ここまでG1三連勝で来ることができた。これで今日のこれとBCに勝てばエクリプス賞を取れる可能性が出てくる。今日はBCを占う前哨戦、ジョッキークラブゴールドカップだ。
「なあイージーゴア。本当に出るのか?今からならまだギリギリ出走取り消しができる。ここでは勝つだろうが…。BCで本調子に持っていく自信はないぞ」
「君はビッグレッドのトレーナーなんだろ?使いすぎなんて気にすることなく構えていればいい。私はビッグレッドとしてファンのためにも走りたいんだ」
彼女はベルモントステークスの後大きく変わった。しきりに自分はビッグレッドだと言いファンのために走らなければならない、エクリプス賞を取らなければならないと言い始めた。
「本番は今日じゃないことをしっかり頭に入れて走れよ。目標はあくまでサンデーサイレンス、BCクラシックの制覇だ」
一緒にトレーニングメニューを考えると言った時私は少し嬉しかった、が練習メニューを見た時愕然とした。あまりの厳しさである。練習で怪我をしたら元も子もない。彼女はベルモントステークスの後自らを異様に追い込むようになった。原因の一つは明らかに私だろう。それは分かっているが
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例の如くファーストコールが鳴り響く。ベルモントレース場は私のデビュー地だ。いつ来ても多くのファンの歓声に迎えられていた。そして今日もだ。
「BCの前哨戦。ジョッキークラブゴールドカップ。圧倒的な1番人気はここまで3連勝、イージーゴアです。各馬ゲートに入って」
今日はなんだか高鳴る気持ちを抑えられない、
「スタートしました。イージーゴアは足を貯めるため2番手へ。プライズドは3番手へ行きます。4/1マイルは24秒で行っています。イージーゴアはいい位置に付いている。先頭は2番が行って半マイルは48秒後半。プライズドが落ちていく」
さあ仕掛けどころだ!歓声がきこえてくる!
「イージーゴアとクライプトクリアランスが並ぶ!クライプトクリアランス!イージーゴア!接戦か?いや離した!イージーゴアが離す離す!2バ身!3バ身!3バ身半差がついたところでゴール!」
ここでは勝たなれけばならない。これでようやくエクリプス賞が見えてきた。イージーゴア、次はお前に勝つ。
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「御当主様。今回の出走を止めることが出来ず申し訳なく思います」
「いつもならこの様なトレーナーは一旦怒鳴り散らした後我が家の者に一生関わらせない様にするのだが」
当主の鋭い目がこちらを睨みつける。そうだウマ娘の意志を尊重するとか言って肝心の本番に間に合わなければ意味がない。
「しかし厄介なパターンだな。君はセクレタリアトを見たことあるか?」
「それは当然。彼女は物凄いウマ娘ですし私の目標です」
私は数年前にベルモントステークスで見たセクレタリアトを思い出した。現役時に比べ少し太い身体付きだった、しかし今でも下手な重賞ウマ娘より速く走れそうだと感じたものだ。
「君、イージーゴアとセクレタリアトどちらが強いと思う?」
「それはイージーゴアも強いですし分かりませんね」
「本当のことを言ってみよ。本当に思っていることだ」
「セクレタリアトとは比べらものになりません。あのウマ娘は隣に立つことさえ憚られる、そんな雰囲気があります。引退して10年以上経った今でも、です」
「君の担当はそれに少しでも近づこうとしている。そんなものは無謀だ。私には正直止め方が分からない。イージーゴアの将来は君にかかっている。頼まれてくれないか?」
「私は気がつくまで遅すぎました。しかし自信はないですがやってみます」