どこぞの英霊のギョロ目の宝具と百貌のスキルを持って魔法少女の世界に飛ばされました 作:鎌鼬
地上最速VS地球最速の対決です。
???「俺が遅い!?俺がスロウリー!?」
なんかいた!?
「おーおド派手にガンガンやりあっちゃってるよ、ゼストさんもクイントさんもバッカじゃねぇの?まぁゼストさんは多分相手が要らないこと言ってぶちギレて、クイントさんは殴り足りないって言った具合かね、クイントさんはともかくゼストさんの理由はわからないでもないから止められないんだけどさー」
ネリアルの乱入によって空中に飛ばされていたフェイトは屋上に足をつけてと対峙していた。といってもネリアルはフェイトに背を向けて下で行われているゼストVSクイントのバトルを鑑賞している。メガーヌはネリアルに一言だけ礼を言うと屋上から立ち去ってしまった。隠匿が行われているらしくフェイトはメガーヌの追跡が行えない、となると必然的に相手になるのはこの場に残っているネリアルだけだった。
「嘱託魔導師のネリアル・ミッドさんですね」
「イエス!!そちらは今をときめく地球出身の魔導師のフェイト・T・ハラオウンちゃんだね?まぁ八神はやてちゃんとリインフォース・アインスに彩瀬文ちゃんが落ちて、高町なのはは空の上、織主真はゼストさんとクイントさんのバトルの景品になってるから必然的に残ってるのは君だけなんだけどねー」
フェイトの問いかけに返事をしながらもネリアルはゼストVSクイントのバトルから目を反らそうとしない。このネリアルの行動にフェイトは逆に攻め込めないでいた。今まで戦ってきた相手は対峙するだけで強い相手だと分かった、身近な例で上げるなら闇の書事件で初めてであったシグナムがそうだ。地上魔導師たちとの顔合わせをした際にも誰もが強いと肌で感じて分かった。しかしネリアルだけは違った。よくわからないのだ。強いと感じるわけでもなく弱いと感じるわけでもない、その飄々とした態度ですべてを受け流す、まるでそこにいるのにそこにいないようにフェイトは感じた。
「まーもうちっと二人のガチンコバトル見てたかったけど敵さんがいるならしゃーねーかー」
ビルに残されていた手摺に乗せていた体を起こして180度ターン、それだけでネリアルはフェイトと向かい合う形になる。まず目に着くのは足に装備された鋭いスパイクと黒いロングコート。コートは十中八九バリアジャケットだろう、するとあのスパイクは消去法でデバイスとなる。手には何も持っておらず無手、 ここから考えられる行動を並列思考の中で想定する。
「首貰いっ!!」
「っ!?」
人間として自然な行動である瞬き、それをした次の瞬間にネリアルはフェイトの隣にまで移動し腕を鎌のように振るうーーーーいわゆるラリアットでフェイトの首に打撃を仕掛けてきた。反射的に鎌を腕と首の間に差し込み直撃を防ぐ。防がれたネリアルは離れると思われたがそのままの状態からフェイトの後頭部に向けて膝蹴りを放つ。障壁は間に合わないと判断したフェイトは地面を蹴り空中へと逃げる。空中で息を整えながらフェイトはネリアルのスピードの速さに驚いていた。瞬きをした一瞬の隙をつき接近、そこからさらに防御されても相手の急所を躊躇なく狙う判断力、間違いなく自分以上に戦い慣れている。接近戦では自分の不利だと判断して屋上へ下りずに空中に大量の魔力スフィアを展開した。
「フォトンランサー!!」
『Fire 』
屋上に降り注ぐ大量の魔力スフィア、フェイトが保持しているスキル電気変換も相まってすべてがスタンガン以上の電気を帯びている。屋上への一斉射撃に対してネリアルの行動は、
「リリス」
『了解よ、
「蹴り穿つ!!」
自分に向かってくる魔力スフィア、数にして120個を
「なっ!?」
放ったはずの魔力スフィアがすべて自分に帰ってくるという有り得ない状況に声をあげながらもフェイトは回避を選択、先程まで自分のいた場所に魔力スフィアが叩き込まれて爆発、煙が上がりフェイトの視界を塞ぐ。
「(魔力スフィアを蹴り返した!?そんなことが出来るなんて)」
「蹴り砕く!!」
「っ!?」
煙で塞がれたフェイトの耳にネリアルの声が届く。反射的に障壁を張る、それはバリアブレイクを付属していたであろう蹴りに呆気なく砕かれさらに追撃の蹴りが腹部目掛けて放たれる。鎌の柄の部分で防ぐが弾き飛ばされて鎌がキシリと嫌な音をあげる。闇の書事件で破壊され、修繕されたフェイトのデバイスバルディッシュは以前の物に比べて頑丈な物に変わっている。それなのにネリアルの蹴りで軋みをあげた、つまりネリアルの蹴りにはそれだけの威力があるということ。バルディッシュへの心配をしつつもあの蹴りが当たらなかったことに安堵していた。
「離れての硬直戦ほどにつまらない物は無いぜ?観客楽しませたいなら近づいてガンガン殺り合わないと白けちまうよ」
独自の理論を口にしながらも空中にいるフェイトと同じ視線に立つネリアル。事前の情報では地上魔導師たちには飛行魔法に対する適性がなかったはずなのにと動揺する。
「どうして飛べるのかって顔してるな?これはクイントさんのウィングロードと同じ様なもんだよ、空中にある残留魔力を集束して足場にして立ってるだけだ」
「なのはと・・・私の友達と同じスキルを持ってるんですね」
「まぁ俺は高町なのはのように砲撃なんて出来はしないけどな」
自虐気味に笑いながらネリアルはフェイトの疑問に答えた。
「俺はお前たちが羨ましくてしょうがないよ。地球なんていう魔法の文化の一切無い世界に生まれたくせして桁外れの魔力を持って空を我が物顔で飛び回ってるお前たちが羨ましくてしょうがない。空を飛べない俺たち地上の魔導師をお前たち空の魔導師たちが見下しながら飛んでいるのを知っている。あぁ、確かに人間誰もが鳥のように飛んでみたいと願うものだ。それを夢見て管理局の門を叩き適性が無いことを理由にその夢を諦めさせられるなんてのはよくある話だね」
けど、と言葉を区切りネリアルはフェイトを睨む。それは恨み、妬み、怒り、憤り、負の感情が込められた物だった。その視線に思わずフェイトは反論することを忘れて目を反らしてしまう。
「けどなぁ、魔導師連中の中で誰よりも地上の平和を守りたいと願っているのは俺たち地上の魔導師たちだ!!海の連中のように他の世界に行ってうつつを抜かすこともねぇ!!空の連中のように上から見下ろすようなことをしねぇ!!同じ視線に立って困ってる奴に話しかけて、誰よりもこのミッドチルダの世界に住む住民たちを守りたいと思っている!!空の魔導師に憧れるのはわかる!!海に出てみたいと願うのもわかる!!でも俺たち地上魔導師にだって意地がある!!自分を犠牲にしてもミッドチルダを守りたいっていう意地がなぁ!!さぁ!!フェイト・T・ハラオウン!!
ネリアルの心からの声にフェイトはバルディッシュを落としそうになっていた。事前に話されていた内容ではこれは親善試合のような物と聞いていたが地上魔導師からすればこれは地上の威信をどうしかして守ろうとする、決死の覚悟の試合なのだろう。出された提案に乗せられて流れてしまった自分とは違う、自らの意思でこの模擬戦に参加したネリアルを見てようやくそれを察した。あぁ、バリアジャケットを解いてバルディッシュを待機形体に戻して降参をしてしまいたい。
「(でも)」
それでも、フェイトは折れない。ネリアルに意地があるようにフェイトにだって意地がある。友達の高町なのはや八神はやてに彩瀬文の為に、思い人たる織主真の為に、過去に亡くした娘を取り戻そうとクローンという禁忌を犯して母に作られた自分を家族と受け入れてくれたハラオウン家の皆の為に。
「・・・バルディッシュ」
『Ballire jacket purge』
「へぇ」
バルディッシュに意思を告げて薄かったバリアジャケットをさらに薄くする。レオタードのような格好になり防御力皆無なこの姿こそフェイトの奥の手、防御よりも速さを優先したソニックフォームだった。
「ネリアルさん、貴方の話は私にはよくわかりませんでした。それでも貴方には通したい意地があるということがわかりました。でも、私にも意地があります!!私の意地を通す為に、貴方の意地にぶつかります!!」
「ならここから先は言葉は無用、意地の通し合いといこうか!!」
ネリアルが加速するがソニックフォームになった今のフェイトにはその姿がよく見えている。今ならわかる、ネリアルは初動が異常なまでに速かったのだ。0で立っていたはずだったのにそれがいきなりマックスかそれに近いスピードで移動する、普通ならその緩急に着いてこれずに見失うだろう。今までのフェイトなら遅れていたが今のソニックフォームならばそれを越える速さで動ける。
バルディッシュの柄から薬莢が弾き出され加速、鎌を振るうが防がれる。この速さでもまだ追い付かれる。ならばそれ以上の速さで動けばいいだけのこと。さらに薬莢を弾き出して加速、今度は僅かにかすった。薬莢を弾き出して加速、振るう、薬莢を弾き出して加速、振るう、加速、振るう、加速、振るう、加速、振るう、加速、振るう、加速、振るう、加速、振るう、加速、振るう、加速・・・・・・・・・端から見れば金色の閃光がネリアルを囲う檻を作っているようにしか見えない。それほどまでの驚異的な速さでフェイトは動き続け、ついにバルディッシュの一閃がネリアルにクリーンヒットした。
「グッ!!」
くぐもった声をあげながら地上に墜落するネリアル。ここを逃す手はない、そう判断したフェイトはバルディッシュを鎌の状態から大剣へと変型させ必殺の一撃を放つ。
「雷神一閃!!プラズマザンバー!!」
振り下ろされる大剣から放たれる金色の剣撃、それはネリアルを飲み込もうと雷の如く降り注ぐ。
「リリス!!ここ一番の盛り上がりどころだぞ!!」
『テンポを上げなさい、肉体強化プログラム【許されぬヒラリオン】』
「OK!!Let's show time!!」
向かい来る剣撃に臆するどころか過剰なまでな興奮を見せてネリアルは空を蹴り剣撃に突進する。そして剣撃を紙一重にかわしてさらに
「そんな!?」
魔力でできた剣撃の上を走ってみせるという離れ業を見せつけられネリアルは近づいてくるがそれを避ける手段は今のフェイトには無い。プラズマザンバーの制御に手一杯だからだ。
「行くぞ!!」
プラズマザンバーの放出が終わると同時にネリアルはフェイトに蹴りを放った。重く鋭い一撃にフェイトは蹴られた部分が千切れてしまったのではないかと錯覚してしまうほどだった。しかしまだ動ける、この後に反撃をすればーーーー
「行くぞ!!」
蹴りを放ちすれ違ったはずのネリアルが背後からまた蹴りを放つ。さっきの一撃と見劣りしない威力の一撃、いや、加速がつけられたこっちの方が強いのかも知れない。
「行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ行くぞぉぉぉぉぉぉお!!!!!」
先程のお返しと言わんばかりに加速と蹴りを繰り返すネリアル、自身がやられたように黒い閃光の檻の中にフェイトを閉じ込めて四方八方上下左右から隙間なく蹴りを放ち続ける。しかし違うことがある、それはフェイトはネリアルの蹴りを防ぐことができずにすべて受けていることだった。
「演目終幕!!」
上から蹴りを受けてフェイトは地上に向けて落下する。そしてネリアルは空を蹴り落ちていくフェイトに並走する形で追いかけてフェイトが地面と接触する瞬間、同時に踵落としを放った。
『王子を誘う魔のオディール、変則的な形だったけど上手く決まったわね』
「応用編とでも名付けるべきか・・・許されぬヒラリオンと組み合わせると凶悪だったのたがさらに凶悪になったな」
落下ダメージ+蹴りのダメージ+踵落としを食らったフェイトは意識を失いこの場から強制的に転移される。
「(強かったな・・・シグナムにも教えて上げないと・・・)」
意識を失う傍らでそんなことを思いながら。
フェイト・T・ハラオウン戦闘不能
「さて、あと残すは高町なのはと織主真か」
地球魔導師たちは八神はやて、リインフォース・アインス、彩瀬文、そしてフェイト・T・ハラオウンの四人が脱落。対する地上魔導師はティーダ・ランスター一人の脱落。数の上でのアドバンテージが取れていてこの状況は非常に美味しいものだと言えた。このままでいくならゼストかクイントが織主を倒し、ネリアルかメガーヌがなのはを倒せば模擬戦は地上魔導師の勝利となる。
『油断はいけないわよ、上をご覧なさい』
「・・・・・・ファ!?」
リリスの言葉に変な声を出してしまったネリアルはおかしくはない。なぜならばリリスが指示した上、正確に言うなら模擬戦におけるリングアウトギリギリの部分に巨大なピンク色の魔力が集束されていたのだから。
ゼストさんとクイントさんのガチンコバトルの最中でネリアルVSフェイトが終了です。ネリアルの隙をつく攻撃にフェイトの反応が遅れたためにフェイトは敗北しました。もしもフェイトの反応がもっと速かったり隙がなかったりしたのなら結果は逆になっていたのかもしれません。
あとネリアルの存在がベルカのニート侍に知られるフラグが立ちました。ネリアル逃げてー。
さて、今回リリスさんの技である【許されぬヒラリオン】と【王子を誘う魔のオディール】が出ましたが私がフリガナを知らないためにそのまま出しております。誰か存じている方が居られるなら感想で教えてください。
評価、感想をお待ちしています。