艦隊これくしょん 総旗艦アンドロメダ、二度目の航海もまた数奇なり   作:稲村 リィンFC会員・No.931506

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 なるようにしかならない。


 未来のことを過度に心配しても、どうすることも出来ない。


 若干時間軸的に強引なところがございますが、ご了承を。


 …予定に無かったゆうなぎ、出すかも。


第72話  What will be, will be.

 

「はい。こちらは至って平穏です」

 

 

 日本との定時連絡中のアンドロメダ。場所はもう殆どアンドロメダ姉妹達の個人スペースとなってしまったハンガー区画である。

 

 

 直近で起きた、双方が知っておくべきと判断された最新の情報などの交換が行なわれている。

 

 その傍らには当たり前の様に参加している、アンドロメダと姉妹の契を結んでお互いが心を寄せ合っている駆逐棲姫が居た。

 

 立場的にはアンドロメダのお目付け役兼オブザーバーであり、開示可能な情報の吟味と補足となっているが、アンドロメダ自身が深海棲艦側としての立場を充分に弁えているため、それはほぼ形だけの建前となっており、仲良くなった春雨(ハルサメ)の姉妹達との交流を楽しみにしていると言うのが本音である。

 

 

 そしてアンドロメダの妹であるアポロノームだが、今は交信中のアンドロメダの代わりに飛行場姫に任された物資管理の事務仕事を、同僚となった深海棲艦達と捌いている。

 

 こちらの関係もかなり良好だ。2人が持つ知識や技術を教わったことによって仕事の効率が大きく改善された事で、信頼感の醸成に繋がった。

 

 意外だったのが文字の読み書き、つまり識字率に関してなのだが、深海棲艦特有の独特な発音から、本当は独自の言語や文字があるのでは?と思っていたのだが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 その生まれからして人類社会との繋がりが希薄な深海棲艦が、何故人類の文字を何不自由無く扱えているのか?聞けば初めから知識として知っており、誰かから教わった訳では無いというのだ。

 

 深海棲艦という存在を知れば知るほど、謎は深まるばかりで疑問は尽きない。だがそのおかげで書面での情報の管理ややり取りがスムーズに出来たのは有り難かった。

 

 問題があるとしたら書式の不統一くらいだが、これは他の海域に展開する深海棲艦達とも擦り合せをしなくてはならない案件で、アンドロメダ達の一存ではどうにもならないとして、今は棚上げすることとし、多少の不便はあるものの2人は深海棲艦側に合わせる事とした。

 

 

 兎も角仕事の傍ら今後の改善案などを思案し、それらを纏めて意見書とした書類を、この地の最高責任者となる飛行場姫に提出する為に()()と相談しながら作成していた。

 

 

 なお、この上司というのはこの地の事務担当の責任者を務めている深海棲艦の姫級、装甲空母姫の事である。

 

 元々は前線指揮官であり、それなりに強力な姫級だったのだが、途中から兵站部門に転向して来た変わり者であるとされている。

 

 そんな彼女であるが、アンドロメダとアポロノームの2人を当初から高く評価しており、最初はお手伝い扱いだったのを「責任は私が取るからさ、遠慮なくどんどんと出来ることをやっちゃって」と告げた結果、現在に至る。

 

 基本的に装甲空母姫は2人のやり方に然程口出しすることはせず、分からないことはその都度聞きながら、部下達にも積極的に2人から学べるだけ学びなさいとし、自らは周りへの調整役に徹していた。お蔭で特にトラブルらしいトラブルは今のところ起きていない。

 

 彼女からしたら2人は正に知識の宝の山と言える存在だった。独学だけではどうしてもこれ以上の能力の向上や効率面の改善に限界があった。だからこそ2人を謂わば手本となる教材とすべく、フリーハンドで動ける様に取り計らったのだ。

 

 結果は大当たりであり、またアンドロメダも装甲空母姫の狙いを理解して仕事の合間に色々と教える様になった。

 

 装甲空母姫は期待以上の結果を出してくれる2人の働きに、「私の目に狂いはなかった」と大喜び。

 

 

 今では2人は装甲空母姫の右腕的存在と周りに目される様になっていた。

 

 

 飛行場姫としては、上下関係の明確化は2人の今後を考えてやめておいたほうが良いのでは?としていたが、仮令ここでの仕事が一時的なものになったとしても、形式は大事だし、なにより同僚となる深海棲艦(はらから)の方達に示しがつかないとしてアンドロメダが押し切った。

 

 その際に装甲空母姫との間に駆逐棲姫を挟んで直接の上下関係は装甲空母姫と駆逐棲姫として、2人は駆逐棲姫の私的な部下扱いにするか?との案が出た。

 

 アンドロメダと駆逐棲姫は「喜んでお願いします!」と満面の笑みでその案にかなり乗り気となったが、アポロノームに「流石に複雑化して混乱するだろ」と即座にツッコまれ、装甲空母姫からも「悪くないですけど、公私混同になりそうなのはちょっと…」と苦笑いしながらやんわりと断った為にこの話は流れた。

 

 アポロノームはアンドロメダ()駆逐棲姫(義姉)の2人のノリに振り回され、最初は頭を抱えていたが、それでもアンドロメダ()が以前に比べてよく笑う様になったため、最近では軽く受け流すようになった。

 

 

 …ガトランティス戦役時(あの頃)の様などこか影のある微笑みと違い、心から笑っている事が分かる顔を見たら、少しくらい大目に見ても良いだろう。

 

 毎日を本当に楽しそうに過ごしている。周りの深海棲艦達からも本当に良くしてもらっている。

 

 受け入れられ、頼りにされている。それがとても嬉しいから、もっと頑張る。

 

 

 充実した毎日とはこの事なのだと実感している。

 

 出来れば、こんな日々がずっと続いてくれれば…。そう願わずにはいられなかった。今必要なのは心の余裕と安らぎだ。

 

 

 そんなアポロノームの心の内を知ってか知らずか、アンドロメダは駆逐棲姫と共にそれなりにのんびりとした日常を過ごしていた。

 

 

 のんびりとは言うものの、それは嘗て地球最大のブラック企業ならぬブラック組織と揶揄された地球軍時代と比較したものであり、普通に見たらのんびりと言われても首を傾げる程度に、一見するとかなり忙しなく働いている様にしか見えなかった。

 

 そもそも『アンドロメダ』(タイプ)は、有事に際して太陽系内に張り巡らされた通信ネットワークインフラも駆使して全地球艦隊を総括指揮運用可能なだけのポテンシャルを有している。*1

 

 そんなアンドロメダからしたら、今の仕事は片手間で済むレベルの内容であると言えた。

 

 でも、だからといって手を抜かないのがアンドロメダである。任せられた、頼まれた事はちゃんとやり遂げる。

 

 

 だがアンドロメダにとって最も大切なこととは、この世界でお互い惹かれ合い、姉妹として心から受け入れてくれた駆逐棲姫と、一度は死別して奇跡的な再会をこの世界で果たした妹のアポロノームという大好きな2人と穏やかに過ごし、自分達を身内同然の同胞(はらから)として温かく迎え入れてくれた飛行場姫を始めとした深海棲艦のみんなの優しさに報いることだ。

 

 

 正直、一度この世界での戦闘を経験したからこそ感じたことだが、その圧倒的な武力差からほぼ虐殺に等しい結果を生ずる事となる戦いは、もうウンザリだ。

 

 勝っても敗けても孤立化する危険性を、あの時肌身で感じた。半狂乱化した一般の深海棲艦達の恐怖に塗れた顔と怯えきった目。それを一身に受けて平然と出来る程アンドロメダの心は強く無かった。

 

 

 自身の戦闘艦としての存在意義に反していると言われるかもしれないが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 最初は自身の生存の為なら戦いという選択肢も吝かではない。とは考えていた。空母棲姫と南方棲戦姫の率いた艦隊と戦ったのも、その考えの延長線上に位置していた。

 

 生存の為に人類を、内心ではこの世界の人類に対する不信感から渋々な思いは強かったが頼ろうとした。

 

 

 だが状況が変わった。

 

 

 無理してこちらから人類へと積極的に接触する必要が、土方司令、そして時間断層工廠というワイルドカードの存在によって事実上無くなったと言える。

 

 

 同時にこの事によって考えていた全ての計画(プラン)がほぼ白紙化された。

 

 それによって「さてこれからどうしたものか?」と悩むことになった。息抜きは兎も角として、ただのんべんだらりと無為に過ごすという概念がアンドロメダの頭には無かったし、かと言ってなにか妙案が思い浮かぶことが無く、困り果ててしまった。困り果てたから、不躾なのを承知で仕事を求めてしまった。

 

 

 結果、戦う事以外で役に立てる。みんなが喜んでくれる。それを知ることが出来た。

 

 それが嬉しくてたまらず、つい張り切ってしまった。

 

 今は何をしても楽しい盛りだ。

 

 

 本音で言えばアンドロメダは最終的に深海棲艦の領域内で定住しても良いとすら考え出している。同僚となった一般の深海棲艦達からは飛行場姫達にこのまま2人に残留してもらいたいとする嘆願が出ている程だ。

 

 飛行場姫としてもその方が良いのではないだろうか?との思いが強くなっている。

 

 

 その背景にはアンドロメダが現在行なっている定時連絡を介して入って来る“外”、つまり自分達の領域外たる人間達の世界の最新情報を聞いている内に、飛行場姫達は2人の意思を優先するが、本格的に同胞(はらから)として受け入れる意思を固め、上位種による最高意思決定の場である“円卓”のメンバーも元々2人の受け入れに前向きだったこともあり、賛同を得るまでに至っていた。

 

 

 最大の切っ掛けは同胞(はらから)()()()()() 艦娘による地中海ヨーロッパ動乱危機と、その発端となった同胞(はらから)を材料として利用された艦娘への生体実験である。

 

 この事件がアンドロメダ経由で飛行場姫に伝わり、急遽“円卓”が緊急開催されたのだが、この事件のおおよその顛末を聞いて怒りを露わにしない上位種は1人も居なかった。同時にこの事を知っていたヨーロッパ大西洋方面担当総代である欧州棲姫と地中海方面担当総代の上位種──現地中海方面担当総代で地中海弩級水姫と化したConte(コンテ) di(ディ) cavour(カブール)のことでは無く、Cavour(カブール)に禅譲に近い形で譲り渡した前任の戦艦仏棲姫──に「何故隠していたのか?」と詰め寄る事態になったが、戦艦仏棲姫は「下手に話ていたら、収拾のつかない混乱を招いていたでしょう?」と語り、またこの時に初めて自身が総代の地位をCavour(カブール)に譲り渡していた事実を告げた。無論この事は欧州棲姫も知っていた。

 

 

 “総代”という地位そのものが「力ある者が先頭に立ち皆を導く」という考えによって自然発生的に形成された程度の、言ってしまえばそこまで明確な取り決めによって作られた立場ではなかった為、導くに足り得るだけの能力があると判断されたら、譲り渡すことも出来なくは無かった。

 

 この当時、地中海方面担当の部隊は死した同胞(はらから)の亡き骸が人類によって辱められていた事実に激怒し、人類に対して今すぐにでも絶滅戦争の為の大攻勢を仕掛けかねないほど荒れた。

 

 戦艦仏棲姫自身も怒りを覚えてはいたが、だからといって何の計画も準備も無しに攻勢に出る愚を犯す真似だけは、なんとか理性を働かせて抑え込んだものの、周りの同胞(はらから)を宥め切れずにいた。

 

 寧ろ保護したCavour(カブール)達の方が、直接的な被害者であるにも関わらずまだ理性的ですらあった。

 

 その事もあって自身の至らなさを悟った戦艦仏棲姫は、地中海弩級水姫ことCavour(カブール)に総代の地位を、同胞(はらから)と保護した同胞(はらから)化させられた元艦娘やそうなりかけた艦娘の全員を纏められる者として譲り渡す事を決意した。

 

 

 Cavour(カブール)達はこの時既に人類を完全に見限っており、自分達が生き残るためならば何でもするという状態だった為に、彼女の申し出を受け入れた。

 

 地中海担当の者達も、Cavour(カブール)達に対してかなり同情的であり、今までの蟠りなどは水に流して彼女達を新たな同胞(はらから)として迎え入れる事に前向きとなっており、この決定に大きな反発が出ることは無かった。

 

 なによりCavour(カブール)自身がヨーロッパ第2位の規模を誇ったイタリア海軍艦娘部隊に於いて、ほぼトップと言える立ち位置に君臨していた実績と人望、そしてヨーロッパ圏でも最強格の実力を元々有していたのが、本人にとっては不本意極まり無い事態によって深海棲艦化した結果、地中海に展開するどの姫級よりも強力な力を有する事となり、名実共に地中海方面に於ける最強格の姫級深海棲艦として君臨可能なだけの下地が出来ていたこともあって、反発を生む余地が無かったのが一番の大きな理由となった。

 

 良くも悪くも深海棲艦が実力主義を重んじていた証左でもある。

 

 更には彼女は地中海に展開する、イギリスを除く各国に所属する艦娘達と密かに接触しては巧みに抱き抱え、密かに非武装地帯という名の実質占領地を戦わずして増やして行った。

 

 その手腕に戦艦仏棲姫達も舌を巻いたが、同時に彼女がこちら側に来てくれたことに感謝したという。

 

 閑話休題。

 

 

 兎も角として、配下であった地中海方面そのものが怒り狂って暴走しかけ、一時統制不能状態に陥ったという経緯から、下手に“円卓”のメンバーへと語ったらそれこそ収拾のつかない事態になりかねないと判断し、今の今まで黙っていた。

 

 そして地中海弩級水姫ことCavour(カブール)による地中海に展開するヨーロッパ艦娘のこちら側への寝返り、或いは政治的亡命とそれに伴う地中海の制海権の事実上の掌握という実績の手土産を持って、“円卓”で今回の事を公表し彼女達をこちら側で正式に受け入れることを通達するつもりでいた。

 

 彼女が自らの手でケジメを付けた。それでなんとか手打ちにして幕引きにする。戦艦仏棲姫としても些か強引であるとの自覚はあるが、下手に長引かせてよりややこしくなるかもしれないリスクを鑑み、また他方面からの不満を敢えて独断専行に走った自身に向けさせる事で懲罰対象の尻尾切りを請け負う腹積もりでいた。

 

 

 だが、そこに来てイギリスが、正確には国の主導権を掌握して新王朝を樹立し、事実上の独裁体制を確立したイギリス艦娘が介入して来る事態が起き、そこから色々と修正するハメになって今に至る。

 

 結果として、イギリスとこの事態を嗅ぎつけて大胆不敵にも前大統領と現国防相という重要人物2人を送り込んで来た新ロシア連邦(NRF)という2大国を、味方に近い形で引き込む事が出来た。と戦艦仏棲姫は疲れた顔で語った。

 

 正直、事態が複雑になるのを嫌ったものの、より複雑さを増す結果となって頭を抱えたが、それでも同胞(はらから)達が怒りに呑まれて暴走するよりかはマシだと割り切った。

 

 事実、“円卓”に集まった上位種達は戦艦仏棲姫から以前に聞いていた欧州棲姫と、アンドロメダ経由で知る事となり、その時にブチギレていた飛行場姫以外の全員が激高することとなり、あまりに予想通りな“円卓”メンバーの反応に戦艦仏棲姫は溜息が出そうになった。

 

 

 それは置いておくとして、この時にアンドロメダ姉妹の今後について、一度は仕方ないと賛同した日本行きに難色を示す、若しくは延期すべきではないか?といった考えを示す意見が出てきた。

 

 それが結果として2人の正式な同胞(はらから)、それも上位種待遇としての受け入れと、日本行きの翻意を促す説得をするという意見にまで発展した。 

 

 もし2人が“円卓”の場に“来る”ことが出来たなら、メンバー全員が総出で2人を説得する姿が容易に想像出来るだけの熱量と本気度が垣間見えたと、飛行場姫は2人に語っている。

 

 

 その中で多く見られたのが「先に説明にあった時間断層工廠何某とやらが自力で移動できるというのならば、向こうからマリアナ近海まで迎えにこさせたらどうなんだ?」という意見である。

 

 

 実際に一理ある意見なのだが、そのことは既に飛行場姫だけでなくアンドロメダも疑問に思って時間断層工廠の管理者である工場長に問い質している。

 

 

 結果は可能であるものの、間の悪い事に現在の投錨地としている駿河湾海底に着底した際に開始した動力部と推進機関の大規模メンテナンスがまだ終わっておらず、完了するまで今暫く時間がかかるため身動きが取れないとのこと。

 

 そもそも自走する様な事を全く想定していない多層構造の超巨大建築物という、途轍も無い巨大な質量を無理矢理動かすために、後付で推進システムを無理矢理増築したということもあり、少々デリケートで定期的に、具体的には着底毎に毎回フルメンテナンスしているのだと言う。因みに、そんな推進システムが発揮可能な最大速力は巨大質量物の移動に伴う周辺環境への影響抑制などの外的要因もあって、せいぜい5ノットからどんなに周辺環境に問題を与えない様な場所でも、全力で10ノット未満が関の山とのこと。

 

 また工廠の外で活動する為に造った水中作業艇を改装した回収艇を派遣する事も考えたが、アンドロメダ姉妹だけならまだしも、2人の艤装が工場長が予想していたよりも遥かに巨大だったために積載不能と判断されて断念。現在専用の自走式浮きドックとも言える潜水回収艇を製作中なのだが、深海の水圧に耐えられるだけの耐圧外殻の製造その他諸々の安全対策に時間を要し、その完成にも今暫く時間が必要とのこと。

 

 波動防壁はどうした?と疑問に思われるかもしれないが、それは工場長がアンドロメダを物凄く溺愛しているという心理状況が作用し、万が一の事故で波動防壁が作動不能になる事を極度に恐れ、波動防壁を過信しては駄目という考えを譲らなかったのである。

 

 そのため矢鱈頑丈な耐圧外殻を備えた代物を建造することと、()()なった。

 

 

 ならばその回収艇の完成を待ったらどうだ?との至極真っ当な意見が出て来た。

 

 

 が、ここで予想外な問題が発生していた。

 

 

 アンドロメダ達が定時連絡で建造中の回収艇についての話をしている最中、横で聞いていたUX-02ことベオが胡乱な目付きで工場長が造っている回収艇が如何なるシロモノになるのか?と問い質したところ、工場長は待ってましたと言わんばかりの顔となって自信たっぷりに説明を始めたのだが、まぁ、かなりとんでもないシロモノだった。

 

 

 オートメーション化を徹底し、必要となる乗員は全員ガミラスの機械人形ことガミロイドで賄う。ここまでは良い。

 

 自衛の為と称して工廠の放棄までに運び出し切れずに倉庫に取り残されていたドレッドノート(クラス)で主砲として使用されていた30.5㎝三連装収束圧縮型衝撃波砲塔を主砲として4基、速射魚雷発射管を始めとした各種の魚雷とミサイル発射システムを装備し、艦載機としてコスモシーガルだけでなく誰が使うのか、使い道があるのかも分からない一式空間戦闘攻撃機コスモタイガーⅡまで積み込まれ、アンドロメダとアポロノームが過ごす生活スペースや移動中も仕事が可能な様な執務室を完備し、2人とその付き添いとして付いて来るかもしれない深海棲艦達が退屈せず快適に過ごせる様にとあれもこれもと娯楽などのリラクゼーション施設を詰め込めるだけ詰め込み、更には慣性制御システムによる水平離水、つまり水面を離れて飛行が可能であり、またそれらに必要となるエネルギーを賄う為の動力源は波動エンジンであり、補機としてケルビンインパルスエンジンを4基というものだった。

 

 以上を詰め込んだ結果、その全長はおよそ400メートルとのこと。

 

 

 つまり、『アンドロメダ』(タイプ)に匹敵する巨躯を持った、波動砲をオミットしたプチ『アンドロメダ』クラスの、完全武装の宇宙貨客船か?と言える最早“艇”ではなく立派な“戦闘母艦”の様な、明らかにオーバースペックなトンデモナイシロモノを本気で造っていたのだ。

 

 

 先にも述べたが、工場長はアンドロメダの事を溺愛している。溺愛しているからこそ、全ては愛するアンドロメダの為にという、純粋な善意と好意の気持ちから、とんでもない大暴走をしてしまっていた。

 

 

 で、流石にやり過ぎとして総スカンを食らって建造中止となった。

 

 

 確かに耐圧外殻の問題もあるのだろうが、実はそれだけが時間がかかる原因では無かったからだ。確かに時間断層工廠ならば失われた嘗ての十倍速による特性が無くとも、数ヶ月以内に進水、就役するだろうが、別に今必要としているのは、完成した暁にはそれ単艦ででも世界を取れる様なシロモノではない。

 

 そのため、代艦としてサイズダウンしたものを、時間優先で1からやり直す事となった。

 

 

 これらの情報の内、“円卓”のメンバーには要点として工場長が滅茶苦茶張り切りすぎてとんでもない巨大高性能潜水艦を造ろうとしていた。そのためやり直しを言い渡されたとの掻い摘んだ説明がなされた訳なのだが、それを聞いたメンバーは等しくこう思った。

 

 

「ひょっとしてその工場長とやらは、とんでもないポンコツなのでは?」

 

 

 まぁ実際、アンドロメダが関わると視野狭窄に陥りやすい傾向にあるため、あながち否定は出来ないが。

 

 

 兎も角として、回収艇については色々と割り切った、なんなら1から新造するのではなく、工廠に放置されていた戦時中の損傷艦を修理してコアシップとし、嘗ての『デウスーラ2世』や『ノイ・デウスーラ』の外殻ユニットの様に外側を耐圧外殻で覆ってしまおう。という方向で纏まった。

 

 それでも全長200メートルを超える、水中を航行する船としてみたら世界最大の潜水艦とされる新ロシア連邦(NRF)海軍の原子力潜水艦K-329『ベルゴロド』の184メートルを超える規模になるとのこと。

 

 

 これらの紆余曲折があり、回収艇が完成するよりも人類側の、日露合同水上艦隊がマリアナ沖に到着するのが先になる事は間違いなかった。

 

 そしてそれを率いて来るのが、アンドロメダ姉妹の同郷者であるという土方なる人間である。

 

 

 問題はその土方なる人間に対してアンドロメダ姉妹は絶大な信頼を寄せている事である。

 

 今更難癖をつけて「やっぱり2人は引き渡せません」などと言えば、こちらを信じてやって来た土方に対して恥をかかせるだけでなく、土方を信頼する2人に対する裏切りに等しい仕打ちとなってしまう。

 

 ひいてはそれはこちらとの休戦を望む、実は人間と艦娘、更には同胞(はらから)とのミックスである事が判明し、しかもマリアナに於いて現地住民の人間達への虐殺を行なっていた狂ったニンゲン共を、撤退途中で手出し出来なかった我らの代わりに成敗してくれたという恩義のある、元々は人間であったとしても、今や事実上の我らの大切な同胞(はらから)の1人とも言っても過言では無い真志妻からの切なる願いを無下にし、踏み躙る行為に他ならない。

 

 狂人やら変人などと言われているらしいが、いやいや、その過去や行いを知れば、同胞を第一義に思って行動出来る、とても心根の優しい御仁ではないか。

 

 そんな御仁が悩んだ末に艦娘(同胞)の為を思って平和を求めて来た。その苦悩は計り知ることは出来ないが、相当苦しんだ末に決断を下したということだけは分かる。

 

 

 それを踏み躙るのか?

 

 

 そんな恥知らずな行ないをしては、我らが忌み嫌う厚顔無恥を絵に書いたような腐ったニンゲン共と同じになってしまう。そんな事、それだけは絶対に駄目だ。

 

 

 結果、喧々諤々たる議論の末にこちらから定時連絡要員として上位種を派遣するということで、話を進める事となった。

 

 

 その上位種というのは、双方にとっても面識と馴染みのある駆逐棲姫である事は確定事項であるが、もしかしたら追加で増える可能性も示唆されている。但し誰になるかは現在協議中である。

 

 もし2人と定時連絡要員の上位種になにかあったら、その時点で休戦は即刻破棄。報復措置として戦争再開とするとの条件を突き付ける事となった。

 

 

 

 そして現在に至る。

 

 

 

 護衛艦の座礁事故というアクシデントによって、予定よりも出発が数日遅れることとなったものの、漸く明日未明に損傷した『せとぎり』を除く全艦が出港するという。

 

 その間アンドロメダ達はずっと待ち惚け状態となっていたが、だからと言ってアンドロメダ自身は「まぁどうすることも出来ませんし」と言って、定時連絡のやり取りや仕事をしながら待つこととしていた。

 

 

 そんな中で仲良くなった深海棲艦の皆はなにかと気に掛けてくれるし、これからについて色々と心配してくれている。

 

 その気持ちはよく分かる。内心では自身も不安なのだ。

 

 

 世界の情勢は急激に動き出し、大きく混乱する兆しが見えている。

 

 それに巻き込まれて揉みくちゃにされる事を心配してくれている。実際巻き込まれたら、当事者であってもなにか出来るわけでもなく、その心配は最もだ。

 

 しかしそれ以上に心配な事がある。

 

 

「ありゃぁ、サボタージュだな。間違いない」

 

 

 先日、陽動作戦中に負傷し航行不能となったUX-02(ベオ)を担いで上陸を果たした先生(キリシマ)が、座礁事故の報告を聞いてそう漏らした。

 

 

「見りゃわかるよ。(ふね)への()()()()()()()()()()()()()キレイにぶつけてやがるねぇ。負傷者も出てるみたいだが、()()()()()。始めっからぶつけると決めてたんだ。だから艦娘を間違っても巻き込まない様にと、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。なら考えられることは一つしかないさね。

 

 こりゃ事故に見せかけた出撃に対する抗議活動さね。それと、新ロシア連邦(NRF)艦隊が来て集まっていたクソメディアや群衆の前で、これが今の軍の有り様だ!もういい加減にしてくれ!もう限界だ!って見せつけたかったんだよ。正に声無き抵抗運動さね…」

 

 

 半ば遣る瀬無い顔をしながら紡がれたその言葉。

 

 

 日本軍はもうとっくにこれ以上の戦争を続けられるだけの体力は残されていなかった。

 

 それなのに多くの民衆はそんな軍の悲鳴に耳を塞ぎ見て見ぬふりを続け、戦争の継続を繰り返し声高に主張し、軍の現状に知らぬ存ぜぬを決め込む政府とマスメディアによる虚構の扇動にばかり注目しては耳を傾けることしかしなかった。

 

 その結果がこれだ。

 

 

 政府に対してだけでなく、民衆への不満が軍の中で高まっていたのが、ここに来て遂に表面化してしまった。

 

 民衆と軍の乖離は、最早どうする事も出来無いだろう。

 

 この混乱がどこまで波及するか、正直分からないし、シミュレートする気も湧かない。

 

 

 どこもかしこも混乱。混乱。混乱である。

 

 

 これで不安にならない、心配にならないと言う方が土台無茶な話だ。

 

 

 だが、アンドロメダとしたらなにか出来る事がある訳でなく、土方達を信じるしか無かった。

 

 …一応、ソーシャルメディアに対する情報工作、ハイブリッド戦争が出来るには出来るが、余計に事態を混乱させるリスクもあるため、実行に移す事を躊躇っている。なにより変な事をして土方達の足を引っ張ったら目も当てられない。

 

 

 兎も角、“果報は寝て待て”ではないが、今は我慢してじっと待つしかない。

 

 なんともヤキモキして気持ちがモヤモヤしてしまう。

 

 そんな気持ちを紛らわそうと、アンドロメダは今日も本来ならば片手間で済むような仕事にアポロノームと共に精力的に励み、姉と慕う駆逐棲姫に甘えたり他の深海棲艦との交流に勤しんだ。

 

 それに───

 

 

「だ~か~ら~!そんなんじゃ駄目だって!ある程度の連携を取らなきゃ、相手に逃げられちゃうよ!」

 

 

「そういつも連携が取れるとは限らねぇだろが!必要なら単独遊撃だって必要だ!」

 

 

 潜水新棲姫がUX-02(ベオ)とお互いの戦術に関して激しく議論を交わしていた。

 

 

 初めは粗暴さと口の悪さ、そしてその青い肌の見た目からも分かる、ホンモノの宇宙人であるという事もあって、おっかなびっくりな扱いを受けていたUX-02(ベオ)であったが、宇宙の潜水艦と言える次元潜航艦の彼女に、見た目の幼さ通りと言える物怖じしない性格の潜水新棲姫が興味津々に話し掛けたことから、2人は打ち解けあった。

 

 とは言え数多の部隊を率いて指揮する立場の潜水新棲姫と、その生産数の少なさから単独での作戦行動の割合が多かったUX-02(ベオ)とでは、その意見や考え方に相違が存在していた。

 

 故にお互いにヒートアップする事もあるが、手を出したりと喧嘩になるようなことは無かった。

 

 口は悪くとも、なんだかんだ言って面倒見が良くて根が優しい性格であり、普段のガラの悪さで損をしている。とは、UX-02(ベオ)に対するアンドロメダの率直な感想だった。

 

 

「おっ、やってるねぇ?」

 

 

 そんな中、先日葬儀を執り行い、埋葬されたアポロノームの妖精さん達が眠る墓地への墓参りから、一応の世話役として付けられた飛行場姫直属の戦艦ル級と共に霧島(キリシマ)が戻って来た。

 

 

 ガミラス戦役の影響で、普通の艦娘霧島と比べると草臥れた様な見た目であり、どことなくやさぐれた感じしてUX-02(ベオ)とは違う意味でちょっと近寄り難い雰囲気を醸し出していたが、わりと社交的でそれなりに付き合いのあったアンドロメダをして驚く程に、早い段階ですんなりと深海棲艦達と打ち解けていた。

 

 世話役のル級との仲も悪く無い。

 

 …思えばそれが本来の霧島(キリシマ)だったのだろう。嘗ての地球軍──国連宇宙海軍──は構成各国の宇宙海軍戦力を寄せ集めた軍隊に近く、後の地球連邦防衛軍とは違い、その指揮命令系統は問題を抱え、協調性に欠けていたとも言われている。

 

 そんな中で『霧島(キリシマ)』は沖田十三の指揮の下、艦隊旗艦を務める事もしばしばあった。

 

 この時に培った経験が今活かされているのかもしれない。

 

 

 そしてそんな霧島(キリシマ)から、大切な教え子と言って今も変わらず可愛がっているアンドロメダに、生きていく上でのアドバイスを与えていた。

 

 

「考えたところで、どうしようもない時は必ずと言っていい程あるもんさね。そんな時ゃ、

 

 “なるようにしかならない”

 

 そう思って気楽に構えておくもんさね。そうすりゃ、まぁ、大概のことはどうにかなるもんさ」

 

 

 …そういうものなのだろうか?

 

 

 やや釈然とせず、首を傾げるアンドロメダ(教え子)に、霧島(キリシマ)は微笑みを浮かべると、「肩肘張らずにリラックスしなってことだよ」と答えた。

 

 

 これからが忙しくなるのだ。休めるうちに休む。英気を養う。楽しめる内に存分に楽しんどけ。…ここは本当に長閑でいい所だ。それにここに居る深海棲艦達はみんな気持ちいいくらいに良い奴らばかりで、居心地が良い。引退したら、こっちに引っ越して余生をここで過ごすのも悪くない。私でもそう思えるくらいだ。今だけでも存分にだらけても、バチは当たらんだろ。

 

 

 この先何が起きるのかなんて、カミサマでもなけりゃわからないのだから───。

 

 

 そう諭された事で、アンドロメダはアンドロメダなりの解釈でリラックスしようと努めた。だがアンドロメダは力を抜くというのが“まだ”下手過ぎた。

 

 これには周りも苦笑するしかなかった。

 

 

 

*1
但し、飽く迄も“艦隊”単位であって、一隻一隻という“個艦”単位は流石にキャパシティーオーバーとなる。






 このままマリアナでのんびり(アンドロメダ基準)深海棲艦達と余生(?)を過ごす方が、アンドロメダにとっては良いという事も有り得る。話がまったく進まない長閑な日常になりますが。




補足説明


K-329 ベルゴロド

 潜水巡洋艦949A型潜水艦(Подводные лодки проекта 949А)、NATOコード『オスカーⅡ型』巡航ミサイル原子力潜水艦(SSGN、 SSは"Submersible Ship"潜水艦、Gは"Guided missile"誘導ミサイルを、Nは"Nuclear powered"核動力を意味している。)として建造が開始されるも、途中で中断していたK-329『Белгород(ベルゴロド)』を「世界中の海洋に展開しての研究を目的とする」特殊用途原子力潜水艦の名目で工事再開。

 しかし本艦の最大の特徴とされているのは、ロシア軍新型戦略兵器『Посейдон(ポセイドン)』の運用母艦たる09852型としての役割にある。

 また184メートルの全長を持ち、これは今まで最長だった941 『アクーラ』設計戦略任務重ミサイル潜水巡洋艦(Тяжёлые раке́тные подво́дные крейсера́ стратеги́ческого назначе́ния прое́кта 941 «Аку́ла»)、所謂『タイフーン』級戦略ミサイル原潜の175メートルを凌駕して世界最長の潜水艦となった。

 なお、原型の949A型は155メートルであり、後継艦となる885型『Ясень(ヤーセン)』の139メートルよりも大きい。
 これは949型がそれ以前の艦よりも居住性を改善し、長期間の作戦行動を維持するため、スポーツ・ルームの設置など乗員の運動や娯楽への配慮がなされている為である。また熱帯地域での活動を想定し、空調機能も増強された。


 実は初期案の中に、本艦がアンドロメダを秘密裏に輸送するためにミロスラヴァ国防相の指示を受けた太平洋艦隊司令Гангут(ガングート)の命令により、マリアナまで向かうという案がありました。なにせ本艦、リアルで太平洋艦隊所属みたいですので。

 本編で太平洋艦隊所属の戦略原潜を含む潜水艦隊が動いた、それも米原潜に意図的に発見させたのは、アメリカや日本政府による介入を防止するという目的と、本艦の行動を掴ませない為の陽動作戦が真の狙いだったという構想の名残でした。

 ただ運搬にはドライデッキ・シェルターでもなければ難しく、それをどうするのか?などの問題にぶち当たり、妙案が浮かばず『ベルゴロド』を派遣する案はお蔵入りし、代わりに時間断層工廠にて新たな回収艇の建造となりましたが、本編をご覧になられました通り、大暴走致しました。

───────



 日本航空自衛隊で期待の新星、ネットの一部では露中戦闘機など歯牙にもかけない鎧袖一触な最強無比、無敵の最新鋭戦闘機と持て囃されているステルス戦闘機F-35が、米下院軍事委員会にて、同委員会の共和党マッド・ゲイツ議員がオースティン国防長官へと行なった質問の中で、米空軍に配備されているF-35の稼働率が3割を下回る29%であるとの指摘がなされました。

 この数字はアメリカの公的な統計局によるれっきとした調査に基づく数字であり、オースティン国防長官もこの数字が嘘偽りやプロパガンダの類いではないと認めました。と言うかゲイツ議員に問い詰められた事で認めました。

 武器や兵器ってのは持ってて嬉しいコレクションじゃない。いざって時に備えて動かなければ意味が無い。
 そして有事に際してその能力を十全に引き出す為に、日々の訓練の積み重ねが重要となってくる。その訓練すらマトモに出来無いのではお話にならない。それは兵器ではなく高価なだけのガラクタだ。

 はっきり言ってカタログスペックだけ見てキャイキャイ喜んでいる連中は見ているだけで虫唾が走る。そのカタログスペックを維持するのにどれだけの予算と労力が必要なのか?それらに見合った対価が果たして得られているのか?

 兵器や武器は高性能であれば良いなどというシロモノではない。武人の蛮用に耐えられる様な代物でなくては、いざという時に泣きを見るのは誰か?

 今一度そのことを落ち着いて考えるべきではないだろうか?

 こんなすごい武器が有るんだ!この武器は高性能なんだ!だけでは戦争に勝てない。武器というのは勝つ為の要素の一つに過ぎない。そのことを履き違えてはならない。

 明確な戦略と戦術、それを成し得るだけの実力を行使出来るかによって勝利は成り立つ。どちらかが欠けてもいけない。

 そしてこの点に於いて、ウクライナは既に大失敗を演じている。
 ハリコフ方面でのロシア軍の攻勢に対するウクライナ軍の逆撃は、ロシア軍の構築したキルゾーンに誘い込まれて次々と兵員を溶かされている。

 ロシア領内への巡航ミサイル攻撃、これによって如何に勝利するというグランドデザインなのか?第二次大戦に於いてV1、V2によるイギリス攻撃が、ドイツに勝利をもたらしたか?湾岸戦争でのスカッドミサイル改造のアル・フセインによるイスラエル国内への攻撃が、イラクの優位に働いたか?
 無論、政治的意図や有利な条件を引き出す為の駆け引き要素という側面もあるだろう。アル・フセインの使用はイスラエルの暴発を誘発し、米国主導の中東の結束に楔を打ち込む目的があった。確かにイスラエルのやられたらやり返すという戦略からしたら、有り得た可能性だった。しかしこれは米国の説得によりイスラエルが自重したことでご破産となった。

 現在、ロシアはお返しと言わんばかりにキューバに超音速ミサイル『ツィルコン』を搭載したフリゲート艦、『Адмирал(アドミラル) Горшко́в(ゴルシコフ)』及び巡航ミサイル『カリブル』を搭載した潜水艦『Казань(カザン)』が遠洋航海目的ではあるが寄港した。この艦隊には補給艦も帯同している。

 日本メディアがどう伝えているか、正直西側の孫引き報道だらけで見ていてもつまらないから知らないのですが、おそらく報道して無いでしょう。


 第二のキューバ危機が今実際に起きている事実を。


 今まで安全な所から金儲けに勤しんでいたが、その喉元に短剣が突き付けられた。

 そもそもウクライナのロシア領内に対する巡航ミサイルも、NATO加盟問題も、言ってしまえばロシア版キューバ危機が根底にあった。

 事態はどんどんとエスカレーションしている真っ只中。世界は、どうなるのだろうか?スイスでの茶番は、本当に莫迦げた茶番だった。

 これ以上のエスカレーションが起きないことを、祈るしかない。



 それではこれにて失礼致します。励みや参考になりますので、お気が向きましたらお気軽に感想をよろしくお願いいたします。
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