艦隊これくしょん 総旗艦アンドロメダ、二度目の航海もまた数奇なり   作:稲村 リィンFC会員・No.931506

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 タイトル通りアンドロメダがヤマトとキリシマの二人と初めて出会った日のお話です。本来ならば本編内に入れる予定でしたが、諸々の事情によりカットしました部分をやや手直しした部分となります。

 総旗艦が幼女化しています。

???「幼女な姉上!?」…警務隊さん、この二番艦です。しょっぴいて下さい。


閑話4 迷子のちっちゃな総旗艦 愛するヒトと先生との出会い

 小さな女の子が建造途中の(ふね)の上にちょこんと腰掛けていた。

 

 

「…ここどこ?」

 

 

───────

 

 

 私が初めて『世界』というモノを認識し、感じたモノは『暗い』と『ジメジメしていて気持ち悪い』でした。

 

 

 今にして思えばおかしな話です。

 

 

 当時の私は例えるならば幽霊みたいな存在であり、暑いとか寒いといった物理的刺激とは無縁な存在だったハズですのに、確かにジメジメした不快な感じがしたのです。

 

 

 ですが、何よりもおかしかったのが、その時の私の背格好が今のような姿ではなく、何故か子供──人間達が言うところの幼女──の姿だったのです。

 

 

 …受け売りですが、あの時はまだ私の艦体は建造の途中で、完成していなかったからではないかと思っていますが、後にも先にもこのような体験をしたのは私だけみたいですので、真偽のほどは分かりません。

 

 

 兎も角、その時の私は今いる場所がどこなのか全く分からず、怖くて不安になり気付いたらその場から逃げるようにして駆け出していました。

 

 

───────

 

 

「…だれもいない」

 

 

 当てがある訳でもなく、ただただ通路をトテトテと進んでいく。

 

 しかしいくら進んでも工作機械が忙しく動き回り、所々機械人形──ガミロイド──が何かの作業を行っているだけで、人間(ヒト)の姿はどこにも無かった。

 

 

───────

 

 

 それが余計に不気味に思えてならず、誰もいないという寂しさと相まって少しずつ涙が溢れて視界が歪んでいったのを覚えています。

 

 

 どこをどれだけ進んだのかまでは憶えてはおりませんが、機械が稼働する音の中に微かな話し声が聞こえた気がして、それに導かれるかの様にして声が聞こえた方向へと走り出しました。

 

 

 

 そしてそこには()()()()()がいました。

 

 

───────

 

 

 金色のメッシュの入った茶色い長髪を後ろで束ねた、すらりとした長身のとっても美しい女性のヒトがいました。

 

 

「きれい…」

 

 

 思わずそう呟いてしまうほど、そのヒトは美しかったです。

 

 この世に舞い降りられました天女様と思えるほどの美しさに、物陰からそ~っと顔だけ出してそのお姿を堪能するかの様に、私の目はそのヒトから外すことが出来なくなっていました。

 

 

 見ているだけでも何だか心が安らぐかの様な安心感がありました。

 

───────

 

 

 …何故物陰に隠れていたかですか?

 

 …今にして思えばとてもお恥ずかしく、とても失礼なのですが───

 

 

───────

 

 

 天女様のお姉さんのお近くに行きたいという気持ちはあるのだけど、そのお側には車輪の付いた椅子に腰掛けたちょっと怖い感じがする眼鏡をかけたお姉さんがいまして、そのヒトが怖くて怖くてなかなか物陰から出るという勇気と決断を出せずに()()()()していました。

 

 

 それに何かお話されていますのに、その(あいだ)に割って入るのは何だか駄目な気が致しまして、暫く見つめるだけに(とど)めていました。

 

 

 しかし流石に視線を感じたのか、怖い感じのお姉さんが自然な動作でスッとこちらに顔を向け、目と目が合ってしまいました。

 

 

「ぴゃっ!?」というなんとも情けない声を思わず出してしまいながら、慌てて顔を隠しましたが、時既に遅し。

 

 

 カツン…カツン…と足音が隠れていた所に近付いて来て、どうして良いか分からずに蹲ってしまいました。そして────

 

 

「あの…、大丈夫ですか?」

 

 

 心配そうな表情で見つめる天女様のお姉さんに、思わず泣き付いてしまいました。

 

 

 

 

 

「おやまあ、なんとも可愛らしい珍客じゃないかね?」

 

 

 

 天女様のお姉さんに抱き抱えられながら、私は車椅子に乗った怖い感じのお姉さんの所にまで来てしまいましたが、天女様のお姉さんに抱き抱えられていますと、怖いという感じは多少はしましても先ほどと比べたら格段に違いました。

 

 

 

「私はBBY-01、ヤマトと言います。貴女のお名前は?」

 

 

 私を抱いて下さっていただいてます天女様のお姉さん、ヤマトさんがニッコリと暖かみのある微笑みを浮かべながら訪ねられました。

 

 

「あどばんすど・あびりてぃー・あーまめんと・わんです!せーしきななまえはまだありません!」

 

 

 元気一杯な声でそう答えますと、ヤマトさんは少し困惑した表情になられました。

 

 

「夏目漱石の『吾輩は猫である』ですか…?」

 

 

「?」

 

 

「うんにゃ。あながち間違いとも言えないよ。このお嬢ちゃんはまだ未完成のまま、名も付けられていないのに何故か顕現しちまったから、この姿なんだろう」

 

 

「??」

 

 

 そう怖い感じのお姉さんが腕を組みながら、なにやら納得したかの様な表情でそう仰られましたが、よく分からずに首を傾げることしか出来ませんでした。そしてなによりも────

 

 

「おばさんのなまえは?」

 

「ブフッ!」

 

 

───────

 

 

 …何故おばさんと言ってしまったのかは今でも分かりません。なんて失礼な事を言ってしまったのか。しかしその時は突然吹き出しましたヤマトさん(お母様)の事が不思議で、特に気にしませんでした。

 

 

───────

 

 

「…私はBBS-555、キリシマよ。おばさん、じゃあ無いからね」

 

 

───────

 

 

 …と青筋を浮かべながら答えられました。今にして思えばなんと命知らずなと背筋が凍える思いです。

 

 

 その後はヤマトさん(お母様)と先生から色々とお話を聞いていたはずなのですが、いつの間にか眠ってしまっていたらしく、どんなお話をしたのかは覚えておりません。

 

 やはり先生が仰られました通り、未完成の状態であったが為に、姿相応の理解能力しか無かったからかもしれません。

 

 

 ただ会話の中で一つだけ、覚えている事があります。

 

 

───────

 

 

「おかーさん!だいすきです!!」

 

 

───────

 

 

 

 切っ掛けは分かりませんが、この時から既にヤマトさんが私の母であると認識していたみたいです。

 

 

 そして吃驚したかの様なお顔をなされましたヤマトさん(お母様)が、満面の笑みを浮かべながら私をギュッと抱き締めてくれましたのを覚えています。

 

 

 

 

 次にヤマトさん(お母様)とお会いしました時は、私は今と変わらぬ背格好であったために、ヤマトさん(お母様)に抱き抱えて頂けましたのはあの日が最初で最後でした。

 

 

 ですがヤマトさん(お母様)に抱き抱えて頂いた時の温もりは、今でも忘れられません。

 

 

 抱き締めて頂かれていますと、心が落ち着き、安心出来て知らず知らずの内に笑顔になれる温かさ。ああ、これが温もりなんだと実感し、とてもとても幸せな一時(ひととき)でした。

 

 

 私が誰かに抱き締めて頂かれていると安らぎを感じる様になりましたのは、思えばヤマトさん(お母様)が切っ掛けだったのでしょうね。

 

 

 …余談になりますが、後日にキリシマさん、先生と再びお会いしました時、初対面であまりにも失礼な事を言ってしまった事を思い出し、平身低頭して謝罪しましたところ────

 

 

「アーハッハッハッハッ!そういえばそんなこともあったねぇ!私ゃすっかり忘れちまっていたよ!」

 

 

 笑いながらそう仰られましたが、その目は決して笑ってはいませんでした。

 

 その時ばかりは、無いはずの胃がキリキリと痛む思いが致しました…。




「姉上の愛くるしいお姿、是非とも見てみたかった!まさしくこの世に舞い降りらた天使の様な感じだった事でしょう!舌足らずで喋られるお姿、何ですかその可愛らし過ぎるお姿!今の凛々しく神々しいお姿も良いですが、その可愛らし過ぎるお姿も捨てがたい!」
 …警務隊じゃ駄目だったか。空間騎兵隊を呼びたまえ。


 アンドロメダがキリシマをおばさんと呼ぶのは、実はあながち間違いではなかったりする。
 金剛型宇宙戦艦をヤマトの母とするならば、コンゴウはアンドロメダの祖母という事になり、その妹であるキリシマは大叔母という事になるからである。


 ヤマトの特徴。


 基本的に艦これ大和をベースに本文中で述べた様に髪に金のメッシュが入っている。
 また身長も高く、若干大人びた感じである。
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