艦隊これくしょん 総旗艦アンドロメダ、二度目の航海もまた数奇なり 作:稲村 リィンFC会員・No.931506
書きたいこと、書いとかなければならないと思った事をツラツラと書いていたら、吟味はしたつもりでしたがちょっと予定よりも長くなり過ぎましたので前後で分割します。
別にその時その場に居合わせたわけでは無い。
だが
だから敢えて口にしたのだろう。
この先に考え得る未来の選択肢の一端を。
艦娘による艦娘の
悪くない考えだ。艦娘を人間達の“軛”から解放し、人間達と可能な限り対等な立場に持って行くには、それが今のところ現実的な案だろう。
それにこの件に関して国内法の問題も絡んだ他の閣僚との意見の相違や、優先すべき国内と国外の問題への対応で、どうしても後回しとなってなかなか先に進まないと、直通回線のプライベート通信で愚痴を漏らしていた。
彼女は
結果的に国益に適うと判断したならば、多少の無理や無茶、損失を上回る利益が見込めるならば止むを得ないと考えているみたいだが、それでも基本的にリスクの度合いを慎重に見極めてから動く。
その彼女がアンドロメダに対して気を遣っている。
だがそれは同時に、深海棲艦に対しても気を遣っていることにも他ならない。
何故ならばアンドロメダは
つまりアンドロメダを深海棲艦の意思決定に関わる姫級相当の重要人物として、深海棲艦の陣営に迎え入れていると
これらの発言に、
それは当初目論んでいた旧地球軍組の自国への引き抜きが事実上頓挫した事に他ならないのだから。
さらにもう一つ、問題があった。
旧地球軍組は地球の英雄、沖田十三が自身の最後の
特にその主力戦力である
であるならば、護るべき主君とも言えるアンドロメダの下へと馳せ参じない理由など無いのだ。
仮令それが何処であろうとも。そう、それが今まで交戦してきた深海棲艦へと下る事になろうとも、アンドロメダが一言「全艦、集結して下さい」との号令を発すれば、何を差し置いてでもそれが本来お仕えする御方の
必要ならその場でアンドロメダの正式な麾下となる宣誓と絶対的な忠誠の誓いを、居並ぶ深海棲艦の姫級達の前で行うだろう。わざわざ姫級達の前で行うというのは、深海棲艦の軍門に下るとする宣誓の意味も含めてのものである。
彼女達にとってアンドロメダのお側でお仕えすること、それが常識に近い当たり前なことであり、そのアンドロメダが深海棲艦としての立場を明確に示しているのだから、自分達もそうする事に一切の疑問も抵抗も無いだろう。
アンドロメダの恩ためにそうあるべしと、嘗て新人だった彼女達を
しかも
そのせいか本心では今の日本軍での軍務や立場など、特にこれといった未練が無いのでポイッと捨て去り、すぐにでもアンドロメダの下へと赴きたくてウズウズしていたのだが、当のアンドロメダからはそれよりも土方達の周辺の安全に万全を期す様にと、彼女達に“
既に地球軍の指揮系統から離れている都合上、アンドロメダには彼女達への命令権が無い。そのため命令ではなくお願いとしたが、彼女達はその“
だがいずれはアンドロメダのお側でお仕えするとの意志は少しも変わっていない。その時に備えての準備に取り掛かっており、私物の類いは必要な最小限の物のみに纏め、それ以外は少しずつ処分しだしていた。
その事に関して土方達は
死後に交わした約束。この世界でアンドロメダが何者にも縛られず、自由気儘に健やかに過ごせる様にしてやってほしいとの、親友である沖田からそう頼まれ約束したからこそ、ある程度アンドロメダの好きにさせるつもりでいるが、同時に
彼女達は必要ならばその身を呈してでも護るはずだったアンドロメダを、最後まで護ることすら出来ぬままアンドロメダは沈むこととなり、その存在意義による本懐を遂げることなく地球近海で全滅した。
ならばせめてこの世界で彼女達の本懐を、どんな形であれ遂げさせてあげられる機会を与えてやりたかった。
この先、
だがそうなると、
敵対すれば、従来の前提は意味を成さなくなり、中枢である首都モスクワが直接の脅威に晒されるどころか全土が等しく危機に晒される。
それを
現在漸く試作から量産化の目処が立った
航空宇宙軍の総力を挙げても大損害を被ることになるだけだ。
最悪、なんらかの理由で将来的に衝突する可能性を危惧し、現在開発が進められている深海棲艦の艦載機迎撃用として『
しかし一朝一夕でどうにかなるものではない。そもそも野戦防空ミサイルシステムの方だってまだ開発の途中なのだから。
となると武力衝突に発展しかねない対立だけは、多少の損をしてでも何としても避けなければならない。その方が結果として利益となると判断したのだろう。
故に、
「そういや、
「外交と軍事力は密接な関係にあるからねぇ。なんせ“外交問題を解決する選択肢の一つとして戦争がある”って言葉が実際にあるくらいだ」
厳密には外交交渉、話し合いでは最早解決不可能な段階へと陥ったと判断した場合に、軍事力の行使も問題解決の選択肢として有り得るといったものだ。
無論、実際に武力を伴った軍事衝突に至る可能性も有り得るが、戦争というカードを切るかもしれないという可能性を仄めかすことで、所謂瀬戸際外交と呼ばれるチキンレースに持ち込み、譲歩を引き出すという手段も有り得るので、必ずしも武力衝突──戦争──へと至るとは限らない。
また双方合意のもと、
兎も角、戦争といった武力衝突の背景には交戦国同士のなんらかの外交的な問題が密接に絡んでおり、戦争を語るのであれば開戦に至るまでの両国間の安全保障も含んだ外交問題についても可能な限り正確に把握し、多角的視野のもとに分析する必要がある。
でなければとんでもない頓珍漢をやらかして大恥を晒し、嘲笑される羽目になる。それだけならば良いが、それは一般人に於いてのことであり、国家若しくはそれに準じた組織や団体といった集団が関わる国際政治の世界でそれをやらかすと、国家の行く末を左右する外交判断を誤って国益を長期に渡って大きく損なう原因に成り得る。
また国際的な経済市場に於ける市場取引や株式市場でも同様な傾向にある。
これらの説明を
ま、ハッキリ言って深海棲艦達にとってあまりにも馴染みのない、と言うか一般人からしても普通に面倒臭い部類の話なのだ。
だけどこれからを考えたら目を逸らし、耳を塞ぐ訳にはいかない内容なだけに、ゲンナリとしながらも聞き続けるしか無い。
しかしより専門的な事柄に関しては
だが
アンドロメダを直接的に阻止することは現状不可能でも、
「…飽く迄も、確率上での可能性の話になるんだがね、一矢報いるためだけの手段ならば、一応一つだけあるにはある」
それは海中から忍び寄る戦略ミサイル原潜による深海棲艦支配領域の最重要地域、東南アジア一帯の耕作地帯に対する無差別核攻撃によって食糧生産能力を低下させ、強制的な飢餓状態へと追い込むというものだ。
原潜を始めとした現代の潜水艦は事前探知が難しい。そして旧地球軍組は宇宙、空中、海洋とその全てに於いて行動可能なオールラウンダーであっても、基本的にそのホームグラウンドは宇宙とする航宙艦だ。精密かつ広大な範囲をカバー可能な精度を誇る高度な索敵機器も、宇宙空間に於いてその真価を十全に発揮するシロモノだ。海中目標に対しては些か心許無い。
そして地球の7割は海洋が占めている。いつ、どこから、どれだけ、そして何が接近してくるのかを早期に探知するのは、旧地球軍の能力を以てしても確実とは言えない。
さらに
原潜の入港、そして出撃を察知するのは非情に困難であるし、通信傍受やハッキングなどの
潜水艦の真の脅威は“遍在性”にある。
居ると思えば何処にでも、それこそすぐそこの海中に潜んでいるかもしれないという怖さにある。
また攻撃方法も工夫すれば、発射を探知出来たとしても対応を困難とする方法もある。
到達可能な射程距離を犠牲にするが、飛翔高度が通常の
そこへさらに攻撃型原潜の潜水艦隊による、最短距離での戦術核搭載の巡航ミサイルも用いた飽和攻撃が加わったら…。
旧式とはいえ
最悪を見越して既にこれらの潜水艦隊を動かしているかもしれないし、各方面から太平洋へと潜水艦戦力を秘密裏に集結させる動きに出ているかもしれない。
もしもアンドロメダが
アンドロメダの性格からして、それは看過出来ない事態だ。自身の行動が自分を受け入れてくれた大切な者達に危害を及ぼすリスクを、アンドロメダは良しと考えることが出来ない。
またアポロノーム、
対策を講じる事は出来なくもない。アンドロメダを狂愛する時間断層工廠の工場長なら、現代とは隔絶した未来の超技術を駆使して独自の早期警戒網と防空システムの一式を製造し、迎撃網を構築すれば良い。
問題があるとすれば製造に関しては造作も無い事だが、配備して実際に稼働するまでにそれ相応の時間を要するという点だ。
そしてシステムはただ適当に置いておければそれで良しという訳では無い。死角の無いように互いを補完し合える適切な場所に設置しなければ効果的・効率的な対処は出来ないし、そのための立地の確保や稼働に必要なインフラ整備にも時間を要する。
更には幾ら未来の超技術とはいえメンテナンス・フリーの領域にまでは達していないから、維持管理も考えなければならない。
だがこれらをクリアーしたとしても世の中には理論上では、計算上では“完璧”であっても、実際に運用してみると何かしらの問題が見付かるということは往々にして存在する。
…実際にアンドロメダがそうだった。工場長曰く、設計段階で何度も実施したシミュレートでは、土星決戦で受けた様な損傷レベルの影響でエンジンにトラブルが発生する確率は“極めて低く、万が一トラブルに見舞われても即座に再起動用の緊急対応プログラムと複数の危機対応システムが自動的に作動し、
完璧など有り得ない。それが工場長が自らの過信によって招いた、本人にとってあまりにも大き過ぎる代償を払った末に学んだことだった。
どんなに最善を尽くしても、100%に限りなく近い99%以上100%未満の数字を出すのが限界であると。
普通ならばそれでも充分だろう。だがここでアンドロメダの優しすぎる性格が問題となってくる。万が一の可能性を割り切れるのか?
…いや、仮令戦術核搭載の巡航ミサイルが一発でも着弾した時点で深海棲艦にとっては致命的だ。核爆発後の放射能汚染で耕作地帯への被害範囲を正確かつ迅速に特定するのが困難であり、核爆発の直接被害を受けていなくても放射性降下物によって広範囲の農作物が収穫不能となるし、汚染された耕作地帯そのものも除染が完了するまで放棄せざるを得ない。
それに放射能汚染は深海棲艦の体組織にも少なからず悪影響を及ぼす事が判明している。
ただしそれは双方破滅的な結果となっても構わない、相互確証破壊に基づく最終手段である。しかも長年の仮想敵国であるアメリカといった西側諸国に対する従来の報復核戦略を半ば無視してしまっている。
幾ら西側諸国がグローバリズムによる自滅的な内政の失敗からの停滞と経済の行き詰まりで大きく衰退しているとは言え、最低限度の核戦力は未だ維持しているのだから、その脅威を蔑ろにする訳にはいかない。
だがアンドロメダを、そして旧地球軍組の存在はそのリスクを冒してでもなお、何かしらの牽制を行なっておく必要があると考えられていても可怪しくないだけの、大国が真剣に国家安全保障に対する問題に成り得ると判断し、対策を講じるだけの脅威を与えているのだ。
これらの話を聞いて、飛行場姫は本気で頭を抱えたくなった。考えなければならないことが多過ぎる。
そもそも深海棲艦は核攻撃に対して強いトラウマがある。
飛行場姫の片腕が義手なのも、そしてアンドロメダが自身の大好きな姉として最も懐いて慕っている駆逐棲姫の両足が太腿の半分から先が存在せず、陸の上では義足なのも、嘗ての人類による核攻撃によって負った負傷が原因であり、しかもその際に受けた放射線被曝が原因と思われるが、欠損部の自己修復が正常に機能せず、未だ多くの
これが先に述べた放射能汚染による深海棲艦の体組織への影響である。
今現在頭を悩ませている“過激派”も、元々はその核攻撃の生き残り達が中心となっており、人類に対する憎悪の根源はこの核攻撃による所が大きい。
故に、“穏健派”の
しかしだからといってこのまま放置すれば、アンドロメダが食堂で語っていた
そしてそのまま問題が拗れると事態はより深刻の度合いを増して悪化し、最悪の場合は本腰を入れて屈服を目的とする戦略的な──大規模な核攻撃を視野に入れた──軍事行動を仕掛けてくる可能性も考慮しなければならない。
人類から深海棲艦と呼ばれ、自分達もそのルーツは基本的に海にあるとの認識から、その呼び名に満更でも無かったし、一部の者達は人類史上の謎の民族集団になぞらえて“海の民”と自称する者達も少なからずいるが、そうは言ったところで実際問題として食糧自給の問題から陸地に依存せざるを得ない現実が、謂わば最大の弱点と化している事実を改めて認識させられた。
兎に角、下手に関係が拗れる事態だけは避けなければならないのは確実だ。そうなってくると矢張り問題は“過激派”の行動を如何に抑制するかに掛かってくるが、正直一歩間違うと内紛になりかねない。
ならば
色々と不利益を被っているとは言え、
ハッキリ言ってその選択もやむを得ないと飛行場姫は考えている。
統率者たる者の責務として、自らの率いる集団にとって有益となる判断を下さなければならないし、
自らの意思で袂を分かつ判断をした者達にまで気を回す事は、現在の目まぐるしい情勢の変化を鑑みるに、最早完全な不利益にしかならなくなりつつあるし、下手な真似をして共倒れになるリスクを考えたら、切り捨てなければならない判断も必要だろう。
少し前までならばそんな考えに至る事はなかっただろうが、色々と見聞きすれば考え方も変わらざるを得ない。それが良い事なのかは正直分からない。それでも統率者としての決断を、仮令それが非情であったとしても、下さなくてはならない責任がある。
しかし皆が同じ考えに至るとは限らない。これは根気強く説得するしかないが、こっちだって長引く戦争に疲れ果てて嫌気が差し、何処を見渡しても厭戦気分の蔓延は確実な拡がりを見せていることからも、これ以上の戦禍の拡大は願い下げなのが本音だ。これは最高意思決定の“円卓”でも同様なのだから、少なくとも“円卓”の主要メンバーの説得にそこまで難航するとは思っていない。
だが問題があるとするならば、こちらよりも艦娘達はどう思ったているかだ?
「少なくとも真志妻の嬢ちゃんが“やる”って決めちまえば、後はトントン拍子に進むだろうねぇ。
日本に於いては物好きな将官連中の一部と、艦娘のほぼ全員が嬢ちゃんのためなら私兵となって軍を離反し、人類に牙を剥く事も厭わない様なイカれた連中が大多数を占めちまってるのさね。
なんせ嬢ちゃんは日本艦娘にとっちゃぁ“
「ヒーローねぇ…」
冷笑に似た微笑を浮かべながら語る
政府の無計画な軍拡で鎮守府や部隊を乱立させまくり、それでいて指揮系統が無茶苦茶で複雑、効果的な部隊同士の連携も出来ない、雑軍同然だった海軍を大規模な部隊の統廃合の断行と、雑多で無能な使い物にならないお飾りの指揮官だった高級将校クラスの軍人を片っ端から粛清して軍から消し去り、事前に目を付けていた使えると判断した人材を再配置し、規模の小さな基地では素質があると見込んだ艦娘に指揮権などの権限を与え、無駄に複雑だった指揮系統のスリム化と部隊同士の連携強化を奨励し、雑軍からマトモに戦える軍隊へと変え、そんでもって艦娘の抜本的な待遇改善まで成し遂げているのだ。
まぁ人事の方は嬢ちゃんじゃ不安だからと、土方の叔父貴が結構頑張ったんだがね。と
なんでも全部隊の提督クラスのほぼ全員を、マトモな人材が足りないからを理由として、古参組の艦娘の中から素質ありとした者達に提督権限を付与する構想を真志妻は本気で練っており、ストッパー兼御意見番の土方に相談を持ち掛けていたが、流石に粛清直後に人材不足を理由として艦娘を人事案に捩じ込むのは
飛行場姫としてはなんとも言えない顔を浮かべてしまう。
この2人が表舞台に出て来た事で、日本本土近海まで押し返していた戦線は領海ギリギリの位置まで押し返され、そのまま膠着状態で固定してしまった。
ただ唯一、不可思議だったのはオキナワと呼ばれる本土から遠く離れた島を意固地なまでに固守していることだった。
お陰でこちらの意図した消耗戦に引き摺り込む事に成功したとはいえ、真志妻と土方の構想していた戦略に関する情報を聞けば、オキナワを含めた本土から離れた位置に存在する島嶼の防衛は、現状の国力と保有戦力の観点から恒久的な維持は無理として放棄し、守備軍を早急と撤退させて防衛線を国力と戦力に見合った位置まで縮小する方針を最初から決めていたという。
結局は2人よりも上の立場にいる
それは別にどうでも良いとして、問題はおそらくこの頃から既に真志妻は人類と、いや日本と袂を分かつ心積もりで艦娘の指揮系統から可能な限り人間が直接介在する機会を排除し、その時に備えて艦娘に組織運営の経験を積ませる狙いがあったのではないか?という疑問だ。
もしそうだとしたら彼女は相当な食わせ物だ。改革を隠れ蓑にして自身が属する集団を騙し、着実に縁切りの準備を進めていた。これを食わせ物と言わずして何と呼ぶ?目的のためならば手段を選ばない冷酷さも垣間見える。
「いんやぁ、案外その時のノリだったかもしんないよ?あの嬢ちゃん、一度こうだと決めちまったら結構考え無しにどんどんと突っ走っちまう時があるからねぇ」
飛行場姫の考えを軽い調子で否定する
そもそも人類と艦娘は対等な関係という盟約だったのだが、時が経つにつれて多くの国ではその盟約は形骸化し、艦娘は隷属に近い立場へと追いやられていた。
それを本来のあるべき状態へと戻し、そこから更に一歩進めてやや艦娘が優位に立てる関係に再構築するのが本来の狙いだったのだろう。
同時にこの頃から日本軍でも徐々に表面化しつつあった、肉体的な限界による戦闘への参加が難しくなっていた、特に古参組の艦娘をどうするか?という問題の解決案でもあった。
これは同様な問題を抱えていた
実際問題として、
それが結果として、独立してもなんとかやっていけるかもしれない土壌作りになっていた。組織運営に必要な官僚機構みたいなものが、いつの間にか出来上がっていた。これは完全な結果論に近かった。
問題は生存に必要な食糧・水・燃料の他に艤装に使う専用燃料や武器弾薬、整備用の機械油といった維持管理に必要な各種消費資源の調達──それもかなり大量で纏まった量の長期的かつ定期的な安定供給──の伝手が無い事である。コレばかりは真志妻も土方もどうすることも出来ない分野である。
確かに一軍人としては有り得ないほどの巨額の個人資産を持つ真志妻だが、自身に付いてくる艦娘全員を一生──艦娘の寿命がどれほどかは未だ不明だが──安定して食わせていけるか?という問題に絞ったとしても、如何に上手く資産運用と節制をしたとしても確実に大丈夫、心配無いと断言出来るとは言えなかった。
そもそも人類が艦娘を事実上隷属化させる事にほぼ成功した発端は、その物資調達の問題にあった。
どんなに強力な軍事力を有していたとしても、それを支えるための兵站の根幹を握られてしまったら、それは張り子の虎か単なる砂上の楼閣となって倒壊し、容易に自滅崩壊してしまう。
自前の兵站を構築する難しさは、飛行場姫としても理解出来る。なんなら未だに効率面では試行錯誤の連続だし、その辺の改善の事に関しては現在進行系でアンドロメダ姉妹に大いに助けられつつある。
正直、2人には頭が下がる思いなのに、知識の伝授まで快く引き受けてくれた時には足を向けて寝られないと、就寝で使っているベッドの向きを本気で気にした。
兎も角、艦娘は人類から独立するにしてもその後が続かない。ならば何かしらの商売を始めるしかない。
先にも述べた事だが、艦娘はその活動に様々な消耗物品が必要なのである。
深海棲艦と艦娘とでは活動に必要なコストパフォーマンスは圧倒的に艦娘の方が悪い。
実際深海棲艦は基本的に食糧と水だけでほぼ全ての活動を賄えている。艦娘も生きていくだけなら食糧と水だけでどうにかなるが、そうなると体がすごく頑丈で体力とパワーのある人間という感じになる。
労働力としてみたら人間よりも艦娘の方が圧倒的に優れているが、流石に労働者として雇用するのは今まで労働力としていた人間達をどうするのか?といった色々な問題がある。それに艦娘達だってそれで良しと納得してくれるとは限らない。深海棲艦が雇い主である事に内心では反発する者も出るだろう。後々に火種と成り得るリスクは避けたい。
そうなって来ると、
問題は活動に必要な物資調達だが、
「多分
理由は単純である。
分かりやすい代表例が海軍司令官にして海軍改革実行の第一人者の
その彼女は現在、最新鋭空母『
彼女はいずれ
これは
それはつまり、いずれ
これは他国では考えられない事だ。何故ならば艦娘に軍の重要人事への門戸を開放すれば、普通ならばその分に関して適した人間のポストの割り当てが減るのだから。
それでも断行出来たのは、非公式だが軍政のトップも
旧ロシア連邦への移行後、軍事予算は旧ソ連時代と比べて激減し、ロシア連邦海軍となってからは艦艇の新規建造が20380型
一応、旧ロシア連邦中期以降になって資源外交で経済が持ち直し、時の政権の方針も相俟って漸く纏まった予算が振り分けられる様になり、少しずつ海軍の再建に乗り出したものの、なんとか形に成りかけたタイミングで第三次大戦が勃発。基本的に地上戦に終始し、海軍は長距離火力投射による陸軍への支援攻撃と敵地上拠点やインフラに対する戦略的な攻撃が求められ、そのための戦力維持と展開が優先とされたため、新造艦建造への予算と人員もその優先度が下げられてしまった。
その皺寄せが戦後の人材不足である。特に現在の海軍総司令官
無論、人材育成と待遇の向上といった施策にも力を入れてはいるが、一朝一夕でどうにかなるものではなく、形になるのにはまだまだ時間が必要とされている。特に艦長などの指揮官といった将校クラスの育成ともなると尚更である。
現在建造が進められている艦艇では人員の省力化を無理が無い範囲で積極的に進めているが、
その解決策として期待されたのが、元々そういった素質や能力が高い傾向にあった艦娘の登用である。事実先に述べた艦艇以外にも、なんなら攻撃型潜水艦も含めて少なく無い艦艇で既に退役艦娘が艦長に就任するか内定していたり、
海軍戦力の拡張が進むに伴い、退役艦娘の重要度は年々高まっている。
艦娘を、現状では軍事に偏重こそしているが、それでも人間社会に進出可能な機会を与え、重用しているからこそ、それなりに信頼出来ると見ている。
そしてその施策の中心人物が
その彼女が艦娘を中心とした
これを利用しない手はない。交渉次第で色々と引き出せると
立場柄最悪の可能性を想定した動きこそ見せているが、その本心は「戦わないに越したことはない」のが本音であるのは間違いない。
飽く迄もその狙いは、ある程度の実現性があるかもしれないと思わせるだけの牽制にある。
それに、喫緊の問題からアンドロメダ達の事があるとはいえ、深海棲艦の事ばかりに注力してばかりはいられないというのもある。
他国と比べれば安定した国と言える
その“爆弾”とは、
この手の話は書いてる本人ですら頭こんがらがってきて気付いたら同じ内容や矛盾が生じやすい。お陰で添削がいつもより酷い結果に…。
まぁ少なくとも
補足説明
艦娘が使用する戦艦主砲砲弾を従来のミサイルの弾頭に詰めてクラスタータイプの多弾頭化するシステムを、
派生型として対空ミサイル搭載型の開発が進行中。
現在炎上しておりますアフリカ4ヶ国への日本4都市ホームタウン問題に関しまして、今後の日本に待ち受ける事への警鐘を、参考になればと、私が以前より紹介しておりますカナダ在住の日本人YouTuber『カナダ人ニュース』のやまたつ氏が2025年8月29日にアップしました動画のリンクを貼り付けておきます。
タイトル、『ホームタウン』の先に待つ未来を、欧州から学ぶ
https://youtu.be/3p70baBEILc?si=DLKuNI57FcoQIEYh
私自身、拙作で移民問題などを取り扱った都合上、この手の問題は個人的にある程度可能な範囲で調べ、今なお小さいながらもアンテナを張って情報の収集に努めておりますが、拙作内及び後書きで書き上げております内容は、氷山の一角のそのまた一角に過ぎない極僅かな内容しか書けておりません。
ハッキリ申し上げまして、日本政府ならびに関係各所が進めております労働力確保の移民政策は既に
労働力確保を目的とするなら、期間限定ビザによる滞在期間を過ぎれば問答無用で出身国へと強制送還措置の国外退去という強制力を発揮可能とする厳格な制度と、それを確実に実行可能な法整備と実行能力を整える事が必要不可欠です。
移民政策も厳格な審査基準や敷金の様な保証金制度、人口比に応じた受け入れ人数の上限制限など、一定の受け入れに対する線引きが必要です。
何より重要なのは、言葉の壁問題です。最低限日本語での日常会話によるある程度のコミュニケーション能力を身に着けてなければならないとしなければなりません。何故ならばこの言葉の壁によって欧米では通訳不足が深刻化し、医療診断に掛かる時間が通訳を介する必要から1人あたりに対する診療時間が延び、患者を捌けず医療崩壊が起きている問題と、学校では授業の停滞、政府機関や役所の処理能力がオーバーしている問題が発生しています。
医療だけでピックアップしますと通訳を雇う都合上、人件費が上乗せされるため、社会保障費の増大も同時に起きております。
それだけでなく、衛生知識の不足若しくは欠如から受診回数も増加しているとの指摘もあり、これも社会保障費を圧迫する原因となっています。
つまり、社会保障を維持する事を名目として、
書き出したら切りが無いくらいこの問題は単純ではありません。思わぬ所に波及し、それらの歪みによって発生した損害は最終的に推進した者達にではなく、
そしてこれらの問題の根底には共通して、
目先の利益(利権)ばかり追い掛け、その後の事は一切合切考慮しない短絡思考と極度の楽観思想による、泥縄式でその場限りの思い付きによる行き当たりばったりなフラフラした小手先の政策。
これでは国の舵取りが上手く行くはずがありません。
敢えて断言いたしますが、この国の政策は日の本を根底から着実に潰すための政策をただ只管に選択し、その道を邁進しております。まるでレールの上を直走る暴走列車の如く。その先が奈落の底と分かっていても。
それが日本の30年だと私は確信しております。この政策を悉く180°転換、それも早急になさなければ日本は10年以内に内部からジックリと蚕食され、日本の形をしただけの、日の本の民草の国では無い、全く別の悍ましい国に変貌してしまうと考えます。
それではこれにて失礼致します。励みや参考になりますので、お気が向きましたらお気軽に感想、若しくは分からない点に関しましての質問がありましたら返信で可能な限りお答えし、後書きの補足説明にも加筆致しますので、よろしくお願いいたします。