え?マイクラのマインって地雷じゃないの? 作:苦いコスモス
第1話~実際に転生したらもっと焦るよね~
気がついたら森の中だった。
目の前に生い茂る白樺と思われる木々にふかふかな土、茶色いきのこなど完全なる自然の中に立っていた。
そして何よりも見覚えのあるアイテムスロットとハートのゲージがまるでVRゴーグルを付けているかのように視界の下側にひっついている。
視点を動かしても当然のようについてくるそれらはハートとスロットがそれぞれ10個ずつあり、試しに落ちていた木の枝を拾うとスロット1に木の枝と思われるアイコンが表示された。
2のスロットと念じるとアイコンはそのままに持っていた枝は手から消え、スロット2が強調表示されていた。
今度は1のスロットと念じると枝が手に現れ、スロット1が強調表示される。
もう大体察しはついていたが、確認のため目の前の木に向き合う。そして根元に向かって軽く殴りつける。
痛い。
そりゃそうだよなと俺の頭の悪さを呪いながら、今度は先程の枝で殴りつける。
すると、木のHPバーのようなものが現れた。そのまま殴り続けると少しずつHPバーが削れていき、木そのものは対して損害が無いにもかかわらず倒れてしまった。
およそ4mほどの一本の木という質量が倒れていく様は少し恐怖を感じるものだったが、無事に倒れた後触れると消失し、アイテムスロット2に白樺の原木アイコンに4という数字がついていた。
その後検証した結果、インベントリと念じると27スロットのインベントリが表示され、念じるだけでアイテムの移動が可能。また、原木を木材に、木材を作業台に、作業台から木の斧とシャベルを作成。手で土を少し掘ってもアイテム化しないが、シャベルで掘るとアイテム化。その際およそ1m立方が一気に掘れたが正立方体ではなく自然に掘ったような穴になった。
アイテム化した土や原木などは設置しようと場所を視認した状態で念じると取得した時の状態で出現し、アイテムスロットに準備する必要はない。
など他にも様々なことがわかった。
ここまでわかったなら確信できる。
この世界はマインクラフトの世界である。
ゲームと違う部分もあるが、これは実在する現実なわけだから辻褄が合うようになっているのだろう。
空中にブロックを浮かせることはできなかったし、ある程度は物理法則が仕事している。
そこまで夢中になって検証していたが、ふとお腹が空いていることに気づく。
石のピッケルを持っている手は土で汚れていて、緩やかな風が頬を撫でる。
そうだ。これはゲームじゃない。夢でもない。現実なんだ。
そのことに少しナイーブになるが、元の世界にそこまで未練はない。強いて言うなら妹が気になるが、大丈夫だろう。
なにはともあれ食料を探さなければ餓死してしまう。
少し苦笑しながら食料や人を求めて森の中を歩いていった。
定期更新なんてない