艦隊これくしょん 総旗艦アンドロメダ、二度目の航海もまた数奇なり 作:稲村 リィンFC会員・No.931506
お待たせ致しました。
空母型アンドロメダへの捏造設定マシマシで逝きます!
ついでにとある真実を明かします。
一先ず、工場長による情報の読み込みが終了したが、それと同時に幾つかの質疑応答が行なわれた。
まずは最初に計画案に関してのデーターを渡されたアポロノームが、工場長に対して質問を投げ掛けた。
「この計画案だと艤装内部に艦載機の格納庫を増設する事になるが、これじゃあ殆ど新造と変わらなくないか?
ならばいっそのこと、オレも姉貴と同様に戦艦型にしたほうが早くて安上がりじゃないのか?」
確かに、アポロノームが指摘した事は間違いではない。
空母型アンドロメダタイプとは簡単に言えば、純正の戦艦型アンドロメダタイプの艦体を流用して外付け式の艦橋一体型航空艤装ユニットをポン付けしたような代物であり、その構成部品は航空艤装ユニット以外はほぼ純正のアンドロメダタイプであるため、互換性が非常に高いとされている。
その為、理論上は後の改装で戦艦型、空母型へのコンバート改装が可能であるとされている。
正直、アポロノームとしたらあの航空艤装ユニットはこの世界だと、あまり有効的であるとは判断していなかった。
何故ならば最大の売りである艦載機の急速展開能力を発揮する必然性が、想定し得るこの世界の軍事的な脅威に対して必要か?と問われたら、些か疑問に思える。
また機構の複雑さから故障リスクが高いことも懸念事項であり、事実として頻繁する大小様々な故障や事故に常に悩まされ続けていた。
ならばいっそのこと航空艤装そのものを捨ててしまった方が合理的なのではないか?と考えていたのだ。
この問いに工場長はうんうんと頷き返す。
「«元々あの航空艤装は別案の、ミサイルなどの誘導弾を大量使用するアーセナルシップ艤装のラフプランを急遽航空用に差し替えたシロモノでしたからねぇ~»」
まさかのカミングアウトに「はぁっ?」となるアポロノーム。
工場長曰く、元々ファーストファイブと呼ばれる最初の『アンドロメダ』級5隻は、全艦が戦艦型として就役する予定だったという。
しかしそれに対して軍内部で意見が対立。
従来通り正面艦隊決戦戦力を揃える事を重視する“砲戦艦隊派”。
大筋ではその方針に同意しながらも、一定数の空母機動部隊を揃えることによって、艦隊戦術の幅を広げる事を主張する“機動艦隊派”。
両者の対立はガミラス戦役以前の国連宇宙海軍時代にまで遡る事が出来るが、その当時は技術的課題からマトモな戦闘用航宙機の開発に難航しており、その事実から“砲戦艦隊派”が圧倒的だったために対立とは呼べないものだった。
その後のガミラス戦役序盤でもその構図は変わらなかったが、第二次火星沖海戦にて輸送船改装の特設改装母艦による航空隊の活躍から潮目が変わり、そしてかの宇宙戦艦『ヤマト』による『ヤマト』航空隊の八面六臂の活躍が、“機動艦隊派”の勢力を一挙に拡大する起爆剤となり、両者は軍内部において拮抗した勢力となっていた。
『ヤマト』航空隊の活躍を引き合いに出されると、流石の“砲戦艦隊派”も否定し切る事は出来なかった。
そんな中、次世代地球艦隊の顔たらんとする最新鋭艦『アンドロメダ』級、その嚆矢たる最初の5隻全てが戦艦型で完成するという事に、“機動艦隊派”が猛反発。
“砲戦艦隊派”の陰謀だ!と言って憚らず、一部の政治家まで巻き込んだすったもんだの挙げ句、2隻に艦載機搭載能力を強化する事を条件としてなんとか纏まったが、その影響で5隻の中で進捗状況が比較的遅かった『アポロノーム』と『アンタレス』に急遽、艦載機搭載能力強化要請が出ることとなった。
とはいえ、そうは言ったもののこの2隻も既に艦体はほぼ完成しており、今から艦載機搭載能力を強化しろと言われても、かなり無茶な注文だった。
しかも例のお披露目には必ず間に合わせろという無茶振りにも程がある要求に、工場長は当時困り果ててしまった。
兎も角古今東西のありとあらゆる艦船建造に関する資料をひっくり返し、良いアイディアがないかと探しまくった所、大艦巨砲主義華やかな建艦競争真っ盛りの時代に目がとまった。
正確には、際限のない建艦競争に歯止めをかけた軍縮条約締結後の頃合いであるが、ある主要海軍国で建造途中だった巡洋戦艦が条約締結の影響で建造中止となったのだが、その艦体を流用して空母へと改装する計画が持ち上がったというものだった。
ただ既に艦体内部の主要構造は出来上がっており、艦内に艦載機格納庫を設ける事が出来なかった。
その為、艦載機格納庫を艦内に収めるのではなく、現在の甲板上部に新たな艦載機格納庫と飛行甲板などの構造物を設けることで解決を図ったという。
これしかない。
時間制限が厳しく、下手に艦体をいじくると余計な時間がかかる以上は、この改装空母よろしく甲板上部に航空艤装を設けるしか手がなかった。
だがこの改装空母の様に艦載機格納庫と飛行甲板を設ける、ある意味でガトランティスの『ナスカ』級打撃型航宙母艦の様にする事は出来なかった。
何故ならば求められたのは『アンドロメダ』級の
そこで更に参考にしたのが、戦艦の後部主砲塔を撤去して飛行甲板を設けた、所謂“航空戦艦”と後年に呼ばれるようになった
だがこれだと艦載機搭載能力がそこまで向上するわけではない。
悩みに悩んだ末、奇抜ではあるが複数の発射管からミサイルや魚雷を短時間で大量投射し、高速再装填によって間断無い連続飽和攻撃を、単艦で行うための発射システム兼弾薬庫ユニットとして考えていたラフプランを下地にした、後に空母型アンドロメダのあの特徴的な航空艤装ユニットに繋がる計画案を提出。
この計画案ではミサイルや魚雷といった消耗弾薬の代わりに、必要ならば使い捨て可能な無人機を使用する事で、省スペース化と育成に時間と手間暇が掛かるパイロットなどの人員を、その維持などに費やされるコストや消耗も含めて可能な限り抑えることが最大利点となっていた。
しかし、その肝心要の無人機の開発が、特に制御や管制に必要となるAIシステムの開発に時間がかかるため、
また“砲戦艦隊派”だけでなく、推進派閥である“機動艦隊派”からも
その為艤装の肥大化に目を瞑り、取り敢えず有人機運用が可能なように改める様にと通達され、より本格的な“艦載機搭載能力強化艦”がカタチとなるまでの“
要約すると、政治的な対立から始まり、様々な制約と妥協から生まれたのが、空母型アンドロメダだと言うのだ。
無論、この事に工場長は不満たらたらだった。
艦載機の多数同時射出による迅速な展開能力などと謳われているが、元々はミサイルや良くて無人機での使用を前提としたシステムであり、それを有人機用に作り変えるのにかなりの無茶をし、更には航空要員用のスペースも確保しなければならなかったために、機構と構造の複雑化を招いてしまっていた。
そもそも技術的課題がある状態で無人機運用を提案したのは、先述の手間暇やコストだけでなく、ガミラス戦役によって地球の総人口が戦前の3割にまで激減したことにより、ただでさえ選考基準が厳しいパイロットが必要な人数をきっちり確保出来るのかが、かなり怪しかった事も鑑みてのことだったのだ。
またコンバート改装可能というのも、後日空母などの本格的な艦載機運用艦が完成した際に、本来の計画通りの戦艦型にするための意味合いが含まれていたのだ。
だからこそ、工場長がアポロノームの言葉に頻りに頷いたのは、この計画があったことを知っていたからだ。
当のアポロノームからしたら言葉が出なかった。
なんとなくではあったが、やっつけ仕事な感はしていたが、その背景に政治的折衝が絡んでいた事に呆れるしかなかった。
ついでに言えば、航空関係に造詣が深い訳でもない安田の旦那が、何故自身の艦長として選ばれたのか、その背景もなんとなくだが分かった気がした。
安田艦長は派閥関係についての話は聞いたことがなく、ある意味で中立の立場だったハズである。
おそらくだが。“機動艦隊派”の連中が誰も艦長になりたがらなかったのだろう。
完成した空母型『アンドロメダ』は、確かにカタログスペックだけを見たら、一見強力そうではあるものの、実際に運用してみるとかなり扱い辛い、クセの強さが否応なしに分からされるのだ。
その事を初めから知っていた、そして飽く迄も“つなぎ”にすぎないというのならば、敢えて艦長に立候補しようとする物好きが出てこなかったのだろう。
かといって“砲戦艦隊派”から出すと、またややこしい問題に成りかねないからと、安田の旦那にお鉢が回ってきた。
多分、そういうことなのだろう。
思えば『アンタレス』の艦長…、名前忘れたが、そういった派閥関係の噂はなかったと思う。多分…。
…まぁ、それは置いとくとして、最終的には戦艦型へと改装する計画が初めからあったのならば、別にそれを実行しても良いのではないだろうか?
確かにこの提示された改装案──左半分を飛行甲板にして、右半分に主砲塔を集中配備する。奇しくもそのシルエットは後に真田技師長が手掛けた戦闘空母DCV-01『ヒュウガ』と似通っていた。──は元の航空艤装に戻すよりも、まだ扱いやすそうではあるが、運用上のメリットや必要性があるとは思えない。
「«
ここで土方が確認するかのような口調で、そう漏らした。
その言葉に工場長は「我が意を得たり」と言わんばかりに、ニンマリと笑顔を浮かべた。
「«芹沢のヤツがモットーとしていた言葉だが、まさかとは思うが…»」
土方は以前よりある可能性について危惧を抱いていた。
それは
そもそも艦娘の建造というのは、用意した各種の資材と引き換えに、艦種も含めてかなりランダムに顕現するというシステムであり、必ずしも狙った艦娘が顕現する訳では無い。
なによりそのメカニズムに関しては、解析不能という事しかわかっておらず、全世界の科学者、物理学者達が揃って匙を投げた程である。
だがそれ以前に、そのシステムによって建造され、顕現する艦娘は
しかし、ここ小松島鎮守府では、何故か西暦2170年代以降の、それも新旧含めた宇宙戦闘艦が合計11隻も建造されてしまった。
用意した資材に特別な物が紛れ込んでいた訳でもなく、精々、異邦人である自分達が立ち会ったくらいのものである。
まぁ原因についての究明は、大本のシステムがさっぱり分からない代物であるから、解明のしようがない。
とはいえ“イレギュラー”な事態であることに変わりはない。
土方が問題視したのは、先述の通りこのシステムはランダム要素が強い点にあり、何が出てくるかは完全に運任せで、姿を確認するまでそれが
一応、深海棲艦が顕現したという話は聞かないが、問題は
つまり、“イレギュラーとして現われる存在”──仮に“イレギュラー艦娘”とする──が、アンドロメダ姉妹や
もしかしたらガミラス戦役中の敵対していた時の艦艇のイレギュラー艦娘が顕現しないとも限らない。
だがガミラス艦ならば、対話が成立する可能性があるだけ、まだマシな部類である。
土方が懸念しているのは、
一度だけだが、直にやり取りした経験から、そして『ヤマト』における航海を経て導き出した結論は、「あまりにもリスクが高すぎる」というものであり、この世界で分かりやすく説明するならば、「深海棲艦よりも深海棲艦している」というものである。
つまり、一般認識として喧伝されている“破壊と暴虐の限りを尽くす深海棲艦”よりもヤバい連中という意味である。
…実際の深海棲艦は、その一般認識からしたら予想外な程に穏健寄りだったが。
もし、万が一、ガトランティス艦のイレギュラー艦娘が顕現する事態となったら、かつての赴任先であった第十一番惑星での悲劇に似た惨劇が起きるリスクが高かった。
故に、土方達は
だが、将来的にここ小松島で起きたイレギュラー事態が他の場所でも起きないという保証は無かった。
…もしかしたら沖田が「仲間を送る」という約束を守って、何かしらの方法で建造に介入している可能性が無かったとは言い切れないが、それを証明する為に必要となる根拠が乏しく、飽く迄も個人的な推測の域を出ていない。*1
なにより今回立て続けにアンドロメダ姉妹、別の地球から来たという護衛戦艦
つまり、今後ガトランティス艦がドロップしないとも限らず、若しくは既にドロップして何処かに潜伏していないと保証出来る判断材料もなかった。
であるならば、予想される最悪の事態に備えて戦力を整え、また航空機動戦力によって手数を増やし、戦術の柔軟性の拡充を図るというのも悪い考えではない。
その土方の推論を聞いた工場長は、ますます笑みを深めた。
「«流石は“智将”との呼び名が高い土方さんですねぇ~。良い読みをしています~»」
その口調と態度から、やや小馬鹿にしたかの様な慇懃無礼さが感じられるが、
「«ま、まぁ、敢えて断言させていただきますと~、ドロップは兎も角としまして~、建造による顕現で~、
殴られた頭をおさえながらのその発言に、どういう事だとの視線が集中するが、
「«詳しくは
予想外の衝撃的発言が飛び出す。
特に自分達との戦闘の矢面に立って、何度も激しい砲火を浴びせ掛け合っていた間柄である深海棲艦達に走った衝撃は凄まじいものがあった。
「«…貴女に会いたくて、ただ会いたくて、貴女の笑顔が見たくて、その一心で作ってしまったモノなんです»」
先程の情報の読み取り以上の真剣な、いや、半ば痛々しい程の痛切な表情をしながら、絞り出すかのように語る工場長に、周りは何も言えなくなった。
独善的な考えもあった。だがずっと一人ぼっちという孤独な毎日に耐えられなくなった。
だが、いくら作り出そうとも、アンドロメダは顕現してくれなかった。
それどころか地球艦の1隻すら顕現しなかった。
その事に絶望し、自暴自棄になった挙げ句、無責任にも生み出した艦娘全てを、
これが、艦娘がある日突然この世界に現われた真実である。
最早何を言えば良いのか分からなくなり、全員が固まってしまった。
事実上の暴走の結果、艦娘が生み出され、しかもそのルーツが深海棲艦であるというのだ。
深海棲艦達が艦娘になんとなく抱いていた「人間に味方する、風変わりな
更に話は続く。
流石に勝手に作り出しておきながら身勝手にも捨てたことに罪悪感が湧き、後方支援を目的とした妖精さん達を作り出し、建造システムなどの支援施設、後の鎮守府に繋がる設備を作り出せる様に送り出したという。
また建造システムというのも、鎮守府にある“ソレ”は一種の転送装置の様なシロモノであり、工廠内に設けた艦娘用製造区画で研究開発、そして生み出された艦娘を送り出し、その対価として建造資材をこちらへと転送しているというのだ。
つまり、全世界の艦娘はここ時間断層工廠で生み出されているのである。
しかしである。
ある日突然、建造システムが解析不能な高エネルギー反応によるアクセスを受けて勝手に動き出し、そして転送される事件が発生。
その転送先が、小松島鎮守府であり、そして顕現したのが
それを含めて合計11回。
タイミングもピッタリ符合するため偶然などでは説明がつかず、何者かによる何かしらの意図した介入があったとしか考えられない。
そしてここからが重要なのだが、このエネルギーは解析不能ではあるものの、近似したモノのデーターを工場長は持っていた。
それはかつてテレザートのテレサから地球へと向けて送られて来たコスモウェーブの波形と非常に酷似していたのだ。
残念ながらおそらくこの世界、この星においてトップクラスの科学技術力を持つ時間断層工廠をもってしても、それ以上のことは分からなかったが、土方が沖田の名を出したことで点と点が線で繋がった。
結論として、
であるならば、建造によるイレギュラー艦娘の顕現には沖田十三によって選定という篩にかけられていると見るべきであり、その選定基準は今までの事例から鑑みるに、アンドロメダと縁のある者に限られている。
沖田十三という最強のフィルターによって、まかり間違っても工場長が言うところのクソッタレのゴミクズ共、ガトランティス艦のイレギュラー艦娘が建造され、顕現してしまうことは絶対無いというのが、工場長の出した結論である。
だがしかし、ドロップだとその限りではない。
いや、厳密にはドロップ艦娘は工場長が艦娘の出処を曖昧にし、自身へと辿り着かれるという万が一の可能性を防ぐ目的で、可能な限り深海棲艦と鉢合わせする危険性が少なく、かつ人類の支配領域である陸地から程よく離れた海域に放出していた者達であり、ドロップ艦娘も実質は建造組と同様にそのルーツは時間断層工廠へと行き着くのである。
だが、アンドロメダ姉妹と
初めて
もしかしたら、いずれアンドロメダがドロップとして、この世界へと現れてくれるかもしれないという期待。
元いた地球と敵対していた存在が現れるのではないかという不安。
後に
自分は飽く迄も
戦う術など持ち合わせていない。
だが
そしてありとあらゆる
だがありとあらゆるものを取り揃えるからと言っても、頓珍漢で的外れなものを提供するなどという事をしでかしては、単なる資源とリソース、そして時間の無駄でしかない。
考え得るあらゆる状況を想定し、それに対して柔軟な対応が可能となるような装備を整える様に模索する。
そこから導き出した答えの一つが、航空戦力の充実であり、土方が語った通りの内容を工場長は考えていたのだった。
自分は戦うことが出来無いが、代わりに戦えるヒトが過不足無く十全の力を発揮出来るようにその足場を整える。
それが恐怖を打ち払う自分なりの方法だった。
その模索の中で、工場長が目を付け考えていた事があった。
それが今現在自身が確認しているドロップ艦娘最後の一人なのだが、しかしその一人というのが自身やアンドロメダ達とは別の意味で、下手をすると劇薬の類いと成り得る存在でもあった。
だが同時に、上手くすればいくつかの問題が解決する糸口と成り得る可能性もあった。
その考えを開陳するならば、今しかないと判断した工場長は、意を決して口を開いた。
「«あの~、実はこちらに引き込みたいヒトがいるんですよ~»」
その言葉に、全員の注目が集まる。
「«吉と出るか凶と出るかは未知数ですが~、
この提言に土方は苦い顔となった。
今現在、彼は日本海軍艦娘部隊総司令真志妻亜麻美大将という、クセは強いが
事実、その影響力が地に落ちた洛陽の国、かつて無二の超大国だったアメリカに対して
かつてこの国を支え、強みでもあった技術力や経済力など、雲散霧消して久しい。
いや、そもそも日本の経済発展など砂上の楼閣だったのだ。ただ春の夜の夢の如しだったのだと、当の日本国民ですら嘆くまでに、この国は衰退していた。
艦娘戦力は世界有数でも、総合的に見た軍事力、なによりもそれを支える支援体制を含めて見ると、壊滅的な状態である。
そんな国の軍隊の後ろ盾など、実際の所あってないようなものだ。
では代わりとなる後ろ盾とは?となると、思い浮かぶのは一つしかない。
だが、引き込みたいヒトとは誰なのか?そもそもそこまでの繋ぎはどうするつもりなのか?
「«丁度、
そう言って空中投影式ディスプレイに視線を落とし、その後拡大した映像を映し出した。
それは何処かの執務室だったのだが、既視感のある内装であり、
「«あん?真志妻の執務室じゃないか?»」
そう、そこは広島の呉鎮守府、そこのトップである真志妻大将の執務室であり、映っている女性も真志妻大将そのヒトである。
おそらく、映像の角度などから見て、執務室に備え付けられているデスクトップPC、多分秘書艦か副艦用机に置かれている物のカメラをハッキングしたのだろう。
それは兎も角、今更ながら何故真志妻なのか?との疑問が浮かぶが、その真志妻が執務机ではなく、応接机で誰かと会話している様だった。
よく見るとその会話はタブレットを介したリモートによるものなのだが、そのタブレットに土方と
あれは…、
そう思っていると、カメラが切り替わり、タブレットに映る人物の顔が判別できる様になったのだが…。
「«お、オイオイオイ…!なんだってコイツまでいるんだい…!?»」
土方は誰だか分からなかったが、その顔を見た
あまりにも激しく動揺を露わにする
「«ああ、見間違うハズがない!コイツは…、いや、このヒトは、国連宇宙海軍ユーラシア管区、ロシア宇宙艦隊ウラジオストク分艦隊──、連中の言葉に合わせるならば、ロシア宇宙軍事艦隊東部軍管区艦隊、諸兵科連合小艦隊ウラジオストク旅団所属、村雨型宇宙巡洋艦のロシア仕様!アドミラル・マカロフ級のスラヴァだ!»」
未だに信じられないといった表情で語る
特に、アンドロメダは最も驚愕した顔となっていた。何故ならば───。
「«私の…、
かつて第一次冥王星沖海戦、通称『メ号作戦』の撤退時に、第二次火星沖海戦で受けた恩義を返すべく、我が身を盾に追跡してきたガミラス艦と刺し違えた残存ロシア艦隊を構成していた2隻の内の1隻であり、旗艦でもあった
それがこの世界に来ていた。
そんな彼女に対して画面に映る真志妻は緊張した面持ちを隠さず、されど真剣な表情をしながらある質問を投げ掛けた。
「«
ミロスラヴァ国防相。
この単語を耳にした土方は目を見開いた。
それがもしかしたら自分達と同郷かもしれないなどと、誰が想像出来ようか?
いや、だがまだ確証があるわけではない。
もしかしたら他人の空似という可能性も否定でき無いのではないか?とも考えたが、その後のミロスラヴァ本人の言葉がその可能性を打ち砕いた。
「«大恩あるコンゴウ型宇宙戦艦のキリシマ様を始め、
どうやらこちらの世界へと来て、日本軍に在籍する地球軍出身者を全員把握している様であるが、それよりも重要なのは、『スラヴァ』が戦没したタイミングでの各人の階級及び役職を正確に言い当てた事で、確信へと変わった。
「«この条件さえ飲んでいただければ、今年の
さらなる戦力が必要とあらば、大統領と掛け合って遠距離航空コマンドの爆撃隊を動員することもお約束致します»」
土方は机の上にある固定電話の受話器を掴むと、呉鎮守府の真志妻へと繋がる直通回線のスイッチを押した。
「今にも潰れそうな
大変お待たせ致しました。
何をトチ狂ったのか、数話先で使用する資料を漁っていると、その話を先に書いてたりしてました…。それも2つ…。
個人的に空母型は原作でパッとしなかった事が一番痛い点であるとの所感です。
またいっそのこと、本編で語りました通りミサイル艦、それもマクロスのマイクロミサイルみたいに弾幕型の飽和ミサイル攻撃艦だったら、と思う次第でした。
それにしても隣りにいる深海棲艦の姫様達が殆ど空気状態…。私の未熟さが際立ってきてるなぁ…。と思う今日このごろ…。
解説
ボストーク(Восток)
ロシア軍の東部軍管区で行なわれる陸海空軍の部隊や他国の軍も参加する四年に一度の戦略指揮幕僚演習で、ボストーク(Восток)は東を意味する。本来ならばボストークの後ろに2018や2022などの実施された年度の数字が入る。
遠距離航空コマンド(Командование Дальней Авиации)
ロシア連邦航空宇宙軍中央司令部隷下のコマンドで、所謂戦略爆撃機の運用部隊。
2008年のロシア軍の大規模な軍事改革により、2009年に第37航空軍から改編され設立された。
それではこれにて失礼致します。励みや参考になりますので、お気が向きましたらお気軽に感想をよろしくお願いいたします。