艦隊これくしょん 総旗艦アンドロメダ、二度目の航海もまた数奇なり 作:稲村 リィンFC会員・No.931506
今回アンドロメダが少しトリップしたりします。後あれはアンドロメダの狂気になるのだろうか?
また今回の戦闘も某MMDを参考にしております。
地球軍の初勝利というのに驚いたが、それ以上にガミラス以外との異星人との接触というのにはさらに驚く。
だがそれを語るアンドロメダの表情に僅かばかり影が差していた。
勝利と、救いの手。
本来ならば喜ばしい事柄ではないのか?
一筋縄ではいかない、何かがあったのか?
それ以外にも気になる点が幾つかあるが、今は続きを黙って聞く事にした三人の姫。
「2月初頭、監視衛星が冥王星に向かう艦隊を確認したことにより、ガミラス軍が増援を得ていよいよ艦隊による本格的な地球本土への直接攻撃が開始されると国連統合軍は判断」
「残存艦隊を結集しての迎撃作戦『カ2号作戦』が発令されました」
日本の富士宇宙軍港*1から出撃していく極東管区空間戦闘群第一艦隊。*2
月軌道で他の管区の空間戦闘群と合流するが、その陣容は日本艦隊を含めて133隻という第一次火星沖海戦の時と比べると櫛の歯が抜けたかのような見劣りするものだった。
特に主力艦である戦艦は、旗艦であるキリシマを含めてたった3隻しかいない。
他には作戦支援の為に特設支援船が19隻いるが、こちらはガミラス艦と撃ち合うことが出来ない船だから、戦力としてカウント出来ない。
だがそれでも、各艦乗員の士気は極めて高かった。
何故ならば、まだ一部の
「金剛型の全艦、村雨型の14隻に
「本来でしたら参加する39隻の村雨型全艦に装備する予定でしたが、遊星爆弾による爆撃を避ける為に開発、生産施設の地下への移転による遅延。何よりもこの頃は資材不足や工作精度の低下、エネルギー不足が徐々にですが起きており、製造や品質維持が不安定になってきておりました」
「軍は限界まで粘りましたが、作戦開始までに新造艦を含めて14隻に装備するのが限界でした」
「ですがこれでようやく、ガミラスに対して痛いのをブッ食らわせてやれると、将兵みな意気軒昂。士気は極めて高かったそうです」
ここでふと、疑問を感じた駆逐棲姫がアンドロメダに質問する。
「…お姉さん、今『陽電子衝撃砲』って言いましたけど、それって確か『ショックカノン』のことですよね?火星の軍隊が宇宙人の宇宙船から見付けて研究してたって武器で、お姉さんの艤装の主砲でもある」
三人の姫の中で一番アンドロメダとの付き合いが長く、最もアンドロメダの情報に接してきたが故の質問である。
その質問にアンドロメダは頷いて返す。
「はい。第二次内惑星戦争から15年、火星軍での研究期間も含めますとおよそ50年以上の月日を経て、ようやく人類は異星人と同等な武器を手にすることが出来ました。そしてその地球軍最新バージョンが私の主砲です」
「50年…」
人類の不断の熱意と意地に、称賛すべきなのだろうがここまで来ると半ば狂気すら感じる執念に、ある種の呆れすら覚えてしまいそうになる姫達。
だがアンドロメダの言葉には、地球軍の
こちらの攻撃は跳ね返され、対して相手はほぼ一撃必殺。
いくら戦技を磨こうとも、どんなに戦術を練ろうとも、
その悔しさに嘆きながら、どれ程の
アンドロメダはそのことを
そしてその悔しさの裏返しが、新生地球艦隊の
思い出に浸りそうになる思考を、駆逐棲姫の新たな質問が現実へと引き戻す。
「
駆逐棲姫の質問に、痛いところを突かれたとアンドロメダの顔が強張る。
「…残念ながら、兎も角数を揃える事が最優先とされた為に、テストも訓練も不十分でした」
アンドロメダのその答えに「え~…」という顔になる三人の姫。
「これでは完全に敗戦間際の末期戦じゃないの…」と南方棲戦姫は肩を竦めながら思わず漏らしてしまう。
「第一次火星沖海戦の敗因の一つに、地球軍は決め手と成り得る火力、打撃力の無さがありました」
「有力な対戦車兵器を持たない地上部隊が戦車と相対したようなものです」
「ガミラス軍という戦車部隊に対して地球軍は
「足らない火力を防御陣地を構築する事で補っていました」
「しかし結果として受動的にならざるを得ず、主導権は常にガミラス軍側にありました」
「ガミラス軍を追い返すだけの打撃力が無い地球軍は有利な戦況であるにも関わらず反転攻勢に打って出ることが出来ず、そのためガミラス軍に増援を呼び寄せる判断と猶予を与えてしまい、駆け付けた突破力と打撃力に優れた重装備部隊、重戦車軍団によって地球軍の陣地は踏み躙られてしまう形となりました」
「もし十分な火力があれば、増援による攻撃も跳ね返すことが出来た可能性がありました」
「そこから地球軍は形振り構わない、兎に角如何に艦隊の火力を上げるかが至上命題となってしまいました」
「…正直、末期戦だと言われても仕方無いです。あの頃の地球軍は、明らかに狂気に似たナニカに呑み込まれていました」
「兎に角ガミラスに一矢報いる。軍はそれだけに傾倒しつつありました…」
「ですが、それでも捨て鉢とならずに意地を見せ付けた人もいました」
そう言って、一人の立派な白髭が特徴的な人物を映し出す。
「冥王星でのガミラスとの初邂逅の一件で一時解任されておりました艦隊司令、沖田十三宙将閣下です」
「装備されたショックカノンは一撃の威力は高いものの、当時の地球艦のエンジン出力ではエネルギーのチャージに時間が掛かりましたし、命中精度はお世辞にも良くはありませんでした」
事実、艦首ショックカノンは砲塔と違い照準に
その説明を聞いた、もっとも砲術関連に精通している南方棲戦姫が「うげっ!」という顔になり、「なんてピーキーな…」と漏らす。
実際この頃のショックカノンは扱いが繊細で複雑だった。
「沖田司令はチャージ時間を捻出するには正面からの撃ち合いではリスクが高く、待ち伏せ状態で事前にチャージを行い、低い命中精度を補うにはキルゾーンを設定して二方向からの十字砲火しかないと考えられ、それを前提とした作戦を練られました」
火星宙域の俯瞰図を映し出す。
第一次火星沖海戦以降、両軍から事実上忘れ去られた星となっていた為に随所にデブリ帯が残っていた。
「陽動部隊はガミラス艦隊を側面から一撃離脱で攻撃し退避。デブリ帯へと誘い込み動きを抑制しながらキルゾーンへと誘導。キルゾーンへと侵入したのを確認し、二隊に別れたショックカノン搭載艦の本隊による十字砲火を浴びせかけます」
火星沖に侵出してきたガミラス艦隊を陽動部隊が横から殴り付けた後、一目散に本隊が潜むデブリ帯へと逃げ込みながらガミラス艦隊を誘き寄せ、デブリ帯の中に設定されたキルゾーンへと引き摺り込んだ所を、本隊が一斉にショックカノンを撃ち掛けて滅多打ちにする作戦進行予定図を表示。
「もし陽動に乗らなければ、遺憾ながら本隊を前進させ───」
二隊に別れていた本隊を合流させ、上下三列横隊を形成。横隊の一隊一隊が交代交代で射撃を繰り返すCG図が映し出される。
「大昔の戦列歩兵の如く横隊を組み、第一列、第二列、第三列と射撃を繰り返す事となっておりました」
「またそれ以外にも幾つか策を講じていました」
そして2198年2月20日。
火星宙域にガミラス艦隊、ワープアウト。
ここで空かさず陽動部隊が横撃に出るはずだったが、問題が発生した。
当初予想されていた数よりも明らかに
そして識別不能の
しかもガミラス艦隊の旗艦である超弩級戦艦のカラーリングがいつもの緑とは違い
「単に塗装を変えただけでは?とも考えられましたが、こちらをご覧ください」
陽動部隊の旗艦、巡洋艦『テンリュウ』が問題となっている超弩級戦艦の側面を捉えた望遠画像を映し出す。
そこにはガミラスの文字で何か書かれていた。そしてその横に今まで太陽系内で暴れまわっていたお馴染み(?)緑色に塗装された超弩級戦艦の同じ箇所の画像を並べて映す。
書かれている文字が全く違っていた。
「今までの分析から、これらは艦名或いはハルナンバー*3であると推測されていました」
「従来の緑色艦が『シュバリエル』。最初に映したダズル迷彩艦が『
「当時はまだガミラス言語の翻訳が完全ではなく、便宜上、緑がガ軍超弩級戦艦
「問題は火星宙域に現れたガミラス艦隊にこの
「また
「これに司令部は動揺。別動隊がどこかに潜んでいるのでは?と疑心に駆られました。ですが───」
「艦隊司令であらせられましたおとう…沖田司令は動揺する司令部要員を尻目に────」
ここでアンドロメダは当時の音声記録を再生した。
「現れた敵艦隊を敵主力であると判断する。全隊に発令。『カ2号作戦』を発動する。陽動部隊に打電。行動を開始せよ」
落ち着きながらも、力強いその声についうっとり聞き入ってしまうアンドロメダ。心なしか少しばかり頬を朱に染めている。
「ああ…。お父様…」
「…お姉さん?」
ジト目な駆逐棲姫のやや不機嫌そうな声に、自分の世界に入りかけていたアンドロメダの意識が現実へと引き戻された。
「…はっ!あっ!すみません!戦史に名高い『第二次火星沖海戦』の始まりです!!」
羞恥から顔を真っ赤にし、
いや戦史に名高いって言われても、それ貴女の世界の歴史でしょ?と突っ込みそうになるが───
「しかし何故敵本隊であると、沖田という御方は断言出来たのですか?」
空母棲姫がもっともな疑問を口にするが、アンドロメダは一瞬目を伏せると、首を横に振った。
「沖田司令はその生涯において、何故そう判断されたのか、その理由を語られることは
そう語るアンドロメダの表情は物悲し気だった。
そして察した。その沖田なる人間が、アンドロメダにとって如何に大切な存在であり、かの人物が既に故人であることを…。
「…あくまでこれは私見ですが、先の第一次火星沖海戦での教訓から、別動隊を呼び寄せられる前に回復困難な、あるいは戦闘の継続が困難なダメージを与えたかったのかもしれません」
これは戦後も様々な憶測や論争を呼んでいるが、結局の所は謎のままである。
「陽動部隊は沖田司令の指示に従い、ガミラス艦隊の側面から強襲。前衛は村雨型
「先ずは先頭を行く村雨型が縦列陣から上下横列陣へとシフトし、魚雷とミサイルを発射」
だがそのミサイルと魚雷群はガミラス艦隊の迎撃により全て撃ち落とされた。だが───
「先の全弾にはビーム撹乱剤が充填されていました。これによりガミラス艦の主兵器である陽電子ビームの威力を減殺させ、地球艦隊突入時の損失を少しでも低減することに成功致しました」
「無論、こちらも主砲である高圧増幅光線砲が使えなくなりましたが、もとからまともに効果が得られない以上、問題にはなりませんでした」
「兎も角ガミラス艦最大の武器である陽電子ビームによる射程と威力の優位性を打ち消すことが最優先事項でした」
この後も村雨型はビーム撹乱剤を散布し続け、撹乱剤による回廊を形成した。そして───
「本命は中衛の磯風型です」
磯風型の艦低部には見慣れた増槽タンク以外に巨大な円柱状の物体が一本、懸架されていた。それは───
「特空間重魚雷。遊星爆弾迎撃ミサイルを弾頭をそのままに、推進剤部を可能な限り切り詰めた急造の魚雷です」
「問題は急造品であるが為に誘導装置に問題があり、命中精度に難がありました」
また命中精度…。という呆れ声が聞こえたが、構わず続ける。
撹乱剤による突撃回廊を啓開した村雨型が退避し、中衛の磯風型がその回廊の中を潜りながらさらにガミラス艦隊へと接近して次々と特空間重魚雷を発射する。
命中精度に難があるため出来る限り近くで、しかし近すぎたら爆発の影響が及ぶ危険性があり、何よりも近付けば近付くほど撹乱剤の効果が薄くなりすぎる。
そして発射された特空間重魚雷の一部は迎撃され、半数近くは外れた。*4
この雷撃により14隻のガミラス艦を撃破することに成功したが、地球軍も村雨型が5隻、磯風型が27隻撃破された。
磯風型の損失が多いのは、やはり村雨型が退避した地点よりもさらにガミラス艦隊に近付いた為にビーム撹乱剤の効果が薄かったのと、運悪く発射直後の特空間重魚雷にビームが直撃し、発射した磯風型と共に僚艦が爆発に巻き込まれて合計19隻が爆沈した。
そして後衛───13隻の磯風型が中衛を追って退避するも、3隻の村雨型と7隻の磯風型が
「か、カミカゼ!?」
まさかの事態に絶句する三人。それに対してアンドロメダは眉一つ動かさない涼しい顔である。
「この10隻の
つまり生きた人間は誰一人として乗っていないと言うわけだが、とは言え一度沈んだ自軍の
「く、狂っている」
南方棲戦姫が思わずそう口走ってしまい、直後に失言だったと口を押さえるが、アンドロメダは気にした素振りを一切見せることなく答える。
「そうかもしれませんね。戦争はヒトを狂気へと突き落とします。思えばガミラス戦役で人類が一番失ってしまったモノは、倫理観なのかもしれませんね」
狂っているという南方棲戦姫の言葉に一切否定しないどころか寧ろ肯定し、にこやかな顔でそう告げるアンドロメダに三人の心に怖気が走った。彼女の心の内には、間違いなく狂気が宿っている。そう確信させるかの様な笑みだった。
アンドロメダのそばで寄り添う駆逐棲姫は、悲しみを湛えた瞳でアンドロメダを見つめる。
そんな駆逐棲姫にアンドロメダは苦笑しながらも頭を撫でてあげた。
そして彼女達に対して申し訳ない気持ちになる。人類の狂気は、この程度では無いのだから。特に
戦いもそうだが、それに付随する裏側の話をすべきか?とアンドロメダは真剣に悩む。
アンドロメダ自身はその辺りの感性がやや麻痺してあまり感じなくなっている自覚があり、気にしなくなってしまっていたが、彼女達には、特にお姉ちゃんにはあまりにも酷な話になるかもしれないと思えてしまい、どうするべきかと頭を巡らせる。
そのせいか、後の説明がやや御座なりになってしまう。
戦況はその後、地球軍の予定通りに推移する。
ただし、予想外は発生するモノである。
ガミラス艦隊の動きが、明らかにおかしかった。
あえて言えば、ダズル迷彩艦と従来の緑色艦との練度に明らかな差があり、ダズル迷彩艦が足を引っ張っているように思えてならなかった。
これは地球軍の有利に作用した。
緑色艦は「何かある」と勘づいた動きを見せていたが、ダズル迷彩艦に引っ張られてやむ無く追随している様な感じであり、普段よりも動きに精彩を欠いていた。そしてズルズルとキルゾーンへと誘われて行く。
だが同時に不利な事態も発生した。
地球軍は陽動部隊の退避支援の為に特設支援船に載せていた航空隊を展開させた。*5
その時である。ガミラス艦隊の最後尾に控えていた例のくるくる回る謎のガミラス新型艦の正体が判明した。
なんと空母だったのである!
この事実に空母棲姫も思わずあんぐりと口を開けて呆気にとられてしまった。
「はぁ?え?あれが…、空母!?」
異星人の感性は理解できないとばかりにすっとんきょうな声をあげてしまった空母棲姫。
空母の第一人者として、思うところがあるようだが、アンドロメダに言わせてみれば深海棲艦も大概だというのが率直な気持ちである。さすがに口には出さないが。
地球、ガミラス双方が期せずして航空戦力を投入した。
地球軍は数で圧倒していたが、もっぱら対艦攻撃に重点を置いていた為に対空ミサイルは殆ど用意していなかった。
対してガミラス軍は数こそ少ないものの、ほぼ全機が対空ミサイルを装備していた。
「私の私見ですが、このガミラス空母は艦隊による地球攻撃に際して、艦隊の防空を担っていたのではないかと見ています」
確かに筋は通る。本来ならば消耗させたくなかったのだろうが、地球軍が航空戦力を展開させたことにより、押っ取り刀で出撃させたのだろう。
とは言え地球軍の航空隊にはたまったものではなかった。急遽対艦ミサイルを投棄してドッグファイトとなった。
この時の地球軍機であるが────
「九七式戦闘攻撃機。後の九九式戦闘攻撃機コスモファルコンへと繋がる戦闘機です。ファルコンと同等の機動性能を誇りますが、エンジンの出力が低く、搭載可能な兵装の量が限られていました」
両軍激しいドッグファイトを演じるが、やや地球軍が劣勢だった。
また航空隊の支援が受けられなかった陽動部隊の被害が拡大。半数以下にまで撃ち減らされたが、それでも目的は完遂した。
誘い込まれたガミラス艦隊はついにキルゾーンへと入り込み、地球艦隊ショックカノン搭載艦による猛烈な射撃を受ける事となった。
一撃でガミラス艦を串刺しにした陽電子衝撃砲、ショックカノンの威力に南方棲戦姫は目を丸くする。そして「私よく生きてたわね…」と呟きながら冷や汗を流す。
アンドロメダは言った。「地球軍最新バージョンが私の主砲です」と。そしてさらに疑問に思う。その砲撃を耐えきった
本隊、金剛型3隻*6、村雨型14隻*7*8による砲撃は熾烈を極めた。
そして少しでも間隔を狭めるために、磯風型を接舷してエネルギーを供給してもらっていた。
このまま上手く行くと思われたが、事態は急変する。
そして最悪なことに、第二部隊においてショックカノンの暴発事故が発生。
無理に無理を重ねた連続砲撃によってか、または部品の品質に問題があったのか、原因は該当する
これにより、本隊に動揺が走る。
撃ち減らした敵本隊か、それとも増援か、どちらを対処すべきかと混乱が生じ、「ここまで来て、また敗けてしまうのか?」という気持ちが沸き起こりかけたその時─────
「狼狽えるなっ!!」
沖田司令の一喝が木霊し、第一部隊に別動隊への対応を命令した。
なお、敵本隊は
「声の感じからまさかとは思っていたけど、あの時の一喝はこの人間のだったのね?」
またうっとりとしていたアンドロメダに南方棲戦姫が尋ねる。
「はい。私のお父様…、沖田司令の肉声です」
そのアンドロメダの答えに、駆逐棲姫が口を尖らせながら質問を投げ掛ける。
「さっきから気になってたんだけど、どうしてお姉さんはこの人間のことで妙に嬉しそうなんですか?今も『お父様』って言って慕っている感じがしますし」
ややつっけんどんに聞いてくる駆逐棲姫にアンドロメダは苦笑いを浮かべ、頬を掻きながら答える。
「なんと説明すべきですか…、私達地球艦は設計の元となった
「沖田司令がこの後に乗艦されます戦艦が、私にとって母と呼べる
「ふーん…」
不機嫌そうな声で答える駆逐棲姫に、アンドロメダは困ったという感じの表情を浮かべる。
そこに南方棲戦姫が「妬いてるのよ。その沖田って人間に」と耳打ちする。
アンドロメダはさらに困り果ててしまう。これでお母様、ヤマトさんの話になったら、お姉ちゃんが憤死しないだろうか?と。
ちなみに戦闘の結果はほぼ痛み分けに終わった。
ガミラス別動隊、沖田司令率いる第一部隊も共に半数を失ったが、ガミラス別動隊は自軍本隊が完全に撤退したのを確認して、引き上げた。
結果として、地球軍は火星宙域からガミラス艦隊を追い払ったとして、大勝利であると喧伝。勝利の立役者として沖田司令を英雄として祭り上げることとなる。
たとえその代償として艦隊の半数を完全に失い、少なくない
そしてこの戦いで沖田司令は御子息を永遠に失ったのだという事実も、勝利に沸く地球には些事でしかなかった─────。
────────────
数ヶ月前、地球某所────
その日、アンドロメダはこの場所でひっそりと過ごしているヒトを訪ねていた。
沖田司令とゆかりがあるヒトなのだが、現役時代の無理が祟って、今は車椅子が必需品となっていた。
そのヒトが第二次火星沖海戦での沖田司令について、アンドロメダに語っていた。
「…あの時の沖田さんは見ていられなかったよ」
「憶えておきな若いの。指揮官ってのはね、軽々しく泣けない生き物なのさ」
「先生…」
「若いの、あんたは誰よりも優しい。いや優しすぎる」
「あの人も、優しすぎる人だった…。それに蓋をして、自らの感情を押し殺してまで役目を忠実に果たした…」
「指揮官としてはそれが正しい。だけどね、人は機械じゃ無いんだよ…。心は、いつも軋みの泣き声をあげていた」
「見ているだけしか出来ない私には、それが何よりも一番辛かったさ…」
「冥王星の時もそうだった。あの人の背中は…、いつも…、泣いていたよ…」
車椅子に腰掛ける女性、キリシマはそう言って虚ろな瞳で虚空を見つめる。
因縁の星、冥王星へと
次回、イスカンダルからのメッセージと冥王星海戦。
補足解説
特空間重魚雷
遊星爆弾迎撃ミサイルを改造した急造の大型魚雷。
磯風型の機動力を可能な限り阻害しない。尚且つ迎撃ミサイル程の射程は不要と判断され、推進剤部を可能な限り切り詰めた。
磯風型に無理矢理懸架したため、弊害として誘導装置のシーカーが作動しているかの確認が発射してみるまで分からない。熱源誘導。
戦闘での自爆率、故障率の高さから第二次火星沖海戦以降は装備が取り止められ、従来の魚雷発射管から使用可能な新型魚雷(後にユキカゼに装備された試製魚雷)の開発へとシフトしていく。
なお故障率の高さは懸架による暴露が原因とされている。第二次火星沖海戦に帯同した支援船には調整や整備を行う技師も多数乗り込んでいた。
沖田艦長にヤキモチを焼く駆逐棲姫お姉ちゃん。アンドロメダが一番愛するお母様、ヤマトさんを知ったらどうなることやら…。
そしてキリシマさん登場。戦争の影響でかなりやさぐれています。
おそらく気付いた方は気付かれたと思います。はい。ゲール君が手柄をかっさらう目的でゾル星系(ガミラス語で太陽系)まで出張してきました(笑)そして野蛮人の手荒い歓迎を受けてお帰りになられました(笑)
まあこれがもとでさらに遊星爆弾が地球に降り注ぎ、メ号作戦でのガミラスの大艦隊に繋がるという皮肉な事態を引き起こします。
最後かなり飛び飛びで行きましたが、少しスピードアップしなければいつまでもたっても終わりが見えなくなりそうですので、今後もこんな感じになるかもしれません。
それではこれにて失礼致します。励みや参考になりますので、お気が向きましたらお気軽に感想をよろしくお願いいたします。
アメリカ大統領選挙のイメージは?
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直接選挙
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間接選挙