水の都とことり   作:雹衣

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第42話

『さあ、今日の運勢は――』

 朝のARIAカンパニーで朝食を食べながら私と灯里ちゃんはテレビをジッと眺めます。テレビに並ぶのは星座の名前。そして今日の運勢。

 つまり、星座占いをやっています。

 灯里ちゃんは牛乳を飲みながらジッとテレビを見つめています。灯里ちゃんは占いに凄い関心があるみたいで、朝の占いを欠かさず見ています。私も関心がないわけじゃない……寧ろある方なので私もトーストを齧りつつ、ついつい自分の星座を探しちゃいます。

「あー、4位かぁ」

 私は4位の所に自分の星座である「おとめ座」の名前を見つけて思わず呟きます。悪くはないけど、ちょっとパッとしない感じ。

『ラッキーアイテムは、猫!』

「ぶい?」

 私は目を席に座ってご飯を食べるアリア社長に向けます。私に見られているのに気が付いたアリア社長はご飯から顔を離して私に大きくて真ん丸な目を向けます。

「アリア社長がいるからラッキーアイテムは問題ないね」

「ぷいぷい、にゅーい」

「あらあら」

 私の言葉を聞いたアリア社長が任せてと言わんばかりに胸を腕で叩く仕草をしています。まるで任せてと言わんばかりの仕草。

 それを見てアリシアさんは穏やかに笑います。

「アリア社長も任せて欲しいって言ってるわね。私の星座はどうかしら?」

「アリシアさんの? えーっとさそり座は……あ、3位ですよアリシアさん!」

「あらあら」

 テレビに映る『小さな幸運が色々と起きるかも』なんて文字と一緒にさそり座の文字が出ます。それを見て楽しそうに喜ぶ灯里ちゃん、まるで自分の事みたい。

「でも、灯里ちゃんの水瓶座はまだ出てないね」

「うん、今日は1位かな?」

 灯里ちゃんはわくわくとしながらテレビを見つめます。2位は「しし座」それを見て二人で私と灯里ちゃんは思わず「おぉ」と口を漏らします。テレビでは水瓶座といて座をデフォルメされたキャラクター達がゴンドラを漕いで競争をしている様子が映し出されています。

 それを三人でじっと見つめます。

そして水瓶を持った女の人がゴンドラを漕いでゴールしました。

「やったぁ、1位ですよ!」

 嬉しそうに目を輝かせる灯里ちゃん。その様子を私とアリシアさんは楽しそうに眺めます。

「ええっと、何々……『何事もとても楽しい一日になります。万事うまくいく』へぇ、今日は絶好調の予感だね」

「はひ」

 凄く嬉しそうに笑う灯里ちゃん。それを見ながらアリシアさんも微笑んでいます。

「灯里ちゃん、今日は皆で練習だったかしら」

「あ、今日はことりちゃんと二人で練習します。藍華ちゃんもアリスちゃんも会社の方で用があるみたいで」

「うふふ、そうなのね。もしかしたら、練習中に素敵な事があるかもね」

 それを聞いて灯里ちゃんはより一層楽しそうに目を輝かせるのでした。

 

「ふふーん、ふふーん」

「ぷぷーい、ぷぷーい」

 楽しそうに鼻歌を歌いながらゴンドラを漕ぐ灯里ちゃん。それを私はベンチに座って眺めます。そんな私の前でアリア社長はそれに合わせて楽しそうに歌っています。

「灯里ちゃん、楽しそうだね」

「はひ」

 そう言ってニコニコ笑う灯里ちゃん。占い1位だったことがすっごく嬉しいみたい。ただ、私もその気持ちはよく分かります。1位だと特になにかあるわけでもない一日もなんだかワクワクした気分になって来ちゃいます。

「こんな日はきっと素敵なことが起こるに違いありません。ね、アリア社長!」

「ぷいにゅっ!」

 灯里ちゃんの言葉に大きな声を返すアリア社長。

 私も笑顔を浮かべて相槌を打ちます。

「よーし、今日も頑張ろー!」

 そう言うと大きく右手を上げる灯里ちゃん。見るからに楽しそうな灯里ちゃんに私も嬉しくなります。

「じゃあ、なんか特別な練習とかするの?」

 何気なく私が尋ねると、それを聞いて灯里は「んー」と首を傾げます。

「特別?」

「いや、なんとなく。特別な日なんだし、なんかいつもと違う練習とかするのかなー、なんて」

 私の言葉を聞いて灯里ちゃんは益々「んー」と声を漏らします。

「特別な練習、特別な練習」

「なんかすっごく楽しい練習とか」

「私、練習はいつも楽しいから」

「そ、そうだね」

 灯里ちゃんが苦しそうに練習しているとこ、そこそこ一緒にいたけど見たことないかも。

「でも、そうだよね! 今日は素敵な日だもの」

 そう言うと灯里ちゃんは腕をグッとして意気込みます。

「そんな考えていったわけじゃないんだけど……」

 そんな灯里ちゃんに私は思わず苦笑いしながら独り言を呟いてしまうのでした。

 

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