教祖が呪い、豚猿が嘲笑う。こいつら、ヒーロー志望なんだぜ……? 作:かりん2022
丁寧な評価を送ってくださった方がいまして、本当にありがとうございます。
具体的にどこが問題かと言う指摘もあり、とてもありがたいです。
ぜひ参考にさせていただきます。
ひとまずの対処として、BLタグにチェックを入れておこうかと思います。
マシュマロください
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
「うちは、会社であり、未来の情報をお金に換えるネイバーと、呪霊退治系のエンタメをするボーダーに別れててね」
「エンタメ」
「とりあえずは、見てもらおうかな」
傑がカチカチと動画サイトにログインする。ログインIDとPASSは覚えた。
「部屋でもじっくり見たいから、IDとpass借りていい?」
「私も」
「いいよー。私のIDなら、全部の動画が見れるよ。でも、他の人には教えないでね」
「わかった」
労せずしてログイン場所などは向こうでも把握しているだろうし、同じIDが使えるなら、俺が調べ倒して報告するまでである。
傑が出してくれた動画では、不良達……だけ、というわけでもないらしい。
とにかく、若き少年少女達が一級の呪霊に襲いかかっていた。
ある程度差異はあるが、基本的に同じ術式に見受けられる。
だが。一つ、重大な点がある。それはカメラに写っているということ。
呪霊も薄ぼんやりと見えているし、なんなんだ一体。
何かを散布しているように見えたが……。
あれはまさか兵器? 技術、なのか!?
攻撃を受けると、どん、どん、と花火のように打ち出されて何処かへと消えていく。
片腕を失ったものもいたが、血も流れず痛がる様子もない。
メンバーは3人、ないし4人組。それが複数。
囮としたりなど、贅沢な人材の使い方をしつつ、戦闘を続けていった。
解説までついてるし、中々ふざけたエンタメだ。
その後は、神社で全員で掃除してお参りして、全員打ち上げられて映像は消えた。
「これ、なんでカメラに写ってんの」
「そうだね……。悟と硝子も打ち上げられてみる?」
「……面白そうじゃん」
「それって大変?」
「いや、ペイルアウトだけなら、ダメージを受けるだけで無条件で出来るよ。受け取りは私がするし、大丈夫。ちょっと準備が必要だけど。あ、ペイルアウトは、ダメージを受けると指定の場所に転送する技術ね。死亡事故防止の為の対策だよ。あまりにも酷いやられ方をしたり、移動を防がれたりするとペイルアウトできないから、絶対ではないけど……今の所、事故はないね。帳とかに触れたりするのは危なそうだから、実験すらもしてないよ」
そして、傑は小さい機械と呪具を出してきた。
「じゃ、いこっか」
グラウンドで、傑は機械を取り出す。
「トリガーオン!」
「おお、呪力と術式が消えた!」
「この状態を、トリオン体という。生身の肉体じゃない、トリオンで出来た体で、トリオンや呪力での攻撃以外はあんまり効きずらい。そもそも怪我してもあんまり痛くない。トリオンと呪力の関係はまだ研究中だけど、トリオン体になると呪力のある体は格納してしまうので、呪霊に対してもあまり攻撃ができなくなる。帷なんてもってのほか」
「意味わかんねーほどすげー技術だけど、意味ねーじゃん。逆に不利だし」
そう言いつつも、悪用の方法は100、200は考えつけそうなすげー技術だ。
「そこで、手は三つある。術師の場合、慣れてくることで、ほら」
傑の残穢が滲み出てくる。
「これを自染という。体は格納されてるわけだから、そこから呪力を引っ張ってきてトリオン体を加工するイメージかな。トリオンを染めすぎると凶暴になる例があるから、トリガーは3時間以上の起動はシステムで禁じてる。とはいえ、これは自前の呪力を使うんだし、危険度は低いと思われる」
「なるほど」
「次が、装備。呪具などを使うって事だね。これはあまりないけど……確実に安全でもある」
「最後が他染?」
「その通り。呪力球、要は呪力を固めたものを取り込む方法と、私の呪霊を溶かす方法がある」
「呪力を固めるなんて出来んの?」
「まあね。トリガー研究の際にできたんだ。やってみる?」
「やる」
「呪霊カメラで見えてるのなんなの? トリオンとか、トリガーって何?」
硝子も質問する。
「トリオンを空気中にばら撒いて呪霊に付与して、トリオンでの攻撃も効いたり見えるようになったりする。視覚支援をすればさらに見えやすくなるかな。トリオンは要するに魔力で、トリガーは魔法の杖」
「は? 傑、魔法使いなの?」
「人間でトリオン持ってない奴はいないよ。非術師だって呪力はあるだろ」
「「は?」」
「もちろん、各々が持つトリオンの強さは千差万別だし、トリガーを起動できるレベルのトリオンを持つ人自体、それほどいないけど。呪力と違うのは、感情由来の力じゃないところ。トリガーの所有が絶対な所かな。年齢が若ければ若いほど伸びが良くて、大人になったら成長が止まる所も違うね。あと、力の性質として物質化が得意」
「俺も持ってるって?」
「うん、そう。でないとペイルアウトしてみるなんて誘わないよ」
「トリガーってどう使うの?」
「これを持って、トリガーオンって言って」
「トリガーオン!」
「トリガーオン!」
「そのトリガーはあげるよ。ついでだし、手合わせしてみる?」
痛みに鈍くなり、身体能力は上がる。なるほど、面白い。
硝子も結構楽しそうに訓練してた。
ただ、呪力を滲み出させる都合上、直接戦うより呪力は確実に減る。
術式まで発動となると、相当練度がないとダメだ。
対呪霊の、攻撃力が極端に減る事を示していた。
その後、傑が何か装置を出して、ペイルアウト実験をした。
なんだかすごく変な感じだった。
「トリガーって量産できんの」
「無理だね。すごく難しい。後は、呪術師は却って戦力が下がるのも問題かな。今、色々研究を頑張っている所。ま、非術師を戦闘に起用出来るだけでも有益かな」
「ふぅん」
「もっかいペイルアウトする」
「後一回だけだからね、硝子」
「半年位して、全員の休暇が揃ったら、チーム戦試してみるかい? 私達はちょうど3人だし。豚猿に支援をさせるよ。トリガーの調節はいつでもしてあげるし。遠距離中距離近距離で仕様が違うからね。それは近距離用」
「する」
「する。とりあえず遠距離用も触ってみたい」
その後、トリガーやトリオンについて詳しく教えてもらった。
そのまま報告にあげたら、案の定トリガーを献上するように言われた。断ったけど。
そうして、情報を収集しつつ、任務をこなして行く日々。
俺達は、とても仲良くなった。
一年が過ぎた頃、護衛任務を受けた。
傑はとても真剣な顔をした。
「どーしたんだよ、傑」
「この任務、失敗するんだ。理子ちゃんは殺される。急ごう。もうすでに追手が来てるはずだ」
「は?」
「傑! 事前に報告しておけ、どういう事だ!」
「今は急いでいるので失礼します」
そして、現場に駆けつけて、落ちる天内を傑が受け止める。
「お主は……」
「理子ちゃん……。私、は……」
見つめ合う二人。恋人同士だったとか?
それぐらい、傑の目はさまざまな感情を含んでいた。
それなら尚更早めに報告しておけよ。
「傑。なんで依頼の失敗したこと言わなかった」
「まだ迷ってるからだよ。この依頼に日本の未来が掛かってて、……それでも、私が理子ちゃんを死なせたくなかったから。助けるって約束したんだ。悟に、任されたんだ。なのに、目の前で、殺されてしまった。甚爾の勧誘にも失敗してるし……」
「お前さ、いい加減にしろよ。いつも風船よりも口軽いじゃん。ちゃんと話さないと、判断もできねー」
「妾も、当事者じゃ。お主、未来を知ると噂の者じゃろう。この依頼に日本の未来がかかっているとはどういう事じゃ」
「それは……任務の途中で言うよ。絶対に」
「任務の途中って」
「学校行って沖縄行った後、帰りの飛行機の中?」
「は? これだけ未来に干渉してて、未来が動いてねーはずねーだろ。つか沖縄ってなんだ」
「でも、理子ちゃんには最後の思い出になるんだ。これは外せないよ。あと、沖縄は黒井さんが誘拐されたから、今回も誘拐されれば行ける口実はできるよ」
「「「沖縄行きは却下で」」」
「はあ、仕方ないのう。学校と水族館! それで妾は十分じゃ! じゃからそれが終わったら速攻で話すのじゃ」
「わかったよ」
「はあああ!?」
水族館に行った後。
傑は自分の術式とそれを悪用する呪詛師の話をして、俺たち3人にフルボッコされた。
水族館行ってる場合じゃねーだろ! 呪専に急ぐぞ!!!
というかほんと事前に言っとけ、事前に!!
傑の電話が鳴る。
『教祖様! 本社を襲撃してる人がいて……助けて!!』
ほらあああああああああ!! 未来変わってるじゃねーか!!!