ=K』、生産・農業型『ラニ=G』、建築・製造型『ラニ=B』の計6種。


・豊穣杭
 BBコーンの芯材を素材として利用した結界杭。ベースは聖域鉄杭。
 周辺地域を結界化すると同時に、土壌を肥沃・豊穣・豊潤化させ、大気や日照量を調整する事で、人間が生存可能かつ農業に適した土壌を作り上げるもの。


・ドゥアト
 元ネタは『御城プロジェクト:RE』。
 ガイア連合火星支部の中枢となるシキガミ。
 能力的には水撃・呪殺・破魔といった各属性を操る魔法型。
 オシリス神の神核や各種権能を内蔵しており、その権能でもってテラフォーミングの中核として火星に大水路を引き、また火星の冥界機構を管理している。
 直属の部下としてロックマン系シキガミ達を従えている。


・戦極ドライバー
 元ネタは『仮面ライダー鎧武』。
 大量に余っている世界樹の果実を消費するために製造された量産型デモニカ。生命樹の果実に対応している。
 生命樹の果実を錬成変換したロックシードをドライバーに装填、それを動力源兼炉心として利用し、ドライバー側の増幅回路との間で増幅循環する事で高出力を引き出す。
 出力そのものは非常に高い一方で、世界樹の果実という非常に高価な電池を使用する関係上コスパはそこまで良くないのだが、そもそも世界樹の果実自体の在庫が大量に余っている現状ではそこまで問題にならない。

 ドライバー側からスーツを形成し、その上からロックシードに対応するアーマーを形成して着装する事で性能強化が為される仕組み。
 ロックシード側から展開されるアームズウェポンと、ドライバー側に搭載された汎用装備の無双セイバーの双方を使用できる他、サブとしてトリガーホルダーなども内蔵しており、それなりに多彩な状況に対応できる。

 ロックシードの生成は、元となった生命樹の果実の種類に依存する。ミカンを使えばオレンジロックシードが作られ、バナナを使えばバナナロックシードになる。
 ただし内包するMAG量が足りなければ外れのマツボックリやヒマワリが生成される。

 また追加装備としてロックビーグルが実装されている。

 なおロックシードは通常のトリガーホルダーにも対応しており、トリガーホルダーにセットした場合にはロックシードごとの専用アームズウェポンを展開できる。


・変身ベルトガヴ
 元ネタは『仮面ライダーガヴ』。
 大量に余っている世界樹の果実を消費するために製造されたデモニカ。玄人向けのやや高級仕様。菓子の木や甘露の木、グレート・テオブロマなど菓子系の果実に対応している。
 原作とは異なり、普通に外したり装着したりできる。

 ロックシードとしての機能に加えて、隠密偵察用の使い魔としての機能が追加されたゴチゾウを生成し、ドライバーにセットする事で変身する。
 ロックシードに比べてコスパが悪く、このためベルト内部に組み込まれたターミナルから通販で菓子の木の果実を購入・転送する事で継戦能力を補っているが、このため上手く使わないと装着者の財布にもダメージが蓄積していく仕様になっている。
 またゴチゾウに対応した菓子の性質をデモニカの装甲や各種兵装に概念付与する事でかなり捻った特性を持つ変身形態も、扱いづらくピーキーな性能に仕上がっている。

 ドライバー側の汎用武装『ガヴガブレイド』と、各形態ごとの専用武装で戦う他、こちらにもトリガーホルダーが組み込まれている。

 なおゴチゾウもロックシード同様にトリガーホルダーに組み込む事が可能で、専用武装の形成や予備電源としての機能の他、ゴチゾウを召喚して偵察用の使い魔としても使えるが、頭数を揃えられないため索敵の効率はそこまで良いものではない。


・ヴァレンバスター
 元ネタは『仮面ライダーガヴ』。
 大量に余っている世界樹の果実を消費するために製造された量産型デモニカ。一番大量に余っているチョコ系菓子に特化している。

 それなりに安価な量産仕様だが、動力源として世界樹の果実という高価な燃料を扱うためG-3を大きく突き放した出力を持つ。
 ガヴとの一番の違いは単体でのゴチゾウ製造機能が搭載されていないという事であり、ゴチゾウ生産機能を持つガヴと連携する事でのハイローミックス的な運用を想定している。
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