少年は空が赤く広がる殺風景な場所で目を覚ました。
「(また…この夢か…)」
少年はそう思いながら辺りを見回すと…
『ディヤァ!!』
『キィィィ!!』
赤色に光り輝く巨人と手足がない大蛇のような外見をした龍が戦っていた。普通ならこの光景に驚くが少年は驚くことはなく巨人と龍の戦いを見守っていた。
「(最初はこの光景に驚いたが…さすがに慣れたな…)」
少年がそう考えていると巨人は両腕を広げ、額に両腕を当てて赤色のエネルギーを溜めながら屈み、龍に向け光の刃を放った。
『デヤァァァァ!!』
光の刃は龍に直撃し切り刻まれるエフェクトと共に消滅した。
「(いつ見ても凄いな…)」
少年がそう思っていると、巨人は少年の方を向き見つめる。
「…なんであんたは…いつも俺をここに呼ぶんだ…」
少年は巨人に問いかけるが、巨人は何も答えない。
「あんたは一体何者なんだ…!!答えてくれ…ウルトラマン…!」
少年のウルトラマンという言葉に巨人はゆっくりうなずいた。
― ジリリリリリリリリ―
少年が巨人…ウルトラマンにまた問いかけようとした時、アラーム音と共に周りが光に包まれてウルトラマンが少年から離れていった。
ージリリリリリリリリ―
「なんだよ…もう…朝かよ…」
朝6時……
「高校に入ってからか?あの夢をよく見るようになったのは…」
俺は先程見ていた夢のことを考えていると…。
「てっ!?ヤバい早くしないと戦争に巻き込まれる!」
俺は時計を見て、焦り学校制服に着替え部屋を出た。リビングに向かうと母親の『櫻田 五月』と長女の『櫻田 葵』が朝食の準備をしていた。
「おはよう母さん、葵姉さん」
「おはよう望」
「おはよう望くん、いつも早いね」
「まぁ、戦争には巻き込まれたくないしね。それじゃ顔を洗ってくるよ」
俺はそう言って洗面台に向かう。なんでこんな朝早くに起きているのかというとだな、櫻田家の朝は戦争だからだ。
「おい遥早くしろ、輝の我慢が限界だ」
「ごめん修兄さん、もう少し待って」
「あ、兄上…僕は大丈夫です…」
トイレでは長男である修と三男である遥、四男である輝が一悶着していた。
「もう、お父さん長すぎるよちょっとどいて!」
「ご、ごめんな〜岬」
「栞、ちゃんと歯を磨きなさいよ」
「はい、奏姉様」
洗面所では俺らの大黒柱である総一郎と四女の岬が鏡を取り合っていた。そして、次女の奏と六女の栞が歯を磨いていた。
このように俺の家族『櫻田家』は四男六女、両親を含めれば12人家族の大家族である。その為、朝はこのように戦争で朝早く起きたものがトイレや洗面所が早い者勝ちといった形になる。
「やはり、早起きが一番だな」
「望くん…悪いけど、茜と光を起こしてくれる?」
「わかったよ、葵姉さん」
俺は葵姉さんに頼まれ、双子の妹の茜と五女の光を起こしに部屋へと向かった。
「おーい茜、光の〜起きてるか〜」
俺が部屋に入ると茜と光未だに気持ち良さそうな寝顔でスヤスヤと寝ていた。
「いつまで寝てるんだ、茜、光起きろ!!」
「うーん…今何時…?」
「7時だ、もうみんな起きてるぞ〜!!」
「えっ、もうそんな時間!?」
茜は俺の言葉に飛び起きた。
「光も早く起きろよ」
「う〜ん…わかったよ〜」
俺は二人を起こし部屋から出た。リビングに戻るともう既に俺と茜と光以外の皆が席に座っており俺も席に座った。しばらくすると制服に着替えた茜と光がやってきて席に座った。全員が揃った所で朝ご飯を食べ始める。
「「「「「「「「「「「いただきます!」」」」」」」」」」」
「はい、今日はママ特製野菜オムレツでーす。皆残さず食べるのよ」
「うわぁ〜グリンピースが入っている〜」
「光、好き嫌いすると大きくなれないわよ?」
「うへぇ〜」
「母上!僕は好き嫌いないので大きくなれますよね?」
「えぇそうね、栞よく噛んで食べるのよ」
「はい、お母様」
「そういえば、トイレットペーパーのストックなかったけど」
「今週の買い物当番は誰だっけ?」
「修ちゃんでしょ?」
「あぁ俺か。帰りにもでも、買ってくるよ」
「お願いね、修くん」
「親孝行な子達で助かるわ〜」
「いえいえ〜」
いつもと変わらない朝食の風景、これだけなら普通の仲のいい大家族と変わらないが我が家には一つだけ違う所がある。それは…
「あなた、食事中ですよ!」
母さんが父さんが読んでいた新聞を取り上げると何故か父さんが王冠を被っていた。
「なんで王冠してんのよ…」
「いや〜間違って城から持って帰ってきちゃって、せっかくだから」
「はぁ、父さん…今頃城の皆さんが大慌てで探していると思うぞ、後で謝っときなよ?」
「うっわかった…」
「すごい、パパ!本物の王様みたい!」
「いや光、本物の王様だからな…」
そう、俺達の父さんはこの国を統べる王なのだ。しかし、王族である俺達だが、騒々しく賑やかで暖かな日常だ。
そんな日常を壊そうとする存在が宇宙からやってくること…そして、俺は国と家族を守る為に壮絶な戦いを繰り広げることになるとは思ってもいなかった…。
ーーーTo Be next episodeーーー