艦隊これくしょん 総旗艦アンドロメダ、二度目の航海もまた数奇なり   作:稲村 リィンFC会員・No.931506

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 混迷


 あけましておめでとうございます。今年もボチボチと進めていきます。

 
 年末は『Лучшие в аду』(『Best in Hell』)という2022年にロシアで初公開された映画に衝撃を受けていました。

 制作にはロシアのPMCグールプ『ワグネル』とグループのトップだったプリゴジン氏も関わっており、現代の“戦争”を、とある建物を争奪する“戦闘”の部分を切り取った飾り気のない内容ですが、それ故にアメリカや、ましてや日本では描けない様な内容の、淡々とした“戦闘”のみを切り取った、そして一方的なプロパガンダ要素が薄い(まったくのゼロとは言わない)“人と人が戦う戦場”を物語として飾らない内容に言葉を失いました。(語呂力が欲しい…)

 台詞はロシア語、字幕は英語のみですが、その空気感はヒシヒシと伝わってくるものでした。

 


第78話 Confusion

 

 

 

 

「そういや、明日辺りだっけ?日本からの使節がくるの?」

 

 

 ふと思い出したかのような口調で南方棲戦姫がアポロノームに尋ねる。

 

 

 ヨーロッパでの暴露会見が行なわれ、大混乱となる状況下で日本から日露の合同艦隊がひっそりと出港していた。

 

 最短だと1週間も掛からない行程だが、一応は作戦行動ということで対潜警戒の韜晦航路をとりながら、比較的ゆっくりとしたペースで航行していた。

 

 これはヨーロッパの情勢がどの様な動きを見せるかを見極める目的もあるが、矢張り一度も合同訓練の経験が無い国同士の艦隊行動ということもあり、その動きが慎重になっているのと、裏では既に深海棲艦とは事実上の停戦合意状態であるが、それを知っているのはまだほんの一握りの将官に限られていることもあって、今後を見据えて実戦さながらの緊張感の中で実戦形式の合同訓練も同時に行うとの狙いもあった。

 

 

「予定だとここの哨戒線外縁部に到達するのが明日だな」

 

 

 合同艦隊の動き自体は早期警戒の潜水艦隊が常に捕捉している。

 

 事前の取り決めで手出しこそしていないが、何もアクションを起こさないのは不自然として合同艦隊の索敵圏ギリギリを航行してプレッシャーを与えては後退するを繰り返し、時には少数の空母艦載機に対空警戒圏内を飛行させたりと、緊張を程良く持続させるための行動に出ていた。

 

 

 だがそれによる時間稼ぎも、目的地であるマリアナ諸島の近海まで一度たりとも戦闘そのものが発生していない事実に、艦隊内部では流石に何か可怪しいと思う者も出て来だしたため、そろそろ艦隊総員に対して作戦指揮官として乗艦している土方司令がネタばらしを行う事となっている。

 

 

 そして、それに先立ち日本でも真志妻大将が普段なら海軍の公式SNSアカウントだけで出している声明を、今回ばかりはメディア報道も交えて艦隊派遣の真の目的を、幾つかの事実は隠蔽したり改竄はするが日本時間正午過ぎに会見で語る手筈となっていた。

 

 

「あのタイショーさんが何を話すかは知らないけど、ホントに大丈夫なの?」

 

 

 南方棲戦姫は少し酔いの回った仄かに赤みを帯びた顔を怪訝そうに歪める。

 

 

 彼女自身、興味本位というのもあったが何度か真志妻大将と通信で言葉を交わした事があるが、正直に言って何とも言えない“危うさ”の様な物を感じ、アンドロメダ姉妹や2人にとって叔母に近く、また師と教え子の様な関係であり、特使として先に来訪している霧島(キリシマ)、そしてその3人が信を置く土方司令と比べるとイマイチ信用しても良いのか判断に迷うところがあった。

 

 

 艦娘をとても愛して大切に思う。それは別にいい。彼女と艦娘の間柄は殆ど同族と言っても過言では無いし、同族を愛する事に好感と共感も出来る。問題はそれ以外の事柄に関して些か興味が薄いというか、艦娘にとって益になればそれで良いという思考に凝り固まって、周りが見えていないのではないか?…あまりヒトのこと言えないかもしれないが。

 

 また今回の事に少し急ぎ過ぎている感が拭えず、どこまで根回しが出来ているのかが不安なのだ。

 

 聞けば、艦娘を率いる立場に居る者達の多くは真志妻大将を支持しているというが、それは全員が全員彼女のやり方や考えに対して100%賛同し、支持しているという訳では無い。どうしても個々人で支持の程度に温度差というものがあるし、別の思惑がある者だっているだろう。

 

 

 派閥というものは決して一枚岩ではない。だが派閥による多数派心理というのも無視出来ないし、それが安定的な方針決定の迅速さにも繋がる。

 

 少数派閥では行動が制限されやすい。真志妻大将が今まで好き勝手出来たのも彼女の強引さもあるが、同時に海軍内部での支持派が()()()()多数派派閥を形成していたからだ。

 

 ただ“事実上の”という言葉が示す通り、明確な派閥ではないことから横の繋がりによる連帯感が強固であるとは言い難い。

 

 

 彼女の言動如何によっては容易に派閥の分裂に繋がるヒビを入れかねない。

 

 

 ただ当の本人が派閥の維持に無関心で、ただただ突っ走っている彼女が孤立しない様に土方が緩やかながらも手綱を握って支えている事で、なんとか繋がっている。

 

 

 そう南方棲戦姫は見ていた。

 

 

「ま、今更こっちでどうこう出来るモンじゃねぇさ」

 

 

 それに対してアポロノームは肩を竦めるのみ。なるようにしかならない。向こうが望んだり何らかの回避困難な危急の事態、或いはそれに匹敵する緊急事態が自分達若しくは親交のある誰かに差し迫っているならまだしも、下手に介入して“また”混乱を助長することは流石にもう避けたい。

 

 だからアンドロメダ()共々静観を決め込んでいる。

 

 

「勝ち筋が見えねぇ先の無い戦争に拘泥しないのは、俺としちゃぁ評価に値するがね」

 

 

 少なくともアポロノームは南方棲戦姫(酒飲み友達)の言っている真志妻大将の危うさに理解を示しているが、同時にある程度の信頼を寄せていた。

 

 まだ負けと決まった訳で無いからと、終わりの見えない戦争をズルズルと続けるよりかは、終わらせられる切っ掛けとタイミングがあればスパッとそこで手打ちにし、悪戯に損害と負債を拡大させないという、所謂“損切り”の決断が出来るのは得難い素質だとアポロノームは考えていた。

 

 

 よく“軍事は政治に従属する”、“戦争は政治の延長線”という言葉があるが、一つ見落としてはならない問題がある。

 

 それは“()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()”という点だ。

 

 

 逆もまた然りで、お互いがお互いの不足部分を補完し合って双方の暴走を抑制し合うのが理想と言えるのだが、ことシビリアンコントロール──文民統制──を重視する現代の軍事に於いては文民へのパワーバランスの偏りからその抑制効果が期待出来ない。

 

 国民の支持という、プロパガンダ次第で如何様にでも出来てしまう意図的に形成された世論の錦の御旗を振り翳し、予算と人事権という最強のカードを行使すれば、余程の度胸があるか偏屈者な軍人でもなければそう簡単に政治の指図に抵抗しようとはしない。下手をすると自身の経歴に傷がつき出世の道が絶たれるか、それまでに積み上げて来た経歴を棒に振って閑職に追いやられ、退官後や老後の身の振り方を悪くするというリスクから保身に走って口を閉ざし、太鼓持ちの意見しか言わなくなる。

 

 そうなったら政治は作戦の事細かな事にまで「政治的なウンタラカンタラ」を決まり文句にとことん口出しして介入し、本来ならば単純明快な事が尊ばれる作戦が無闇矢鱈と複雑化する。

 

 

 確かに戦争は政治的な目的を達成するための手段であり、政治が作戦に介入するのは仕方の無い一面があるが、先にも述べた通り政治が軍事を理解しているとは限らない。理解していないからこそ、政治からの軍への要望で度を超えた無理難題を平気で吹っ掛けて来る。

 

 本来ならばその時点で軍は「無理なものは無理。無茶を言わないでくれ」と政治を諌める必要があるのだが、太鼓持ちにはそれが出来ないしやらない。故に歯止めをかける者がいないから要望が際限無く何処迄も肥大化する。 

 

 結果、政治は本来の目的を見失って迷走し、軍は自身の持つ能力の限界を超えた、実現不可能な大言壮語をぶち上げた政治の方針決定をなんとか実現させようとして国力と多くの国民を道連れにして自滅する。つまり惨めな敗戦である。

 

 

 今の日本はその手前でなんとか踏みとどまっている状態である。

 

 

 そもそも論として、この戦争の勝利とは何なのか?

 

 

 分からないのだ。

 

 

 クラウゼヴィッツは敵を破るには“重心”を攻撃し打ち砕く必要があると著書の『戦争論』で述べている。

 

 重心とは力学に於ける物体の質量が最も多く集まる所、つまり“力”の中心点である。よってこの重心を無力化すれば、その物体のバランスを崩壊させることが出来る。

 

 重心は場合によって異なる。

 

 軍隊ならばトップに立つ指揮官や主力部隊が該当し、強力な軍隊を強みとする国家の場合だと重心はその軍隊となる。

 

 政治が不安定な国家の場合だと首都を制圧することで敵国を無力化出来る。

 

 ゲリラやテロリストだとその指導者を攻撃して亡き者とすることで、組織の結束を崩すことが出来る。

 

 

 では深海棲艦の重心とは?

 

 

 重要拠点はあっても首都は存在しないし、明確な最高指導者も存在しない。その方針決定の方法は基本的に各方面を担当する姫級の代表、方面総代と議題の内容に応じたオブザーバーの姫級が参集する会合、通称“円卓”と呼ばれるコスモウェーブを介した特殊空間での話し合いによる合議制によって採択される。

 

 戦闘で方面総代の立場にある姫級を討ち取ったとしても、すぐさま次席の姫級が指揮権を引き継ぐ。それだけの人数も居るし、そもそも姫級自体がそう簡単に討ち取れるほどヤワな存在ではない。

 

 因みにアンドロメダが仕事を任せられ、その能力の高さを鑑みて役職を割り振られる事となったのだが、その際に“円卓”は全会一致でアンドロメダを正式に完全な仲間である同胞(はらから)として迎え入れることを決議し、同時に事実上の上位種である姫級相当の存在として扱う事が決定され、全ての方面への通達が成された。

 

 これにより役職としての指示は上位種による正式な命令であるとの効力が発揮される。

 

 同時に指揮継承権に関しても、序列最下位で尚且つ今まで何処の方面にも所属することなく、指揮継承権を有さない代わりにフリーな行動が許される立場の姫級だった駆逐棲姫が後見人になるとの条件はあるが、一応有することとなった。そのためもしもの時はアンドロメダがサイパン(ここ)の最高責任者になる可能性もあったりする。*1

 

 …敵対者にとって明らかに絶望的な存在が最後に待ち構えてしまっていることになってしまうが、そこまで追い込む事が出来るのなら現在の戦況はもう少し人類側に有利なものとなっていたことだろう。

 

 

 ならばその膨大な兵力かというと、そうかも知れないが陸地で定住する個体の割合が増えている近年とはいえ、大多数は主要航路帯を中心とした広大な海洋に広く分布してしまっている彼女達を余すこと無く一気に葬り去る、或いは再起不能なレベルまで徹底的に叩くことは、最早物理的に不可能だ。しかも陸地の定住も交易の拡大で徐々に内陸部へと浸透しつつあるため、核の炎でこの地球そのものを完全に焼き払わない限りは。

 

 

 また深海棲艦の領域内にある耕作地帯などの生産拠点も、一部の地域を除いて慢性的な食料不足という現状から、この地を無傷で押さえたいとの各国の政治的な思惑やら駆け引きによる牽制やらが介在して下手に手出し出来なくなっていた。

 

 同様にパナマやスエズなど、一部の拠点は海上交通の要所といった戦略的重要地であるが故に、政治的問題だけでなく経済や利権などといったあまりにも複雑な問題が絡み合って手出しが難しかった。

 

 

 反転攻勢が完全に頓挫した段階で再び攻勢から防御に方針を切り替え、押し寄せる深海棲艦を片っ端から延々と叩いた。それも結局埒が明かないまま現在まで来てしまった。

 

 その結果、主要交戦各国はその殆どが疲弊し、遂に艦娘との深刻な軋轢による分断、一部では衝突まで起きてしまった。

 

 現状、主要国家レベルで艦娘と良好な関係を維持出来ているのは日本と新ロシア連邦(NRF)くらいのものだが、前者は真志妻亜麻美海軍大将という個人の存在に完全依存しており、後者は保有する艦娘戦力が国土に比して少なかった上に、世代的に古いタイプに類する艦娘が戦力の中核を占めていたことから、損失を出しての戦力の低下を嫌って可能な限り消耗を抑える努力と、海軍の抱える人材不足の問題を補う目的もあって諸外国よりも軍隊内での社会的地位が高く、艦娘として戦えなくなっても他の方面で立身出世や社会進出が可能といった独自の制度を採用していた事が功を奏する結果となった。

 

 それでも日本は国力の衰退から、新ロシア連邦(NRF)は欧米や日本の様な外洋での作戦行動が可能とは到底言い難い戦力だったことからも、人類の総合的な軍事力は大きく後退してその戦力差は最早絶望的な開きとなっていた。

 

 

 人類は、()うに詰んでいるのだ。

 

 

 それでもまだ諦めないのか?

 

 

 いや、既に思考停止して現状バイアスでしか物事を決められなくなってしまっているのだろう。

 

 

 そんな中で思考を回転させ、現状認識と現状分析を怠らずに客観的な視点も持ち合わせて固定観念に縛られず、この戦争を見詰めた末、停戦が可能であると判断した真志妻大将の柔軟な思考にアポロノームは好感を持っていた。

 

 もしかしたら土方司令の影響なり入れ知恵なりあるのかもしれないが、それを受け入れるだけの度量がある事を示している。

 

 

 彼女が部隊のトップとして君臨していたのはある意味で幸運であり、奇跡だったと思っている。

 

 良くも悪くも強引に引っ張っていける彼女だったからこそ、首都が壊滅し崩壊寸前だった日本の国防体制が持ち直し、国家としてなんとか延命出来ている功労者であると言える。

 

 仮令それが艦娘のために行なった行動の末の副次効果によるものだったとしても、結果として国家存続に繋がっているのならば功績として評価が可能となる。

 

 

「結構ベタ褒めね」

 

 

 アポロノームによる真志妻評を聞いた南方棲戦姫はツマミを口に放り込みなからそう漏らす。

 

 

「評価すべき所は評価すべきってな」

 

 

 そう言って一口ビールを飲み、口についた泡を拭うと真剣な目付きで南方棲戦姫を見遣る。

 

 

「だが欠点もある。

 

 あの大将が掲げる艦娘至上主義ってのは謂わば艦娘の利益を最優先とする、一種の既得権益による利権構造に近い。

 

 一歩間違うと利権を守る為ならば簡単に国を崩壊させる要因にもなる」

 

 

 今のところは日本を国家として存続させた方がまだ利益があるとの判断をしている様だが、利益よりも不利益の割合が増えて尚且つ日本の代わりがあるのなら、別に日本に拘る必然性が無いとして鞍替えをする事も充分に有り得た。

 

 例えば新ロシア連邦(NRF)政府と軍が「良いよ~。ウチにおいで~」とかなんとか言えば、その瞬間に日本政府へ三行半を懇切丁寧に放り付けて海軍に所属する全ての艦娘と共に亡命すると言い出す可能性だって、無いとは言い切れない。

 

 

 新ロシア連邦(NRF)としても世界有数の艦娘戦力が纏まって自国に転がり込むというのなら、真志妻大将を含めてかなりの好待遇を以って迎え入れると約束するだろう。なんなら極東連邦管区のどこかの丁度良い沿岸部の土地を見繕って新たな自治管区として制定し、そこを提供すると言うかもしれない。それによって極東の経済発展に寄与する可能性だって見込めるのだから、安い出費だろう。

 

 今までだと深海棲艦に対する縦深的防衛線の重要な外郭防衛線の一角として、日本に有力な戦力が存在する方が都合が良かったという国防上の都合と、極東及び西太平洋に於ける軍事的パワーバランスの変動に伴う政治的な問題という大きな障壁があり、()()()()おいそれと出来ない勧誘だった。

 

 だがそれも昨今の急激な情勢の変化によって不可能ではなくなりつつあった。

 

 

 ヨーロッパでの英国と深海棲艦の停戦合意と国交樹立。これが齎した影響は計り知れない。

 

 

 今は衝撃が強すぎて混乱し、気付いている者は少ないだろうが、この停戦合意と国交樹立は今まで話し合いの余地が無いとされていた深海棲艦に対し、話し合いによって戦争が終わる可能性を示したのだ。

 

 そしてその窓口として英国は外交面で一歩、いや大きくリードしたと言える。

 

 

 疲弊した各国の要人の中にはこの戦争をどんな形であれ、もう終わらせたいと考える勢力は少なからず存在する。

 

 今すぐとは行かなくともいずれ何らかのアクションに出る事となるだろう。

 

 その際の口利き、仲介者となるのが英国であり、現在の英国王室が主導的立場となるのは先ず間違いない。

 

 

 事実イタリアの新政権はCavour(カブール)との和平交渉の呼び掛けに際して、外交ルートと軍のルートを通じて英国女王Queen(クイーン) Elizabeth(エリザベス)に仲介を依頼していた。

 

 

 EUの統制が崩壊しつつある現状、イタリアに続く国が出て来れば、少なくともヨーロッパの情勢は一気に戦争終結に向けて動き出す。

 

 

 そうなれば英国の国際的地位は嘗ての大英帝国時代程とはならなくとも、落ちぶれた超大国の残骸(斜陽の米国)を尻目に再び世界にその存在感を示す事となる。

 

 

 これからは各国が独自路線を模索し、独自の力で歩む時代となる。その上で何かしらの“強味”がある国ほど有利な立場を築ける。

 

 深海棲艦との外交窓口は、この上ない最高の“強味”となるだろう。

 

 さらにこれによってQ.E自身の英国での立場と権力はより盤石なものとなったことだろう。彼女を害すればそれは即ち彼女が持つ深海棲艦との外交チャンネルを永遠に失う事に繋がるのだから。

 

 Q.E(友人)を害した者達の話を聞いてやるほどCavour(カブール)はお人好しではないだろうし、寧ろ人間への憎悪をより一層深めて戦争再開に、今後こそ情け容赦のない全面戦争に動き出す程度の、取り返しがつかなくなるだけだ。

 

 

 Q.Eは笑いが止まらないだろう。絶対権力を手に入れ、それを不動のものとする強力なファクターも手に入ったのだから。

 

 今後彼女に敵対乃至反発する者は「平和を望まぬ戦争継続派」との誹りを受けるリスクを背負うこととなる。

 

 

 

 高貴そうな見た目に反して、あの女王サンはかなり腹が黒そうだとアポロノームは思っている。

 

 

 当の本人が聞いたら渋面を作るだろうが。

 

 

 何故ならばイタリアの件はデュゴミエ提督暗殺に英国が関わっていた事に対する謝罪と、Q.E陛下とCavour(カブール)の個人的な誼もあったためすんなりと話が纏まったのだが、これらを仕組んだのは彼女の外交政策ブレーンであり、後に外交政策を取り仕切る立場を表わす“外務卿”となる準弩級戦艦艦娘Load(ロード) Nelson(ネルソン)の仕業で、外交窓口としてのグランドデザインを描いた張本人なのだから。

 

 

 ヨーロッパの混乱が拡大しつつある中で、英国は今まで国民に秘匿されていた王朝の交代劇も知れ渡り、国内が大きく荒れる事が予想されたが、国の外と内の両方を同時に対処するだけの余裕が無かったために、一歩間違うとCavour(カブール)による復讐の矛先が英国に向きかけていたこと、それに政府と軍が原因として深く関わって事実を喧伝して国民の政府に対する信用を失墜させ、翻ってCavour(カブール)による深海棲艦の大軍勢を引き連れた報復の大侵攻を新国王陛下として即位したばかりのQ.E女王陛下が未然に防ぐだけでなく、和解からの国交樹立まで持って行ったという、分かりやすい功績の“美談”と共に、先の深海棲艦との交渉窓口として機能している“実績”を示すことで、国民の支持を得て新王朝の地盤を固めるのが狙いだった。

 

 

 だがそれによってただでさえ多忙なQ.E陛下はさらに多忙となりつつあった。非公式ながら各国要人からの取り次ぎ伺いの接触が増え、その対応にてんやわんやになっていた。

 

 独裁者は何でも好き勝手出来そうなイメージがある。間違いではないが、各方面の色々な決裁やら何やら、折衝やらとホント色んなことをこなさなければならないものだから、程度の差はあるが24時間働けますか?どころでないくらいに物凄く忙しいのだ。下手に怠けると途端に国が傾く。

 

 有能な腹心やら官吏がいれば多少は楽だが、最終的な責任の所在は自身にあるし、明確な方向性やビジョンがなければ、つまり天下国家を語れなければ官吏が暴走し国家の行末が迷走する。

 

 民主国家も基本は同じだが、民主国家は主権者である民衆に責任の所在がある。…些か抽象的になるきらいがあったりして、責任の有無が有耶無耶になったりするが。

 

 まぁ制度的な問題からどちらの治世が良いか?という問題は兎も角として、共通して言えるのは責任感を持ち、明確な天下国家のビジョンが有って、それに賛同する同志がいれば何とかなったりする。なっちゃったりするものだ。

 

 

 ただQ.E陛下の新王朝はまだ産まれたての赤ん坊みたいなものだから、同志と呼べるだけの信頼出来る人手がとても足りない。任せられる人手が致命的に足りない。

 

 

 そういう訳だからQ.E陛下自身の御公務は人間換算だと最早殺人レベルなのだ。

 

 

 それなのに仕事ばかり増える増える。めっちゃ増える。それでもQ.E陛下の性格からか手を抜かず頑張っちゃう。

 

 兎に角国を維持す安定させることが最優先事項で、とてもじゃないが天下国家を語れる段階では無い。まだそれが出来るレベルに達していないとQ.E陛下は考えていた。

 

 と言うか、そもそもの問題として、Q.E陛下自身元々が急な即位ということもあって天下国家の明確なヴィジョンが定まっていなかった。

 

 

 これは選挙でも見られるが、政権を奪取した後の長期戦略を考えていなかった場合に陥る現象である。

 

 Q.E陛下の場合は元々前国王陛下の血縁者によって同胞の艦娘が性的暴行を受けていたことに対する王家への抗議と、危害を受けた者達全員への正式な賠償と謝罪を要求することが本来の目的であり、政権奪取などこれっぽっちも考えてなかったというのもあった。

 

 ただあまりにも政府も官吏もやってる事が行き当たりばったりで、各々の利益ばかり追求する姿勢にこれでは頼るに頼れないものだから、今まで仕えてきたのがこんな連中ばかりだった実情に「巫山戯るなでありますですわぁ!」と内心で罵詈雑言を並べ立てて憤慨してから、もう自分がどうにかするしかないとの思いに至った。

 

 これが信頼出来る人手が足りない理由であったし、日本の支援を目的とした東洋艦隊旗艦として、そして場合によっては自身の秘密の特使として赴任させた最愛の妹Warspite(ウォースパイト)に、その役割を中断させてでも新ロシア連邦(NRF)へと留学する様にと指示を出した背景でもあった。

 

 

 それはL.Nも同様で、出来る限り人間達に頼らず自分が出来ることで主君であるQ.E(彼女)を助けたいとの思いに突き動かされていた。

 

 

 両者共に良かれと思って、何かをしなければ。どうにかしなければ。その思いで突っ走った。

 

 故にQ.EもL.Nの行動に対して問い質すことはしなかったし、L.Nがやろうとしていることは自身も頭の片隅で考えていた事と方向性は似通っていたため、良きにはからえとだけ伝えるにとどめた。

 

 ただ本音としてはもう少しジックリと時間を掛け、足場と共に周囲の人事を固めてから進めたかったという思いもあり、急激な昨今の情勢に流される形であれよあれよとなし崩し的に動いてしまっている事に、下手をすると今後も情勢に流されて行き当たりばったりに終始するのではないか?との暗鬱となる未来予測に頭を悩ませていた。

 

 

 

 しかしそんな苦悩はアポロノームの預かり知らぬことだし、言葉を交わした事も無ければ面識も無い。あるのは彼女が関わっている、或いは関わっているであろう事とその結果という、彼女の内面を深掘りするには些か心許ない情報ばかりだ。

 

 

 だから判明している情報が語る内容まででしか、その人物像を推し量ることが出来ない。

 

 とは言え、今必要なのはQ.E陛下の為人、人物像ではない。

 

 Q.E陛下を中心とした英国が今後発揮する影響力についてだ。

 

 

 今後英国はQ.E陛下主導のもとに深海棲艦との貴重な交渉窓口になるのは先にも述べた通りだが、大きな問題もある。

 

 それは交渉相手となるのが人間に対して強い拒絶反応を示しているCavour(カブール)という点である。

 

 

 確かに彼女はQ.E陛下との交渉の末に矛を収め、今度はイタリアとの和平交渉に応じるか応じないかの段階だが、深海棲艦内部での漏れ伝わってくる情報だと、交渉に応じる意欲を示しているとのこと。

 

 しかしそれらは面識のある間柄だったからこそ、会って話をしても良いと判断したに過ぎないとも思えるものだ。特にイタリア側は今は亡き最愛の人と最も親しかった親族が国家運営に関わっているが故に、無碍には出来なかったというのもあった。

 

 だがそれ以外に関しては()()()()()()な塩対応になる可能性が有り得た。

 

 

 元々彼女はその身に降り掛かった仕打ちに対する憎悪から、艦娘と深海棲艦という今までの蟠りをかなぐり捨ててでも人間共に対して復讐を果たしたいと決意し、蜂起したという経緯があった。

 

 

 ヨーロッパ各国で艦娘が一斉に蜂起した裏には、彼女によって裏工作が仕掛けられていたことがヨーロッパ担当の深海棲艦から明かされた。

 

 ヨーロッパ地中海担当の深海棲艦がよくバカンスを満喫していた。確かにそれは一面として事実なのだが、Cavour(カブール)と同様な被害にあって深海棲艦化させられた元艦娘、或いは深海棲艦化させられる前に脱出出来た艦娘達と自分達を受け入れてくれた地元(?)の深海棲艦達との元からあった蟠りを解消する目的の交流もあった。

 

 同時にその裏では被害者の艦娘達が元の所属国海軍の艦娘と密かに接触、人間達への憎悪を焚き付け蜂起を促すための裏工作を行う上でのカモフラージュとしての一面もあった。

 

 これは隣接するヨーロッパ大西洋担当の深海棲艦達を巻き込む事は避けたかったという思惑があった。深海棲艦も戦死した亡き骸を使われていたという、Cavour(カブール)達とある意味で同様な被害者であると言えなくもなく、対応を間違うと収拾がつかなくなる事を恐れたのだ。一応欧州棲姫などの首脳陣にだけには話を通したが。その時が欧州棲姫と地中海弩級水姫ことCavour(カブール)との初顔合わせでもあった。

 

 

 憎悪に身を焦がしながらも、その衝動の赴くままに暴れるのではなく、面倒だけど地道で時間が掛かる事を耐える根気強さのいる工作活動を成し遂げるという、ある種の冷静さと忍耐強さを垣間見る事ができるが、それでもその根気強さの裏には一切振れることのない強い憎しみが心の内に健在である事を示している。

 

 感情というものは時間と共に何らかの振れを起こすものだ。沈静化による萎えも有り得るものなのだ。しかしそれが一切見られること無く面倒な工作をやり遂げて艦娘の蜂起を引き起こす事を成し遂げた。そして蜂起の混乱に乗じてそのまま一気に配下の深海棲艦の軍勢と共に攻め込む算段だったのだろう。

 

 本来ならばQ.E陛下を始めとした英国艦娘と接触したのも、一斉蜂起に引き込みたかったとの思惑があったのが、当時外部には完全に秘匿されていたQ.E陛下が新王朝を樹立し即位していた事実と、接触の際に和平交渉の意思を示したことで大きく計画を変更。現在に至るが未だその胸の内には憎悪の火がチラついているだろう。

 

 

 切っ掛けさえ有ればいつでも再燃する。今はQ.E陛下の顔を立てて大人しくしてはいるが、今後の情勢の変化によっては分からない不安定さがあるし、何よりヨーロッパ各国も大なり小なり何らかの形でCavour(カブール)の憎悪の原因に関わっており、苛烈な要求を突き付けてくる可能性が充分に有り得た。

 

 

 その事が目下最大のネックとなっている。故にL.Nは欧州棲姫との接触も試みているのだが、欧州棲姫の反応も芳しくはないのが実状だ。彼女自身もCavour(カブール)が受けた仕打ちを知っているし、何より亡き骸とはいえ同胞(はらから)が素材として利用されていたという事実が、彼女の態度を厳しいものにさせていた。

 

 同族愛が強い深海棲艦の中でも上位種であり統率個体でもある姫級は特に顕著である。それに、亡き骸とされているが、まだ息のあった同胞(はらから)も切り刻まれたのではないか?との疑念を持っていた。

 

 これに関しては脱走に際しての破壊活動、発覚を恐れての隠滅目的の破壊などから、既に証拠の散逸や関係者の死亡に消息不明などで、事実の解明が困難な状態となってしまっている。

 

 この事も欧州棲姫の態度を不機嫌なものとしてしまっていた。

 

 

 これに関しては根気よく交渉を続けるしかないとL.Nも始めから覚悟していた。

 

 

 ただヨーロッパの現状からして、あまり時間を掛け過ぎると崩壊する国も少なからず存在する。

 

 そのため次善の策として目を付けたのが日本、より厳密に言えば真志妻大将である。

 

 

 真志妻大将の行動はWarspite(ウォースパイト)を通じて伝わっている。

 

 色々と問題はあるが兎も角深海棲艦との独自のパイプラインを構築し、戦争終結に向けて舵をきったことに相違は無い。

 

 

 但し日本政府は深海棲艦に対して強硬な姿勢を崩さず、戦争での完全勝利を主張し続ける米国現政権との共同歩調を維持して戦争継続路線で思考停止状態であるため、真志妻大将とでは方向性が対立することとなる。

 

 

 元々外交政策が致命的どころか致死的なまでにド下手過ぎて天元突破しているとの定評がある日本政府と官吏に、本来ならば外交の延長線であるとされているはずの戦争を終わらせるだけの可能性が示されたとしても、気付こうとしないだろうし、眼前に突き付けても無視するか攻撃して潰そうとするだろう。

 

 真志妻大将の行動は実際問題として完全な越権行為である事は否定出来ないが、日本政府としてはそれも含めて自らの権力の牙城と権益を脅かす“敵”として排除に乗り出す可能性が高い。

 

 

 そうなったら日本はオシマイだろう。真志妻大将は何の未練もなく日本にサヨナラを言って見捨てる。寧ろ英国としたらそれが現実となることを狙っている。

 

 既に日本政府は真志妻大将を疎ましい存在として排除しようと画策し、実際に動きが見られている以上、どう転んでもいずれ何らかの形で全面衝突するのは時間の問題だった。

 

 

 それを虎視眈々と静かに眺めているのが英国であり、そして新ロシア連邦(NRF)だった。

 

 

 水面下で両国は歩調を合わせている。両国にとって日本よりも真志妻大将の方が遥かに重要な存在であり、なにより必要なのは彼女が持つ深海棲艦とのパイプなのだ。彼女さえ居れば別に日本がどんなに惨めにぶっ壊れて潰えようともどうでも良いのだ。必要が無くなれば淘汰される。これが国際政治の偽らざる現実だ。

 

 

 お膳立ては整いつつある。真志妻大将がどの様に考え()()()()()は本人の胸先三寸次第だが、どの選択をしても少なくとも深海棲艦との対話路線は確実に維持するだろうし、最低限後ろ盾に成り得る新ロシア連邦(NRF)との関係も継続するだろう。

 

 

 現状最も国家として安定している新ロシア連邦(NRF)の勢力圏内で真志妻大将が何不自由無く活動出来る事が、現在考え得るベストな状態であると判断していた。

 

 

 だからこそL.Nも真志妻大将に目を付けた。

 

 ついでに言えば新ロシア連邦(NRF)の国防上のメリットも大きい。

 

 アラスカのダッチハーバーと太平洋のど真ん中にあるハワイのパール・ハーバーには深海棲艦の一大拠点があり、そして極東沿岸部に世界有数の兵力と実力を有する日本艦娘部隊が定住して拠点を構えたとする。尚且つ日本が崩壊したならば補給の観点から在日米軍の維持が出来ずに撤退するしかなくなる。

 

 

 長年の仮想敵国である米国の極東に於ける軍事的プレゼンテーションは大陸間弾道ミサイル(ICBM)潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)という、核戦力以外の艦娘を含めた通常戦力が本土のある東太平洋より以西からほぼ完全に締め出されるのだ。

 

 残る戦力はUnited States Northern Command(アメリカ北方軍)隷下、アラスカ州アンカレッジにある空軍と陸軍の共同基地、Joint Base Elmendorf–Richardson(エルメンドルフ・リチャードソン統合基地)に司令部を置く第11空軍と第11空挺師団及び州軍によるAlaskan Command(アラスカ軍)であり、ダッチハーバーが占領された直後より戦力の増強が図られていた。

 

 ただこれら深海棲艦のダッチハーバー制圧とそれに対応した米軍の動きは新ロシア連邦(NRF)にとって戦略的要所であるオホーツク方面の警戒と緊張も高める結果を伴い、Восточный военный округ(東部軍管区)沿岸防衛の戦力増強に踏み切る決断を齎すことにも繋がった。

 

 Комсомо́льск-на-Аму́ре(コムソモリスク・ナ・アムーレ)等のВоздушно-космические силы(航空宇宙軍)基地に配備されている11-я армия ВВС и ПВО(第11航空・防空軍)の航空戦力の増強を手始めに、Тихоокеанский Флот(太平洋艦隊)水上艦艇戦力と沿岸防衛地上部隊の戦力増強が開始された。

 

 一時は軍拡競争の様相を呈するまでになっていたが、米国はハワイ方面を優先する方針をとったためにアラスカ軍の増強は中途半端な形で停滞し、現在に至っている。*2

 

 

 事実上、西太平洋の軍事バランスは新ロシア連邦(NRF)に軍配が挙がる事となる。

 

 さらには太平洋方面に於ける深海棲艦との貿易も独占出来る。その交渉窓口として、表立って大っぴらに出来る可能性がある真志妻大将は、新ロシア連邦(NRF)としても喉から手が出るほど欲しい存在なのだ。

 

 

 今後新ロシア連邦(NRF)は是が非でも真志妻大将を獲得しようと全力を挙げてくるだろう。

 

 

 日本と新ロシア連邦(NRF)。アポロノームは真志妻大将の今までの言動から新ロシア連邦(NRF)を選ぶと見ている。

 

 このまま行けば真志妻大将と日本はいずれ衝突するのは免れないし、よしんばそれが何らかの理由で回避出来たとしても、長期的視野で見れば日本はどんなに甘く見積もっても国家として長くは保ちそうにない。

 

 それは即ち日本に所属する全ての艦娘達にとっての不利益であり、真志妻大将がそれを許容するとは到底思えない。

 

 建て直そうにも困難が多く、それならば引っ越しした方が手っ取り早いし確実だ。

 

 

 

 

 

 

「もう一つ、選択肢がありますよ?」

 

 

 

「お?姉貴?」

 

 

 

 アポロノームに遅れて、姉と慕う駆逐棲姫とじゃれ合いながらゆっくりのんびり入浴していたアンドロメダが、入浴後のティータイムを駆逐棲姫と楽しむために、駆逐棲姫とお気に入りの紅茶セットと貰い物の茶葉を持って現れた。

 

 

*1
尚、駆逐棲姫が後見人になったのは常にアンドロメダと行動を共にしているのもあるが、最大の理由は“円卓”の会場となるのが姫級が展開する独自の特殊空間であり、そこへのアクセスがアンドロメダには出来ないことから、半ば苦肉の策として採用されたとの経緯もある。一応工場長が解析に乗り出し、将来的にはアンドロメダでもアクセス可能にする方法を模索中である。並行して色々やっているものだからいつになるか分からないが。

*2
配属される兵の脱走に歯止めが掛からないとの側面もある。




 “国家百年の計は教育にあり”

 教育が疎かでそれが恒常化してると、正直ちょっとやそこらじゃもうどうにもならん。リアルでも教育に“多様性”だとかの政治思想ゴリ押ししてますし、このままだと普通に国が滅びるね。



補足解説

United States Northern Command(アメリカ北方軍)略称USNORTHCOM

 アメリカ合衆国統合軍のうちの1つ。北アメリカ地域を担当する地域別統合軍であり、通称はNORTHCOM。

 主任務は米本土の防衛であり、特に防空に関してはアメリカとカナダが共同で運営しているNorth American Aerospace Defense Command(北アメリカ航空宇宙防衛司令部)、略称NORAD(ノーラッド)と作戦調整を行うこととなっている。北方軍とNORADの司令部はコロラド州ピーターソン空軍基地に同居している。米本土とカナダとメキシコが担当地域。

一部Wikipediaより抜粋



Alaskan Command(アラスカ軍)略称ALCOM

 アメリカ北方軍隷下の副統合軍。その主任務は航空優勢の維持、世界的な不測の事態に備えた部隊の配備、緊急事態における連邦政府及び州当局への支援の提供、戦闘部隊の迅速な展開のための共同訓練を実施している。

 第11空軍(エルメンドルフ空軍基地)と第11空挺師団(フォート・リチャードソン)、アラスカ州兵(キャンブ・デナリ)によって編成されている。


Joint Base Elmendorf–Richardson(エルメンドルフ・リチャードソン統合基地)

 アンカレッジ近郊にあるアラスカ軍の司令部を有する基地。

 2010年に空軍のエルメンドルフ空軍基地と陸軍のフォート・リチャードソンが統合された。


11-я армия ВВС и ПВО(第11航空・防空軍)

 ロシア航空宇宙軍(作中の新ロシア連邦(NRF)航空宇宙軍)総司令部隷下の5個航空軍の内の1つ。

 作戦管轄地域は東部軍管区と同じくし、東部軍管区作戦・戦略司令部(OSK)の指揮下に入り、統合作戦を実施する。



Комсомо́льск-на-Аму́ре(コムソモリスク・ナ・アムーレ)に関しての蘊蓄

 この地には『工業株式会社スホーイ・カンパニー(露語:ПАО «Компания „Сухой“»)』の子会社、Yu.A.ガガーリン記念コムソモーリスク・ナ・アムーレ航空機工場(露語:Комсомольский-на-Амуре авиационный завод имени Ю.А.Гагарина)があり、立地としては僻地でありながらもロシア航空宇宙軍の主力戦闘機であるSu-27系列機及び海軍のSu-33系を軍に供給する重要な製造拠点であり、最新鋭機Su-57の製造も行っている。


 なお、作中で対日輸出されたSu-30MKもここで製造されたという設定。ついでに力を失いつつあった日本の航空産業が同社に身売りして吸収合併されており、その技術をフィードバックするための試験的な製造も兼ねていた。


───────



 日本の政治屋も政治業者も経団連も、国益に繋がる長期戦略“国家百年の計”なんて目先の金が最優先事項でマトモに考えてないでしょうねぇ。sdgsとかlgbtとか多様性だとか利権の腐臭漂う空虚なモン後生大事にしてたら、より一層経済が停滞して貧困が拡大するだけ。欧米筆舌に尽くしがたいくらいにマジでヤバい事になってる。その反動もあってトランプ大統領を始めとした保守や自国ファーストを掲げる方々への期待が高まっている。

 マトモな優秀な人間ほど官僚になってもすぐ辞めてしまうものだから、二流三流ばかり幅を利かせて自己保身に走って組織の自浄作用が機能せざ、組織の腐敗具合が発展途上国レベルと謗られる。


 先にも述べた通り、2024年のトランプ大統領2度目の当選が象徴する様に、西側諸国でも徐々に保守回帰、自国ファーストの動きが見られ、今年2025年はそれがさらに加速する年になるとの予測が出ていたりしますが、日本の体たらくを見るに数年は遅れるか、政治の暴走が加速し取り返しのつかないレベルまで衰退、そのままアルゼンチンの様に没落する可能性を頭の片隅に入れておくべきと考えます。


 矢張り教育こそが国家の礎。教育の内容と質が今後数十年先の国家の行く末を占う。事実今世界で、主に西側諸国でありとあらゆるモノをくっちゃくちゃに壊しまくって暴れまわっているグローバリスト共って、ゴリゴリの社会主義・共産主義思想に感化されてた世代でもありますし。


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 それではこれにて失礼致します。励みや参考になりますので、お気が向きましたらお気軽に感想をよろしくお願いいたします。
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