艦隊これくしょん 総旗艦アンドロメダ、二度目の航海もまた数奇なり   作:稲村 リィンFC会員・No.931506

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 休戦に向けて。


 遂に艦隊これくしょんも10年を超えましたねぇ…。


第46話 Towards the armistice

 

 

「«その話、(me)が聞いちゃっても良かったの?»」

 

 

 Iowa(アイオワ)が困った様な表情を浮かべながら、土方に問い質した。

 

 

 確かにIowa(アイオワ)と土方達はかつて共に戦った間柄であり、土方はその時の上官だったし、特に霧島(キリシマ)とは親友と言える仲ではあるものの、それはそれである。

 

 

 彼女は日本の同盟国アメリカに所属する艦娘である。

 

 

 ましてや今の彼女はそのアメリカの上院議員であり、次期大統領候補という、れっきとした政治家なのだ。

 

 彼女自身、誰よりもアメリカの為に働いている愛国者だと自負している。

 

 その彼女からしたらこの話は、日本が深海棲艦に対する戦争から事実上離脱することを意味し、今まで分散していた太平洋方面における深海棲艦の圧力がアメリカへと集中することとなり、西部沿岸地区全域に対する深海棲艦の脅威が今以上に増すことに繋がる。

 

 

 国家安全保障の観点から、見過ごす訳にはいかなかった。

 

 

 それ以前に、話の内容からしてこれは明らかに()()()()()()()()()()()()()だと確信している。

 

 

 対米依存対米追従主義の日本政府(Japanese government)が、アメリカ(states)を差し置いて(にお伺いを経てずに)深海棲艦との休戦に乗り出すとは、到底考えられない。

 

 これは間違い無く日本軍(Japanese army)、と言うかさっきのAdmiralヒジカタの言葉から確実に“総提督(General Admiral)”マシツマによる、日本政府(Japanese government)を無視した完全な独断専行だろう。

 

 軍隊(Army force)政府(Government)を蔑ろにして勝手に動く事ということは、マシツマは軍事(Military)クーデター(coup)決断(decision)したのだろうか?

 

 

 真志妻亜麻美の為人をある程度は把握しているIowa(アイオワ)は、彼女がまさかそんな()()()()()ことをするだろうか?という疑問も持ちながら、そう考えた。

 

 

 真志妻は一部の例外を除いて人間というものに、とことん興味が無いことは、ある程度の付き合いがある者達にとってはある種の常識である。

 

 そんな彼女が軍事クーデターで政権を奪取するという考えに至る事に、違和感しかない。

 

 何故ならば政権の座に就くと言うことは、興味の無い国民を養うための政治をやらなければならない事になるのだが、それを蔑ろにするという行為は、彼女が人間の中でも特に蛇蝎の如く毛嫌いする、今の政治屋連中と変わらないということになる。

 

 正直、彼女に政治家は向いていないと言うのが、彼女を知る者達の共通認識だった。

 

 

 しかしそれは逆に、彼女がそう決断しなければならない程、日本の内情がよろしく無いことの表れなのかもしれない。

 

 一時的とはいえ日本に在席していた彼女にとって、日本は第二の故郷と言える程の大切な場所である。

 

 今の自分があるのも、日本での貴重な経験があったお陰であるとの思いが強い。

 

 自分達の政府と同様に、日本政府がポンコツなのは今に始まったことではないが、クーデターという“禁じ手”に近い最後の手段を真志妻が決断しなければならない程、追い詰められているのかと思うと、複雑な気分にならざるを得ない。

 

 

 アメリカ(同盟国)の政治家として止めるべきなのだろうが、もし自身が同じ立場ならばと思うと、その決断に理解も出来てしまう自分もいるのだ。

 

 

 そんな親友の葛藤を察したのか、霧島(キリシマ)が微笑みを浮かべると「多分、あんたは私達がクーデターか何かをやらかすって思ったんだろうけど、そいつはぁ杞憂ってヤツさね」と告げた。

 

 

「あれはクーデターやるくらいならば、日本海シーレーン防衛の要衝である対馬を新ロシア連邦(NRF)にくれてやるって考えだ」

 

 

 いや、それもそれで大問題な気がするのだけど…、という顔になるIowa(アイオワ)を無視して、霧島(キリシマ)は続ける。

 

 

「何より問題なのは、今のこの国は新ロシア連邦(NRF)との貿易や支援で辛うじて延命している状態だからね、そこに親露派筆頭と陰口を叩かれている真志妻が政権を取っちまったら、アメリカ(そちら)は面白くないだろう?」

 

 

 暗にアメリカが何かしら仕掛けてくる可能性を指摘されるが、Iowa(アイオワ)は何も答えなかった。

 

 

 そもそもIowa(アイオワ)は真志妻を親露とは思っていなかったし、艦娘を狂愛する変質者な一面はあるものの、彼女のことを現実主義者(realist)であると見ていた。

 

 彼女が大将に昇進して日本艦娘部隊の司令官に就任した当時、日米両軍によるAL/MI作戦とハワイ奪還作戦の両方が失敗した直後であり、太平洋の制海権がほぼ深海棲艦の物となって、今まで頼みにしていたアメリカとの連絡線が寸断された結果、日本が頼れたのは新ロシア連邦(NRF)以外に無かった。

 

 

 この頃の日本は人口が900万人を大きく下回り、パンデミック以降からの混乱が長引いて経済は低迷続きで、国力は疲弊していた。

 

 それに加えて、そんなボロボロな国力を無視した無理な艦娘の大量建造による大軍拡と、向こう見ずな戦争戦略によってただでさえ厳しかった財政をより圧迫し、経済、延いては国民への負担はとっくに限界を超えていた。

 

 そこに来て日米連絡線の寸断による日本の孤立化は、資源やその他諸々を海外に依存している日本にとって完全な死活問題であり、報道管制や情報操作でどんなに抑え込んでいても、人の口に戸は立てられぬという言葉が示す様に、独自の情報網を持つ卸業者達による売り渋りなどによる、生活物資などの急激な高騰も相まって混乱は国民の間で瞬く間に波及した。

 

 

 隣国中国は中央が核攻撃で消滅して以降、未だに内戦状態であり、他の大陸側のアジアの国々もそれに巻き込まれて混乱状態が続いており、フィリピンを含む島国は深海棲艦の勢力圏下で国家としては滅亡していた。

 

 

 残されたのは、新ロシア連邦(NRF)以外に無かった。

 

 

 だが当時の日本政府は今までの反ロシアプロパガンダが祟って、その現実を中々受け入れようとはせず、真志妻が何度も「このままだと遠からず干上がる!」と談判しても動こうとしなかった為、業を煮やし直接殴り込みを掛けてケツを蹴り飛ばしたことで漸く重い腰を上げたということがあったのだが、その際のやっかみから「真志妻はロシア贔屓」「親露派」と陰口を叩かれる切っ掛けとなった。

 

 

 それに乗っかかったのが、アメリカの極左リベラル政権だった。

 

 

 アメリカの歴史は、モンロー主義からの脱却以降は介入の歴史と言っても差し支えがないほど、世界中で“やらかし”てきた歴史で彩られている。

 

 特に今現在アメリカの政権を牛耳っている連中は、伝統的に露骨なまでにロシアを毛嫌いしており、世界中で親露政権や勢力を潰す介入工作を繰り返していたという実態がある。

 

 それを鑑みたら何かしらの介入に出ることを否定は出来ないのだが、同時に下手すると介入が逆効果になるリスクが高く、例えば日本の艦娘が怒ってN()R()F()()()()()()()リスクの可能性を考えたら、肯定するのも微妙なのだ。

 

 実際、艦娘の新ロシア連邦(NRF)への亡命は、()()()()()()()()()()()()()()、有り得ない事では無いのだ。

 

 太平洋における両国の軍事バランスから見たら、日本の艦娘が新ロシア連邦(NRF)へと合流する事態だけは避けたい。

 

 最悪、これを機に新ロシア連邦(NRF)が日本を完全に自分達の勢力圏に組み込もうとする動きを見せないとも限らないし、今の日本に新ロシア連邦(NRF)をマトモな手段で跳ね除ける力は、軍事的手段も含めて無かった。

 

 

 そしてそれは今のアメリカにも言えることだ。

 

 

 政治的判断で留め置かれているだけの、満足な補充や補給が成されていない在日米軍や日本に取り残された第7艦隊残余の戦力は当てにならず、第3艦隊を始めとした本土のインド太平洋軍本隊の派遣や軍事支援を行なおうにも、太平洋の制海権は深海棲艦が握っており、途中で襲撃されて日本に着く前に海の藻屑となる公算が高かった。

 

 

 現状の極東連邦管区だけでは荷が重いが、新ロシア連邦(NRF)が国を上げての本腰を入れた動きに出られたら打つ手がない。

 

 今は東欧紛争の戦後に西側から押し付けられた、戦乱で荒廃した東欧の再建に注力しており、そんな余力は無いだろうが、それでも当初の予想よりも再建のスピードが早く、それに対してアメリカは戦前から続く極左の理想を追求し過ぎた滅茶苦茶な政治の自爆によって急速に衰退し、両国の国力差は次第に縮まってきており、時間は新ロシア連邦(NRF)に味方しているという状態だった。

 

 

 常識的に見たら“詰み”の状態だった。

 

 

 だからこそ、アメリカには“焦り”があった。

 

 

 その焦りから、信じられない暴挙に出る可能性を、Iowa(アイオワ)は危惧していた。

 

 そして祖国は既に真志妻の失脚を画策しているらしい動きを見せている。

 

 

 恥も外聞も無い、現状認識や未来予想すら覚束無い、その場しのぎの思い付きでより滅茶苦茶にするのが今のアメリカであり、そのせいでかつて自由を尊び、世界最強の国力と軍事力を誇って世界各地にその戦力を投射出来たアメリカは、既に見る影もなく落ちぶれてしまっていると改めて思い知ることとなり、Iowa(アイオワ)は苦虫を噛み潰したような思いだった。

 

 

「正直、今のこの国は戦争なんて“贅沢”が出来る余裕なんてとっくに無いんだけどね、それを新ロシア連邦(NRF)からの支援(カンフル剤)でなんとか戦えているから、どうも勘違いしている馬鹿なヤカラが多い」

 

 

 苦り切った表情の親友を傍目に見ながら、肩を竦めて語る霧島(キリシマ)だが、こればかりはもうどうにもなりゃしないよ。と言わんばかりの達観した表情をしていた。

 

 

NRF(連中)からしたら、かつての東欧紛争で“義援”や“人道”の錦の御旗を振り翳しながら、軍資金(カネ)をダバダバ流し込んで戦争の長期化と泥沼化に尽力していた日本に対する“意趣返し”も兼ねているんだろうけどね」

 

 

 どうにも日本人は“人道”などのその手の美辞麗句に弱く、その裏側まで追求しようとしないから、どの様な用途で、正しく使われているかも分からずに、ただ何と無く、人助けになるかもと漠然とした考えでコロッと信じ込まされて簡単にカネを無心してしまうものだから、利用されやすい。

 

 無心したカネの大半は各種中抜きと横領で目減りし、戦争継続に使用され、本来必要としている民衆へは雀の涙にも満たない僅かなものしか届いていなかった。

 

 結果として東欧における紛争は長期化し、民衆の艱難辛苦は筆舌し難いものとなった。

 

 

 “善意には裏がある”、“世の中善意だけでは成り立っていない”、“鵜呑みにせず、疑い、調べることが肝要”。

 

 

 世知辛いが、正直者や良い子ぶりたい者ほど食い物にされ、後々に大損をするものなのだ。

 

 

「とはいえ、NRF(連中)からの支援や交易が無ければ生活すらままならないし、艦娘達の給与だって覚束無くなる

 

 これだって新ロシア連邦(NRF)経由で入って来てるんだ」

 

 

 そう言って懐から愛用の葉巻を取り出すと、ペン回しの様に指先でクルクルと回しだした。

 

 

「食糧、嗜好品、雑貨、燃料、それらありとあらゆる物に大なり小なり新ロシア連邦(NRF)が関わっている」

 

 

 それが実に厄介な問題でねぇ…、と溜め息を吐きながら語る霧島(キリシマ)から、土方にバトンが譲られる。

 

 

「新ロシア連邦が休戦の動きを見て、支援だけでなく交易を打ち切る可能性があると見ている」

 

 

 これは十分に有り得ることだった。

 

 

 彼らが日本による深海棲艦との休戦をどの様に捉えるかにもよるが、肯定的に捉えるか様子見をしようと現状維持とする可能性はあるものの、最終的な決定権は彼らにあり、深海棲艦との休戦を良しとせずとの結論を下し、打ち切りを突然表明する可能性が常に付きまとい、予断は許さない状態となる。

 

 

 進むも地獄退くも地獄とはよく言ったものだ。

 

 

 戦い続けても終わらせても、待っているのは破滅とは、笑うに笑えない。

 

 

 だからこそ、()()()()()()()()()()()と土方と霧島(キリシマ)は判断していた。

 

 

 裏ではこっそり交渉を進めて戦いを終息させ、表向きは交戦状態である様に見せ掛けの戦闘を演出することで、世間をだまくらかそうと考えたのだ。

 

 

 つまり仲良く喧嘩しな状態、一種のファニーウォー(まやかし戦争)状態にして可能な限り時間を稼ぐ。

 

 

 根本的な解決には程遠いが、今の日本にはそれしか方法が無いまで追い詰められていたし、それを認識している者も限られていた。

 

 

「私達から持ち掛けておきながら、厚かましいのは重々承知の上でお2人に、特にIowa(アイオワ)さんにお願いしたい」

 

 

 土方は泊地棲姫とIowa(アイオワ)の2人を見据えると続きを語る。

 

 

「この休戦に関する案件は、当事者以外では可能な限り秘匿しなければならないと私達は考えています。

 

 出来ればこのことは信頼できる、機密保持に不安の無い者以外には他言無用としていただきたい」

 

 

 そう言うと土方は頭を下げた。

 

 

 それに霧島(キリシマ)が補足する様にある情報を開示した。

 

 

「実際、新ロシア連邦(NRF)の目は鋭く、耳は敏感だ。

 

 ここだって連中の手が届いてないわけじゃない」

 

 

 懐から真鍮製の小さな円筒状の物を取り出した。

 

 

 それを見た海風(ウミカゼ)は得心した。

 

 何故霧島(キリシマ)の体から葉巻の匂いだけでなく、火薬が燃焼した時に出る匂い、()()()()()()()()()()と。

 

 

 それは日本が正式採用していたドイツ製H&KのSFP-9が調達困難となった代替として採用した、新ロシア連邦(NRF)からの支援物資として送られてきた、SFP-9と同じ世界で最もポピュラーな拳銃弾の9×19㎜パラベラム弾を使用する、新ロシア連邦(NRF)軍も正式採用しているКала́шников Концерн(カラシニコフ・コンツェルン)の拳銃、Пистолет Лебедева(レベデフ・ピストル)とは違う、一部の艦娘や特殊作戦部隊用に配備しているЦНИИТОЧМАШ(ツニートチマッシ)Udav(ウダフ)拳銃で使用されている9×21㎜ギュルザ弾の()()()だ。

 

 

「ちょいと脅しを掛けておいたけど、あの()()()()()のことだからねぇ、一応みんなも気を付けておいてくれよ?」

 

 

 そう言って周りを見渡す。

 

 パパラッチという言葉で、誰か分かった者は「あぁ~~…」といった呆れた顔になった。

 

 

「ああ、一応言っとくけど、アレは別に直接的な間諜って訳じゃないから、あんまり邪険にしちゃいけないよ」

 

 

 あれ経由で漏れているのは間違いないけどね。と付け加えた。

 

 あのジャーナリスト気取りは興味を引いた情報なら、あの手この手で集めるものの、どうにも脇が甘いようで、集めた情報の管理保全がちと心許無かった。

 

 で、どうもそこから漏れ出したとか思えない情報が幾つか見付かったりもしているのだが、かと言って罰するつもりは今の所は無い。

 

 “バカとハサミは使いよう”という言葉があるように、虚実混じえた情報で混乱させる為に敢えて放置していた。

 

 とはいえ、今回の件に関しては彼女に下手に首を突っ込まれたら厄介な為、釘を差した。

 

 だからこそ、先程葉巻を吸いに行った際に取っ捕まえて首根っ子を押さえながら喫煙室に押し込めてとっちめた。

 

 その際に持っていた()()()()()を見せしめとしてUdav(ウダフ)でふっ飛ばした。

 

 …壁に穴を開けてしまったため、後で修繕の手続きをしなければならないが。

 

 

 兎も角として、これからは情報の取り扱いに一層気をつけなければならないとの注意を促した。

 

 

 Iowa(アイオワ)としても、内容が内容なだけに、例え仲間である保守党内や支持層である軍であったとしても、下手に話せるものではないことは理解しているし、特に例え身内でもある艦娘でも話すわけにはいかないと判断した。

 

 これに関しては日本の艦娘と同様のことであり、国籍関係無く、どこの艦娘にも言えることと言える。

 

 また、今ここにいる自身のパートナーとも言えるArizona(アリゾナ)にも、今は他言無用にする様にと言い渡し、Arizona(アリゾナ)もそれに同意の意を示した。

 

 

 ここで泊地棲姫が口を開いた。

 

 

「«…私の一存だけでは決めかねますので、一度、私達の代表者間で協議に掛けたいと思います。、少し席を外してもよろしいでしょうか?»」

 

 

 一応、時を同じくして姫達によるなにかしらの会合が行なわれている事を聞いていたので、了解との答えを返した。

 

 

 

 

───────

 

 

 

「…人間って複雑ね」

 

 

 泊地棲姫からの報告を受け、何とも言えない複雑な表情を浮かべながら呟く飛行場姫に、同意するかのように今回の会合である“円卓”に出席している周りの姫達も頷く。

 

 

 最初秘密裏の休戦と聞かされた時、それは一体どういうことかと訝しんだ。

 

 日本とは無茶苦茶で何をしでかすか分からない所はあるものの、それでも強大な軍事力を誇る強国であると今までは見てきたのだが、蓋を開けると他の大国に依存しなくてはその軍事力だけでなく、自らの生活すら儘ならない歪な国であり、それが足枷となって、どんなに苦しい現状であったとしても、自らの意思だけでは自由に出来ない国という実態を突き付けられた。

 

 

 単純に感情云々でということだったのなら、まだマシだったが、裏事情の複雑さには辟易するしかないし、依存し過ぎると依存先に足元を掬われる事に繋がると思うと、ゾッとした。

 

 自分達だって食糧の生産や販路の開拓で少なからず人間達に依存している一面がある。

 

 

 だが依存し過ぎると付け込まれる要因になると、今回のことでハッキリとした。

 

 

 本当に人間達の社会とは複雑怪奇であるとしか言えない。

 

 

 しかし、だからかと言って今更距離を置く訳にもいかず、これからは一定の距離感を保つことに注意しなければならないとの認識を共有することとした。

 

 

 それは兎も角として、問題は持ち掛けられた休戦に関してどうするかであるのだが、これに関しては紛糾──することなく、あっさりと了承する方向性で纏まることとなった。

 

 

 彼女達だってこの戦争に疲れてきているのだ。

 

 

 世界中に散らばる、今なお増え続けている数百万を遥かに超える同胞(はらから)達を食わせていくための食糧生産、そして増産の為の開墾もしながら戦いを続けるのは、流石にもう限界に近付いて来ていた。

 

 戦いによる負担が少しでも軽減され、前線に展開している同胞(はらから)達を少しでも後方へと戻すことが出来るのであれば、例え一時的であっても価値あるモノであると判断したのだ。

 

 それにもしかしたら、喫緊の問題として頭を痛めていた、アンドロメダ姉妹に関することの解決にも繋がるかもしれないとの淡い期待もあったし、何よりも彼女が現れなければこうまで話は進むことはなかったのだ。

 

 その感謝の意も込めて、彼女の同胞(はらから)である、嘗ての世界の仲間達と再開させてあげたいという気持ちも、彼女達にはあった。

 

 

 これからは日本、いや正確には日本軍とだが、休戦に向けての交渉に移ることとし、またこのことでより一層緊密に各方面の連絡を取り合い情報を共有することを決定して、今回の“円卓”はお開きとすることとなった。

 

 

 

 今回のことがこの戦争の方向性に大きな変革を齎す、所謂分水嶺になる事は間違い無いだろうが、それが良い方向に向かうか、悪い方向へと向かうかは、今の所まだ誰にも分からない。

 

 

 





 戦争遂行に他国の支援や介入が有ったりすると、その国の意向や影響力に逆らえなくなったりするのはよくあること。


 取り敢えず深海棲艦の主流派も休戦に前向きな姿勢となります。

 次からは飛行場姫も合流しての話し合い。

 Iowa(アイオワ)達は一旦展望を見極めるために様子見。
 てか実はアメリカの法的に今やってることはマズい寄りのグレーゾーンな可能性があったり…。(小難しいので詳しくは取り上げませんが…、というか私の能力的に無理…)



解説

モンロー主義

 所謂、孤立主義。

 ざっくりと言うと、ヨーロッパのやることに介入しないから、そっちも介入しないでね。という考え。


9×21㎜ギュルザ弾

 ロシアの防衛関連企業ЦНИИТОЧМАШ(ツニートチマッシ)が開発した対ボディーアーマー用の拳銃弾。


Udav

 上記の9×21㎜ギュルザ弾を発射可能なЦНИИТОЧМАШ(ツニートチマッシ)が開発した拳銃。

 グリップ形状が9×19㎜パラベラム弾を使用する拳銃よりも太く、手の小さい人には慣れが必要と言われている。

 本作に置きまして、日本軍の特殊部隊を中心に少数が配備されている他、一部の艦娘にも装備されていたり個人的に装備している艦娘もいる。霧島(キリシマ)は後者で、他に斉藤も装備している。
 なお、一般的な部隊ではまだ使用可能な少数のH&KのSFP-9他、SFP-9と同じ9×19㎜パラベラム弾を使用するКала́шников Концерн(カラシニコフ・コンツェルン)の拳銃、Пистолет Лебедева(レベデフ・ピストル)を装備しており、春雨(ハルサメ)達もUdav(ウダフ)を装備する時もあるが、こちらを装備している機会が多いとされている。()()()()()()()()


ЦНИИТОЧМАШ

 Центральный Научно-Исследовательский Институт ТОЧного МАШиностроения(精密工学中央研究所の意)の頭字語。TsNIITochMash(英)

 ロシアの防衛関連企業で、国営企業Ростех(ロステック)(Государственная корпорация по содействию разработке, производству и экспорту высокотехнологичной промышленной продукции Ростех、先進技術工業製品の開発・生産・輸出促進のための国営企業 ロステックが正式名称)の関連企業の一つ。

 ロシアの将来歩兵システムРатник(ラトニク)(戦士)の開発に携わっている他、主な製品は以下の通り。

 SR-1M SR-2 SR-3 9A-91 AS Val VSS PSS PKPペチェネグ KS-23 APS水中銃 2S9ノーナ-S 120mm自走砲  など。


 それではこれにて失礼致します。励みや参考になりますので、お気が向きましたらお気軽に感想をよろしくお願いいたします。

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