どこぞの英霊のギョロ目の宝具と百貌のスキルを持って魔法少女の世界に飛ばされました   作:鎌鼬

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おいでませ翠屋!!

 

 

「ん・・・・・・」

 

 

目を覚ますとそこは見慣れた私の部屋だった・・・・・・あれ?今日は確か学校に行く途中だったはずだったのに・・・・・・

 

 

「どうして?」

「やっと目を覚ましたか、美由希」

「あれ?恭ちゃん?」

 

 

そこにいたのは私の兄の恭ちゃん、いつもなら忍さんの家にいるはずなのに今日はここにいる。どうしてだろう?

 

 

「お前どこまで覚えてる?」

「学校に行く途中だったってとこまでは・・・・・・」

「どうやら道端で倒れていたらしくてな。こんな大雪だ、もしかしたら凍死していたかもしれん。運が良かったな」

「と、凍死!?」

 

 

そ、そう言えば朝ちょっと風邪気味っぽかったけど・・・・・・まさか意識を失うほどになるなんて・・・・・・ん?らしい?

 

 

「恭ちゃんが助けてくれたんじゃ無かったの?」

「いいや、俺は父さんに呼ばれて来たんだ。お前を運んでくれた人は下にいる。起きれるようならお礼を言いに行くといい」

 

 

そう言って恭ちゃんは部屋から出ていった。体調を確かめるが少し火照っている程度で動けない程に酷いわけではない。着せられていたパジャマ(恐らくお母さんが着せてくれたのだろう)の上に上着を羽織って下に降りる。するとそこにはーーーーーー

 

 

「へぇ、これがキモノって奴か。初めて着るけど動きやすくて悪くないですね」

「ネルー!見て見てー!!」

「レ、レヴィ!!帯結んでませんよ!!」

 

 

そこには紫色の髪をした男性と金髪の少女、そして妹の友達に似た容姿の青い髪の少女が家にあったであろう着物を着て何やらはしゃいでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやーすいませんね士郎さん、わざわざ着る物用意してもらって」

「いやいや、娘を助けてもらったのにこれくらいしか出来ることがなくて心苦しい限りだよ」

 

 

道端で女性を拾って目的地である翠屋に着いたら、まさか拾った女性が翠屋の店主の娘さんであることが発覚。その介抱でドタバタしていると雪で濡れた服のせいで体が冷えたのかレヴィとユーリがくしゃみをした。それを見ていた桃子さんから差し出されたのが何故か着物、こうして俺たち三人は着物パーティーをすることになりましたとさ。

 

 

どうやらこの翠屋は家族で経営しているらしく、紹介された士郎さんと桃子さん、そしてバイトで経営しているそうな。それにしても士郎さんと桃子さんが子持ちの親に見えない。流石は修羅の國、死ぬ間際まで戦える体を維持できるということか。

 

 

「俺からも礼を言わせてもらう。ありがとう、貴方のお陰で妹が死なずにすんだ」

「あ、ありがとうございました!!」

 

 

頭を下げたのは士郎さんと桃子さんの子供の恭也(呼び捨てでいいと言われたからそうしている)、そして恭也の妹で俺の助けた女性美由希ちゃん(なんとなくちゃん付けで呼んでいる)・・・・・・どうしてだろうか、誰かに頭を下げられている光景を見ているとーーーーーーーーーーーー

 

 

「胸が鋤くような気持ちになる・・・・・・!!」

「ネル!!物凄くいい顔してるよ!!具体的に言うとジェイルに人体破壊技をかけたときみたいに!!」

「ネル、ダークサイドの顔が出ていますよ」

 

 

おっと、不味い不味い。旅行気分でハメが外れていたか?

 

 

「すいません、本性が漏れてしまいました」

「本性が!?」

「なるほど、いい顔だったな」

「うん、とてもいい顔だった」

「素敵な笑顔ね、士郎さんには及ばないけど」

「ちょ!?恭ちゃん!?お父さん!?お母さん!?」

 

 

・・・・・・あの顔を見ていい顔と言われただと!?

 

 

「一つお尋ねします・・・・・・奇襲不意打ち暗殺をどう思われますか?」

「「「戦場における最高の行い(だな/だね/よね)」」」

「私は理解者に巡り会えた・・・・・・!!」

「皆が壊れた・・・・・・」

 

 

恐らくこの先巡り会うことの無いであろう最高の理解者に出会えたことに喜びの涙を流す俺と家族の本性を知ったことだ涙を流している美由希ちゃん・・・・・・ゆえ・・・ゆえ・・・

 

 

「愉悦・・・・・・っ!!」

「はぁ♪ネルってば今日一番の顔してるね!!」

「(あとで慰めてあげましょう)」

 

 

そこから話が弾み、俺たちが知り合いたちと一緒に宿に泊まるところまで話した時に俺の携帯端末(地球の科学技術に合わせた物)に連絡が入っていた。相手はもちろんジェイル。

 

 

「すいません失礼・・・・・・もしもし?」

『あぁ!ネリアルかい!!私だよ私私!!』

「私だなんて知り合いはいないので」

『あーすいません!!ジェイルです!!』

「はじめっからそう言えばいいのに・・・・・・で、なんだ?」

『実は私とウーノは先に旅館に着いたんだけどね!!どうやら雪の影響で道が塞がったとかでここから出られそうに無いんだよ!!』

「アィイ!?」

『雪が止んだら除雪機が来るって話だけどそれまでここから出ることもここに来ることも出来ない!!悪いけどどこかでホテルを探してくれ!!あぁちょっと待ってウーノさん!?その縄で私に何を・・・・・・』ツーツーツー

 

 

・・・・・・ジェイルはウーノさんに補食されるようです、ご冥福をお祈りします。五秒だけ祈ってから思考を切り替える。元々泊まるつもりだった宿に泊まれなくなってしまったのは痛い。これから宿を探さなくちゃいけないけどこの天気ならまともに経営しているのかどうかすら怪しい、てかそもそもこの大雪の中で歩きたくない。

 

 

「どうかしたのかい?」

「雪の影響で泊まるつもりだった宿に行けなくなったみたいで・・・・・・あぁ、知り合いはもう宿に入ってたみたいで大丈夫そうですけど」

「ふむ・・・・・・それなら家に泊まっていくかい?」

「・・・・・・良いんですか?」

 

 

見ず知らずの人間を家に泊めるなんてこちらからしたらありがたい提案だけどそっちからしたらデメリットしか無いぞ?もし俺が殺人享楽家(サイコパス)なら間違いなくこの家は血塗れになること間違いなしだ。桃子さんを除いた三人、特に士郎さんと恭也が戦闘能力の秀でた人間だということはそれぞれの立ち振舞いから分かる。だがその程度だ、そう言った手練れを無力化出来る方法は知っているしそれを行えるだけの技量を持ち合わせている。それなのに俺たちを泊めるつもりか?

 

 

「まぁネリアル君の言いたいことは分かるさ。その上で言わせてもらおう、【子供に好かれる人間に自称を除いて悪人はいない】。僕の経験から言える言葉さ」

「・・・・・・なるほど、参りました」

 

 

スゲーわこの人、俺のこと見て自信満々に言ってらっしゃる。そんなこと言われたら従うしか無いじゃないですかー。

 

 

「では、御好意に甘えさせていただきます。二人もお礼言いなさい」

「ありがとね!!」

「ありがとうございます」

「レヴィ・・・・・・ユーリはともかくレヴィ・・・・・・っ!!」

「うんうん、子供って言うのは元気が一番だからね。これくらいがちょうどいいよ」

「・・・・・・すいません」

 

 

こうして俺たちは翠屋経営者ーーーーーー高町士郎さんの御好意に甘えて止めてもらうことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『・・・・・・そう言えば高町って模擬戦で戦った高町なのはと同じ名字ね』

「・・・・・・偶々同じ名字なんだよ・・・・・・なんじゃないかな・・・・・・なんだと思うな・・・多分・・・」

『後ろに行くにつれて弱くなっているわよ』

 

 

 


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