教祖が呪い、豚猿が嘲笑う。こいつら、ヒーロー志望なんだぜ……?   作:かりん2022

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教祖様は約1名に尽くすタイプ(原作準拠)

「じゃあ、お前、呪専に来るってことでいーの」

「そうだね。君が非術師を殴ったこと、一緒に謝ってあげるよ。君には借りがあるからね。君が初めての学校に馴染むまでは一緒にいるよ」

「借りも何も、お前の事、俺、覚えてねーんだけど」

「……君が覚えてなくても、いいんだ」

「ゲトーサマ、泣かないで」

「ゲトーサマ、美々子がいます」

「ゲトーサマ、五条悟なんて忘れましょう!」

「あーもう、俺を悪者にするなよ! とにかく、来るっつったんだから来いよ!」

「入学準備くらいさせてくれないかな? ほんとせっかちだよね、悟は」

 

 そうして、敵の幹部が呪専に入学する事となったのだった。

 

「夏油 傑だ。傑って呼んでくれ。悟。硝子」

「「呼び捨てすんな」」

「そうか、わかった。じゃあ、殴り合いで勝ったら呼び捨てにしていいかな?」

「パース」

「おー、やってみろよ」

 

 ということで、傑と手合わせする事になった。

 傑の能力はおそらく、呪霊を配下にする呪霊操術!

 呪力だって普通にすげーある。

 

 警戒していたが、本当に傑は殴りかかってきやがった。呪霊は!?

 

「さあ、悟。私に奥の手を使わせられるかな?」

「泣かす」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 つよ。

 体術だけで結構追い詰められた。

 何より屈辱なのは、俺はまだやれるのに、傑が勝手に自ら退いたことだ。俺の弱さに戸惑ってるっぽいのが更にムカつく。

 そう、無限は常に張れるわけじゃないし、不意をつかれれば普通に突破される。今みたいに。

 なのに、戸惑ってるのは傑の方だった。

 

「うーん。これ、ずるくない? ずるいよね」

「何がだよ」

「私は、君に上から目線になりたくないんだよ。でも、精神年齢は上というか」

「喧嘩売ってんの?」

「そうじゃなくてね。うーん。私は君と硝子と一緒に育ちたい。君と硝子と同じ目線でいたい。でも、うーん。私の記憶、消しちゃおうかな? いや駄目だ、子供達の事まで忘れちゃダメだろ。それに、私って信用できないしね」

「は? 意味わかんねーこと言ってないで、掛かってこいよ」

「今日はもう私の勝ちだろ? 後10年待ちな」

「は?」

 

 そして、殴り合いになった。

 呪霊を出させて、アラームが響き渡る事となった。

 あー、呪霊はいちいち登録しないとダメなわけね。

 

「傑。では、悟と硝子と共に任務についてもらう」

「もうですか? 確か、4級任務からですっけ。げ」

 

 ペラりともらった紙を見て、傑は声を出す。

 

「なんで一級!? 前は四級からだったじゃないですか! しかもこんなに!」

「まずはお前の実力を測る。無理だと思ったら引き返していい」

「でもこれ、悟も行くんでしょう? この時からこんな強いの倒せたっけ? てか今の私でもきついんだけど??? 前の私なら瞬殺だよ、瞬殺!! 硝子だって、近づくだけで危ないって!」

「ふざけんなよ! できるに……ふざけんなよ、なんで特級任務が混じってるんだよ!」

「クズども私を巻き込むな」

 

 結局俺達は、丸め込まれて送り出された。

 

「あー。君が倒して、私が取り込んで、その呪霊で援護って形になると思う」

「俺が倒すのかよ」

「間違って祓うなよ? 硝子は安全な場所で待機ね」

 

 そして、任務へと向かう。

 正直に言おう。

 

 すっっっげえやりやすかった。

 

 傑は俺のこと、知り尽くしてる。もう何年も組んでる魂の相方です! と言わんばかりに連携を完璧に合わせてきていた。

 おやつの好みも知ってて、俺の分まで買って、分けてくれた。

 

 しかも、俺に気を使い慣れている。

 

 傑が好きなのはしょっぱいの。でも買うのは俺の好みの甘いので二人で分ける。

 硝子には硝子で買って渡してる。

 

 そして、すっかり疲れて傑が寝入る頃。

 

 俺は、担任をすっ飛ばしてお偉いさんの魔窟へと放り込まれていた。

 

「奴の正体は」

「術式は」

「情報は取れたか」

「あー。傑の術式は呪霊操術です。とりこんだ呪霊を配下にする事ができると思われます。未来視ではありません。ただ、そんな術式あるはずないって思ってましたが、今はそれしかないと思ってます。未来視、というよりは多分、逆行とか、並行世界の自分の記憶を持ってくるとか。彼の俺への信愛と知識と経験は本物です。あいつは、未来の俺を知ってるし、味方だって信じきってるし、多分味方だった。術式はとんでもなくレアで強いですが、常識の範囲内です。まだ仲間がいる」

「ムゥ……だとすると、尋問は不味いか」

「あの感じですと、むしろ普通に聞いたほうが情報量は正確で多いかと」

「わかった。引き続き、情報を引き出していけ。そして取り込め。未来視だろうが逆行だろうが、野放しにしていい術式ではない」

「わかりました」

 

 ふぅ、と大きくため息をつく。

 寮の部屋に行くと、傑の寝言が聞こえた。

 

『硝子ぉ……悟は飲めないって、ダメだって……むにゃ』

 

「何の夢見てんだよ。お前、敵地なのわかってんのかよ」

 

 やっぱりちょっとの罪悪感と、心配を胸に、俺は眠るのだった。




夏油様は自分の欲しいお土産を聞かれて友達の好きな味をリクエストする人。
でも美々子と奈々子には割と尽くさせてる……罪な人だと思います。

マシュマロください
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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