教祖が呪い、豚猿が嘲笑う。こいつら、ヒーロー志望なんだぜ……? 作:かりん2022
五条悟は、家入硝子と顔合わせをする。
今日が初顔合わせである。
それにしても、男女で二人っきりとは。
まあ、呪術師は人数がいないからしょうがないのだが。
担任の先生は、夜蛾先生というらしい。
自己紹介を済ませると、早速任務について説明をした。
「潜入捜査?」
「そうだ。お前達には、ボーダーへ潜入をしてほしい」
「一年にやらせる事なの、それ。やばくて良くわかんねー不良集団って聞いたけど」
「彼らは若者しか受け入れない。お前達二人なら可能と判断された」
「俺、こいつのこと知らねーんだけど?」
「私も知らねーよ。こっちは一般出なんですけど?」
「それで良い。それぞれ、別ルートで接触してもらう」
「しかもソロかよ……。こいつ術式持ってねーんだけど、大丈夫なの?」
「せんせー。断ってもいいですか」
「悪いがこの依頼は断れん」
そして、夜蛾は資料を渡していく。
「作戦概要を説明する。潜入対象のボーダーとは、呪霊狩りや模擬戦をゲームとして行う不良チームだ。ボーダーの語源は不明。俺達は報酬をもらって呪霊を退治するが、彼らは参加費を払ってトリガーと言うものを貸与され、呪霊と戦う。その戦いは記録され、動画サイトで公開。高い視聴料が徴収されている。トリガーを使うと身体能力の底上げがされ、また負けるとゲームオーバーとして空に打ち上げられ、おそらくは着地点で回収される。更に、帳を一切用いず、帳が張られると即撤退するのも特徴だな。恐らく、帳を張られると離脱できないのだと思われる。危なくなったら帳を張れ。潜入経路に関してはこっちの紙をみてくれ」
「呪術規定の秘密にガチで喧嘩売ってるよな。てか、魔窟の上層部を持ってしてもここまでしか調べられねーの」
「恐らく、予知の術式の持ち主が運営する企業がバックについている。新興企業ネイバーは、小学生二人が立ち上げてほぼ10年。その間、流行りの商品の開発や投資、株取引などを行なってその全てを成功させ続けている。呪力を持った社員を集めてもいるな」
「は? 未来予知とでもいうのか? そんな便利な術式、あるわけねーじゃん」
「……悟は、それについても調査・術式の持ち主がいたら即時捕獲をしてほしい」
「そりゃ喉から手が出るほどほしいだろうけどさ。すげー厄介そう」
「ボーダーが持っている術式は極めて特殊で奇抜、有用なものばかりだ。できれば平和的に交渉したいが、そもそもボーダーへの接触自体が出来てなくてな。とにかく、接触と調査、交渉を試みてくれ。捕獲が一番望ましい」
「そもそも、呪霊を倒してやって金も払うってなんですか。意味わかリません」
「それな。何一つ納得できる行動がねーっていうか……うげ。何この設定」
「不良……。私に演じられるかな」
「お前は問題なさそう」
「貴方もね」
そして、彼らは潜入捜査に向かうのだった。
一方その頃。夏油たちは……
「ウッヒョオオオオオオ! この前のガチレイド戦産土神VS連合、100万再生行きましたよ、教祖様!」
パソコンを前にフィーバーする豚猿こと灯里。仕事と趣味をこなしながらで、頭はいつもフル回転。
甘いものを片っ端から平らげていけば、そりゃあ太るわけで。
豚猿の名が相応しくなりつつあった。
「やれやれ。豚猿はいつも騒がしいね。ねぇ、美々子。奈々子。利久」
「きょーそさま。奈々子、ぶたざる、めっする?」
「きょーそさま。美々子も、ぶたざる、めっできるよ?」
「お、おれもできます!」
「こらこら、子供達。無条件に殴っていいのは呪霊だけだよ。でも、そうだね。豚猿はたまにはちょっと体を動かそうか」
「嫌で……呪霊出した!? 呪霊出したの!?」
ギョッとして立ち上がる豚猿。
「ほら、マラソン1時間しておいで。社内施設なら資料流しながらでもできるでしょ」
「教祖様が鬼畜……!! たまには教祖様も商品開発とか投資とか手伝ってくださいよぉ。教祖様の情報の方が精度高いんですから」
「生憎、仕事漬けで世間には疎くてね。逆行するとか思わなかったし。今は子供達の世話で精一杯かな。ほら、皆でお勉強しようか」
「ああん大黒柱の悲しみぃ!」
平和だった。
題名はどれが良さそうですか
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今のままでいい
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トリオンモンスターはおやつに入りますか?
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本日のディナーはトリオンモンスターです
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最強呪術師とトリオンモンスター
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猿は魔法使い
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もう少し考えた方がいいんじゃない?