【完結】南西諸島海域の研究所にて 過去   作:ふじこれ

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今回はいつもよりも長いです。あとグロ描写があるので苦手な方はブラウザバックしてください。表現下手なのであんまりグロくないかもですが。

 少し修正しました。


望まぬ物を得た少女

 

 

 

 

 

 

 

―続き

 

 

 

 少し時をさかのぼること 数時間前

 

 

 

 精神を蝕まれた清霜は契りを行い、深海棲艦として覚醒した。職員たちが来ない今、脳内で深葬姫と会話を繰り返していた。まず自身の黒い生物らしき艤装について。

 次に深葬姫はなぜ幽霊みたいなことになっているのか。色々質問していくなか、聞き取れきれないと思った深葬姫は“一度に聞きすぎる! それだとごちゃごちゃするだろうが!”と一喝したせいもあり、間髪入れずにマシンガンのように質問していた清霜はしょぼんとした顔になった。

 

 

 

 それを見た深葬姫は気にせず、最初の質問から話していった。

 

 

 

 まずは自身が持つ艤装について、だ。なぜ、本来の物ではないのかということだが、理由は単純。

 艦娘が沈んだ際、沈んだ場所の生物の魂が形を変えて艤装に宿ったモノなのだ。

 

 

 

 その形態は付喪神のイメージに近い。

 付喪神とは本来長い年月をかける事で器や道具に魂や精霊が宿ることなのだ。

 しかし深海棲艦の扱う艤装には魂こそは宿るも、それは付属品のようなものとして扱われる。道具は人格を持つことは決してない。

 

 

 

 黒い生物のような艤装もその魂の負の感情、怨念とも言えるものが清霜の感情に反応して交わり宿ったのかもしれない。

 現在は黒い生物の――艤装に纏わりついたドロッとしたアメーバのようなものがへばりついていただけだった。

 

 

 

 それも指摘すると深海化とは本来のように時間をかけて完成されるはずが急遽何らかの事情で形を成しただけであり本来の器が出来ていないため、宿るはずの生物の魂は不定形なのだそうだ。

 清霜はいまいちわからないと顔を曇らせていた。

 

 

 

 そんな清霜を見てか、深葬姫は“後半日~二日すれば形になる”と言った。

 

 

 

 “それに見てみろ”とも。指差された方を見るとドロッとしていたアメーバのようなモノはゆっくりと形を変えていく。

 微量の変化だが、形になっていくのが分かる。それを見てか“もしかしたら、戦艦のような艤装を持てるのでは!!”と脳内で思い、期待に胸を膨らませていた。

 

 

 

 ふいに扉がキィー……と音を立ててゆっくりと開いてく。音を聞いて清霜は扉を凝視する。しかし扉は開いたまま、誰も入ってこなかった。何を思ったのか、清霜は扉に近づく。

 

 “近づくな! やめておけ! おい、聞いてるのか!”と深葬姫が叫ぶがそれは一切聞こえていない様だった。

 清霜は無反応ですたすた、と音を立てながら扉が開いて見えた暗闇に向かって歩く。闇の中に入ろうとしたときだった。

 

 

 

 

 バシュッ!!

 

 

 

 

 何かを放ったか、あるいは吹きかけられたのか。

 力がこもっていた清霜の体だが急に力が抜けていきその場に崩れるのには時間がかからなかった。

 

 何が起きたのか、清霜自身が確認することは不可能であった。

 

 

 

 ====

 

 

 

 地下2階 ??室

 

 

 

 

 

清霜「っぅ…………うぅ~ん…………」

 

 

 

 

 

 短い呻き声を上げながら、先ほどの事を思い出し、どこにいるのか場所を確認するかのように清霜は探りながら起き上がる。

 ゆっくりと瞼を開けると目に飛び込んだ物は白い正方形の板が四方八方に敷き詰められていた空間だった。

 

 清霜のいる空間は薄暗く、どれほど広いかは分からなかった。

 そんな状況を理解した時、思わず『ここはどこ?』と呟いた。

 

 

 

 

 

 声は室内に響くとバンッ!と音を立てて、目の前の一点だけが明るく照らされた。

 とことこと音を立てて誰かがその照らされている所へ向かって歩いてくる。その人物とは――黒囲であった。

 

 黒囲は清霜の方を見るとパチパチと拍手を送った。なぜ拍手されたのか理解できない清霜は疑いの目を向ける。向けられた黒囲は言った。

 言葉を聞いた清霜は居ても立っても居られない感覚に陥り、ブルブルと身体が小刻みに震えているのが見て分かった。

 

 

 

 

 

黒囲「素晴らしい! 清霜君、君は実に素晴らしい! 夕雲君は廃人寸前だが、君は深海棲艦として開花してくれた。この実験は神の器(テンシ)を作ることだったが君の場合でも素晴らしい成果と言えるだろうな」

 

 

 

清霜「夕雲姉ちゃんが、廃人…………?! おい、お前ぇ……!! 夕雲姉ちゃんに何を打った!!」

 

 

 

 

 

 赦せない、赦せないと心が震えて収まらない。

 清霜の心を巣くう闇は水を得た魚のような速度で心を蝕んでいく。

 

 そしてほとんど心蝕され、吐き出された言葉は牙を剥くように黒囲に向けられた。

 それを聞いてニタニタと人の不幸を嗤うような態度を示しながら言った。

 

 

 

黒囲「なぁに。君と同じだよ。試薬段階のポーション……もとい天死薬を数発投与しただけ。もっとも君のように深海化するかもしくは空想上の天死の姿になるかと思ったが――結果は失敗だった。深海棲艦に投与した時と変わらず。まぁ仮に廃人のようになっても大丈夫だろう? いいサンプルとして今度、扱われていくだろう」

 

 

 

 

 

 それを聞いた清霜の脳内は殺意で埋め尽くされ、無意識に右手を黒囲の方へ向けていた。

 清霜の行動が理解できないと言った顔をしたのも束の間。清霜の腰~臀部にある物がゆっくりと形作られていく。

 

 それは重巡のネ級改の艤装と酷似していた。そして右手から肘近くにはリ級が扱う歯が剥き出しの小さなサメのような形をした艤装を纏い始めた。

 

 

 

 

 

黒囲「な……! ここまで進んでいたのかッ!! 素晴らしい! 実に素晴らし……」

 

 

 

 清霜の変貌ぶりを目の当たりした黒囲は目を見開き、驚いた。

 そして素晴らしい!と狂喜に震えた。清霜は冷めた視線を送ると発砲した。

 

 

 

 ドォン! ドォン! ドォン! ドォン!

 

 

 

 

 

 無慈悲にも右腕から四発の弾が放たれた。部屋から明かりが奪われ暗闇に包まれるなか、撃ち終わった右腕の艤装から“シュゥゥゥーッ”という音と共に煙が上がる。

 自分の後頭部辺りから深葬姫の声が聞こえてくるが血が上り切った頭では内容なんて入ってこなかった。

 

 肉片になったであろう、黒囲を見た後は手当たり次第に破壊活動を行っていこうと思ったとき。またも拍手がこの空間に響く。

 

 

 

 四発も撃ち込んだんだ。確実に殺したと思った。

 殺してなくとも致命傷を与えたかと思ったのだが――まだ暗闇の中から拍手の音は鳴り続ける。

 

 

 

 

 

清霜「(どこから? 確実に殺したはずなのにッ! やはり確実に握りつぶしておくべきだったか!)」

 

 

 

 

 

 耳に入る音は段々と不快さを募らせていく。

 頭に血が上りきったので冷やそうと思い深呼吸を行う。ゆっくりと大きく吸い込み、ゆっくりと吐いていく。

 落ち着くまでそれを繰り返す。落ち着いたら、闇の中から聞こえてくる音の位置を探るべく耳を澄ませた。

 

 

 

 パチパチ、パチパチ、パチパチ

 

 

 

 音の場所を知った清霜はそこへ走り出した。バタバタと走る音と自分の息遣いだけがはっきりと聞こえた。

 近づくにつれてあの不快な音に近づいていくのを感じた。拳が届く範囲を捉えたら、右腕の艤装を解除し間髪入れずに揮った。

 

 当たれば、即死いかなくても致命傷を与えられるだろうと思ったが――

 

 

 

 

 

 ガキィンッ!! 

 

 

 

 

 

 清霜の拳は何かに弾かれ、硬質な音が周囲に響いた。

 暗闇のため位置を見誤って壁を殴ってしまったのかと思ったが何か嫌な予感をした清霜はゆっくりとノックするような感覚で二回叩いた。

 

 音は“ガキン! ガキン!“と先ほどと同じく硬質な音を響かせた。

 

 

 

 その時、清霜は思った間違えて外したのではない。殴ったところ以降に壁があるのだと。

 そう思っていた時、バン!と大きな音を立てて部屋の照明が起動した。急に明るくなった為、思わず手を目の方へ上げて覆う。目が慣れるまで数分の間、清霜は警戒を怠らなかった。

 

 

 

 

 

 耳を澄ませ、鼻を利かせ野生の獣のような警戒の仕方をしていた。

 それでも引っかからなかったので警戒を解いたとき、頭上に何かが現れた気がした――それを脅威と取った。

 

 即座に頭を守る。ブシュゥゥ~……と煙のような物が清霜のいた空間に向かって放たれた。

 

 

 

 

 

 煙のような物には抵抗虚しく、清霜は意識を手放した。

 三度目であった。一部始終を傍観していた深葬姫は半端者清霜の成長速度には肝を抜かしていた。

 

 

 

深葬姫『(素晴らしい。艦娘としては終わってしまっているかも知れぬ。しかし深海棲艦としての成長速度は止まる所を知らず、か。実に面白い艤装の組み合わせ方だ。我らの装備とも異なる――…………これが艦娘の深海化、か。見た時は半端者の紛い物と思っていたが、これは我が器に良いかも知れぬ)』

 

 

 

 ========

 

 

 

清霜「…………ここは、さっきの部屋?」

 

 

 

 

 

 意識を取り戻した清霜はさっきの部屋かどうか確認する。

 先ほどと同じで蛍光灯の弱弱しい光がうっすらと見えた。光のすぐ近くは明るいがその他は徐々に暗くなっていた。

 

 

 

 自身がいるこの空間は薄暗い、というよりかはほとんど暗かったので周囲は見渡せない。

 しかしすぐに違うと匂いで感じた。鼻を覆いたくなるようなほど、自分がいる空間は異様に血生臭く、そこに死体があるのではないかと疑うほどだった。

 その強烈な血の匂いは猛烈な吐き気を誘う。吐き気を我慢していると後ろからカツン、カツンと革靴が床を弾くような音が聞こえた。音は段々と近づいてくる。

 

 外から迫ってくる音に耳を傾けながらいると目の前の扉を開ける音が聞こえ、目を向けると弱弱しい明かりはガスマスクを照らしていた。

 被ったその人物はペコリと一礼するとガラガラと何かを引きながら歩いて向かってきた。清霜は薄暗い部屋の中では何が運ばれているのか、分からない。

 

 

 

 

 

 ガスマスクを被った人物と清霜の間は一メートルほどであった。

 先ほどの部屋とは違い壁がないようだった。手が出たら、即殺せると思ったが行動はしない。慢心していたのか、注意深いように徹していたのか分からなかった。

 

 

 

 清霜に対して焼いた肉を差し出した。短く『食え』といい、グイグイと清霜に押し付けた。

 肉は焼かれたばかりなのか温かく、食欲をそそる匂いが辺りに立ち込める。何時間も食べ物を口にしていない清霜には魅力的な提案に思えたが口にしなかった。

 

 

 

 

 

 

給餌職員『…………』

 

 

 

 

 

 ガスマスクを被った人物は黙って、次に次にと肉やハギスを出した。

 五皿目になる時、耐えられず肉に噛みついて咀嚼をした。何時間振りに口にした肉はとてつもない幸福感を与えた。

 

 肉の塊を一つ平らげると、また一つ、一つと手を出していった。

 辺りに、ペチャクチャと咀嚼する音が聞こえる。普段なら気にするところかも知れないが現在の清霜の状態は空腹を通り越して、飢えていた。肉やハギスを食らう瞬間は至福の時間だった。

 

 

 

 

 

給餌職員『…………経過、良好。薬品を大量に混ぜたが飢えが勝って気がつかない様子。このまま死んじまえ、化け物』

 

 

 

 

 

 毒を吐き捨てると、咀嚼を続ける清霜を置いて上に戻ろうとした。

 ガスマスクを被った人物が上に戻ることはなかった。突然首根っこを掴まれ、後ろに転ばされた。

 

 

 

 

 

 ドテッ

 

 

 

 

 

 そんな音が部屋の中で聞こえた。

 急に何が起きたか分からなかった。腰の鈍痛に顔を歪ませていたが、そんな事は突然の衝撃により考えられなくなった――いやその必要がなくなった。

 

 

 

 

 

 ブチリ、ゴキン、グチャリ、ブチブチ

 

 

 

 

 

 何かを壊す、気持ち悪い音が部屋内に響いた。

 ガスマスクを被った人物は悲鳴を上げる前に肉体から内臓を引きずり出されて死んだ。

 

 深海化した清霜はとてつもない力を発揮し、人間の身体をいともたやすくまるで紙を破り捨てるかのように千切った。

 

 

 

 千切られた部分からは止め処なく血や内臓が零れる。そして口の中へ放り込み死肉を噛み飲んだ。

 それは深葬姫ですら突然の行動に目を疑う。焼いた肉エサを与えられて貪っていると思ったら、目にもとまらぬ速さで人間に襲い掛かかり殺した。

 表情はよく見えないが狂気じみた行動から分かるがとても正気ではないような感じがした。

 

 

 

深葬姫『おいおい。こいつ…………狂ってやがるッ!!』

 

 

 

 

 

 ブチブチ、ベキベキ、ガリッガリッ

 

 

 

 

 

 薄暗い部屋の中、死体から流れ出る血の臭いはより濃くなっていく。そして内臓の生臭さも相まって地獄が完成した。

 

 

 

 

 

清霜「ガリッガリッ…………硬いなァ…………それに、試薬の過剰摂取も、あるね。ねぇ、深葬姫? 今、わたし、どうなってる? 醜い?」

 

 

 

 

 

 闇の中で蠢く清霜はそう呟いた。

 血の付いた手を舐め取っていた。傍には無残になった死体が転がっていた。

 

 

 

深葬姫『今の貴様? 見た目は深海棲艦我らと同じだが中身が根本的に違う。致死量の薬を盛られたのにも関わらず、弱るどころか益々強くなっている。まさに化け物だ』

 

 

 

清霜「女の子にいうことじゃないと思いまーす!」

 

深葬姫『ケッ。貴様がそんな風に見えてたまるかってんだ。……おっとまた被害者エサの登場だゾ?』

 

 

 

清霜「えっ! やった! やった! 新鮮な肉モノを食べられる!…………ッ!」

 

 

 

 深葬姫と清霜がそんな風に会話していた。

 新鮮なモノが食べられると喜んでいたが――突然顔を顰めて蹲る。

 

 深葬姫がふわふわと駆け寄り見ると清霜の表情は灰色であった。

 今まさに副作用が起きていた。

 

 

 

 うげぇえ…………おろろっおえ゛え゛……

 

 

 

 さっき食べたモノ全てを急に吐いた。

 副作用はまだ収まらないのか、もっと吐く。胃の中身を全て吐いたが、血も吐いた。 

 

 深葬姫は肉体を持っていないので清霜に声を掛ける事しか出来なかった。

 

 

 

 そんな時、外から何人かバタバタ音を立てて入ってくる。

 入って来た人らは皆ガスマスクを被ってた。苦しむ清霜の姿を見て、機と思ったのか何人かが近寄り腕を拘束する。

 

 

 

 

 

清霜「っがぁ! ぐあぁぁぁあああああ!!」

 

外道G「ッ!! 暴れるんじゃない! この化け物がァ!!」

 

 

 

 

 

 痛みにより、苦しみ暴れていたところを抑えられた清霜はジタバタと暴れる。

 拘束していたうちの一人が声を荒げて清霜の横腹を思いきり蹴った。

 

 

 

 

 

清霜「っぐがぁ……!!」

 

 

 

 

 

 痛そうな顔をしたまま気絶した。その隙に手と足を拘束した。

 行動をさせないようにする為か、そのまま切断した。清霜の身体は大きく震えたが本人は意識を戻さなかった。

 奇麗な赤色の血液が流れていく。切断されたモノは他が回収した。■■を失った清霜は這うことしか出来なくなっていた。そして撤退しようとしたとき、小さな音が聞こえた。

 

 

 

 

 

外道F「なんだ?」

 

外道E「お、おい! あれを見ろ!」

 

 

 

 

 

 清霜の切断された場所の断面から骨、筋繊維と集まって次々に元の形へ再生していく。

 一分も経たないうちにそれは再生した。一連のモノは深葬姫にも外道達にも目を疑うような光景だった。

 試薬の過剰摂取の影響か、はたまた清霜自身の能力なのかは分からないものの驚異の回復能力だった。

 

 

 

 これは上に報告すべきだと感じた外道らはもう一度、別の部分を剥ぎ、抉り、切断した。

 本来なら激痛のあまりショック死も考えられるが清霜の肉体はびくり、びくりと大きく震えるだけであった。

 

 そしてミチ、ミチミチミチという小さな音と共に失った部分は再生した。

 

 

 

 

 

外道D「この個体は――素晴らしい! 化け物じみた再生能力は特筆すべき点であると思わないかね諸君!」

 

 

 

外道C「ですね。処分用にくれてやった試薬ですが、まさかこんな成果を残すなんて! 上層にいる時・雨・君・もこれぐらいやってほしいものですね。あっはっはっは……」

 

 

 

外道B「…………さ、早く引き揚げましょう? この部屋の隅にガスマスクと死体が見つかりました。恐らく、さきほどここに食料を運んだ職員でしょう。今の奴は区別がついてない可能性も考えられます」

 

 

 

外道A「そうだな。君の言う通りだ。後でまた来よう。耐久テストという名目で、な」

 

 

 

 

 

 不穏な事を言い残すと待機していた職員たちが投薬実験で死んだ深海棲艦や人間を清霜の方へ投げ捨てて、後にした。

 

 

 

 

 

清霜「…………行った、か」

 

 

 

 

 

 ここを立ち去ったのを確認した清霜は弱々しい声を出し呟いてゆっくりと起き上がった。

 拷問じみたことをやられていたのに不思議と痛みはなくペタペタと裸足で周囲を歩いた。

 

 そして自分に起きた変化を確かめていた。わざと肉体を傷つけてみる。

 すると蒸気のような物が出ながら傷は癒えた。思わず“えっ……本当に化け物じみてるじゃん”と口にした。

 

 

 

 そんな時、深葬姫が話しかけてきた。

 

 

 

深葬姫『おい! 大丈夫なのかよ。拷問みたいなことやられて神経とか切れてないか!? ……いや歩いてるからその辺は大丈夫か。しかし、痛みはあるか? さっきまでとてつもなく苦しそうな顔をしていたが――もう大丈夫なのか?』

 

 

 

 

 

 心配そうな声を出してふわふわと寄る。

 清霜は笑顔を浮かべてこう言った。その内容は深葬姫にとって衝撃を与えた。

 

 

 

 

 

清霜「うん。もう大丈夫だよ。さっき傷つけて分かったことなんだけど痛みを感じない身体になっちゃったようなんだ。それにこの再生能力は……深海棲艦でも何でもなくなったんだね。このまま行ったら醜い化け物どころじゃなくて、何になるんだろうね」

 

 

 

 

 

深葬姫『ばッッッ…………それどころじゃないだろ! 恨みとかそんなのは無いのかって聞いてんだよ! 普通そんな目にあったら怒りとかも湧いてくるだろ!! なんでそんなに笑ってんだよ!!!!』

 

 

 

 

 

清霜「そりゃ…………怒り心頭ですとも。わたしはこれでも殺したいくらいに怒ってはいます。でも感謝もしてます。望んでいた能力ではないけども。ぞんびあたっく? が出来ますから。目にモノを見せてあげます。ふふふ……あははははっはっはっは!」

 

 

 

 

 

 言い終わると少女のような表情をして笑った。

 笑い声が薄暗い地下に木霊していた。そして深葬姫は見る事になる。

 

 笑顔で笑っている清霜の声で掻き消されているがその裏にはどす黒い感情がうろついていることを。

 ひとしきり笑い終えると足元に転がっている死体に目をやった。

 

 そして近づいて齧った。

 深葬姫はドン引きといった表情をしていた。

 

 

 

清霜「いやですね? この異常な回復は体力を根こそぎ削るそうなんですよ。だから生肉でも死肉でもなんでもお腹に収めないと、大変なんですよ」

 

 

 

 

 

 そういって清霜は長く伸びた爪を器用に使って死体の皮膚を雑に破ると死んだ目をしたままかぶりついた。周囲にはくちゃくちゃという咀嚼が聞こえていた。

 

  

 

―続く

 

 

 

 

 

 

 

 




新キャラクター

 試薬の過剰摂取オーバードーズにより、化け物染みた再生能力を得た。 清霜

 これ分けた方がいい? 本編絡むけど、読み手混乱しない??

補足<追加 R4 1/18>

 深海化した清霜が纏う艤装のイメージ
 
  右腕:重巡リ級のような艤装
  腰、臀部:重巡ネ級改のような艤装
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