艦隊これくしょん 総旗艦アンドロメダ、二度目の航海もまた数奇なり 作:稲村 リィンFC会員・No.931506
現実はそう上手くは行かないんだよねぇ。
今回諸事情により短めです。理由は後書きで。
「「「「「日本占領!!?」」」」」
アンドロメダの処遇を話し合っていた姫達の会談、通称“円卓”は今までに無い喧騒に包まれた。
それを見た報告者の泊地棲姫は、「まぁそうなりますよね…」と内心で呟いていた。
自身の裁量だけでは如何ともし難い案件であると判断した泊地棲姫は、急遽ここへとやって来たわけなのだが、今日はとんでもない日だと、嘆息した。
確かにあの話を聞く限りだと、出来なくもないかな?と思えるが、同時に現実的では無いと見ていた。
何故なら───。
「…まさかあの娘、本気じゃないでしょうね?」
比較的落ち着いていた雰囲気だった飛行場姫が、胡乱な目をしながら泊地棲姫に尋ねた。
それに対して泊地棲姫は首を横に振り、否定した。
「いいえ、アンドロメダさんは“占領そのものは可能でも、それは一時的なものにならざるを得ず、長期的或いは恒久的な維持は困難であり現実的ではない”とも言っていたわ」
その泊地棲姫の言葉に、安堵した空気が流れる。
「私も、おそらくみんなも同意見だと思いますが、アンドロメダさん曰く、日本軍に在籍している艦娘達の今後の処遇や、彼女達が占領に反発して軍の統制下から離脱してしまった際のリスクを気にしていました」
戦争が始まって10年余り、人間達の領域に攻め込んで島嶼だけでなく、幾つかの国も制圧下に置いたと言っても、その殆どが国として崩壊した事実上無政府状態の国だった所や、なんとか食って行けている程度の、あまり余裕のない国々であり、国軍も弱く、艦娘がいないこともざらだった。
しかし日本は軍として艦娘を組織的に運用しており、その保有数は世界第三位*1とかなりの規模である。
問題は、今までの占領地に居たのは人間ばかりで、捕虜等も含めて──戦闘で重傷を負い、そのまま死亡した艦娘の亡骸を母なる海へと還した事ならあるが。──少なくとも艦娘は今までに前例が無かったハズである。…多分。
兎も角、艦娘に関しては深海棲艦としてもどう扱うかは決めかねていた。
彼女達にとって艦娘は敵対勢力ではあるものの、だからといって皆殺しや隷属化といった考えは
別に確証がある訳では無いが、そう自分達の魂が囁く感覚がするのだ。
最初に艦娘が確認された時、彼女達の事を変わった
出来ればアンドロメダと同様に軽んじた扱いはしたくない。
だがそう簡単には行かないだろう。お互いに血を流し過ぎた。
こちらも現場が納得しないだろう。
正直なところ、難しい問題である。
これも戦争が長引く要因ではあるのかもしれないが、感情というのは得てしてそう簡単にどうにか出来る問題ではないのだ。
聞けば、アンドロメダも感情に流されて暴走したと言うではないか。
艦娘だって感情に流されて暴走し、望まぬ衝突に発展しかねない。
そしてその衝突先は何も自分達とは限らない。
意見の対立から本来なら仲間であるはずの艦娘同士が相撃つ可能性すら有り得るし、矛先が人間に向かないとも言えず、その逆もまた然り。
泊地棲姫は敢えてこの場では言わなかったが、アンドロメダはその事を最も危惧していた。
戦争終盤、戦後に何らかの不平不満で国が荒れるというのはよくあるし、アンドロメダはそのことを知識として知っていた。
これはガミラスとの正式な講和が結ばれた際に、地球全土で大小様々なデモや暴動が起きて、少なくない犠牲者が出ていたことと、その後も反ガミラスを掲げる人々が水面下で合法非合法関係無く、様々な活動を続けており、今尚、それこそガトランティス戦役の最中であっても治安当局と激しく争っていたという事実から、そう簡単に解決しない根深い問題であるとアンドロメダは捉えていた。*2
人類の歴史から有名な出来事を幾つか上げれば、普仏戦争でプロイセンとの和平交渉に反対した『パリ・コミューン』、日露戦役で帝政ロシアとの講和内容に不満を爆発させた日本国民による『日比谷焼き討ち事件』、第一次世界大戦終盤に帝政ドイツで発生した帝政ドイツ海軍*3大洋艦隊*4の水兵がヴィルヘルムスハーフェン軍港にて出撃命令を拒否したことにより波及した『キールの反乱』を端緒とする戦争継続に反対した『ドイツ革命』、第二次世界大戦末期日本の『厚木航空隊事件』や『宮城事件』などといった様々な騒乱事件は日本の降伏に対する不満や反対が根底にあった。
少し毛色は違うが、日本史上最大規模の革命戦争である戊辰戦争後に起きた『士族反乱』も、戦後処理の延長線上とも言える廃刀令や秩禄処分、徴兵令などといった戦後の軍政改革への不満が原因とも言えなくはない。
アンドロメダはこれらと似た戦後の混乱した事態が、日本でも起きかねないことを強く危惧していた。
そしてそれを裏付ける様に土方から、日本は先の第三次大戦でロシアとの講話に反発した一部の日本人が暴動を起こして在日ロシア人を中心に多数の死傷者を出すという、凄惨な事態*5が発生していた事実を聞かされ、杞憂では無く現実的な起こり得る問題であるとの確信を強めていた。
そもそも歴史を紐解けば、外国から所謂“他所者”と呼べる人々がやって来て、トラブルが起きないことのほうが珍しい。
移民でさえ、最初は特に問題が起きなくても、後々に現地の人々との軋轢や摩擦といった問題が起きており、社会問題化するケースが後を絶たない。
それが戦争の結果であればなおさら。
イラクやアフガニスタンはその分かりやすい例と言えるだろう。
ハッキリ言って、第二次大戦後の日本は特殊過ぎた。
直近の第三次大戦でもアメリカはカナダや中東の国軍以上に、現地の住民とのトラブルに苦しめられ、東欧紛争でも外国軍だけでなく難民に対するトラブルが後を絶たなかった。
日本も北方四島でロシア民間人に対する誤爆などの影響もあって、トラブルや揉め事が多発し苦慮する羽目になった。
一応、今の所は深海棲艦と現地住民との間で大きな問題は起きていない。
今までに深海棲艦が制圧した地域は、政治や紛争などの人為的なものから天災などの自然的なものまで含めた様々な問題の影響から、お世辞にもマトモな生活が出来ていなかった人々が暮らしていたのが大半であり、深海棲艦が来たからと言って、何らかの抵抗を行なうだけの余力も無ければ気力すら無かった。
酷い所だと、深海棲艦が来てくれたお陰で逆に助かった───生活が安定した。安全な暮らしが出来るようになった。人間らしい生活が出来るようになった───という、事情を知らない者が聞いたら何を言っているのか分からないと言いたくなるような、嘘のような現実な事態が起きていた地域だった。
だが日本は、パンデミック以前と比べたら見る影も無いと言われる程にまで落ちぶれてはいるが、それでもまだ国家としての体裁をギリギリ保っており、ある程度の秩序と、
だがそれも、深海棲艦が攻め込んでしまえば全て滅茶苦茶になってしまう。
その後に起きるであろう混乱は、未曾有のものとなってしまうだろう。
アンドロメダと謂えども、それを一朝一夕にどうにか出来る方法も、妙案も持ち合わせてはいなかった。
話を聞いていた泊地棲姫は、流石にその混乱を我関せずと放置するのは気が引けるという思いと、放置した際に生じるリスクも考えたが、その混乱を鎮めるために必要となるであろう労力は正直な所、割に合わないと見ていた。
今の私達に、そんな余力は無い。
かつての戦略で、一番激しい動きを見せる日本を、降伏と言わずとも無力化することを目的としていた計画があったが、結果はその計画を立案した者にとって起きてほしくなかった最悪な事態が発生したことで、最終的に中止となり、立案者は自責の念から心を病んでしまい、今はミクロネシアにあるとある島で隠蔽生活をおくっている。
その後は海上封鎖と消耗戦に引き摺り込む戦略へとシフトしたが、海上封鎖は日本海の封鎖に失敗したことで今は消耗戦一本に絞ることになったものの、長引く戦いにこちらも厭戦気分が少しずつ高まっていた。
そのため前線では半ばナアナアな雰囲気が出ている。
このことは姫達も認識しているが、仕方無い事だと半ば諦めていた。
終わりの見えないこの戦いに、姫達も段々と嫌気が差してきていた。
でも終わらせる道筋が見え無い。
少しでも状況を、雰囲気を変えようと商売という新たな道を拓いたものの、それが戦争を終わらせる道と交わる可能性は、今の所かなり低かった。
状況は停滞し、惰性の様な形で戦争は続くという重苦しい空気感が蔓延しつつある中で、アンドロメダという風が吹いた。
アンドロメダを受け入れた背景には、そういった重苦しい空気感を少しでも和らげたいという、半ば縋る気持ちが働いたという側面もあった。
だが、その風は単なる息吹のような優しい風ではなく、思いの外に強い風、それこそ春一番の様な季節の変わり目に吹く強風であったと泊地棲姫は思っている。
何故ならば───。
「皆様にお伝えしたい事がございます」
泊地棲姫はここに来た最大の目的にして、最も重要な、日本海軍に所属しているという、嘗てアンドロメダと同じ世界にいたという高位の軍人で、この世界で“鬼の土方”の異名を持ち恐れられている土方竜本人と、その腹心とも言える、自分達がよく知る同名の艦娘と似て異なる、アンドロメダの恩師であるという
「日本は、いえ、日本海軍の艦娘部隊最高責任者、真志妻亜麻美大将なる人物は───」
「私達との、
停滞していた状況が、動き出した。
それが今後どのような結末を迎えるかは、まだ誰にも分からない。
漸く休戦の意思がある旨の話が出せた…。
まぁ占領路線も可能だなぁという考えはありましたが、色々と問題があり過ぎて能力的に可能でもメリットデメリットを考慮したら無理という結論ですね。
今までの占領地は平野耕太著、ドリフターズ第6話でのノブこと第六天魔王、織田先右府信長でのセリフ───
“尊厳が無くとも飯が食えれば人は生きていける。飯が無くとも尊厳があれば人は耐えられる。だがその両方無くなると、もはやどうでもよくなる。
───これに近い状態でしたから、何にでも頼る、深海棲艦にだって縋りました。
因みに深海棲艦によるインドネシア制圧の時は、飢餓状態で自暴自棄の深海棲艦と、難民となり各地を追われて住む所も食べる物も無い極限状態となった元インドネシア人を中心とした人間達の双方が双方を縋るという珍事状態でした。
しかし、日本はそれらとは当て嵌まりません。
…尊厳に関しては微妙ですが。
補足説明
“反ガミラス派の取り締まりに関して、ガミラスの治安当局関係者も秘密裏に協力していた。”
これは小説版に書かれていた内容が元ネタです。元ネタの方ではガミラス側(大使館)が秘密裏に動いていましたが。
小説版はこれら本編には無かった様々なネタがありました。
私見コーナー
アメリカは現在革命無罪造反有理をスローガンに掲げていた文化大革命の真っ最中であると言えます。
或いはどこぞの半島国家の反日無罪に似ていると言えます。
民主党を中心とした極左による犯罪の数々が相変わらずメディアや司法は無かったことにしよう、或いはその内容をはぐらかそうと躍起になっています。
共和党を始めとした保守狩りが次第に過激化、常軌を逸しています。
その最たるものが先のトランプ大統領の騒動ですが、これは余りにも無理がありすぎると反トランプ派からも非難が殺到してますが、それ以外にも大きな問題が次から次へと起きています。
例えば現在極左による教会などの宗教施設の襲撃事件、事実上のテロ攻撃が急増しています。
特にキリスト教に対するテロ攻撃が激化しており、先のテネシー州の小学校銃撃事件も背景には極左が関与した実行犯によるキリスト教系学校を襲撃したものでした。
この前日、極左活動家による大量殺人やテロを扇動した内容の、極左TV放送局による番組があったことも無関係では無い、との指摘があります。
思えばべーえるえむやあんてふぁによるテロ活動も、これらに繋がる物でした。
この時もメディアや司法はガン無視を決め込み、べーえるえむ暴動が最も激しかった14日間で2000億円以上の損失と18名の尊い人命が奪われましたが、彼らはこの犯罪を“平和な抗議活動”として扱いました。
ですが共和党や保守派のデモは彼ら曰く、国家転覆を目論む危険な犯罪だとする論調で、有形無形の弾圧を激化させています。
これが民主国家を自称する今のアメリカであり、覆しようの無い現実です。
先日、中南米のとある国の大統領(確かエルサルバドルだったかと記憶しております)が、「アメリカはもう民主主義について語るべきではない」との痛烈な批判を記者会見で発言したそうですが、全く持ってその通りとしか言い様がありません。
アメリカは既に民主主義を過去の遺物と扱っていると捉えた方が良いのかもしれません。
ですが、日本もアメリカを笑えません。
この3年間、上記の極左の様な人が増えたと思いませんか?
平気で法を無視し、恐怖を煽りみんなのためとかの美辞麗句を並べ、ある時は同調圧力で、時には暴力や権力の濫用で自らの主張を他人に強要していた人が。
それはマスコミだけに限った話ではありません。
日本もアメリカも、程度の差はあれど向いている方向は同じであり、そこへ向け突き進んでいます。
そのゴールが何なのかは、皆様のご想像にお任せ致します。
お知らせ
此の度メンタル不調が原因で仕事を暫し休業することになりました。
“無茶はしても無理はしない”をモットーにしていましたが、メンタルは意外と無理していたみたいでした。
今かなり情緒不安定で、場合によっては今の仕事を辞める可能性もあり、その旨を昨日職場に談判して来ましたが、職場から少し冷却期間をおいて欲しいと頼まれたため、休業となりました。
投稿に関しましては気を紛らわせるために、短い文章でも続けようと考えています。
というか何かで気を紛らわせなければかなりマズい状態ですので、執筆は継続致します。文章が少々可怪しくなるかもしれませんが…。
それではこれにて失礼致します。励みや参考になりますので、お気が向きましたらお気軽に感想をよろしくお願いいたします。
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