碧と交差する創造の軌跡   作:桐那谷透

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2話できました!
前回のお気に入り、感想、ありがとうございます!
しっかりと更新を続けていけるよう頑張ります!


序章第二節

「俺はランディってんだ。」

 

「…ティオです。」

 

「わたしはエリィよ。この子はジオフロントに迷い込んだ子でアンリっていうの。」

 

「こんにちは。」

 

「おう。こんにちは。」

 

ロイドに続いて挨拶を交わす面々。

 

「戦兎さん。あなたはどうしてここに倒れていたんですか?ここは立ち入り禁止になっているはずですが。」

 

「あー、俺もよくわからないんだよ。急に気を失って気が付いたらここに倒れてたから。」

 

ロイドの質問に頭をかきながら答える戦兎。

とりあえず嘘をついているようには見えない。そう判断したロイド。

「そうですか。本当ならすぐに外に連れていきたいところですが、実は今この子と一緒に迷い込んだ友達を探しているんです。このジオフロントには魔獣も徘徊しているので急いで探しているんです。」

 

「魔獣?」

 

ロイドの話を聞いた戦兎が思わず聞き返す。

 

「?ええ。ジオフロントに住みついている魔獣達です。ここに来るまでにもできる限り倒して来ましたが、もしその子が襲われたら大変ですから。」

 

(魔獣?そんなものがいるのかこの施設には。ジオフロントって言っていたけど何かの研究施設か?

いや、話し方からして危険ではあるがそう珍しいことではないみたいだな。そんなものが珍しくない国があるのか?

それにさっき言ってたクロスベル警察、クロスベルなんて地名聞いたことがない。いったいここは…)

 

ブツブツとつぶやきながら深く考え込む戦兎にロイドが声をかける。

 

「あの、ホントに大丈夫ですか?気分が悪いとか…」

 

「んっ、ああ!悪い悪い。ホントに大丈夫だ。体はなんともないよ。」

 

「それならいいのですが。それで子供を探している間、私達に付いてきてください。なるべく戦力を分散したくありませんし、あなたを一人で帰らせるわけにも行きませんので。同行している間は私達でお守りしますので。」

 

「もちろんかまわない。早いとこ子供を見つけてやるのが第一だからな。それに自分の身くらいはある程度守れるからその子の方を守ってやってくれ。」

 

ロイドの提案を快く受け入れる戦兎。戦兎の返事に頷くロイドは皆に指示を出す。

 

「よしそれじゃあ捜索を再開する。きっとその扉の奥が最深部だ。もしそこにいなかったら来た道を引き返しながらリュウくんを探そう。

どこかですれ違ったりしているかもしれない。アンリくんと戦兎さんは俺たちの後ろを離れないように。」

 

「りょーかい。」

 

「了解しました。」

 

「ええ。わかったわ。」

 

「は、はい!」

 

「おう。了解だ。」

 

 

 

 

 

「く、くるなよ〜っ!うわあん、助けてぇっ!女神さま〜っ!」

 

扉をくぐった6人の耳に飛び込んできたのは少年なものと思しき悲鳴だった。

正面の階段を登った先に見えたのは5体のスライムようなの魔獣に囲まれた男の子。

 

「あっ!」

 

「リュウっ!」

 

アンリの叫びで彼が探していたリュウくんだとわかった。

 

(くっ!どうすべきだ!このまま背後から奇襲すべきか、それともこちらに注意を引き付けるのが先か!ここは…)

 

「エリィ!奴らの注意を引き付けてくれ!」

 

「分かった!」

 

階段を駆け上がったエリィは抜き放った銃で魔獣達に発砲する。ダメージはそれほど無いだろうが注意を引き付けるには充分だったようで、魔獣達はロイド達に寄ってくる。

 

「何とか注意を逸らせたみたいです。」

 

「よし、片付け…っ!まずい!」

 

近づいてくる魔獣たちを倒そうとするロイドだったが、攻撃を受けたにもかかわらずリュウに一番近かった魔獣はこちらに向かわずリュウへ近づいていく。

 

「くっ!間に合うか!」

 

強引に魔獣たちの間を通り抜けてリュウを助けに行こうとするロイドだったが

 

 

シャカシャカシャカ…

 

 

何かを振るような音が聞こえたかと思うと、ロイドの後ろから何かが飛び出していく。それは魔獣たちを飛び越えてリュウの前に着地する。

 

「お前の相手は向こうだよっと!」

 

飛び出した影、戦兎はいつの間にか取り出したドリルのような武器で魔獣を無理やりロイドたちの方へふっ飛ばす。

 

「後は頼むぞ!」

 

「…っ!分かった!ありがとう!」

 

一瞬呆けていたロイドだがすぐに切り替えて魔獣たちと戦い始める。

 

 

 

戦闘自体はすぐに終わった。物理攻撃が効きにくい魔獣たちだったため、ロイドとランディが引き付けて後方からエリィとティオがアーツで狙い打つ。

 

「ふぅ。」

 

「何とか片付いたわね。」

 

「最初は肝が冷えたけどな。」

 

「……疲れました。」

 

「戦兎さんも、先程はありがとうございました。」

 

「気にすんな。あれくらいこのてぇんさい物理学者にかかればちよろいもんさ。」

 

「て、てんさい?」

 

「…自分で言うんですか。」

 

「び、びっくりしたぁ…!」

 

「リュウ、大丈夫!?ケガとかしてない!?」

 

「う、うん……ぜんぜんヘーキだぜ。それよりオマエも無事でホントーによかったぜ!」

 

魔獣達が退治されると心配そうにリュウに駆け寄るアンリ。

 

「オマエ、どんくさいからな〜。オレが頑張って助けてやんないと魔獣に喰われちまうと思ってさぁ。」

 

「よ、よく言うよ。自分だって魔獣に食べられそうになってたくせに…だいたい今度だってリュウが入ろうって強引に…」

 

「な、なに言ってんだよ!」

 

「最初に『じおふろんと』の話をし始めたのはオマエの方だろー!?」

 

「だ、だからって本当に入るとか言い出すなんて……!」

 

最初は互いを心配していたのがいつの間にか言い争いな発展してしまう。

 

「はいはい。言い争いはそこまでだ。」

 

そこで二人ははっとしてロイドに向きなおる。

 

「ご、ごめんなさい。」

 

「へ〜、兄ちゃんたち、初めて見るカオだね。」

 

素直に謝るアンリと違い、ロイド達を興味深そうに見つめるリュウ。

 

「けっこう強いみたいだけど新人のヒトたち?」

 

「へ……」

 

「ったく、調子のいいガキンチョだな。助けられたんだったらまずはお礼を言うのが先だろ?」

 

「へへっ、まぁ助かったよ。」

 

ランディの注意に笑顔を浮かべて礼を言うリュウ。

 

「危ない所もあったけどオレもカスリ傷ひとつ無かったし。割と手際がいいんじゃね?」

 

「そりゃどうも………って、ホント調子いいなぁ。」

 

「まあ怪我が無いならいいさ。」

 

「ふふ、ホントに無事で良かった。とにかく一度、外に出るとしましょうか。」

 

「そうですね。どうやら終点みたいですし。一応、セルゲイ課長の課題もクリアしたことになりますね。」

 

「ま、こんなハプニングがあるとは思ってもなかったけどな。そんじゃ、ガキどもを送ったら警察本部に戻るとするか。」

 

「ああ。そうだ、戦兎さんも警察までご同行してもらっていいですか?一応詳しく話しを聞きたいので。」

 

「まあ子供の迷子ならともかく、経緯がわからないとわいえ不法侵入だからな。仕方ないか。」

 

「………」

 

「ん?どうしたんだ?」

 

「あのさ……兄ちゃんたち。兄ちゃん達ってやっぱり新人なんだよな?」

 

「あ、ああ……そうだけど。しかしよく分かるな?制服だって着てないのに。」

 

「せ、制服?兄ちゃんたち……ギルドの人じゃないの?」

 

「えっ」

 

「ギルドって……遊撃士協会のこと?」

 

「ギルドって言ったら他にあるわけがないじゃん。え、なに!?本当に遊撃士じゃないの!?」

 

「あ、リュウこの人達は、」

 

「俺たちは、クロスベル警察に入ったばかりの新人だけど……」

 

「あっ、俺は違うぞ。」

 

「ケーサツの人間っ!?うっそだぁ!どうしてケーサツのお巡りがこんなところにいるんだよ!?」

 

「あ、ああ……ちょっと事情があってさ。任務の途中だ君たちを見つけたって訳なんだけど。…でも、そんなに不思議なことか?」

 

「だってさあ!ケーサツのお巡りっていったら腰抜けって有名じゃんか!」

 

「え゛。」

 

リュウの言葉に固まる四人。

 

「態度もオーヘイなわりに何の手助けもしてくれないって父ちゃんが言ってたぞ。いざという時は遊撃士の方が何十倍も頼りになるって。」

 

「……………」

 

「……やっぱり……」

 

(んっ?あの子どうしたんだ?)

 

絶句するロイド。その時戦兎は少し悲しそうな顔をするエリィに気づいた。

 

「リュ、リュウ、失礼だよ。いくら警察のヒトだってボクたちを助けてくれたんだし。」

 

「そ、そうだけどさ〜。せっかくギルドの新人に助けてもらったと思ったのに…。」

 

「ふーん?色々とあるみたいだな。……って……」

 

何かに気づいたランディの顔が険しくなる。

 

「おい、マズイぞ!?」

 

「え……」

 

「っ!?」

 

「上!?」

 

その言葉にロイドたち3人も入口の上に目を向ける。

 

「うっ!?」

 

「うわあっ!?」

 

「くっ!?」

 

「なんだコイツは!?」

 

「こいつも魔獣なのか?」

 

「な、なんて大きさ…」

 

上から落ちてきた魔獣はさっきの魔獣の十倍はあろうかという大きさだった。無数の触手をうねらせてこちらに戦意を向ける。その姿からかなりの戦闘力を持っていることが予想されるが、一番大きな問題は

 

「まずいです。背後の扉はロックされています!」

 

魔獣の位置が唯一の出口の前であることだった。

 

「くっ…このままじゃ!」

 

「おい、どうするつもりだ!?まともにやっても今の装備じゃ勝ち目はねぇぞ!?」

 

「分かってる!」

 

「ここは俺が引き付けるからみんなは何とか脱出してくれ!」

 

ロイドの提案に驚愕する5人。

 

「ちょ、ちょっと!?」

 

「正気ですか…?」

 

「この状況じゃそれしか方法はない!ランディと戦兎さん!その子たちを抱きかかえてとにかく隙をついて逃げてください!」

 

「ちっ…それしかねぇか…!?」

 

渋々ながらもロイドの言うとおりだと納得するランディ

 

「そ、そんな……」

 

「に、兄ちゃん……」

 

 

 

リュウ達が怯える中、覚悟を決めるロイドの肩に手が置かれる。

 

「かっこいいじゃないの。でもここはこの天才物理学者に任せておきな。」

 

そう言って戦兎は魔獣の前へと進み出る。

 

「だめだ戦兎!民間人を囮になんてできない!下がっててくれ!」

 

自分が行く。そう言って戦兎を呼び止めるロイドの前で戦兎は懐から歯車とレバーのついた機械を取り出す。

 

「囮になる訳じゃないよ。」

 

取り出した機械を腰にあてると黄色の帯が巻き付き機械が腰に固定されベルトになる。

 

「言ったろ?任せとけって」

 

次に取り出したのは赤と青の小さな筒のようなもの。

 

「さあ、実験を始めようか。」

 

そう言った戦兎が両手それぞれに持った筒を振り始める。

 

 

シャカシャカシャカ…

 

 

さっき戦兎が飛び出した時に聞こえた音が聞こえてくると、ロイド達の後ろから空中を数式が流れていく。

 

「うわぁ!なんだこれ!」

 

「…何かの数式でしょうか?」

 

「どっから来たんだこれ?」

 

困惑するロイド達をよそに戦兎は筒、『フルボトル』を機械、『ビルドドライバー』にセットする。

 

 

ラビット!

タンク!

ベストマッチ!!

 

 

ベルトから響く声と軽快な音楽。戦兎がベルトのレバーを回し始めるとベルトからパイプのようなものが伸び、戦兎の前後に四角く展開される。前方の四角の中には赤いアーマーが、後ろの四角には青いアーマーがそれぞれ半分づつ形成される。そして再びベルトから声が響く。

 

 

「Are you ready?」

 

 

ベルトからの問いかけに格闘技のような構えを取りながら戦兎は答える。その言葉を。

 

 

「変身!」

 

 

戦兎が叫ぶと同時前後のアーマーが戦兎を挟み込む。

 

 

鋼のムーンサルト!

ラビットタンク!イェイ!!

 

 

そして現れたのは赤と青が螺旋を描くアーマーに身を包んだ姿。

 

「戦兎?その姿はいったい?」

 

ロイドの口からこぼれた疑問に戦兎は名乗りを上げる。

 

「ビルド。仮面ライダービルド。作る、創造するって意味のビルド。以後、お見知りおきを。」

 

これから多くの困難が待つこの街に仮面ライダーが現れた瞬間である。




ついに変身です。
次回は戦闘シーン、ものすごく不安です。
できれば来週中に投稿したいと思います。
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