どこぞの英霊のギョロ目の宝具と百貌のスキルを持って魔法少女の世界に飛ばされました 作:鎌鼬
第四話「食事タイムは人間にとって必要なこと」ですが読者さんからいただいた感想の中にあったとある作品と似ているとの指摘から削除させていただきました。
私の都合で削除してしまったこと、この場を借りてお詫び申し上げます。
ミッドチルダにある時空管理局地上本部で一人の初老の男性が仕事をしていた。彼の名前はゲンヤ・ナカジマ、108部隊の隊長である彼はデスクワークに勤しんでいた。
「隊長、失礼します」
「おう、どうした?」
「隊長に面会を希望されている方がおられます。ネリアルと言えばわかるとおっしゃっていましたが」
「ネリアルか、大丈夫だ、通してくれて問題ないぞ」
「はっ、失礼します」
部下からの報告を受けたゲンヤは一発は殴られることを覚悟した。ネリアルはお人好しと呼ばれる人種だが流石に勝手に模擬戦を組んだことに怒っていることは容易く想像できた。
そんなゲンヤに待ち構えていた洗礼は延髄蹴りからのフランケンシュナイダーであった。
「おいゲンヤ、なに勝手に模擬戦組んでくれてんだこの野郎が」
「首っ!首がぁ・・・お前、いきなり延髄蹴りからの投げとか殺すつもりか!!」
「半分は殺るつもりで殺った、後悔なんぞ置いてきた」
「さっさと拾い直してこいよ!!」
俺は隊長室に設置されているソファーにふんぞり返りながらゲンヤと対面していた。いきなり延髄蹴り+フランケンシュナイダーのコンボかました俺もあれだがそれを受けて無事なゲンヤも大概だな。
「で、なんで俺が地球出身の魔導師連中と模擬戦なんぞやらないけないんだ?」
「あぁ・・・レジアス中将からの依頼だよ。今度の地球の魔導師たちとの模擬戦でお前を使えとさ」
「レジアスのじいさんか・・・そっちから話を聞いた方が早そうだな」
「そうしてくれよ・・・・・・っちょっと待て、なんでバリアジャケットを起動した?」
「腹の虫が収まらんから」
「止めろぉぉぉぉぉお!!!!」
ネリアルが出た後で隊長室に向かった部下が見たものは泡を吹いて倒れているゲンヤの姿だった。さらにその側には「クイントさん、よろしくお願いします」と書かれたメモが置いてあり、それを見たゲンヤの妻クイント・ナカジマはいい笑顔を浮かべながらゲンヤを連れて帰ったという。翌日、クイントは艶々とした様子で、ゲンヤはゲッソリとした様子で地上本部に出勤してきた。
「ようじいさん」
「ネリアルか、そこに座れ」
ミッドチルダにある一軒の居酒屋で俺は時空管理局地上部隊の顔とも言えるレジアス中将と会っていた。周りには会社帰りか騒いでいる人たちもいるがこうした場面の方が人の目が向きにくいものだ。よくいうだろ?木を隠すなら森の中、人を隠すなら人混みの中って。
「久しぶりだな、元気にしてたか?」
「まぁそこそこには。そっちこそちゃんと飯食ってるのか?痩せてる気がするぞ」
「心配せんでも三食食べている」
騒音をBGMに俺とレジアスは酒を飲む。こうしてレジアスのじいさんと対面するのは久しぶりだな。最後に会ったのはたしか年始の時だったか。お互いに近況を報告しあい、良い具合で酔いが回ってきたところで本題に入ることにする。
「じいさん、今度の地球出身の魔導師連中との模擬戦のことだけど」
「やはりその事か、たまには仕事の話無しで飲みたいものだな」
「ワーカーホリックが何を言ってるんだよ」
「良いではないか。養子縁組とは言え儂らは親子なんだぞ」
そう、じいさんが言った通りに俺とレジアスのじいさんは血の繋がりは無いが親子の関係に当たる。でも年が離れているのもあって俺はレジアスのことをじいさんと呼んでいる。まぁそれでもじいさんは受け入れてくれているが。
「今回の模擬戦は表向きには模擬戦になっているが本当は地と空、どちらが優れているかの競争の舞台になっている」
「やっぱり空の関係か、じいさん空の連中嫌いもんな」
「当たり前だ!!魔力やレアスキルがあるだけでこのミッドチルダの平和を守れると思っている連中を誰が好きになれる!!」
飲み干したグラスを叩きつけてじいさんは叫ぶがそれも居酒屋の喧騒の中に消えてしまう。じいさんは誰よりも平和を望んでいる。それなのにそのために必要な戦力はすべて空の方にへと流れてしまうために最終的な皺寄せはすべて地上の部隊に寄せられる。一般的にレジアスは過激派として知られているがそれは誰よりも紳士に世界の平和を願っていることの裏返しである。だからこそ魔力やレアスキルで持て囃される空の連中を憎んでいるのだろう。
「ネリアルこれは意地だ、地上の意地なんだ。地は空に劣ってなどいないことを示す絶好の機会なのだ。頼む、模擬戦で空の連中を倒してくれ」
じいさんが俺に向かって頭を下げる。じいさんがこの模擬戦にどれだけ入れ込んでいるかこれまでのじいさんを見ていればわかる。空に優秀な連中が入る度に悪態をついていた。地上の部隊に新人が入る度に喜んでいた。その新人が空に引き抜かれた時は酒を飲みながら涙を流していた。俺はそのことを知っている。だからお人好しな俺がすることは一つだけだ。
「じいさん、じいさんのやりたいことは良くわかってる。この模擬戦にどれだけ入れ込んでいるか良くわかる。じいさんの夢は俺の夢でもあるんだ。だから頭を上げてくれ。模擬戦には出てやるよ、魔力やレアスキルだけで意気がってる連中の鼻をへし折ってやるよ、今は楽しく酒を飲もうや、親父」
「ネリアル・・・・・・ありがとう」
俺の言葉に滅多に見せない涙を見せながらじいさんはグラスで俺から注がれる酒を飲み干して笑ってくれた。久しぶりにじいさんと笑いながら飲む酒はこれまでに無いぐらいに美味く感じられた。
「リリス、今度の模擬戦負けられないな」
『あら、貴方は負けるつもりだったのかしら?私は最初から勝つつもりでいたのだけど』
「ははっ、こいつは手厳しいな」
「リリス、ネリアルのことをよろしく頼んだぞ」
『言われずともよ、マスターを守り補助するのはデバイスである私の役目よ。マスターがヘマしない限りね』
「お前は本当に俺のことを落とすのが好きだよな」
この会話が面白かったのかじいさんは大笑いしていた。じいさんは俺の恩人だ。
「リリス、勝つぞ」
『当然よ』
余談だが、家に帰ったら食事の用意をし忘れて空腹になっていたレヴィに噛みつかれ、ユーリからはジド目で睨まれた。締まらないな。
今回少しだけネリアルの友人関係と家族関係が出てきましたね。ゲンヤさんとは友人、レジアス中将とは親子・・・・・・軽い人脈チートかも?
あとほんのり出てきたネリアルの過去ですが・・・伏線になればいいなぁ←オイ
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