教祖が呪い、豚猿が嘲笑う。こいつら、ヒーロー志望なんだぜ……? 作:かりん2022
夏油 傑、五条悟を庇ってネイバーに攫われる。
呪霊操術を使って大暴れしたりして頑張る。
ブラックトリガーになって帰還。
なんとか人の姿に戻る。
もう手は血に汚れてる。呪詛師なんだと出奔
協議の結果と五条悟のワガママの結果、侵略者相手なら呪力使うのも仕方ないの結論出る。
必死で迎えに行く五条先生。
では、実際にできた物をお読みください。
ーーはいっ 夏油様を救いたいです!
ーー願いは、己が手で叶えるものだ。
死の間際、そんな声が聞こえて。
私は、呪霊のない世界へと転生を果たしていた。
最初は、自分が猿となったことに嫌悪感を感じた。
でも、どこをどう探しても呪霊なんてなかった。
呪霊も呪術も存在しない場所で、特別がない場所で、猿とかありえない。
そう、私は、その他大勢になってしまったんだ。
拍子抜けした。
平和は、まるで甘い毒のように私を侵食し、そして猫のように適切な距離を持って寄り添った。
そして、完全に油断したある日、猫のように気まぐれに去っていった。
化け物。呪霊ではない。異世界人の誘拐。
かつて親しんだ戦いの日々は犬のように私に尻尾を振って飛びついてきて、ぴっとりと張り付いてきた。
誘拐され、助け出され、組織の一員となり、順当に戦って死んだ。
思い出すのは、いつも悟や家族の事だった。
悟。悟。悟。
私は。
ーーさあ、二人とも。願いを叶えて見せろ……
そんな声を聞いて。私は生まれた。
そして、私は3回目の生に呆然とした。
私は、また呪術師として生まれ変わっていた。
呪霊のいる世界に。夏油傑として名付けられて。呪術高専のある世界に。
正直に言って、戸惑った。
二個前の生の事、それも子供時代なんて殆ど覚えてない。
そもそも二人って誰なんだよ。
前世では必死に取り繕ったが、その気力もなかった。
早々に学校をサボり、機械的に呪霊を取り込む。
その日も、廃墟で呪霊を取り込んでいた。
そこに、人の気配がする。
「夏油様ー。夏油様……? 大丈夫。ここには呪霊はいない、きっといない、いないに決まってる……いたとしてもきっと夏油様が倒してくれてる。多分恐らく絶対メイビーそうでいて……」
私を夏油様と呼ぶ。家族だろうか。信者だろうか。
誰かが、前世の記憶を持ってきてくれた!?
パッと美々子と奈々子、利久の事が思い浮かぶ。
そうだ、あの子達を助けないと!!
「誰だい!?」
そこで恐る恐る屁っ放り腰で入ってきたのは、幼いながらにいかにもオタクな眼鏡をかけた女の子だった。
「夏油様……っ!? 夏油様ですか!? 猿ですけど殺さないで!! いい話持ってきたんです!!」
「信者の誰かかな……?」
「ある意味信者です、正直すっごく後悔してます……」
呪霊は本人申告の通り、見えないようだった。
それから、私は彼女に誘われるまま、彼女の家へと向かった。
良いところのマンション、ただし鍵っ子のようだった。
彼女は、部屋の机の下からダンボール箱を引きずってくる。
段ボール箱には、『灯里の!』と書かれていた。あかりかな? 猿としか名乗られなかったしね。
「夏油様、手に意識を集中して、トリガーって言ってみた事はありますか? なければやってみてもらえますか? こう、呼ぶ感じで」
「トリガー」
すると、私の手にボロボロと幾つものトリガーが落ちてきた。
「あ、嬉しい! 結構ありますね!」
「これは!?」
「私、死んだ時、『何か』様にあったんですよ」
「何か?」
「『何か』様です。で、ほら、夏油様って転生小説とか読みます? あんな感じだったもんで、自分が死んだことも認めたくなかったし、小粋なジョークとして、はい、夏油様を救いたいです! なんて言っちゃったんですよ」
「私を?」
「イケメンだったから、ちょっと好きだったんです。アイドルに向ける感情的な。で、気がついたら、転生してて。ネイバーとトリガーの戦いにがっつり巻き込まれる感じで。もしかして、夏油様もこの中にいたりして……なんて思ってたんですけど、トリガー持ってたからマジですね。誰だったんです?」
「君の前世の名前も教えてもらえる?」
私は、彼女と名前を交換しあった。現世の名前より先に前世の名前を交換って。
ぜんっぜん知らない子だった。向こうは私の事、名前だけは知ってたみたいだ。上位だったしね、私。
「探してくれたら良かったのに」
「いやー。中々勇気が出なくて。でも、また転生して。『何か』様の声が聞こえて。そうなると、私、願いを叶えないとやばくないって思って。だって、『何か』様に強請って、お膳立てしてもらった訳だから、やっぱり願い嘘でしたってなったら怖すぎるじゃないですか。お仕置き的なあれが。それに、このまま行くと、夏油様が遠因で日本が滅亡一直線だし」
「滅亡?」
「夏油様、死んだ後に呪霊操術目当てに体乗っ取られて、その人が大規模儀式して、えーとみんな一つになろう作戦と言いますか、うーん。まあとにかく、渋谷は滅亡、東京は呪霊の楽園、他にも沢山犠牲者が出て、かなりやばい事態になるんですよ」
「悟が許さないはずだ」
「夏油様の体を人質にミミナナも五条先生も一網打がはっ」
灯里の首を絞める手を、引き剥がすのは面倒だった。心が思った以上に荒ぶっている。
殺さなかっただけ上出来だろう。
「……詳しい話を聞こうか」
「そっその前に! 私を殺さないって縛りを結んでください!」
灯里の訴えは至極当然だった。
「そうだね。明日までは殺さないよう縛るよ」
「一生! 一生!」
「それは流石に重すぎるかな」
「うー……じゃあ、一ヶ月殺さないでどうですか? 流石にそれも飲んでくれないなら、お話はこれまでです」
「わかった。【今から一ヶ月の間、君を殺さない】」
「うう、今ので縛れたんですか? 信じますからね?」
「うん。だから早く教えて」
「夏油様の姿で現れることで、五条先生は驚いてしまって、一瞬硬直して、学生時代を思い出してしまったんです。ゴクモンキョー? って目玉のついた箱に五条先生を閉じ込めるには、それだけの隙があれば十分でした。脳内時間が過ぎれば、OKって条件だった? ので。後は、ミミナナは普通に夏油様のお体を人質にされて危ない事させられてそれでも夏油様の体を助けようと頑張って死にました」
「っ 利久は?」
「すみません、わからないです」
「ふざけるなよっ」
「だって、他人事だったんです! まさか、本当にその、異世界転生させられると思わないし! 呪霊とか、全然信じない人だったし!!! 私、猿ですよ、無能力者ですよ、荒事だって無理ですよ!! ほんの、その場をあっためて現実逃避する小粋なジョークがこんなことになって、本当に、私、怖くて、怖くて、でも、その、もうどうしようもないじゃないですか!!!」
「灯里」
「猿って呼んでください。貴方にとっての戒めで。私にとっての戒めで。絶対絶対忘れないように」
「猿……」
「ねぇ、夏油様。腹を割って話しましょう。貴方は、今もまだ、術師以外、全員死んでしまえって思ってますか? 本当はもう知ってるんでしょう? 呪術師だって呪を産む。非術師を全員殺すなんて非現実的だって。術師にも屑がいるって。貴方が望んだのは、もっと別なんじゃないですか?」
「黙れ猿!!! 猿に何がわかる!」
「わかるよ! 私だって前世じゃ戦ったんだもん!! そりゃ、呪術師はボーダーよりずっとずっと辛い職業でしょうよ! でも……でも!!」
そして、小さくつぶやく。
「戦う痛みは知ってるよ」
「どこだって、大小の戦いはあって苦しみはある。人間だもん。そりゃあるよ。呪霊がいなくたってネイバーがいなくたって、人間がいる限り、ううん、生き物が生きてる限り、戦争はなくならないよ」
その言葉は、私の心を深く切り裂いた。
「じゃあ、いっそのこと、全員殺すかい? 逆に聞くよ。君の望みはなんなんだ」
「私の望み? そんなの決まってる。平和を貪る豚猿になること。その為には、夏油様、どうしたって貴方の協力が必要です。貴方が幸せに生きて、死んだら適切に火葬されること。それしかないんです。そして、夏油様が幸せになる為には、呪術師が幸せにならないといけない」
「呪術師が、幸せになる? どうやって」
「例えば、トリガーのペイルアウトを呪術師も使えるようになれば。面白い事が、できると思いませんか?」
「……それは」
「転生特典。転生特典ですよ。転生小説みたいで笑っちゃうけど、ひとまず、トリガーの持ち込みはできました。なら、ついでに言えば、トリオンがあります。前世と比べれば、わらっちゃうくらい沢山あります。上手くいけば、こちらの世界の人達も持ってるかもしれない。持ってるなら、全員が持ってる。最低でも、若い術者だけでもペイルアウトで危なくなったら逃げられるようになる世界。最高は、トリオンで全員呪術師として活動できる世界。そもそもトリオンが呪霊に効くのかとか、逆はどうなのかとか、色々実験が必要ですけど、私も貴方もトリガーの研究はしていましたし、いけますよ。私が呪力がないのも、実験を進める上では、逆に必要まであります。貴方の術式は実験に最適。だから、あわよくば、呪霊戦が死者0の世界目指しましょう」
「無理だよ」
「貴方の掲げた理想よかよっぽど勝率ありますよ」
「できない」
「じゃあまた虐殺する? 五条悟に殺される?」
「……もう、疲れたんだ。私は」
「じゃあ、なんで廃墟にいたんですか。どうせ、平和に生きるなんて無理なんですよ。同じ自分を痛めつけるなら、もっとポジティブに行きましょうよ!」
「私は。苦しい。苦しかったんだ……」
「私だって怖いわよ! 泣きたいわよ! でもしょうがないじゃない、今ここにこうして生きてるんだもん! ボーナスタイムを楽しむしかないでしょ!! どうせもう私達、死んでるもん! 二度も! これはもう開き直るしかないって!」
それから、私と彼女は長い長い話し合いをした。
そして、年月が過ぎた……。
私、こと教祖と豚猿は、大企業の支配者兼、お金を出して呪霊を狩る意味のわからないやばい組織ボーダーのリーダーとなっていた。
呪専? 絶賛敵対中である。
どうしてこうなったのか、すぐる全然わからない……。全部豚猿が悪い。
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
マシュマロ頂けたら嬉しいです
現在のプロット
ヒーローを目指して何故か悪の組織を作ってしまった教祖と豚猿。
悟達の追ってが掛かる!
五条達には異様に優しい夏油達。
理由がわからず困惑する五条。
とうとう夏油達は捕まって……?
1話を読んだ感想
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プロットの方が良くね
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このままの路線でGO!
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更に脱線GO!