艦隊これくしょん 総旗艦アンドロメダ、二度目の航海もまた数奇なり   作:稲村 リィンFC会員・No.931506

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And Andromeda's Anguish-2

交渉と情報開示。そしてアンドロメダの苦悩ー2


 ヤマト世界に関する設定に独自解釈を多分に含む内容となります。ただし年代は概ね『ヤマトという時代』に沿います。


第11話 Negotiation and Information disclosure.AAA-2.

「お待たせ致しました」

 

 

 駆逐棲姫を連れてアンドロメダは南方棲戦姫と空母棲姫の元へと戻って来た。

 指揮下の深海棲艦達は一旦後方に待機している補給部隊と合流させたらしい。

 

「二人とも~、久しぶり~」

 

 駆逐棲姫がアンドロメダの艤装から飛び降りると二人に抱き付いた。何故かいつものノースリーブのセーラー服ではなく、アンドロメダがいつも着ている艦長服の上着を着ていた。無論、身長差体格差からダボダボである。

 

「お久しぶりです。お役目ご苦労様です」

 

 空母棲姫は特に動じる事無く、軽く抱き返しながら型通りな返事を返すが、南方棲戦姫は駆逐棲姫を抱き締めるとその頭を乱雑に撫でながらにこやかに迎え入れる。

 

「お久!いつもの服はどしたのよ?」

 

「すみません。私が汚してしまいまして…」 

 

 水上移動用靴を履いたアンドロメダが駆逐棲姫に遅れて水面に降り立ち、申し訳なさそうにしながら3人のもとへと近寄る。

 

 駆逐棲姫の服は、アンドロメダの涙と鼻水で汚してしまったために現在主計科の妖精がアンドロメダの制帽と共に洗濯中である。

 その間、代わりとしてアンドロメダは自身の予備の服を渡そうとしたが駆逐棲姫に「今着ているのを貸して!」とせがまれ、少し悩んだが彼女の服を汚してしまったという負い目から承諾。

 そのためアンドロメダが予備の服を着ていた。

 

「?しかしh…モガッ!」

 

 空母棲姫が首を傾げ何かを言おうとしたが、色々と察した南方棲戦姫に防がれる。

 

「不粋なことは言わないの。それより」

 

 南方棲戦姫がチラリとアンドロメダの顔を見る。吹っ切れた訳では無いのだろうが、先ほど別れた時の顔色と比べたら、やや青ざめているが遥かにマシな顔になっていた。

 

 懸念の一つが一応は払拭されたことに安堵し、直前まで空母棲姫と決めた事を話す。

 

 

「まず貴女に先に伝えるわ。私達は貴女からの停戦提案を受諾するわ」

 

 

 それに対してアンドロメダは意外という顔になる。少しは揉めるかなと思っていたからだ。

 

「まあ細かい所は後にしましょ。正直に言うと貴女が提示した情報開示の方が重要なのよ」

 

 

 そう言われてアンドロメダはしまったと思った。情報価値の評価を少し低く見積もりすぎていたかと。

 

「代わりに私達の情報も出せる範囲で出すわ。但し、最新の作戦計画とかこちらの拠点の詳細な座標は教えられないわよ」

 

 その一言に内心ホッとした。またアンドロメダにとっては彼女達の作戦計画も拠点の位置は正直現時点ではどうでもよかった。*1

 

「お互いに出せる範囲で情報を出し会う。それでよろしいですね?」

 

 その問いに空母棲姫が「はい。その認識で構いません」と頷いて返す。

 

「分かりました。では長い話となりますから、軽食やお飲み物を御用意致しますので皆様、私の艤装にお乗りください」

 

 そう言って、恭しく自らの艤装へと招く。

 

 戦闘の意志が無いことを示すために、事前に全主砲砲身の仰角を最大角度に上げ、明後日の方向へと旋回させていた。

 

 実を言うと、このまま海の上での会談はアンドロメダにとっては色々と辛い物があった。

 

 アンドロメダの水上移動用靴はバッテリー駆動であり、しかも履いているだけでもバッテリーを消費し、バッテリー切れをおこしたら航行不能となる。

 そもそも水上移動用靴は内火艇的な役割の装備品であるために、外洋だと波浪の影響を受けやすくバランスを取るのに少なからず集中力と体力を必要とする。

 何よりもアンドロメダは夜の海で溺れた事が原因で、海に対して少なからずトラウマがあった。顔が若干青ざめているもトラウマが刺激されているのが原因である。

 

 

 では何故無理をしてでも艤装から降りて来たかと言うと、礼儀の問題──目線の位置が原因である。

 

 アンドロメダの艤装は他に類が無いほどの巨大な艤装であり、そこからだと確実に見下ろす形となってしまう。

 

 それはあまりにも礼儀を欠いた態度であるとアンドロメダは考えていた。

 

 

 軍艦とは時に外交の最前線と成り得る。寄港地においての乗員のその一挙手一投足、礼儀等の態度が自身が所属する国家や軍隊への評価へと直結する。

 

 更に言えばアンドロメダは艦隊総旗艦を勤めていた戦艦である。

 礼儀を欠いた態度は恥であり、また自身が所属していた地球連邦の名誉を貶める事となるとアンドロメダは理解していたし、総旗艦である以上、誰よりも礼儀を欠いては駄目だと考えていた。

 …まあいささか卑下とも取れなくもない態度が散見出来なくもないが。

 

 

 この世界で最初に出会った戦艦棲姫は、自身の相棒と言える生体艤装が筋骨隆々な巨人の様なモノであった為に、戦艦棲姫が艤装の肩に腰掛けた状態でも目線の位置はほぼ同じだった。

 

 だがこの二人の場合はそうではない。特に南方棲戦姫は水上に直立ちであり、自然と見上げる形、見下ろす形となってしまう。

 

 話し合いに上座も下座も無い。対等な位置でやるべきだとアンドロメダは考える。

 

 

 だがそんなアンドロメダの考えなど深海棲艦の姫様達には関係がなかった。

 

「マゼランパフェは用意出来るかしら?」

 

 南方棲戦姫の問い掛け──しかもかなり真剣な眼差し──に一瞬きょとんとした顔になる。

 

「え?あ、はい。ご所望でしたらご用意致しますが…?」

 

「では行きましょう」

 

「流石に気分が高揚します」

 

 アンドロメダの答えに南方棲戦姫は満面の笑みを浮かべ、空母棲姫は表情こそあまり変化は無いが、その声音から嬉しそうにしているのが伝わってくる。

 そんな二人の態度に鳩が豆鉄砲を食らったかの様になるアンドロメダ。

 

 

「アナライザー!マゼランパフェを人数分おねが~い!」

 

「ハ~イ!タダイマー!」

 

 しかも駆逐棲姫が先に艤装に乗り込んでアナライザーに勝手にオーダーしてる…。アナライザーも何だかノリノリだし…。

 

 …こんな緩くていいのだろうか?と肩を落とすが、二人がそんなアンドロメダを尻目にさっさと艤装へと向かい出したのを見てあわてて後を追う。

 

 

 何だかイニシアチブを上手い具合に取られたな~と、アンドロメダは二人の姫の強かな手腕に戦慄すると共に感心し、自身がまだまだ未熟であると悟り、より一層精進しなければと心に誓った。

 

 

 

     ───────────

 

「美味しい!」

 

 三人の姫がアンドロメダの艤装の上でマゼランパフェに舌鼓を打っていた。特に南方棲戦姫と空母棲姫は念願だったという事もあり、感無量といった具合である。

 

 二人の姫にも好評であることに安堵しながら、アンドロメダは静かにハーブティーを啜る。

 

 駆逐棲姫はアンドロメダも一緒に食べようと誘ってくれたが、この後の話す話の内容を考えると下手に胃に物を入れておきたくなかった為に、断腸の思いで断っていた。

 

 とはいえ何も口にしないのは良くないと思い、また喉を潤すのと気分を落ち着かせるため為にハーブティーを選んだ。

 

 

 暫く和やかな空気が流れるが、三人が食べ終わるのを見計らい、口直しの飲料を手配したタイミングで本題に移る。

 

 

「先に確認したいのですが、お三方は『アケーリアス』という言葉に覚えはございませんか?」

 

 そのアンドロメダの問いに、三人とも知らないと答える。

 

「…分かりました。ではそれらを踏まえて私の素性、生い立ち、歴史、情勢の推移のご説明をさせていただきます」

 

 

 そう言うとタブレットを操作してホログラフィーを投影する。

 

 そこに映るのは()()()()()()アンドロメダ。

 空中に投影された映像に三人はそれぞれ驚きの声をあげるが、アンドロメダは気にせず説明に移る。

 

「私は西暦2202年に地球統一政体である地球連邦の軍事組織、地球連邦防衛軍が定めた軍事ドクトリン、『太陽系内に侵攻してきた敵性星間勢力の大艦隊を地球艦隊が装備する最大火力、波動砲の統制射撃によって殲滅する』防衛作戦戦略『波動砲艦隊構想』に基づき建造された前衛武装宇宙艦Advanced Ability Armament、能力向上型武装艦であるアンドロメダ級の1番艦(ネームシップ)です」

 

 出来る限り噛み砕いての説明を心掛けているが、やはり独特な単語が出るために少し困惑気味な様である。特に─────

 

「波動砲?」

 

 

 

「こちらをご覧ください」

 

 

 投影する映像が切り替わる。太陽系内某所にある防衛軍教練宙域兵装試射区画、そこにアンドロメダが一隻だけで浮かんでいた。

 その艦首前方宙域には多数のデブリが漂っているデブリ帯がある。

 

 次の瞬間アンドロメダの艦首に設けられた二対の開口部に閃光が灯り、二条の髙エネルギー弾の光が宇宙の虚空を駆け抜けていく。それは宇宙を斬り裂くかの様に先端が鏃の如く鋭く尖っていた、

 

 三人の姫が驚愕で目を見開く。そして───

 

「なっ!?」

 

 二本の光の鏃は螺旋状に絡み合いながらも直進を続け、デブリ帯の手前でついに衝突。

 巨大な光芒が生じるやいなや、その中から無数のエネルギー弾が()()してエネルギーの散弾による洪水を発生させ、眩い閃光がデブリ帯を包み込んでいく────。

 

 そして、光の洪水が収まると、()()()()()()()()()()()()()()

 

 言葉が出ない三人を尻目に説明を続ける。

 

 

「二連装次元波動爆縮放射機、通称、拡散波動砲です」

 

 

 淡々と語るアンドロメダだが、その内心は複雑だった。これを先程南方棲戦姫に撃とうとしたのだから、ほんの僅かだが胃を締め付けられた様な気がした。

 

「こ、こんなの戦いになるの?」

 

「これを、使わなければならない敵とは一体…」

 

「……」

 

 絞り出すように紡がれる言葉にアンドロメダは苦笑するが、心配そうにそばに寄り添ってこちらを見上げる駆逐棲姫の頭を優しく撫でる。

 

 

 やはり駆逐棲姫さんは優しいヒトですね。

 

 

 波動砲の光条はどうしても()()()の辛い記憶が甦り、ガトランティス(蛮族共)に対する怒りと憎悪が呼び覚まされそうになる。

 

 着弾の瞬間、手に持つタブレットからミシリ…という音がするほどに力が入ってしまっていたが、駆逐棲姫が寄り添ってくれたお陰で気持ちがかなり落ち着くことが出来た。

 

「ありがとう()()()()()。大丈夫ですよ」

 

 そう耳元で囁くと、駆逐棲姫は一瞬嬉しそうな顔をするが、直後に「本当に?」という顔になったため、ウインクして答える。

 

 

 そうだ。()()()()()()序の口だ。

 

 

 

「では、これより私が建造されるまでの経緯をご説明致します」

 

 

 

 そう言うとハーブティーを一口飲む。それを見て南方棲戦姫と空母棲姫もアンドロメダに倣ってそれぞれの飲料を飲んで気を取り直し、耳を傾ける。

 因みに南方棲戦姫がコーヒー、空母棲姫がロシアンティー、駆逐棲姫がミルクティーである。

 

 

 

「西暦1969年に()()()()()()、そして()()()()()()でも人類は月面に到達しました。その後()()()()()()では2042年に火星に到達しました」

 

 

 

「そして2111年に火星へと最初の移民船団が出発し、火星への本格的な入植が開始され、人類は本格的な宇宙進出の時代へと移る事になります」

 

 

 

「2145年、()()()()()()()()()()()()である第二次世界大戦の終結から200年が経過したことを記念して、世界各地で『第二次世界大戦終結二百年祭』の式典が開催されました」

 

 

 

ちょ、ちょっと待ちなさい!!

 

 

 

 南方棲戦姫が待ったをかけた。明らかにおかしい。アンドロメダは()()()()()()のではなかったのか。

 

()()()()()()()()って、じゃあ今起きている私達と艦娘達や人間達とのこの戦争は!?それに人間達はこの戦争の直前まで()()()()()()()をやってたんでしょう!?まさか全部無かった事にされたの!?」

 

 南方棲戦姫はアンドロメダに掴み掛からんばかりの勢いで問い詰めようとし、駆逐棲姫がそれの間に入って諌めようとするが、この事を予期していたアンドロメダは落ち着いた涼しい顔で説明に入ろうとしたが───

 

 

「…アンドロメダさん。貴女は先程()()()()と、()()()()と仰っておりましたが、最初は今の時間とアンドロメダさんがいた未来の時間から分けてそう仰っているのかと思っていましたが、ひょっとしたら()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のですか?」

 

 

 顎に手を当てて考え込む様な姿で聞き入っていた空母棲姫がそう問い掛ける。

 

 その問い掛けに南方棲戦姫は「まさかっ!?」という驚愕した表情となり、駆逐棲姫も驚きを(あらわ)に思わず振り向いてアンドロメダの顔を見る。

 

 

「はい。ご推察の通りです。私がいた世界では人類の破滅的で()()()な大混乱は起きておらず、また貴女方深海棲艦も、ましてや艦娘の存在は一切確認されておりません」

 

 

「…平行世界(パラレルワールド)?」

 

 

 駆逐棲姫が首を傾げながら呟いた一言にアンドロメダは頷く。

 

 

「信じられないという気持ちは分かります。私も、信じたくなかったのですから…」

 

 

 そう話すアンドロメダが一瞬、寂しさと悲しみに満ちた、とても切ない表情を覗かせたのを見て、三人は何も言えなくなる。

 

 

 見ず知らずの世界でたった一人。

 

 

 その心中たるや想像を絶する苦痛と苦悩に苦しめられているのだろう…。

 

 

 

 気を紛らわせる様にハーブティーを口に含むアンドロメダ。

 一息つくと続きを語り出す。

 

 

「戦争遺物を復元して鎮魂が行われました。一例を上げますと、極東太平洋では坊ノ岬沖に眠る戦艦大和が選ばれました。沈没したヤマトさ…こほん。戦艦大和が引き上げられ、復元の後に再び坊ノ岬沖の海底へと沈められました」

 

 復元された戦艦大和が再び海底へと沈降させている当時の記録映像が流される。

 

「ただ沈没していました戦艦大和の艦体は、沈没時に発生致しました弾薬の誘爆、ボイラーの水蒸気爆発の影響で損傷が酷く、また経年劣化による鋼板の崩壊も発生していましたので、使える所は可能な限り使いつつ、足りない所は新たに新造しての継ぎ足しが行われましたが、当時の記録資料によりますと新造部分の割合が多いとされています。ただその新造部分も回収された残骸の再加工が可能な限り行われました」

 

 大和の映像を見つめるアンドロメダの瞳が、いささか食い気味だったり、説明が息継ぎしてるの?と言いたくなるくらいの早口な上に、何だか「やまと」と言う際に声が妙に艶っぽい気がしたが、触れてはならない様な気がしたため、触れない様にした。駆逐棲姫は何だか面白く無さそうな表情を一瞬浮かべたが…。

 

 

「ですが、その裏側では新たな戦争の火種が着実に芽吹いていました」

 

 

 映像が切り替わり、赤茶けた大地に横たわるナニかの残骸が映る荒い画像になる。

 

()()がいつ火星のどこに漂着したのか、全ての情報が抹消された為に、現在では確認する術がありません」

 

 

「2164年、火星自治政府が『宇宙海軍』を創設し、地球からの独立を企図した『第一次内惑星戦争』が勃発しました」

 

「火星自治政府宇宙海軍の(ふね)は、明らかに地球軍のそれらよりも遥かに進んだ技術によって建造された高性能なものでした」

 

 地球軍の大艦隊が火星軍の艦隊に一方的に撃破される映像が映し出される。

 

「火星の政府と軍が秘密裏に異星文明の(ふね)の残骸を入手し、自らの力としていたという説は、敗北を続けていた当時の地球にとって笑い事では済みませんでした」

 

「戦争自体はその後火星からの質量弾による戦略爆撃、いわゆる隕石落としが行われ、地球各地で被害が出る事態となりましたが、その後戦線は膠着し、休戦となりました」

 

 

「そして2168年、火星自治政府の宇宙海軍に対抗して国連も、後の地球連邦防衛軍の前身となる『国連宇宙海軍』を創設。また地球各地にて避難用の地下都市の建設が急ピッチで行われました」

 

「また火星側から自軍が行った隕石落としという暴挙に反発した一部の軍人や科学者に技術者が亡命。戦時中に撃破、もしくは鹵獲した火星軍艦を徹底的に分析する事によって火星軍の技術的優位性は急速に薄れることとなりました」

 

 

「それらにより2170年に国連宇宙海軍連合宇宙艦隊の中核となります『村雨型宇宙巡洋艦』が進宙。翌年2171年には宇宙艦隊の主力艦たる『金剛型宇宙戦艦』が進宙致しました」

 

 

「その8年後の2179年、『第二次内惑星戦争勃発』。2183年に『第二次内惑星戦争終結』」

 

 少し渇いた口を湿らす為に残りのハーブティーを呷ると、すかさずアナライザーがお代わりを空っぽになったカップに注いだのを見て「ありがとう」と礼を言ってから続きを語る。

 

「内惑星戦争、特に第二次内惑星戦争は()()()()だったとされる説があります」

 

 2180年の火星沖戦線にて激しく砲火を交え合う地球、火星両宇宙海軍の艦隊が映し出され、宙域を漂う夥しい両軍の(ふね)の残骸、そして宇宙に投げ出された人間や()()()()()()()()()()が、戦闘の激しさを物語っていた。

 

 それを見てこれが予行演習という説に対して言葉に出さずとも、表情で露骨に嫌悪感を(あらわ)にする三人の姫の姿に、アンドロメダは何とも言えない表情をしつつも、駆逐棲姫同様に南方棲戦姫や空母棲姫も根は優しいヒトなんだと実感した。

 

「火星側が回収したとされる異星文明の物と思われる(ふね)は、明らかに戦闘用の物でした」

 

「この宇宙のどこかに、人類より進んだ文明を持ち、人類同様に()()()()()()()()()異星人が存在する」

 

 

「火星の叛乱を利用する形で、地球はいずれ訪れるかもしれない『悪夢』の様な現実に備えようと企んだのではないかと────」

 

 

 ここで駆逐棲姫がハッ!とした表情となる。どうやら気付いた様だ。昨日少しだけ話した()()()であることに。

 

 

「第二次内惑星戦争終結から8年後、ついにその『悪夢』が現実となる運命の時が来ました────」

 

 『悪夢』という言葉を聞いた駆逐棲姫の顔が、少しずつ青ざめていく。「まさか…、そんな……」と呟きながら…。

 ここからの事はまだ話していなかったがどうやら分かってしまった様だ。この後に起きた()()が─────

 

「2191年4月1日、天王星の監視ステーションが外宇宙から太陽系へと接近する異星人の艦隊を発見

 

 確信してしまったのだろう…。駆逐棲姫の体が震えだしていた。

 そんな駆逐棲姫の姿に南方棲戦姫と空母棲姫は最初こそ訝しむが、様子がおかしい事に気付き大丈夫かと声をかけ始める。

 

「国連宇宙軍は内惑星艦隊に対して集結を命令。同時に各国宇宙海軍にも出動命令(スクランブル)を発令…」

 

「地球と異星人、両軍の艦隊は冥王星軌道で遭遇」

 

「地球艦隊はこの異星人の艦隊に対して様々な手段を用いて呼び掛けを行いましたが、異星人の艦隊は()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「国連宇宙防衛委員会はこの異星人の艦隊に対して、侵略の意図があると判定

 

「最初に接触を果たした日本国航宙自衛隊所属の先遣艦、巡洋艦ムラサメに対して砲撃による破壊措置を命令。しかし────」

 

 この時駆逐棲姫が眼で訴えかけてきた「それ以上は言わないで」と涙目になりながら。

 

 そんな優しい駆逐棲姫の気持ちは痛いほど分かる。だが現実は非情で残酷なのだ。

 

 アンドロメダは目を伏せ、目線で駆逐棲姫に謝った。

 それを見た駆逐棲姫の瞳から涙が零れ落ちるのを見て、胸が締め付けられるが、意を決して続きを話す。

 

 

「巡洋艦ムラサメは異星人、ガミラス艦隊の反撃により…、撃沈…。島大吾艦長以下乗組員は、一名以外…、戦死…。その後の戦闘により地球艦隊は、()()()()()()()()()8()()()()()致しました」

 

 

 

*1
情報は大事だが、得たとしてもそれが活かせる情報でなければ意味がない。真偽の確かめようが無いし、後々価値が出て人類側に渡すにしても、入手経路が経路なだけに厄介なトラブルを引き起こすリスクが高過ぎる。それは自身の生存を脅かしかねない。




次は火星沖海戦からの出来事を予定。



駆逐棲姫、防衛軍艦長服Mod(ただしダボダボ!)


実は深海棲艦の服は艤装と同じ扱い

 深海棲艦が着ている服の洗濯問題というどーでもいい事を悩んだ末に、艤装と同じ扱いにして分解再構築出来るという代物に。アンドロメダはそれを知らなかった為に、毎日体を拭っている最中に自身の服と共に洗濯していました。



着々と胃袋を捕まれつつある深海棲艦の姫様達…。

 食を制するものは世界を制する!!


アケーリアス

 リメイクヤマトより。

 全宇宙にヒト形の知的生命体の『種』を蒔いたとされる超古代の異星人文明。その実態には謎が多い。
 深海棲艦の発生にも何か関わりがあるのか?


二百年祭の大和
 
 ヤマトという時代の映像等を参考に少し肉付け致しました。アンドロメダさんからヤマト愛が僅かに溢れ出て来ていましたが、まぁお気になさらず。


火星からの亡命

 これは完全にオリジナルです。ただもっとも異星人の脅威を一番認識していたのはその技術を使う火星側ではないかと考え、彼らが「人類同士でドンパチしている場合じゃねぇ!て言うかマジで異星人侵攻してきたらうちらが最前線じゃねぇかよおいっ!?」と気付いたけど周りは火星の独立ばかり考えて未来の脅威をこれっぽっちも考えていない事に強い危機感と苛立ちを覚えたのと、本編でも語りました隕石落としという暴挙に憤慨して火星を見限ったのではないかという形で亡命を行わせました。
 ひょっとしたらあのボラー艦とされる艦の残骸の画像は亡命者が証拠としてどうにか持ち出した物なんじゃないだろうか?とも考えてみたり。 


島大吾艦長の最期を知って涙を流す駆逐棲姫 

「宇宙人とだって、きっと友達になれるさ」と語った宇宙巡洋艦の艦長島大吾のまさかの悲劇的な最期に涙する駆逐棲姫。
 現実は意地が悪い。いつだって最悪に最悪を重ねて来る。とはよく言ったものだ…。


 最初は和やかな雰囲気だったのに、何だか気付けば途中から暗い話になったな…。
 
 それではこれにて失礼致します。励みや参考になりますので、お気が向きましたらお気軽に感想をよろしくお願いいたします。

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