教祖が呪い、豚猿が嘲笑う。こいつら、ヒーロー志望なんだぜ……?   作:かりん2022

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すみません、前話の最後数行を削除しました。カミングアウトなしです。

マシュマロください
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トリオン⭐︎モンスター2

「呪力を感じない化け物ー? なんだそれ。エイリアンとでも言うつもりかよ」

「とにかく、そういうものが目撃されているから、見たら報告するように」

 

 そう、夜蛾先生から注意喚起があった。

 地球侵略はまだ続いているらしい。

 トリオンモンスターは大丈夫だろうか。自分で自分をモンスターと自称するぐらいだから、大丈夫だと思いたい。

 

 緊急ということで、任務に急行する。

 そこでは、あの化け物が人々を襲っていた。

 

「おいおい、なんだよあれ」

 

 そして、いた。

 トリオンモンスター。

 

「ブッコロ!」

 

 一層凶悪な顔になって、化け物をぶった斬る。

 

 助けは必要なさそうだ。それより、大量の呪霊が纏わりついている。

 これは祓っておくべきだろう。

 

「おい。傑!」

「呪霊が憑いてるから、祓わないと」

「真面目か!」

 

 駆け寄って、呪霊を祓う。

 

「体が楽になった……? いや、そんな事より、逃げとけ邪魔よ」

 

 非術師なんだ。

 そう思いながら、言われた通り引っ込む。

 以前より粗野になっている。機嫌が悪そうだ。

 

「お前、なんなの?」

「悟。行こう。邪魔をしてはいけない」

「邪魔をしてはいけないって」

「これは呪霊じゃないよ。私達の専門外だ」

「そうだけどよ」

 

 私が悟を連れて引っ込むと、化け物が彼女に言った。

 

「そのまま治療を受けねば死ぬぞ」

「わかってんのよ、そんな事は! テメェの尻はテメェで拭くわ、心配ご無用!」

 

 その言葉に、私は動揺する。

 彼女は、銃をぶっ放し、化け物を倒して次元に穴をあけて消えてしまった。

 

 それから、たまに任務で遭遇するようになった。

 彼女は、どんどん凶悪になっていった。

 

 理子ちゃんが死んで。

 灰原が死んで。

 

 ボロボロになった時に、双子の幼女を見つけて。

 

 今まさに殺戮をしようとする時、ゲートが開いて化け物に襲われた。

 

 私は、双子を守る。

 双子だけを守る。シールドで、双子達を庇って。村人達が殺戮されていって。

 

 そして、彼女が現れた。

 

「があああああああ!!!」

 

 ほとんど理性を失った状態で。

 化け物を倒した後、彼女は私を睨んだ。

 

「トリオンモンスター」

「私は! 私は!! ……私はモンスターなんかじゃない!!!」

「君が名乗ったんだろう」

「……!! そう、そうだ。あ……」

 

 彼女はそこで散らばる死体に気づき、表情を暗くした。

 私は、とりあえず彼女についた呪霊を祓った。

 非術師は殺す。そうだ、見殺しにする。彼女も? ……命を削って人々を守る彼女まで?

 

「もう、ダメかもね。とっくの昔に詰んではいるんだけど」

 

 そこで、彼女のお腹がなる。

 

「何か、食べ物を探してこようか」

「助かる」

 

 それから、私は食べ物を用意して四人で食べた。

 彼女はしばし無言で食事を貪る。痩せていることに気づいた。まともに食べているのだろうか。

 

「あなたの名前を聞いてもいいですか?」

「トリオンモンスター」

「モンスターって呼ぶなって」

「いいのよ。モンスターだから」

 

 そして、彼女は身の上話をしてくれた。

 幼い頃にさらわれた事。人体実験。角型トリガーに脳を侵食されて凶暴化していて、余命が幾ばくもない事。

 ボーダーと言われる地球の対ネイバー組織と合流するところだったこと。失敗して並行世界に来てしまったこと。

 それからずっとこの世界を守っていること。

 

「なんで、そうまでして人々を守るんですか」

 

 そもそもボランティアだったことに驚く。

 呪術師だってお金は貰っている。

 

「世の中、そんなもんでしょ。誰かがやらなくちゃいけなくて、それが私だったってだけ。私の場合は、私のせいでこの世界が知られちゃった事もあるしね。あなただって、大人になればわかるわ」

「私は……私は! そうは思えない!!」

「優しいのね。今も、怖いのにこうして、食事を用意してくれたでしょ。皆様のご厚意で、私は今日も生きています」

「怖くなんかない、私は、ただ……!!」

 

 今度は、私が呪術師のことを話した。

 溜まっていたものを全て吐き出して、私は抱きしめられていた。

 

「がんばったね。偉い偉い。うん。よし。……君に会えてよかった。もう凄く辛い思いをしている君に、これを頼むのは酷だと思うけど……私の知識と力、そして人脈。引き継いでほしい」

「え……」

「これから私、ツノを切り取って、ブラックトリガーを作るわ」

「ブラックトリガーになるって、死ぬってことですか」

「どうせ死ぬし、角に人格データがコピーされてるから、それをトリオン兵に組み込めばあなたへの助言もできるわ。ずっと前にそうすべきだったけど、今、ようやく勇気が出た」

「待ってください。呪いだけで手いっぱいなのに、異世界からの侵略者なんて……」

「だからよ。荒事になれてる貴方は、きっといい指導者になる。それでね。地球を守りつつ、ブラックトリガーから、人に戻す研究をして欲しいの」

「でも……!!」

「呪術師だけが頑張ってるんじゃないって知ってほしい。世界は理不尽なことばっかりだけど、優しい人もちゃんといるよ」

「頼むよ」

「卑怯です。……引き換え条件があります。名前は?」

「渡 灯里」

 

 そして、ブラックトリガーが転がった。小さなトリオン兵がツノを食べる。

 私は、涙を拭った。

 

「私は、貴女みたいに優しくなれない。だから、手段なんて選びませんから」

「悪りぃな。そうだ。お前の名前は?」

 

 私はキョトンとする。

 そうだ。そういえば、名前を教えてなかったのは私もか。

 

「夏油。夏油 傑。いや。2代目トリオンモンスターです」

 

 ごめんね、悟。硝子。さよなら。




トリオンが成長する学生時代に合流させたいけど、毎度毎度すぐ囚われもなあ……。
ということでアンケです。
その通りに行くかはわかりませんが、参考までにどのルート希望か教えてください。

この後、傑は

  • 悟卒業までに捕まる
  • 10年後捕まる
  • 捕まる展開なし
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