教祖が呪い、豚猿が嘲笑う。こいつら、ヒーロー志望なんだぜ……? 作:かりん2022
「美々子。落ち着いて。豚猿は?」
『働きたくないって言ってる』
「働かせろ。悟。会社の方は大丈夫。理子ちゃんに集中しよう」
「天内、悪い。護衛依頼、絶対成功させねーと」
「元より覚悟の上じゃ。それに、感謝しておる。妾の死は無駄ではないとわかったのだからな。妾を、無駄死にさせないでくれ」
「わかった」
そうして呪専まで急ぐ。
たどり着いたと思った瞬間、背後から悟を刺す者がいた。甚爾だ!!
「トリオン体だっての!」
「だっせ。五条家の坊がそういう手使うか?」
「勝てばいーんだよ、勝てば!!」
悟がすぐに迎撃をする。トリオン体の時は身体能力が上がるし、呪力の強化もこの一年で出来るようになった。何とかこのまま勝って欲しいけど……!
激しい攻撃の応酬。私は入り込めそうにない。
「こっちへ!!」
私は、理子ちゃんを引っ張って避難する。
入口で黒井さんと別れ、地下まで行くとドンっと音がする。
この打ち上げ音はペイルアウトだ。
悟がやられた!
しばらくして、続いてドンっと打ち上げ音。
黒井さんもか!
「急がないと!」
走る。走る。
殺気を感じて、理子ちゃんを抱きしめた。
腕が熱い。撃たれた!!
それでも理子ちゃんは無事だ、良かった。
血がぼたぼたとこぼれ落ちた。甚爾はニヤリと口角を上げる。
「なんだ、トリオン体じゃねーの?」
「君は私を殺せない。呪霊操術が死後どうなるかわからないからね。ならこっちの方が守りやすいだろ?」
「はっ そーかよ。でもまあ、こっちも都合がいいな」
「理子ちゃん、逃げて!」
「負けるでないぞ!」
理子ちゃんが走るのを、呪霊を大量に出して守る。
そして、その背後を塞ぐように現れたのは頼りになる後輩!
「とーじくん、女の子には優しくやで!」
「あん? お前もいたのか、直哉」
「久々に手合わせしてやぁ!」
直哉と同時に呪霊を襲わせて仕掛ける。
直哉はトリオンの扱い上手いし、身内だから説得頑張ってくれそうということで頼んでおいたのだ。
一閃
ほんっとう強いよな、この猿!!! ゴリラ! 甚爾!
呪霊は祓われ、直哉は這いつくばり、私も腕を庇ってしゃがみこんだ状態。
猿が近づいてきて、自分に深いトラウマがあることを悟る。
恐怖に耐えきれず、ぎゅっと目を閉じると、即座に気を失わされた。
「あら、目覚めた?」
起きたとき、目の前にいたのは頭に傷のある女性だった。
「お友達はごめんなさいね。殺させて貰ったわ」
理子ちゃん……!! くそっ どうして私はいつも無力なんだ。
私は、最強にはなれないのか!?
起き上がると、じゃらりと鎖がなる。
私は当然のごとく拘束されていたのだ。
「貴方には聞きたいことがいっぱいあるの。教えてくださる?」
にこりと笑うその女性の名を、私は知っていた。