教祖が呪い、豚猿が嘲笑う。こいつら、ヒーロー志望なんだぜ……?   作:かりん2022

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ヒーロールートです。

マシュマロください
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トリオン⭐︎モンスター

 謎の空間の亀裂から出てきた化け物。

 それは、呪力による攻撃が効きにくかった。

 呪霊じゃない化け物? そんなものがいるわけがない。

 でも、実際その訳のわからないものに、僕は追い詰められていた。

 鬼と、呪霊に限りなく近い巨大な化け物。僕はここで終わる? 馬鹿な。

 

「妙な技を使う。ふむ……お前も神としての才能は十分だな。お前でもいいか」

「ざっけんなよ!」

 

 化け物を貫く何か。

 声がした方を見ると、怒れる鬼女がそこにいた。

 

「ふん。戻る気になったか」

「だーれが戻るか! この誘拐犯! 強盗殺人犯! 侵略者! 私の心はいつだってボーダーと共にあるわ!」

 

 女は四角い箱のようなものを手の内に、そして周囲に作り出して撃ち出す。

 

「巻き込んでごめん。大丈夫だからね。怖くないよ。私が守るから、少しだけ我慢しててね」

 

 気遣う言葉を鬼女が掛けてくる。仲間割れだろうか。でも僕は怖がってなんかない。

 激しい撃ち合い。

 やはり呪力は感じない。

 

 僕の盾になりつつ戦う所は、本当に僕を守る気でいるらしい。

 

 最後に、鬼女が相手の角をへし折ると、トドメを刺した。

 

 ーーこいつ、呪霊じゃない。殺しても死体が残っているから。

 

 この人、鬼? を殺した。

 

 荒事に慣れてはいるし、あの鬼は呪詛師? だと思うし、いずれは僕も呪詛師も殺したりするのだろうが、僕はまだ人を殺したことがなかった。

 

 鬼女は僕を振り返って、僕は身構える。

 

「ごめん。怖いよね」

「は? 誰が怖がってるって?」

「ちょっと携帯を貸して欲しくて……お願い! 家に連絡したいの」

「構わないよ。全然怖くないしね。家?」

 

 携帯を貸すと、電話をする。

 しばらくして、戸惑い出した。番号を間違えたらしい。

 

「ごめん、ちょっとネットもさせて」

 

 操作をして、鬼女は絶望した。

 

「嘘、嘘。ない。本部がない!! 並行世界に飛んだ!? 嘘でしょ!?」

「並行世界?」

「最悪……下手するとこの世界もターゲットに。その前にこの少年か」

 

 鬼女は、告げた。

 

「あのね。君は、これから、この鬼みたいな人とか、怖い化け物に襲われることになると思う」

「怖くないが?」

「そんな時は、これを使って」

 

 鬼女が少し悩んで渡したのは、四角い機械だった。三つ。

 

「これを持って、トリガーオンと言って」

「トリガーオン……? ッ!!」

 

その途端、僕は変身した。見た目は変わらないけど、確かに変身して服装も変わった。

 

「トリオン体はトリオンでしか傷つけられない……って事はないけど、トリオン以外は効きが悪いわ。襲われたら、これを使って逃げなさい。使い方を教えるわね。一応、攻撃方法も教えるけど、最終手段と思って。訓練はしておくこと。あっ 悪用は駄目だからね! 遠距離攻撃の方が安心だけど、それはセンスいるし君って不良っぽいから、一応近接武器も渡しておくよ。でも、基本は逃げること!」

「貰えるなら、もらうけど。君達は一体?」

「奴らは異世界人の侵略者よ。トリオンの多い人間を捕まえて、生贄にしたり兵士に仕立て上げたり、体の一部を抉って捨てたりする悪い人たち。だから絶対捕まってはダメよ?」

「……それは大事なのでは?」

「大丈夫、怖くない「怖いとは言ってない!」それをなんとかするために私達が……ボーダーがいるから。そのトリガー、本当に自衛以外につかわないでね? 本来は外部に流したら駄目だし、見られたら記憶を封じなきゃいけないの。でも、君みたいに神クラスのトリオンの持ち主だと、どうしたって狙われるから。じゃあ、簡単に教えましょうか」

「神クラスって?」

「人柱よ。星に捧げて、寿命が尽きるまで燃料にするの」

「それは嫌だな」

「でしょ。大丈夫。私達がいつか、あいつら皆やっつけるから」

 

 それをなんとかする為の私達。なるほど、この前スカウトしてきた呪術師と同じか。

 なるほど、人知れず人守る組織は多いらしい。

 スカウトされるの多いな。さすが僕! 微妙に嬉しくないけど。

 簡単にトリガーの説明をした後、彼女は亀裂に向かう。

 

「待って!」

「何?」

「名前、まだ聞いてない」

「トリオンモンスター」

「名前じゃないじゃん……」

「ヒーローは本名を隠すものなのよ」

 

 トリオンモンスターはニカっと笑う。

 その笑顔は、今も私の胸に焼き付いてる。

 

 これが、私の初恋。

 

 

 

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