静寂の日曜日   作:ふりーと

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「世界に通用する強い馬作り」を目指すべく、外国から強豪馬を招待して我が国のサラブレッドと競わせようという趣旨により1981年に創設されたのが本競走で、11月下旬の東京競馬場・芝2400メートルを舞台に行われている。
(JRA)


ジャパンカップ
Japan Cup


89年ジャパンカップ

 

踊り出ろ

 

お前を知らぬ者たちの

 

隙を突いて踊り出ろ

 

世界を変えるのに3分もいらない

 

ワールドレコード2:22.2という事件

 

その馬の名は

 

 

多くの記者に取り囲まれながら黙ってトレーナー養成学校にある検疫ルームを出発した。記者会見以外で記者から質問を投げかけられても答えてはいけないとトレーナーから言われているからだ。何か変なことを話すとレースに出場できなくなる可能性もあると言われたし、実際URAの裁定は厳しいと評判だ。さらにスーパークリーク、オグリキャップといった日本勢と人気を分けあっているためよりマークは厳しい。妙な雰囲気のままタクシーに乗り込んだ。東京に近づくにつれて人も建物も多くなってくる。一度行ったニューヨークに負けないくらい人が多い。大都会の渋滞を抜け住宅地の中にある今回の戦場、東京レース場に着いた時にはもう昼を過ぎていた。

 

「あら、オベイユアマスター先輩は先に着いていたんですね」

 

「オグリキャップとスーパークリークがどんな感じなのか見ておきたくてね、日本入りも早めたんだよ」

 

「さすが先輩。うちなんかひどい渋滞でしたよ。明後日には本番だというのに練習もなかなかさせてくれませんでした。もう少し融通が効くといいんですけどね。着いたらすぐに合同記者会見ですよ」

 

レース前記者会見では去年の覇者オベイユアマスター、凱旋門賞ウマ娘キャロルハウス、イブンベイに記者が集まっている。がそれの比較にならない程、自分のところには記者が詰めかけている。

「今回は逃げの先発ですか?」「日本で注目しているウマ娘は誰ですか?」「東京コース。何か気をつけている点はありますか?」

多くの記者が質問を投げかける。戦略がバレない程度に応えているとき記者が隠れて話していることが少し聞こえてきた。

 

「あのニュージーランドからきたウマ娘、あれが勝たなかったらオサリバン陣営二度と来ないって言ったらしいよ」

「本当か、大した自信だな。しかしあの見栄えのしない馬体じゃ厳しいだろ。来年引退とかするのか?それともトゥインクルシリーズが舐められてるのか?」

「ほんと吹きすぎだよな。ウマ娘の方もうなづいて納得した様子だし分かってるのかね?」

 

オサリバントレーナー。アメリカを本拠地にする私でも聞いたことのある名前だ。はっきり言えばあのニュージーランドの娘は貧弱だ。正直勝つのは難しいだろう。記者会見が終わった後オベイユアマスター先輩にも相談したが何か隠す様子もなくホーリックスは2400は厳しいだろうと評価していた。あの発言を踏まえた上で。

 

土曜日、最後のレース場確認を行った。芝は短く硬い路面のこのコースは私に取って走りやすいものだろう。当日への自信は強まる。いよいよレースが楽しみだ。

 

 

 

 

 

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