どこぞの英霊のギョロ目の宝具と百貌のスキルを持って魔法少女の世界に飛ばされました 作:鎌鼬
第四話「食事タイムは人間にとって必要なこと」ですが読者さんからいただいた感想の中にあったとある作品と似ているとの指摘から削除させていただきました。
私の都合で削除してしまったこと、この場を借りてお詫び申し上げます。
八神はやてに続くリインフォース・アインスの撃墜判定に地球魔導師たちは混乱していた。地球魔導師たちにとって八神はやて、リインフォース・アインス、そして高町なのはの三人は主力砲台といっても過言ではない、その三人の内の二人が開始三十分もしない間に撃墜、経験を重ねてきた歴戦の魔導師ならば話は違っていただろうがここにいるのは実年齢精神年齢共に幼い魔導師たち、混乱するもの無理はない。
「シン君どうしよう!!」
「シン!!」
「なのは!フェイト!落ち着くんだ!!」
前線でフェイトと織主真が押さえ、その隙になのは、はやて、リインフォースの魔法で相手を倒す、そんな織主が立てた作戦を瞬く間に崩されたことでなのはとフェイトは混乱、織主も言葉で落ち着かせようとするが内心では混乱を隠せないでいた。
「(くそっ!!どうしてだ!?どうしてこうなったんだ!!)」
「戦場で不要なことを考えれば待つのは死だけだぞ」
「ぐはっ!?」
織主の剣型のデバイスと競り合っていたゼストは力を緩め、織主が前のめりになった瞬間に槍の石突きの部分で腹を殴った。バリアジャケットがあるとはいえ魔力で強化された騎士の一撃は守りを貫通して織主の内蔵に衝撃を与える。地球魔導師たちの戦況は最悪、織主はゼストと一対一、なのははどこからか放たれている幻影混じりの狙撃に捕まっていて身動きが出来ない、フェイトはメガーヌが呼び出した忍者のような格好の人型の召喚獣ガリューに阻まれて援護も不可能、残された彩瀬文は最初の地上魔導師たちの襲撃の際に消えて連絡もとれない状態になっていた。将棋でいうなら詰み、チェスでいうならチェックメイト、地球魔導師の行く末は負け一色だった。
「才能がある故に惜しいな、その様子では大した訓練を積んでいなかったと見える。才能があるが故の弊害か」
「ふざけるな!!お前に俺の何がわかるって言うんだ!!」
「・・・お前は倒れるほどの訓練をしたのか?」
「・・・は?」
ゼストの言葉に動きを止める織主、こちらを動揺させるための罠かと思ったがそうでもないらしい。
「血豆が潰れるほどに武器を振るったのか?」
「おい何を」
「血のションベンが出るほどに過酷な戦闘訓練をしてきたのかと聞いているんだ!!クソガキが!!」
ゼストが吠える、表情からは怒りが滲み出ており手に持っている槍は怒りのためか震えている。さっきまでとは違うゼストの豹変っぷりに織主は威圧された。
「テメェラ才能があるやつらはいつもそうだ!!凡人が死ぬ思いでこなしてきたことをあっさりと越えてやがる!!偶々だと?運が良かっただと?ふざけるな!!そんな下らない要因で俺たちが積み上げてきた物を一蹴するんじゃねぇ!!」
それはゼストが今まで溜め込んできた
こんなものが自分の憧れた正義であるはずがない、ならば自身の手で正しい正義に変えればいい。
そしてゼストはオーバーワークともいえる鍛練を積んだ。気絶するのは当たり前、体には青アザを作り続け、例え皮が破け血が吹き出しても武器の素振りを止めない。過剰とも言える鍛練を積み重ねてゼストは現在の役職に登り詰めた。その過程でゼストは同じ志を持った生涯の友と呼べるレジアスに出会った。その時に彼らは誓った。ゼストは現場から、レジアスは中から管理局を変えていくと。それから長い月日が流れて地上の部隊は変わった。しかしまだ空と海が残っている。
故にゼストは目の前の少年に自身の怒りを隠さない。才能にかまけて温い訓練で満足しているガキを叩き潰さねば気が収まらない。ゼストは槍を構える。友の誓いと己の正義を阻む敵を打ち倒すために。
そんな中で一つの電子音が知らせを告げる。
ティーダ・ランスター捕縛、戦闘不能
この知らせを受けたクイントとメガーヌは僅かながら動揺した。ティーダは最有力執務官候補の一人として上げられ幻影のスペシャリストとしても地上で知られている。空からの誘いがあるほどにだーーーー本人は自身の飛行魔法の適性が無いことから断っているのだがーーーーそれが戦闘不能、それも捕縛でと来たものだ。それはつまりティーダの幻影を見破ったということ。
その知らせを聞き織主は笑みを浮かべてゼストを見た。これで四対四、加えて参謀役のティーダが倒されたとなればいくら部隊長とはいえ動揺すると考えたからだ。
しかしゼストは揺るがない、それどころかさらに集中しているようにも見える。
ゼストは無傷での帰還はあり得ないと考えていた。どのような任務であれども些細なことで隊員が居なくなることなどゼストが部隊長になってから億劫になるほどに経験している。故にゼストは揺るがず。どのような犠牲があれども果たすべきことは任務の成功。故にゼストは折れず。ティーダの犠牲は嘆きもしよう、悲しみもしよう、だが決して後悔だけはしない。故人に気をとられて果たすべきことを果たせないなどナンセンスだ。だからゼストは、
目の前の
「ふう・・・ティーダ・ランスター捕縛っと」
足元でバインドに縛られて地に伏しながら転送されるティーダを見下しながら地球魔導師の一人彩瀬文は額の汗を拭った。彩瀬は最初の襲撃の際から織主が立てた作戦を見限り独自に行動することを選んだ。その結果、地上魔導師の参謀役のティーダ・ランスターを捕縛することに成功した。
彩瀬文は転生者である。普通の男子高校生だったはずの彼は事故で死に、よくわからない空間でよくわからない男性に特典を授けられて転生させられた、それも性別を女に変えられて。転生先はリリカルなのはの世界。そのアニメを知っていた彩瀬は原作に関わらずに平凡に生きていくことを決意、しかし同じく転生者である織主真と出会い、気がついていたらあれよあれよと原作に巻き込まれて嘱託魔導師として管理局に入れられていた。原作キャラである少女たちのことは嫌いではない、寧ろ友好な関係であると自負している、八神はやてのユニゾンデバイスであるリインフォース・アインスのことも姉のように思っていた。しかし織主真だけは違う。半ば諦めているが自分のことを引きずり込んだ彼だけは好きにはなれない、寧ろ嫌悪を感情の方が強い。
PT事件を解決に導き、闇の書事件では切った物を封印する剣を使いリインフォースの中の防衛プログラムを封印した。なのは、フェイト、はやての三人は織主に引かれている節も見えるがそのことを差し引いたとしても彩瀬の中にあるのは織主に対する苛立ちだけだった。
「何が俺は原作に関わるつもりは無いだよ、ガッツリ関わってるじゃないか。しかもプレシアとアリシアのことを見捨てたくせにリインフォースだけはちゃっかり助けちゃってさ、しかもボクのことを無理矢理わけのわからない模擬戦に誘い込むし、何で生きてんだよアイツ、早く死ねば良いのに」
前世では俺だった一人称を女と言うことを妥協して決めたボクという一人称を使って苛立ちをまぎらわすために地面を蹴る。そもそも原作のことを知っていたからだけではなく彩瀬に与えられた特典が戦闘向きでな無かったことから模擬戦に参加するつもりは無かったのだが原作三人娘の包囲網に囲まれて気がついたら参加することになっていた。リインフォースが慰めてくれなかったら今ごろ彩瀬は涙が尽きるほどに泣いていたに違いない。ある程度苛立ちが収まったところで再び身を隠そうとするが、
「やーやーお嬢さんこんにちは、敵討ちとか下らないことは柄じゃ無いけどティーダを倒したってことプラス後衛さんだからっていう理由で殺らせてもらうぜ?」
黒いロングコートに身を包み足に鋭いスパイクを付けた男、彩瀬とリインフォースが最後までその存在を警戒していた地上魔導師の中で唯一の嘱託魔導師であるネリアル・ミットが彩瀬の前に現れた。
ゼストさんの過去捏造。地上部隊隊長さんが苦汁を嘗めないなんておかしいと思った作者の考えで過酷な訓練を積んだということにしました。ついでにレジアスとの出会いもチラリと。そんな過去があったから温い訓練で満足している織主真にぶちギレました。普段は優しい人です。
あとティーダリタイア、これは彩瀬文がティアナに変身魔法を使って化け、動揺したところを捕縛されました。
そして織主真、彩瀬文の転生者暴露。描写してませんが織主真は男→男、彩瀬文は男→女と彩瀬文だけTSしています。二人の特典は今後出すつもりです。まぁ織主真の特典だけはチラリと出ましたけど・・・わかりますか?
評価、感想をお待ちしています。