艦隊これくしょん 総旗艦アンドロメダ、二度目の航海もまた数奇なり 作:稲村 リィンFC会員・No.931506
裏では色々とやってます。てかそれが国家と言うもんでしょう?
それはそうとタッカー・カールソン氏のロングインタビューはとてつもなく凄かった。
“彼を知り己を知れば、百戦して殆うからず”
一方だけの発言、情報だけだと足元を掬われる。双方の主張、発言を聞いて、視点を変えるなどをした上で判断しなければ取り返しのつかない事態を自ら呼び込む事になる。
そういう意味ではタッカー・カールソン氏は正に値千金の仕事をこなした。無論それはジャーナリストの本来あるべき姿であるのだが、それを認めたがらない愚か者のなんと多いことか…。
「…そう。分かりました」
休憩所とプレートが掛けられたスペースから、イヤホンを耳に当てた
「ええ。姉さま達にもよろしくお伝え下さい。それと、貴女も無理はしてはいけませんよ“
イヤホンの向こうから豪快な笑い声が聞こえ、それがこの問いに対する答えであることを雄弁に物語っていた。
2つ3つほど話た後、
「状況から
今の通信相手、今現在アドリア海に展開中の空母『
因みに“外務卿”と言うのは正式な役職では無く、Q.Eを補佐する者達の中での得意分野を鑑みての、一種の役割分担を明確にするために、謂わば便宜的に作られた非公式な裏の役職であり、L.Nの“外務卿”以外には近衛艦隊旗艦の
今回の騒動を“決闘”という形で終息させるために、L.Nが“外務卿”として裏で動き回っていた。
それは偏に、主君であり忠誠の対象たる女王陛下、Q.Eの御心である「深海棲艦との交渉」を叶える為に、その糸口を確実に掴み取ることが最大の目的であり、そしてその掴んだ糸口を敢えて完全に秘匿することは避け、
その結果は、ある意味大成功だと言えた。
いや、成功とは言えるものの、予想外の事態も発生していた。
そもそも今回の問題は、何も
彼女の誘いに同調した勢力の一つ、ドイツ艦娘は少し前からある意味でヨーロッパの火薬庫とも言える状態になっていた。
そのキーパーソンとなるのが、先に上げた
トルコ共和国海軍艦娘艦隊旗艦代行艦娘であり、彼女は元々
そしてこの『
その艨艟達が艦娘として蘇ったとして、まぁ国内向けの政治的プロパガンダとしての狙いと、我が物顔でドイツ周辺海域を跳梁跋扈するイギリスへの当て付けという意図も多分にはあっただろうが、ドイツ連邦共和国政府と軍部はとある艦娘の登場を持って、大々的に大洋艦隊の復活を内外に喧伝した。
その艦娘と言うのが、『
大戦当時の艦隊司令、そして英国海軍主力艦隊
その“鉄仮面”の腹心と称され、本人からも篤い信頼を寄せられていた。
姉の
彼女の改良型である
そんな彼女がある日突然、所属国ドイツを出奔してトルコ共和国へと亡命して来た。
この事に当時
第一次大戦当時、当初は中立の立場だったオスマントルコ帝国が帝政ドイツ側である軍事同盟陣営、所謂“同盟国”として参戦した経緯が、元となった
当時のオスマントルコの海軍力は国内の政治的、経済的な混乱の影響によって周辺国と比較して大きく劣っており、更には小競り合いでも連戦連敗を重ねており、この強力なドイツ巡洋戦艦が譲渡された意味は国内的に大きかった。
特にこの前日に、トルコ国民の寄付で出来た資金によって英国に発注、建造された新鋭の大型戦艦2隻が、外交上の問題を理由として2隻共英国に接収された事で、トルコ国民の間では「英国は自分達トルコ国民の寄付によって購入が叶った新鋭戦艦2隻を掠め取った盗っ人」として対英感情が急速に悪化の一途を辿っていた事も、無視出来ない理由の一つだった。
トルコ共和国と
そのため、自国に比べて“まだ”マシな
また両国の歴史的背景からトルコ国民の
だが当のトルコとしても、政府も軍も上に下にと右往左往していた。
当初哨戒艦が彼女を発見した際、彼女の腕には所属国を示す腕章が無く、地中海水域ではかなり珍しいドロップ艦であると思って保護して基地へと連れて帰って色々と話をしてみたら、びっくり仰天。ドイツの
ヨーロッパでは独自の取り決めとして、ドロップ艦か既にどこかの国軍に属しているかを識別する目的で、艦娘は腕に所属国を示す国旗をモチーフとした腕章を身に着ける事が義務付けられていた。
因みに地中海水域におけるドロップ艦は、何故かは分かっていないが大西洋側に集中しており、地中海奥深くになると基本的にドロップ艦はまず見付かっていなかった。
本来の所属国、ドイツからも脱走があったとする報せが無かったことも、混乱をより助長させた。
だがその後に「巡洋戦艦艦娘
結論から言えば、彼女がトルコへとやって来た理由は、まぁその、端的に言えば家出である。
愛する姉である
報告を受けた
「
彼女は第一次大戦当時の時代による影響もあるのか、大のアカ嫌い、ガチガチの反共主義者であり、極左政策を邁進するEUと、それに追随するドイツに心底嫌気が差していたことは、
全滅を悟った
だがその際に、今生でも再び僚艦となってくれて、いつも付き従ってくれていた、この決死の突撃にも文句一つ言うこと無く笑って付いてきてくれた、最愛のパートナーとまで言っていた軽巡洋艦艦娘
明らかに上級司令部の無為無策が原因であるにも関わらず、「敗走の責任は
その事でなんだかんだ言いながらも仲の良かった姉と大喧嘩をするほどまで、彼女が思い詰めていた事に気が付かなかった自身の無神経さと不甲斐なさに、
引き千切られた腕章を手に、
紆余曲折を経て、最終的に
これには
兎も角として、
だが今回の問題はその抱えている複雑なものな起因しているものだった。
地中海常設作戦部隊の上位部隊、黒海艦隊から旗艦級でもある主力艦の
その人物とは、
彼女こそ、ロシア連邦最後の大統領にして初代
最初彼女が来ていた事に気付いたのは、Q.Eの護衛として付き従っているイギリス特殊部隊、SASの隊員から多数のGRUスペツナズらしき者達が紛れ込んでいる事が報告されたのが切っ掛けだった。
そこから
彼女は現役時代に西側から蛇蝎の如く嫌われており、相当な恨みを買っている影響で現役を退いた今でも、西側を中心とした各方面や勢力からの暗殺対象として狙われている者の上位リストに入っているとされ、*5彼女には常にGRUスペツナズによる厳重な護衛が付いている。とは聞いていたが、かなり堂々と“決闘”という題目のこの茶番劇、もといお祭り騒ぎを、付き添いの艦娘らしき者と仲の良い母娘の様にして楽しんでいる姿が確認されたと聞かされ、Q.Eと序でとばかりに聞いていた
だが、彼女、
付き添いの艦娘、『
しかし決闘後に治療の為に『P.o.W』艦内の医務室にてQ.Eと
今まで
その事実に驚愕し、ベッドの上で衝撃のあまり2人して仲良く固まってしまった。
まぁその辺りに関しては、然程重要なことでは無いので割愛するとして、本題はここからだ。
簡単に言えば彼女からお誘い、勧誘の類いではあるが、その前に一つの情報が開示された。
とはいえそれは目新しい情報という訳ではなく、イギリスとしては既知である
特にドイツはイタリアに次いで世界第5位の艦娘戦力──数の上では
その皺寄せは随所に出て来ており、特に給与の悪さは有名で艦娘達からは「給与の悪さ“だけ”は世界一ィーーッ!」と自虐的な皮肉が語られるほどの有り様だった。
これを受けて
だがそれは何も武装蜂起などの武力による叛乱を促すというものでは無く、
当時のイギリスはこの工作活動の実態をある程度把握はしていたが、これによってドイツで艦娘との間で目に見えるいざこざが起きて、ドイツの力が低下してくれた方が相対的に自分達との差が開くから何かと都合が良いとの思惑によって、静観する判断をしていた。
しかしそれが完全に裏目に出た。
このままだと全ドイツ艦娘が深海棲艦の軍門に下り、復讐心に燃える深海棲艦化した
ヨーロッパでマトモに戦えるのはイギリスとフランスだけとなるのだが、そのフランスも国内事業の混乱による皺寄せで国軍の活動は停滞気味、どころかフランス艦娘の中にも
そうなると伊独仏プラス深海棲艦の連合軍に対してイギリスは単独で戦う羽目になってしまい、最終的にイギリスは無視出来ない大損害どころか壊滅的な大敗北すら有り得た。
だからこそイギリスは焦った。
Q.Eは今まで政府と軍部が静観という名の放ったらかしにしていた案件の“ツケ”の精算を自分がしなければならなく成った事に憂鬱な気持ちとなりながらも、即断即決で即応可能な最大戦力を動かして自ら指揮を執る決断をした。
そしてクレムリンは最悪の事態に備えてトルコと隣接し、黒海艦隊の属する南部軍管区と、
“第2戦備態勢”。
この言葉に
“第2戦備態勢”とは所謂『DEFCON2』、
2020年6月2日、時のロシア大統領は核戦略に関する指針として『核抑止力の国家政策指針』に署名した。核兵器の使用は大統領が決定することを定め、ロシアの核戦力は「本質的には防衛的なもの」としつつ「使用の権利を保持する」と規定。 核兵器を使用する具体的な条件として以下の4つを挙げた。
①、ロシアやその同盟国への弾道ミサイル発射に関する信頼性の高い情報を入手した場合。
②、ロシアやその同盟国への核兵器を含む大量破壊兵器が使用された場合。
③、死活的に重要な政府や軍事施設に対して、敵が核報復能力を阻害する工作を行った場合。
④、通常兵器の攻撃によりロシアが侵略され国家存立が危機的になった場合。
この①〜④のほかに、「核抑止力が必要になり得る軍事的危険」の対象に、宇宙空間やロシア周辺へのミサイル防衛システムや弾道ミサイル、極超音速ミサイル、核兵器及びその運搬手段の配備を挙げていた。
この指針は今の
そして
つまり彼らの核ミサイルの標的は深海棲艦ではなく、
その標的は、まず間違い無くベルギーの首都ブリュッセル。
ここにはEU主要機関の本部が多く置かれており、EUの首都とされている場所である。
また、旧NATOの本部も置かれていたが、NATO解散後にそのまま横滑りする形でEU統合軍の本部としてそのまま機能しているのだが、アメリカの置き土産の運用管理をしているのもここEU統合軍本部である。
EUを牛耳るEU委員会は今回の事態に対して多少の混乱は見られるも、その反応はイギリスと比べると幾分にも鈍い。
制度そのものに疲労と限界が来ているのもあるだろうが、その視線が
今回の一件だが、見方によっては「
全ては
そこから「
具体的な証拠、証言が無くとも、証拠があると言い張り切り抜きなどの捏造した証言から問題を大きくしたり、戦争を引き起こす前科が──大概アメリカが主犯だが、──西側には何度もあるため、杞憂で済む話では無かった。
とはいえ、
ある意味で
Q.Eは思考を巡らせる。
自身は
一歩間違うと核戦争の危機であったとなると、今後の行動にも影響が出て来る。
このまま時間を掛けて和解の道へと持って行く考えでいたが、事はそう簡単に行きそうにない。
そしてここからが、
曰く、「いても邪魔なだけのEUに全ての罪を被せ、一緒になってみんなでぶっ潰そう!」というものだった。
その“罪”というのが、
そしてその製薬企業というのが、時間が足りなかった為に詳細までは掴めなかったものの、軽く調べただけでもEU委員会の重役やEU統合軍幹部とも繋がりがあり、多額の献金や物品のやり取りがなされている実態が明らかとなった。
全く無関係であるとは言い切れないが、これを持ってEU委員会が
「だが、そんな事は最早どうでもいい。目には目を、歯には歯を。やられたらやり返す。倍返しでね!」
目を爛々と輝かせ、握りこぶしを作りながら
今まで散々ぱら言い掛かりをつけて好き放題やりたい放題の嫌がらせを掛けて来ていたのだから、たまにはそのまんま返しでやり返してやろう。
意地の悪い笑みを湛えながら、証拠なんて幾らでも捏造してやる!と意気込むが、直後に
取り敢えず証拠云々の話は一旦横に置いておくとして、提案というのは次の様なものだった。
『P.o.W』の艦上からQ.Eと
無論、大きな混乱が起きることが予想される。だがこのままだとEUとEUに追随するだけの各国がまた何かしでかさないとも限らず、いずれにせよ遅かれ早かれ混乱が起きるのは必至であるとし、それならば先に深海棲艦の問題を解決させよう。という趣旨だった。
Q.Eとの会談と決闘で一応武装蜂起は取り止めたものの、だからといってその心の中の復讐心が完全に吹っ切れた訳では無い。
本心から言えば仕返しがしたかったのだが、
しかし、仕返しをする明確な相手がいる以上は、一種のケジメとして成し遂げたいと思ったのだ。
だがQ.Eは難色を示した。
どれほどの混乱が起きるかの予想がつかず、一応の国の指導者としての立場柄、そうおいそれと頷く訳にはいかなかった。
イギリス国内にまで混乱が波及したら、それを抑えるのが正直かなり面倒なのだ。
とはいえ彼女だってれっきとした艦娘だ。
かつてジブラルタルへと転戦する際に、序でにイタリアを表敬訪問することとなったのだが、その時に世話になったのが
それに、自分自身だって怒りにまかせてクーデターやらかしている前科があるのだ。
故に、本心としては
が、同時になりたくてなった訳でない今の立場の、この目が回るほどのあまりにもクソ忙しい現状がさらに忙しくなるのは嫌だ!と心が悲鳴を上げている。
これには流石に
だがL.Nからは「遅かれ早かれ忙しくなるんだから、現実逃避しないで素直に諦めたほうが楽だぞ?」と突き放された。
Q.Eは泣きたくなった。
確かにそう遠くない内に、EUは経済の行き詰まりから空中分解する確率が高いとの分析結果が出ていた。
どっちに転んでももうどうにもならないならば、もう開き直るしかない。だから、こちらが被る被害を最小限度に抑えるべく、混乱を引き犯す謀略に誘うというのならば、それなりの見返りを寄越せ!取り引きだ!じゃなきゃヤダ!!と駄々をこねて強請った。
最終的に取り引き交渉は、まぁある程度は纏まった。
ここまでが、
取り引きの内容に関しては、
紅茶が飲みたい…。
そう思って休憩スペースに置かれている紅茶セットを使って、手ずから紅茶を淹れる。
用意されている茶葉は、いかにも安物で香りもイマイチだが、この際そんな事は気にしない。今はただ喉を潤したかった。
そうこうしていると、L.Nからメールが届いた。その内容を見て、盛大に紅茶を吹き出した。
『伝え忘れていた。
取り引きの一環で貴様の留学が決まったぞ。教授も歓迎すると快諾してくれた。
日本での仕事が全て片付いたら、そのままモスクワへと向かってもらうそうだ。
追伸。陛下から言伝だ。
「大変でしょうけど、これからもっと大変になりますから、しっかり勉強してわたくしを助けてくださいまし」
だそうだ』
Q.Eは何が何でも
後年、“宰相”とも呼ばれる様になった“内務卿”、
ウォー様「拒否権は無いの!?」
陛下「我が国は独裁国家ZOY!」
ウォー様は取り引きの犠牲になったのだ。
まぁ経験や知識の無いことは、どこかで学ばなければ身に付きませんからねぇ。ちゃんとした教育こそが、国の未来を支える礎になる。
国防相閣下は色々あった反動でお疲れモードのちょっとハイになってます。
一応ドイツ艦娘三人衆他、お祭り騒ぎ、もとい“決闘”見物に来ていた艦娘や軍人達も、この“密約”に参加することとなり、取り敢えずこれでヨーロッパは混乱状態と致しますので、その隙に乗じて太平洋でも動き出します。
タッカー・カールソン氏のロングインタビューから、また以前のアンケートで出しましたセルゲイ・カラガノフ教授から、前大統領を教授にしました。
てか、ホントにあの大統領スゲェよ…。まだインタビュー全ては見終わってないけど、終始圧倒されました。
補足解説
ドイツ艦娘3人衆
念の為言っておきますが、この
前話でイギリスの
ただ、ユトランド沖海戦時の
大型戦艦2隻
弩級戦艦『
オスマントルコが親独傾向にあったことと、同盟関係にあった帝政ロシアがこの強力な新鋭戦艦2隻に危機感を抱き、「トルコへと引き渡さないで」とイギリス政府に申し入れたことなどにより、前者は『
この2隻は
装甲艦
所謂甲鉄艦の様な艦であり、日本であれば旧ストーンウォール号、
作中の装甲艦とは基本的に中央砲郭艦になります。砲塔艦までの過渡期な軍艦で、大口径砲を艦中央部に集め、その周辺を装甲で防御していた。
戦術防空システム
旧ソ連から連綿と続く、ロシアの野戦型多層式防空システムの事。
その要点は射程の異なる各種対空ミサイル及び自走式高射機関砲による縦深的な防空コンプレックスを形成することで、西側の航空戦力による味方地上戦力への航空攻撃を撃退することを主眼に置いている。
第四次中東戦争ではソ連軍に範を受けたエジプト軍が、このソ連式防空システムによって世界有数の空軍戦力を誇ったイスラエル空軍をほぼ壊滅状態となるまで叩き潰して追い込む大戦果を挙げて、イスラエルの鼻っ柱を叩き折ったことが有名である。
しかし深海棲艦との戦いではその対空ミサイル群はキルレシオ、費用対効率の面からあまり有効では無いと判断され、第三次大戦の当時猛威を振るった徘徊型兵器、所謂自爆型ドローンに対する対応策としてある程度有効であると再評価された高射機関砲の大量配備と、旧式化して退役予定だった古い自走榴弾砲や大戦中に鹵獲した自走砲を改装した急造高射砲による面制圧型の弾幕射撃に重点が置かれている。
なお、国内の兵器産業は国軍の再建と同時並行で行われている装備更新で手一杯であるため、急造高射砲と一部の高射機関砲は主に併合した東欧の兵器産業に製造を委託している。
戦略防空システム
弾道ミサイルの迎撃などの本土防空を主眼に置いた防空システム。
現在それまでの主力だったS-300PMから発展改良された新型のS-400
S-500
ロシアの戦略防空システム。現在主力となっている先述のS-400
極超音速機および極超音速巡航ミサイルと、早期警戒管制機および電子戦機に対する迎撃と防空を目的としている。
アメリカのTHAADミサイルに匹敵する能力と、低軌道の衛星も撃墜する能力がある。
S-550
2021年11月9日、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は「プーチン大統領が防空システムS-350、S-500、S-550を軍に供給するための重要性を説いた」と語り、そこで初めてその存在が世間に知られることとなった防空システム。
大陸間弾道ミサイルをミッドコースで迎撃可能とされている。
類似した既存のサイロ発射式対弾道弾迎撃ミサイルであるA-135やその後継として開発中のA-235と違い、地上移動式である。
ミッドコース・フェーズ
弾道ミサイルの迎撃は下記の通りの3つに分けられます。
①.上昇段階。ロケットに点火して大気圏外に到達するまでの過程のブースト・フェーズ。
②.中間段階。大気圏外を周回して目標付近まで接近する過程のミッドコース・フェーズ。
③.終末段階。大気圏外を飛行する高度が下がり目標に向けて降下を始め着弾するまでの過程のターミナル・フェーズ。
以上、この3つであり、最も迎撃の技術的な難易度が低く容易なのが①の上昇段階、ブースト・フェーズであるが、弾道ミサイルの射点に限りなく近付いておく必要性(最悪敵地のど真ん中で張り込む必要がある)から、現実的では無い。
そのため弾道ミサイルの迎撃は主に②の中間段階、ミッドコース・フェーズか、③の終末段階、ターミナル・フェイズで実行されることが多く、日米では洋上に展開するイージス艦や、地上配備のイージス・アショアから発射されるスタンダードミサイルSM-3及びGBI、
アメリカが冷戦時に開発した準中距離弾道ミサイル(medium-range ballistic missile,)の一つ。
射程の問題からトルコとイタリアに配備され、キューバ危機に際しての交換条件として、既に旧式で時の大統領ケネディもキューバ危機以前から撤去の命令を出していたこともあり、撤去された。(なお、このキューバ危機以前のケネディの撤去命令を当初管轄である空軍は無視しており、後に発覚した際にケネディが激怒したとされているが、結果としてキューバからのミサイル撤去の交換条件という交渉材料になったというのは些か皮肉ではある。)
先述のオスマントルコ海軍新鋭戦艦2隻に対抗して建造された
軍管区
ロシア連邦軍は2010年以降、今までの6個軍管区+1──
『モスクワ軍管区(Московский военный округ;МВО)』
『レニングラード軍管区(Ленинградский военный округ;ЛенВО)』
『沿ヴォルガ・ウラル軍管区(Приволжско-уральский военный округ;ПруВО)』
『北カフカーズ軍管区(Северо-кавказский военный округ;СКВО)』
『シベリア軍管区(Сибирский военный округ;СибВО)』
『極東軍管区(Дальневосточный военный округ;ДВО)』
『カリーニングラード特別地区』
──を以下の4個軍管区に統合。
『西部軍管区(Западный военный округ;ЗВО
旧レニングラード軍管区およびモスクワ軍管区)』
『南部軍管区(Южный военный округ;ЮВО
旧北カフカス軍管区)』
『中央軍管区(Центральный военный округ;ЮВО
沿ヴォルガ=ウラル軍管区と旧シベリア軍管区西部)』
『東部軍管区(Восточный военный округ;ВВО
旧シベリア軍管区東部と極東軍管区)』
2021年新たに北極圏防衛の強化のため、西部軍管区に隷属していた海軍の北方艦隊が新たに北方艦隊自体が独立した軍管区に昇格し、コミ共和国、アルハンゲリスク州、ムルマンスク州、ネネツ自治管区も管轄しているた。
『北部軍管区(Арктические войска и Северный военный округ 北極及び北方軍管区。
Объединённое стратегическое командование «Северный флот»統合戦略軍『北方艦隊』とされる場合もある。
旧レニングラード軍管区)』
それではこれにて失礼致します。励みや参考になりますので、お気が向きましたらお気軽に感想をよろしくお願いいたします。