どこぞの英霊のギョロ目の宝具と百貌のスキルを持って魔法少女の世界に飛ばされました 作:鎌鼬
第四話「食事タイムは人間にとって必要なこと」ですが読者さんからいただいた感想の中にあったとある作品と似ているとの指摘から削除させていただきました。
私の都合で削除してしまったこと、この場を借りてお詫び申し上げます。
何もなかったはずの広場に突如として廃墟ビルの群れが立ち並ぶ。詳しいことは知らないがたしか実体化するホログラムの様な物だったはずだ。触ってみれば固いコンクリートの感触、軽く殴ってみれば拳から痛みが感じられた。なんだよ、幻が実体化するって、恐ろしい程のオーバーテクノロジーじゃねぇか。辺りを見渡せば監視用の魔力スフィアが何個か飛んでいる。たしかこの模擬戦は中継されることになっているとかじいさんが言ってたっけな。完璧なお祭り騒ぎ、これが管理局の実態かと思うと悲しく感じられる。
「準備は良いか?」
デバイスである槍を構えたゼストさんが全員に確認をとる。クイントさんはナックルを両手に着けてシャドーボクシングをしながら頷き、メガーヌさんはグローブをはめて伸びをしながら生返事、ティーダは銃の調整をしながらきちんと返事を返した。俺もリリスをセットアップしてストレッチをしている。体調は悪くない、あとはこれで気分が乗れば十分な
「でも本当に作戦指揮官が俺でよかったんですか?ゼスト隊長かネリアルの方が経験豊富だから的確な指示ができると思うのですが」
「そう自分を下比するなティーダ、お前の才能は俺もだがレジアスも十分に買っている。だから存分に俺たちを使い潰すといい」
「いいじゃねえかティーダ、お前は所詮参謀みたいなやつだろ?俺なんて気がついたらリーダーになってたんだぞ。今回の模擬戦で負ければ俺が責任をとることになるんだとさ。ふざけるなとぶちギレたいね」
「えっネリアルが責任とるのか?なら安心して失敗できるな」
「ふざけんじゃねえぞ変態シスコン野郎が。てめぇが妹と一緒に風呂に入ってハァハァしていると言いふらすぞ」
「そ、そそそそそそんなことあるわけないじゃないですかー!!」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・ゼストさん」
「あぁ・・・もしもし、時空管理局ですか?ここに変態がいます」
「ゼスト隊長ぉぉぉぉお!!!」
友人だと思っていたやつが変態だった・・・・・・知りたくなかった。
「まぁ戯れ事はさておきだ」
「いやいや、さっきのはわりかしガチのやつですよ!?」
「ネル君、気にしたら敗けだと思うの」
クイントさんが遠い目をしている・・・どうしてこうなったんだ。適当に冗談仄めかしただけだったのに。
「この戦勝つぞ、地上の意地の為に」
ゼストさんが槍を差し出す。これは地上部隊恒例の誓いというやつだ。自分の守るべきものを口にして言うことで自身の意思を固めるためのもの。
「娘のために」
メガーヌさんが上から手を添える。
「家族のために」
クイントさんがナックルを添える。
「妹の為に」
へんた・・・・・・ティーダが銃を添える。この模擬戦が終わったらこいつの性癖を矯正してやろう。そうすることがこいつの妹の健全な未来を守るためでもあるんだ。
「義父の意地と、俺の意地の為に」
最後に俺が上からスパイクを添える。ちゃんと刺さらないように爪先を上に向けてだ。
「「「「「己の信念に誓い、我らが守るべき者たちを必ず守り通す!!!」」」」」
ブザーが鳴り響く。ここに地上の意地を賭けた模擬戦が開始された。
ブザーが鳴り模擬戦が開始されると地上の対戦相手である地球出身の魔導師たちはフォーメーションを陣取った。フェイト・T・ハラオウンと織主真が前衛、高町なのはと八神はやてとリインフォース・アインスが中衛、彩瀬文が後衛。各々の武器、得意魔法等から判断した陣形だ。フェイトの義兄である執務官のクロノ・ハラオウンからも悪くない陣形と御墨付きを頂いている。
ただし、彼らに言いたいことが一つだけある。悪くない判断がイコール最善であるとは限らない。
「来たぞ!!」
織主真が激を飛ばす。真っ正面から陣形に向かってくるのは地上魔導師の一番槍ゼスト・グランガイツ。たった一人で六人に向かってくるのは自信の現れかと思い織主とフェイトはゼストを撃破するために前へと出る。その行動を見届けてゼストは念話による通信で合図を出した。そして廃墟の影から現れる四つの人影、それらの容姿はティーダ・ランスターとまったく同じ容姿をしていた。ティーダの得意魔法は幻影、同一人物が複数現れる事態に地球魔導師たちは一瞬動きを止める。そこを逃さずに地上魔導師たちは追撃をかける。
「おいで、白天王」
動きが止まった地球魔導師たちの頭上から巨大な獣の拳が落ちてきた。メガーヌ・アルビーノの得意魔法は召喚、彼女が使役する中でも最高クラスの召喚獣の一撃は地球魔導師たちに避けられて地面を砕くだけに終わってしまった。しかし当たる当たらないはもんだいではない。元より地上魔導師たちの目的は地球魔導師たちの陣形を崩すことにあったのだから。白天王の一撃で舞い上がった砂埃に紛れて八神はやてに向かう一つの影。彼の名はネリアル・ミッド、地上部隊で組まれたチームの中で唯一の嘱託魔導師。
「八神はやて捕捉」
「な、なんや!?キャ!!」
突如接近してきたネリアルの放つ蹴りに対して三角形のシールドを張ることで身を守ろうとするが一撃目のバリアブレイクで砕かれ、追撃に放たれた回り蹴りに吹き飛ばされる。直前で杖を楯に置くことで直撃は避けられたがそれでも勢いは殺せずはやては廃墟のビルにぶつかった。
「いった~」
「ウィングロード」
身を起こすはやての前に現れたのは空に走る青い道、そこをローラーシューズで駆けながら近づいてくるのはクイント・ナガシマ。加速を繰り返しながらクイントはデバイスであるリボルバーナックルから大量の薬莢を吐き出していた。
『最初に落としておきたいのは八神はやて、次いでユニゾンデバイスのリインフォース・アインスですね』
高まる魔力を感じながら彼女は事前に行われた作戦会議を思い出していた。
『どちらとも広域魔法が得意、さらにリインフォース・アインスは近接戦もできると聞きます。なら最初にこの二人を落としてこちらが殲滅されるのを防ぎたいですね』
『同意見だな、となるとまず行うことは奴等の分担か』
『ゼストさんとメガーヌさんとティーダが掻き乱してください、その隙に俺が八神はやてを弾き出しますからそこをクイントさんが決めてください』
走ることと殴ることしか脳の無い自分を押してくれた仲間たち、そんな彼女を愛し支えてくれた夫と二人の娘たち。そんな彼らの期待に答えるために彼女は加速を続ける。
「一!撃!必!滅!」
過去最速とも言ってよい速度でクイントははやての前に到着する。はやても身を起こすのは困難だと判断したのかシールドを張るがそのやうな障害はクイントの一撃の前では紙同然だった。
「リボルバーシュート!!!」
上からシールドを叩き潰す勢いで放たれたクイントの拳はシールドを砕きはやての腹部に強烈な一撃を叩き込んだ。殴られたはやては彼女のいた廃墟ビルから飛び出して隣のビルへと飛び込む。さらにそのビルを貫通するという行為を繰り返して五つ目のビルでようやく止まった。もしこれが非殺傷設定でなかったら今ごろ八神はやてという人物は壁を染め上げる血の染みになっていただろう。無論非殺傷設定であっても戦闘不能であることには代わりないが。
「まずは一人目ね、はやく戻らないと」
はやてが沈黙したことを確認してからクイントは仲間の待つ戦場へ空の道を走って向かって行った。
八神はやて、戦闘不能
模擬戦開始ですね、ティーダはシスコン(確信)ネリアルの矯正が上手くいくことを切に願っています。
クイントさんはスバルが走ることしかできないみたいな発言していたことから母親譲りなのかなと思って設定しました。
はやてのリタイアは当然のことだと思いますよ?誰だって広範囲に高火力の攻撃を叩き込む奴が敵にいたら真っ先に潰したいと考えるだろうし。
評価、感想をお待ちしています。