艦隊これくしょん 総旗艦アンドロメダ、二度目の航海もまた数奇なり   作:稲村 リィンFC会員・No.931506

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 交渉と情報開示。そしてアンドロメダの苦悩


 今回少しひどい話になるかと思います。




第15話 Negotiation and Information disclosure.AAA-6

 惑星イスカンダル。

 

 地球、太陽系の属する天の川銀河とは別の、大マゼラン銀河に存在するというサレザー恒星系第4惑星、地球を遥かに上回る超高度科学文明を有する惑星国家。

 

 距離にして16万8千光年の彼方。

 

 その地より地球の惨状を知り、救いの手を差し伸べるべくイスカンダル星の女王スターシャ・イスカンダル猊下は妹君であらせられる第三皇女ユリーシャ・イスカンダル様を使者として親書(メッセージ)と、ある設計図を携えて地球へと遣わされた。

 

 地球は喧々諤々たる議論の末に、イスカンダルからの申し入れを受け入れる事を決断する。

 

 

「ユリーシャ様がもたらして下さいました、イスカンダルからの設計図がこちらになります」

 

 

 そう言って何かの複雑な図面と数式の羅列された画像を映し出す。念のため重要箇所は全て黒塗り処理が施されている。

 

 

「光速を突破する船に不可欠な心臓(エンジン)、そして私の心臓でもあります『次元波動エンジン』。その設計図です」

 

 光速を突破する。それはつまり次元跳躍、ワープが可能となり、ガミラスと同じ土俵に立てるということを意味する。

 

 

「ザックリと波動エンジンについてご説明申し上げますと、『真空からエネルギーを汲み上げることで莫大なエネルギーを得ることが出来る』エンジンです」

 

 厳密にはM理論やら余剰次元やらなにやらと(聞いても読んでもよくわからない)兎に角複雑な理論が関わって来るのだが、説明が大変で面倒(説明する本人ですら珍紛漢紛過ぎてお手上げ)な為に割愛した。

 

 

「…それって事実上の、永久機関なのでは?」

 

 

 絞り出すかのような声で空母棲姫が尋ねる。

 

 信じられないという気持ちがあるのはよく分かる。

 

 何せ2100年代半ばまでこちらの世界でも永久機関は夢物語の産物、オカルトの(たぐ)いだと思われて一笑に付されてきた。

 

 だが火星での遺物の船、そしてガミラスとの邂逅によってそれが徐々に覆り、イスカンダルが完全にトドメを刺した。

 

 

「そうなりますね」

 

 

 永久機関は実在した。その衝撃は凄まじいものがあった。だが────

 

 

「でもおかしくないですか?これってつまり要約すると航続距離無限のエンジンですよね?イスカンダルは方舟でも造って地球を捨ててどこかへ逃げて下さいって言って来たんですか?」

 

 駆逐棲姫が腕を組み、首を傾げながらアンドロメダに尋ねる。

 

 

「いえ、スターシャ猊下は地球人類に直接イスカンダルまで赴いて、惑星の環境を再生させるシステム『コスモリバースシステム』を受け取りに来るようにと、メッセージの中で伝えられておりました」

 

 

「そんな無茶なっ!?そのイスカンダルって星は16万8千光年とかいう、もうわけ分からないくらい遠い場所なんでしょ!?」

 

「確かその当時の地球は惑星間航行がやっとだったと言ってましたよね?それなのにいきなり恒星間、いえ、それ以上の銀河系間の航行ですか。しかも辿り着くだけでなく帰り着く必要がありますから、合計で33万6千光年…。困難にも程という物があるでしょうに…」

 

 アンドロメダの答えに南方棲戦姫は信じられないという顔で、空母棲姫は顔を顰める様にして苦言を呈する。

 

 

「…未知の困難と苦難に乗り越えて辿り着く。それが最低条件の様なものでした。そしてその道のりは、ユリーシャ様が指し示す事となっていました」

 

 

「…何故その様な無理難題に、貴女がいた世界の人類は受ける気になったのですか?」

 

 

 空母棲姫がもっともな質問を投げ掛ける。

 

 

「ガミラスは第二次火星沖海戦前後から、遊星爆弾攻撃の内容に変化を生じさせて来ました。こちらをご覧下さい」

 

 そこに映し出されたのは、遊星爆弾の落下で荒廃した大地に群生する、明らかに地球の植物ではない未知の植物群。それらが大量の胞子を大気中にばら蒔いていた。

 

「ガミラスは遊星爆弾の内部にこの植物の種子を内包させて投射、落下地点を中心に瞬く間に地球各地へと広がりました」

 

「問題はこれらが放つ胞子は地球在来種のありとあらゆる生命体に対して極めて毒性が強く危険で、どのような場所でも育つ事から、徐々に地下をも汚染し始めていました」

 

「その影響で地表近くにありました各地の迎撃ミサイル基地は次々と使用不能となり、宇宙軍港がいくつも放棄され、迎撃網が寸断されたことでさらに落下する遊星爆弾の数が増えるという悪循環の状態へと追い込まれました」

 

 

 村雨型の数隻が隊列を組んで一斉にショックカノンを遊星爆弾に撃ち掛けるシーンが映し出されるが、とてもではないが防ぎきれていない。

 

「出撃可能な残存艦隊もショックカノン搭載艦を中心になって必死の迎撃行動をおこないましたが、数が圧倒的に不足しており焼け石に水…」

 

「しかも時折巡洋艦や宙雷戦隊が辻斬りの様にワープで現れては一撃離脱を繰り返されて、艦隊の被害も拡大する一方…」

 

 時折返り討ちに成功することもありましたが、キルレシオからすれば何の慰みにもならない微々たる戦果ですが…。と自嘲気味に語るアンドロメダに、掛ける言葉が見付からない姫達。

 

 

「科学者の見解ではもって二年。その間に何か打開策が無ければ人類は死滅するという結論が出ていました」

 

 

「地球ではこの頃『イズモ計画』という地球脱出計画が立ち上げられました」

 

「しかし地球人類全てを脱出させるには移民船の建造等の問題が山積みで、一部の人間しか脱出出来ないという重大な問題があり、最悪人選を巡って人類同士が争う内戦状態となり自滅の危険性を孕んでいました」

 

 それはそうだろうと三人は頷く。その根幹には人間不審や人間嫌いの一面があるが…。

 

「ならばまだ全員が助かる可能性が高いイスカンダルからの申し出に賭ける方が心情的にもまだマシという結論になりました」

 

 成る程という反応になるが、同時に更なる疑問が出てくる。

 

「て言うかさ、見も蓋もないこと言うけど、初めからその、え~と…、コスモスシステムだっけ?その機械を直接イスカンダルから地球に持ってきて貰っても良かったんじゃないの?」

 

 南方棲戦姫にはイスカンダルがどうしても信用できないという気持ちが強かった。

 

「はっきり言わせてもらうけど、二年で未知のエンジンこさえてぶっつけ本番で往復させようだなんて、いくらなんでもイスカンダルって星の連中、(たち)が悪すぎるわよ」

 

 イスカンダルに対しての不信感を(あらわ)にしながらそう告げる南方棲戦姫。空母棲姫もそれに同意な様で静かに、だが大きく頷いている。

 

 駆逐棲姫もどちらかと言えば南方棲戦姫と同意見だが、アンドロメダが腕を妙に強張らせて拳を強く握り込んでいることに気付いて疑問に思い、その手を取ろうとした直後に背筋が震える様な悪寒がして「どうして?」という顔になる。

 

 

 今のは、『怒気』だ。

 

 

 対面にいる南方棲戦姫と空母棲姫もその怒気に内心驚くが、戦闘でアンドロメダからの強烈な殺気を浴びせられていたからか耐性があった為に、特に動じなかった。

 

 とはいえ今の怒気、そして一瞬だけだが覗かせていた怒りを滲ませたアンドロメダの表情から、イスカンダルに関しては何かタブーな所があるのだと感じ、口を噤んだ。

 

 

 だが当のアンドロメダ本人は、自身が見せたそれらに気付いていないのか、そのイスカンダルに直接赴かなければならない理由を語り出す。

 

 

 

「…星のエレメント

 

 

 

「コスモリバースシステムによる惑星環境の再生には、星のエレメントと呼ばれる物質が必要なのです」

 

 

 突然出てきた聞き慣れない『星のエレメント』という単語に困惑する三人の姫。

 

 アンドロメダはそれを見越してそのまま星のエレメントについての説明へと移る。

 

 

「惑星には、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()とされています」

 

「その記憶を解き放つのは星の思いを宿した物質、星のエレメント。そのエレメントがイスカンダルに到達出来なければ、コスモリバースシステムは完成しないのです」

 

 

 つまりそれぞれの星には星独自の記憶や記録を保管した特殊なメモリーバンクが存在し、それにアクセスするためのハードウェアがコスモリバースシステムであり、メモリーバンクから情報を引き出すのに必要なソフトウェアが星のエレメントということである。

 そしてソフトウェアをハードウェアに読み込ませるためにはメーカー、製造元であるイスカンダルでしか出来ないという訳である。と付け加えて説明する。

 

 

 だが、そう説明されても、あまりのスケールに理解が追い付かない。これではもはや科学というよりも────

 

 

「…もはや科学というよりは、魔法の領域ですね」

 

 

 空母棲姫の感想に、アンドロメダも率直に同意する。

 

「SF作家、アーサー・C・クラーク氏の『高度に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない』という言葉が示しました様に、イスカンダルは既にその領域まで辿り着いていたということです」

 

 

 想像を絶するイスカンダルの科学技術に、畏怖の念が芽生える三人。

 

 

「…それで、貴女がこうして今私達の目の前にいるということは、タイムリミットの二年の間になんとかエンジンが完成して、それを載せた(ふね)が頑張ってイスカンダルまで行って帰って地球は救われて、その救われた地球で貴女は生まれた訳ね?」

 

 

 驚きの連続で思考が半ばパンクしていたが、驚き過ぎたのとさっきアンドロメダに浴びせられた怒気により、逆に思考が冷静になった南方棲戦姫がそう問い掛けた。

 

 よくよく考えてみればそうだ。タイムリミットは2198年の時点で残り二年。だがアンドロメダが完成したのは2202年だと本人が言っていた。

 

 

 つまり『人類は賭けに勝ち、滅亡の危機は回避された』という事を、アンドロメダは既にばらしていた。

 

 

 それに気付いたアンドロメダは「あっ!?」という表情になる。

 

 

 これから人類滅亡の危機を救ったヤマトさん(愛するお母様による八面六臂の大活躍)その大冒険に纏わる英雄譚(それを讃え崇め奉る美化率120%の愛の叙事詩)を披露するまたとない絶好の機会だったというのに、自身の思わぬポカミスで()()にしてしまったとショックを受けてしまい、項垂れそのまま崩れ落ちる様に倒れてしまう。

 

 

「お、お姉さん、大丈夫ですか!?お気を確かに!!お姉さん!?」

 

 

 突然倒れたアンドロメダに吃驚仰天した駆逐棲姫があわてて助け起こす。

 

 

 南方棲戦姫は「私、変なこと言った?」と困惑した顔で空母棲姫と顔を見合わせる。

 

 

 駆逐棲姫に介抱されながら、アンドロメダは朦朧とする意識の中で少しだけ安堵した。

 

 

 ()()()をしなくてすんだと…。

 

 

 先生が語られた、今でも信じたくない───

 

 

 

 メ号作戦の裏側に潜んでいた人類の醜聞。

 

 

 

 

 

 

 メ号作戦に参加するはずだった他の管区空間戦闘群の不参加。

 

 

 海外イズモ計画派勢力の暗躍。

 

 

 

 

 ヤマト計画人員のメ号作戦への引き抜き。

 

 

 

 作戦の裏に隠された悪辣な真実とは?

 

 

 

 

 波動コア奪取計画。

 

 

 

 そして─────もっとも信じたくない───

 

 

 

 沖田十三暗殺計画。

 

 

 

    ────────────

 

 

 

「ヤマト計画にせよイズモ計画にせよ、どっちも日本が主導してたんだ。海外の人間サマの中にはそれが面白くないっていう、オツムが相当オメデタイ連中がいたわけさ」

 

 

 半ば吐き捨てるかの様にして語るキリシマ。その瞳は憤怒の色に染まり、そして普段以上にどろりと濁っていたとアンドロメダは後に回想する。

 

 

「そういう連中に限って権力者だの権力に近い奴だのが多いっていうのが世の常」

 

 

「更に連中にとって面白く無いのが、第二次火星沖海戦の『勝利』さ」

 

 自嘲気味に語るキリシマ。

 

 勝利を謳っているものの、実際はどんなに頑張って取り繕っても戦術的な勝利でしかなく、戦略的には敗北していたのだから…。

 

 彼女は、キリシマは誰よりもそれをよく理解していた…。

 

 

「連中、自分達でさんざんっぱら祭り上げた『英雄サマ』の沖田さんが、今度は怖くなったのさ。いずれ沖田さんが自分達の権力の牙城を脅かす『敵』になるんじゃないかってね」

 

 

 皮肉たっぷりに語るキリシマに対してアンドロメダは信じられない、信じたくないという顔になる。

 

 それを見てフッと微笑むキリシマだが、目は全く笑っていなかった。

 

 

「信じたくないって顔だね、若いの。私だって信じたくないさっ!!

 

 

 叫ぶと同時に、爪が食い込みかねないくらいに握り込んだ右手を車椅子のひじ掛けに思い切り、力任せに叩き付けたキリシマ。

 

 キリシマの激昂に、アンドロメダは思わずビクッと体を震わせる。

 

 その後キリシマは人間の自分勝手さに対する怨嗟と、沖田艦長に対する悲しみ、何も出来ない自身への無力感と苛立ち、そして絶望が入り雑じった思いを、血を吐くような勢いで語った。

 

 

 普段泰然自若な様な態度でいるキリシマが、ここまで感情を(あらわ)にした事に対してアンドロメダは驚きつつも、それをただただ黙って聞いていた。

 

 

 

 それから暫くして、メ号作戦の話へと移った。

 

 

「本当なら、北米管区とEU管区、それに中東管区の残存艦も来るはずだったんだ」

 

 

「それは私も聞いていました。ですが北米管区最後の宇宙軍港でありましたアパラチア基地は、惑星間弾道弾攻撃の影響で脆くなっていた宇宙軍港のゲートに遊星爆弾が()()()()出撃前日()()にも直撃して壊滅」

 

「EU管区も第二次火星沖海戦以降、残存艦が集結していたアルプス宇宙軍港が惑星間弾道弾攻撃による被害の復旧が困難を極めて間に合わなかった」

 

「中東管区はそもそも冥王星まで到達出来るだけの状態を維持した(ふね)が無かったと聞いていますが…」

 

 

 これは公表されている公式記録でもある。

 

 

 だがキリシマはアンドロメダのその答えに首を横に振って否定する。

 

 

「中東管区はそうだけどね、北米管区は時系列が違い、EU管区は東アルプス宇宙軍港はそうだが、西アルプス宇宙軍港はまだ機能していたのさ」

 

 

「戦力的に不十分な日本艦隊だけで冥王星に突っ込ませて全滅してくれれば一番。艦隊乗員の中にはヤマト計画の人員もいたからね」

 

 

「そして一番の狙いでもある沖田艦長。権力者サマにとっては『生きた英雄』よりも『死んだ英雄』、『悲劇の英雄』の方が何かと都合が良いからね」

 

「第二次の英雄サマを死なせた日本。そう喧伝して日本の国際的地位を貶めて尚且つ『ヤマト計画』の主導権をカッ拐っちまおうって救い様がない馬鹿な事を考え付いた連中が居たわけさ」

 

「で、なんとか復旧したということになっている北米管区かEU管区、あるいはなんとか火星までは行ける中東管区の(ふね)が危険を顧みず火星へと向かい、波動コアを()()()に奪っちまう」

 

「それが連中の目論見だったんだけど、予想外は起きるものさ」

 

 

 

「アメリカ艦隊で偶然その目論見が露見してね。怒った下士官兵士達が叛乱を起こしたのよ。時期は私達日本艦隊が地球を出た後」

 

 

「そして私達を追って作戦に参加すべく急いで出撃しようとゲートを開いている矢先に、遊星爆弾が直撃した」

 

「西アルプス宇宙軍港は、惑星間弾道弾の攻撃で地盤が脆くなっていたところに遊星爆弾の衝撃で山体崩壊が起きて生き埋めさ」

 

 

 そこでアンドロメダはふと疑問に思う。「一体どうやって知り得たのか?」と。

 

 

 アンドロメダの疑問を察したキリシマが答える。

 

 

「コロラドとシェフィールドよ。今は練習艦をやっている」

 

「…コロラドは、昔は気が強くて高飛車だけど明るい娘だったんだけどねぇ、あの一件以来影を潜めてしまったよ。日本に寄港した時に、ことの顛末をわんわん泣きながら懺悔されたわ」

 

「シェフィールドもずっと罪悪感を引き摺ったままさ」

 

 

「コロラドが言うにはアパラチア基地にはアメリカ版のヤマト、確か『エンタープライズ』だったかしら?それが完成間際だったそうよ。結局日の目を見る事も無くスクラップになっちまったけど」

 

 何とも言えない表情で語るキリシマ。もしかしたらヤマトだってそうなっていたかもしれなかったが故に、「これも運命のイタズラってヤツかねぇ…?」と打ち捨てられ、寂れた地下ドックの天井を見上げながらそう力無く呟くと、視線をアンドロメダへと戻した。

 

「そしてEUはヤマトに自分達の息の掛かった人員を送り込み、最終的には乗っ取る気でいた」

 

 

「連中は、海外のイズモ計画派はそれに乗って地球からのおさらばを狙っていたのさ。自分達の子飼や取り巻きの子分共だけを連れてね」

 

 

 

 顔が青ざめ、立っているのがやっとなアンドロメダに、キリシマは再び微笑む。

 

 

 

「信じるか信じないかは、若いの、あんたの心次第さね」

 

 

 そう言われても、反応に困り果ててしまうアンドロメダ。

 

 少なくともキリシマは冗談は言っても、嘘を言うヒトではない。それに嘘だとしたらあまりにも(たち)が悪すぎる。

 

 だがそれでも信じたくない気持ちは少なからずあり、心の中で激しく葛藤するアンドロメダ。

 

 

「最後に、口直しにこの話をしとこうか」

 

 

 

「ロシア軍事宇宙艦隊の文字通り最後の(ふね)が、実は参加していたんだよ。巡洋艦『スラヴァ』と駆逐艦『メチェーリ』さ」

 

「第二次の時に私のいた第一部隊にいてね、まあなんだかんだあって恩義を感じていたらしくてね」

 

「モスクワの統制が弱くなっていて極東のウラジオストク宇宙軍港が半ば忘れ去られてね、まあ国連統合軍の上の連中も忘れてたんだけどね」

 

「問い合わせしても返事が無いからと独自の判断で出撃したんだけど、整備が充分じゃなかってね。海戦には間に合わなかったんだけど、私が撤退している最中に合流してね、その後私を追い掛けて来たガミラスの駆逐艦二隻を見付けると、私に「火星で受けた借りを返す」と信号を打ちながら、突撃して刺し違えたわ」

 

「特に『メチェーリ』は凄まじかった…」

 

 

「だけど彼等は実質軍の指揮系統を逸脱した、いわば軍規違反の脱走兵だから公式記録には残されなかった」

 

「だから日本は戦後の護衛艦建造競争でロシアに譲って、少しでも恩義を返したかったのよ。彼等がいなければ、私も『ユキカゼ』の後を追っていただろうからね…」

 

 

 図らずもたった二隻の残存ロシア艦が、海外イズモ計画派の暗躍に対してトドメを刺した形となっていた。

 

 『キリシマ』が無事な以上、下手に波動コアを横から奪う真似が出来なくなったのだから。

 

 

 だがそれが戦後、ロシアが属するユーラシア管区の戦後復興等に関する露骨な冷遇へと繋がってしまう。

 

 イズモ計画派の権力機構に張られた根は深く、あちこちに張り巡らされていた。下手に一掃すれば、地球全土が混乱する程に…。

 

 無論、彼等も戦後の権力闘争で次第に分裂していくが、それでもロシアへの恨みは忘れなかった様だ。

 

 モスクワから言わせてみれば()()()()()にも程がある八つ当たりであった。

 

 

 そしてそれらが、軍規違反を盾に二隻のロシア艦の歴史からの抹消へと繋がってしまった。

 

 

 だがこれに激怒した人間がいた。

 

 

 なんとイズモ計画推進の中心人物だった芹沢虎鉄である。

 

 彼は海外イズモ計画派に対して思うところがあったという噂がある。

 

 

 そして彼が護衛艦建造競争にて色々と裏で手を回していたと言われている。

 

 

 それがイズモ計画を推進していた者としての、彼なりの贖罪だったのかもしれないが、真実は本人にしか分からない…。

 

 

 





 う~ん、なんだか思ってたよりも違う出来だな…。
 最近仕事の帰りが遅くて思考がなかなか纏まらないのも原因かな?

 海外イズモ計画派の暗躍やらなにやらは私個人の妄想の産物です。ただいつの時代も腐った人間はいてもおかしくないと思ったのと、これらやらかしが結果としてヤマト発進の際のエネルギー供給に繋がったのではないか?と妄想しておりました。いわゆる罪滅ぼし的な裏側があったとか。
 でも流石にちょっと話的にひどいかな?

 個人的に芹沢虎鉄さんはわりと好きなキャラです。『常に最悪に備えなければならない』というモットーには共感できる部分があります。ちょっと空回りしていますが、逆にそれが人間味を与えている様に思えて好感があります(笑)

 それと、原作本編でのヤマトの活躍を語るのは削ろうかと思います。よくよく考えると、趣旨であるアンドロメダ建造経緯から逸脱しますし…。


アンドロメダが見せた怒りについて(半分ネタバレ?)

 アンドロメダの前級、Dクラス前衛航宙艦は建造に際してガミラス軍の超弩級戦艦、ガイデロール級航宙戦艦の設計が基礎とし、そこにヤマトのデータを盛り込まれた地球とガミラスとの合の子である。つまりガミラスのDNAが入っており、Dクラスの発展型であるアンドロメダ級にもガミラスのDNAが入っているわけである。
 アンドロメダが愛し、新生地球艦隊尊崇の対象であるヤマトはイスカンダルの技術供与とその波動エンジンのコアにはイスカンダルの純正波動コアが使用されており、イスカンダルのDNAが色濃い。

 そして2205で明かされたイスカンダルとガミラスの秘密…。

 これが今後どの様な影響を与えるか、それはまだ誰にも分からない。


 次回、下手すると一気に2202まで飛ぶかも…。というかいい加減本編進めなきゃいけない気がしてきましたし…。深海棲艦側の情報…。


 それではこれにて失礼致します。励みや参考になりますので、お気が向きましたらお気軽に感想をよろしくお願いいたします。

 後多分ちょこちょこ加筆修正するかと思います。

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