どこぞの英霊のギョロ目の宝具と百貌のスキルを持って魔法少女の世界に飛ばされました 作:鎌鼬
ノリで書いた作品に感想が三つもあったことに驚愕を隠せないでいる作者がいる。
『マスター、起きなさい。マスター』
声をかけられて意識が浮上する。目の前にあるのはここの警備であろう無人の戦闘機の残骸、戦闘の影響か廊下につけられていた電灯が不規則にフラッシュしていて目に悪そうだ。
「あ~・・・リリスどのくらい落ちてた?」
『ざっと三十秒ってところね。戦闘機の爆発で壁にぶつかって頭を打ったのだけど覚えてるかしら?』
「覚えてないけど頭がいてぇ。でも動く分には問題なさそう」
『そう、なら早く私を起動させなさい。気絶したから解除されているわ』
「了解、メルトリリスセットアップ」
服についた埃を払いながら立ち上がり自身のデバイスであるメルトリリスを起動させる。服の上から黒いロングコートが現れ、さらに足には鋭く尖ったスパイク付きの靴が装着されるどうやらあの男性から貰ったメルトリリスはデバイスになったようだ。
「敵の増援は?」
『今のところは探知してないわ。さっき倒したので尽きたのか、あるいは』
「研究員が全員逃げ出したってところかね?あーメンドイ、絶対上からいちゃもんつけられるわ」
俺が転生を果たしてから早十七年、現在俺は時空管理局という組織で喝托魔導師という肩書きで働いている。喝托魔導師というのはいわゆるバイト扱いと同じ。正式に属してはいないが賃金が他の仕事に比べて高いという理由でこの役職についている。カツンカツンとスパイクと床がぶつかる音をたてながら研究所の奥に進む。俺が受けた仕事の内容は違法な研究をしている研究所の調査兼制圧というどう見ても一人でやらせるにはおかしい物だ。魔導師の数が少ないのは分かるがせめて二、三人は廻してほしかった。
「お役所勤めも大変ですだよ~っと、ここが研究室かな?」
『でもロックがかけられているみたいね。コンソールは・・・大丈夫、生きてる。マスター』
「ほいさぁ」
壁にあったコンソールにメルトリリスのスパイクを突き刺す。するとスパイクはコンソールを砕くのではなく、水に指を入れるがごとく抵抗なく沈んでいった。そしてここからメルトリリスの本領発揮である。
『・・・プログラム掌握完了。設備の割りには
「どんなプログラムだろうが即座に分解、吸収、理解するプログラムウイルス【メルトリリス】の前には無力だろうさ」
『それでも歯応えがあるプログラムを食べてみたいものなのよ。少しは期待していたのにガッカリだわ』
「リリスが満足するようなプログラムがあるのかね?それでは御開帳っと」
メルトリリスを引き抜いてコンソールを操作し研究室の扉を開ける。質量兵器の研究でもしているのかと思い開けてみたが中は予想以上に悪趣味な物だった。所狭しと並べられた培養器の中には手足の無い人間、皮が無く筋肉がむき出しになっている人間、逆に筋肉が無く内臓だけになっている肉塊が浮かんでいた。
『これは・・・人体実験かしら?』
「いや・・・多分プロジェクトFだな」
プロジェクトF、それは人工的に高性能な魔導師を作り出す目的で行われているプロジェクト。元々は大魔導師を名乗る某さんが娘の蘇生のために始めた研究だったと聞いている。しかし今では過程で得た副産物の方が目的になってしまっている。大魔導師さんは浮かばれないねぇ。
「うえ・・・こんなもんのデータ取らないけないなんて誰得だよ」
『文句言わない、これがご飯の源になるのよ』
「こんな光景見ながら飯の話なんてするなよ、食欲が失せるわ。ところでリリスで写真とかデータ取り込んでるけど大丈夫か?」
『管理局にデータ渡したら速攻で削除するわ』
「つまり被害を受けるのは俺だけか・・・っ!!」
これでトラウマを負ったら管理局訴えようかななんて考えながら進んでいくと奥の方に別の扉を見つけた。
『マスター』
「はいよっと」
コンソールにメルトリリスをぶっ刺し扉を開ける。するとその部屋の培養器の中に二人の少女が浮かんでいた。しかも前の部屋にあったような不完全な実験体ではなく四肢の欠損すらない完璧な状態で、だ。年は小学生高学年くらいだろうか。金髪の髪と水色の髪が培養液でユラユラと漂っている。金髪の髪の少女の方には見覚えは無いが水色の髪の少女の方には見覚えがあった。
「・・・フェイト・テスタロッサ?」
『フェイト・テスタロッサっていったらハラオウン家の養子に入ったあの?』
「あぁ、擦れ違った程度しか見てないが間違いない」
そう、水色の髪の少女はフェイト・テスタロッサに瓜二つな容姿をしているのだ。何か情報は無いか。そう思って探してみるとあっさりと目的の書類を見つけてしまった。
「プロジェクトR?」
『何、そのプロジェクトFの二番煎じみたいな名前?発案者のネーミングセンスの無さが伺えるわね』
「名前があれだけど中身は最悪だな。プロジェクトRのRは
『死者の蘇生ってやつね』
「プロジェクトFで強化された素体を作り上げてそこから記憶の模写・・・これを考えたヤツは馬鹿で天才だな」
プロジェクトRの概要を流し見てから終わりの部分で二人のプロフィールがあることに気づいた。金髪の髪の少女はユーリ、過去に管理外世界において起きた【マテリアル事件】の主謀格にして盟主である
「・・・リリス、マテリアル事件って知ってるか?」
『・・・少なくとも私のメモリーに該当するデータは無いわね』
やべえよこれ、間違いなく踏み込んじゃいけない部分じゃないか!!リリスには毎日とまではいかないが出来るだけデータを更新するように頼んである。それなのにそのリリスが知らないと言うことは管理局が意図的に削除されている事件、つまりは管理局の闇ともいえる部分だ。こんなのに関わったとバレれば一介の魔導師である俺は間違いなく消されるだろう。
『一番の選択肢は見なかったことにして彼女たちを殺すことね』
「でもなぁ・・・」
そう、彼女たちはクローンと言う存在であっても間違いなくこの場で生きているのだ。敵対しているヤツを殺すならなんら問題はないが敵意の無いヤツを殺すのはどうしても躊躇いが生まれてしまう。
『マスター』
リリスの急かす声が聞こえる。わかってる、俺だって死にたくない。だからこれが一番の選択肢だってわかってる。蹴りの体制に入る。せめて痛みを感じる間も無く一瞬のうちで。それなのに、金髪の少女と水色の髪の少女と目があってしまった。どうしてこのタイミングで目覚めたのか俺は知らない。でもその目を見てしまった。
ーーーーー生きたいと語っている目を見てしまった。
「あぁ、糞が」
それを見てしまった俺は歯軋りをしながら蹴りを放った。
第二話目です。すいません、私の尊敬する小説と似通ったような展開になってしまいました。
ここでデバイス【メルトリリス】の軽い説明。
メルトリリス インテリジェントデバイス
バリアジャケット 黒いロングコート
武装 スパイクのついた靴(レギンスでしたっけ?誰か教えて)
プログラムウイルス【メルトリリス】
プログラムであるならどんな強固な構成だろうだそれをそのまま分解、そしてそれを吸収してそのプログラムを理解するチートウイルス。電子戦であるならメルトリリスに勝てる存在はない。
評価、感想お待ちしています