「イージーゴアさん。本日は出演ありがとうございます。久しぶりのメディア出演ですね。病気の方はいかがですか」
「最近は症状も落ち着いていていますね。退院もできましたし週何回かの通院をしないといけないですが普段通りの生活ができています。ただアレルギーで薬を使えないのが気掛かりですね」
「症状が治ったら指導者に戻るのではないかという噂もあります。実際にオファーなどは来てたりしますか」
「実はオファーは数十件頂いているんですよ(笑) 。しかし、私自身もう指導者に戻ることはできないですね。やはり薬を使って心臓発作を抑えることができないのは怖いです。今は家にお手伝いさんがいたり医者が毎日来てくれているのでいいんですけど指導者となると直ぐ対応、という訳には行かなくなりますからね。それに最近癌も見つかってしまって。もう指導者はできませんね」
「それは残念です。実は私も指導者として復帰を願っていた1人でしたから。いつの日かダートにあなたの教え子がまた立つ日を待っています。さて今日はイージーゴアさんの現役時代について色々聞いていきたいと思います。1番印象に残っているのはどのレースですか」
「やはり8バ身差で勝ったベルモントステークス、と言いたいところですがあえてケンタッキーダービーにしておきます」
「ケンタッキーダービーですか。やはりライバルのサンデーサイレンスがいたからですか」
「そうです。正直にいうとあのレースは私が圧勝すると思っていました(笑)。年が明けてから体調は万全でしたし負ける感じは全くなかったですね。年明けてから3戦はほとんど10バ身くらい差をつけて勝ってたんじゃないかな。自分も周りも負けるなんて思ってない。それが本番になるとサンデーに全然追いつけない。強いって聞いてたからマークはしてたんですけど直線入ると右に左によれてフラフラしてるし、そんなんなのに速くて捉えられませんでしたね。悔しさより『え、負けたの?』っていう驚きとこんなに強いのがいるんだっていう喜びの方が強かったですね。この直ぐ後のパーティーだったかな?サンデーと仲良くなったのは。今まで気のおける友達がいなかったから嬉しかったですね。それも含めて1番印象に残ってますね」
「強いウマ娘同士。どのような話をされていたのか気になります」
「まともな話はもう全くなかったですね(笑)。ほんとにいい加減な人なので、初対面なのに『5バ身は行けると思ったのになんなんお前』って。でも話していくうちに意外といい人でね、レースに対する姿勢も唯1着を獲るって真っ直ぐなウマ娘でしたね」
「プリークネスステークスの後に不仲説も流れましたが真相の程は」
「あそこから引退まではサンデーと全く話してないんですよね。目の前で二冠取られると友達だとか言ってる場合じゃなくなります。プリークネス負けた後はもう悔しさしかないですから、電話だろうが話しかけてこようが全て無視しましたね。サンデーからしたら何こいつって感じでしょうね。引退後は関係も直ってよく話しますよ。日本に行っているのでなかなか会えないですけど電話とかでよく話してますね」
「関係は治ったんですね。よかったです。では最後にもうすぐケンタッキーダービー。何か後輩に伝えたいことはありますか」
「結果を気にすることなく全力を出し切るつもりで走って欲しいですね」
「全バ悔いなく走り切って欲しいですね。本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました」
出てきた競走馬
イージーゴア 20戦14勝 主な勝鞍 ベルモントステークス(1989)