据え置き版ウマ娘プリティーダービー 母娘孫三世代三冠RTA 実績『三冠の一族』Any%チャート 作:サイリウム(夕宙リウム)
「ふぅ。思ったよりクラシック登録って大変。……いや私が出すの遅くなっちゃったからかな? まぁここで走れるなんて思ってもみなかったし仕方ないよね。」
職員室の前。理事長に呼ばれたので理事長室へ向かうその道すがら、一人の生徒を見かけた。
正式に定められた業務、というわけではないけれどこの仕事に着いてすぐに理事長から勧められたこと、毎日正門の前で生徒に対して挨拶するというもの。そのおかげで大体の顔は覚えたんだけど彼女は見たことが無かったように思える。
確か……、ロードカナリアさん。先日理事長がスカウトしてきたと言っていた彼女。
「あの、ロードカナリアさんですよね?」
「あ、はい。そうですけど……。」
「私、ト……いえ、理事長秘書の駿川たづなと言います。スカウトされた、ってお話は聞いてますよ? まだこちらに来たばかりで慣れないことも多いでしょうし、学園の広さに戸惑うこともあるかと思います。よろしければ学園の案内をさせていただけませんか?」
いけない、もうその名は捨てたものだった。
「? はい、ありがたいのですが……、お時間の方はいいのですか? 何やら急いでいたようでしたが……。」
「いえいえ大丈夫ですよ。新しく来た方に案内するのも私の仕事ですから。では早速練習場周りの案内からさせていただきますね。」
本当はそんなわけないのだが、何故か彼女の方を優先したくなった。
一目見た時、何か彼女に親近感。過去の私を見ているような気がしただろうか?
たしかに私はケガで引退を余儀なくされた身だが、目の前の彼女のようにか弱い存在ではなかった。
しかし何故だろう、このロードカナリアというウマ娘が“走る”という確信めいたものが私の中にある。
初めての感覚に驚きながらも彼女の案内を始める。片手間に理事長に対する言い訳を考えながら。
願わくば、彼女が無事に、私と違い最後まで走り抜けることを。
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あ、どもども。投稿者です。
現在またスキップできないイベント。たづなさんによる学校案内が始まりましたね……。この据え置き版ウマ娘、裏で異様なほどの計算をしているせいかスキップというものが基本できないんですよねぇ。まぁ主人公の周り以外のことも計算しているみたいなんでスキップなんかしたらハードブレイカーになっちゃうので仕方ないのかもしれませんけど。
ま、一応この場でたづな大明神のお誘いを断ってもいいんですけどこのまま学園内の施設を解らないままでいると最悪乱数で迷子になります。他のRTA走者の方ですが迷子になりすぎて校舎で一泊したウマ娘版がっこうぐらしを始めてしまった方もいます。ゾンビ出てこなくてよかったね。
そんなことになったらまぁとんでもないロスですし、毎回クラスメイトやそこらの人に施設の場所を聞くのもロスです。ここで一括説明してもらって覚えてしまいましょうね、ってことです。
急がば回れってよく言ったもんですねぇ!
ではではカナリアちゃんが学校案内されている間に前回言っていたお世話になるチーム及びトレーナーについてのお話をしていきましょう。
まぁ前回した行動から皆さん解っているかと思いますが入るチームはスピカです。アニメ版で変な髪型とアメちゃん咥えてて、よくウマ娘に蹴り飛ばされている男性がチームトレーナーのところですね。こちらの方。所謂ウマ娘プレイ時での救済措置の方でトレーナーとしての能力値高いくせに万年部員不足です。
まぁ足触ってくる変態ナンデ仕方ないね! スピカトレーナー、言いにくいのでもう沖野って呼んじゃいますが、こいつの欠点は足を触ってくることと放任主義のところです。それ以外はマジで優秀な人です。はい。足を触ってくるのはウマ娘のストレス値の上昇につながり、放任主義なところはコミュ障なウマ娘に対してはバッドです。まぁちゃんと求めれば教えてくれるし、ほんの少しでも好感度稼げば普通に色々教えてくれるんですけどね。
ストレス値の方はカナリアちゃん元から練習でストレス貯まりやすいですし、ケガ防止のため隔週で遊びに行かせるのでたぶん問題なし。放任主義なところはたづなさんとちゃんとしたお話しできているのでコミュ障じゃなし、これなら変に気を遣われてお話してくれないという悲しいことは起きませんし大丈夫でしょう。
と、言うわけでスピカです。と、いうか基本的にこの時期スピカには、人がいないので入りたいと言ったらすぐに入れるので入部レースとかない分RTA的においしいですし、走るレースも沖野氏が色々配慮してくれるんで選べるんでべりべりぐっと。まぁ大体のプレイヤーさんスピカ選ぶんですけど……
ちなみにストレスはたまりやすいけどちょっとだけ上位互換なおハナさん、ほんの少し下位互換だけどたまにヤバイ策持ってくるカノープス担当、少し経験を積めば爆発する桐生院トレーナーやばくちに勝ち続けたらとんでもないことになる安心沢トレーナーとかもいますんで気になった方は選んでみてくれよな。
と、真ぁ長々と話しているうちに学校案内が終わったみたいですね。最終位置は三女神像前、時刻は夕方ぐらい。うん、いい時間だね! 今日は逆スカウト無理そうですねぇ……、そうじゃ!
のうのうトキノミノルちゃん? わしゃぁこのチームに入りたいんだけどどうすればいいかの?
>「あぁ! 沖野さんのチームですね! ……あんまりいいうわさは聞かないのですがよろしいので? 確かにまだ募集中だとお聞きしておりますが……。」
ありゃそうなんですの?(知ってる)でももう9月ですし大体の方はスカウト終わらせていますよね? この時点で終わってない方ばかりだったらあまり変わらないでしょうし、私は走れるだけでうれしいんです! それに、なんだかハイカラな名前で素敵ですし! スピカってハイカラ!
>「……ふふ! 確かにカッコイイチーム名ですよね。解りました、私の方からお話しておくので明日の放課後にトレーナー室に来てください。沖野って方ですよ。」
わぁ! わざわざありがとうございます。
「いえいえ……。カナリアさん?」
? どうかしましたかたづなさん? そんなに改まって……。
「走ることはとても楽しいことです。レースも、同じです。ですが……、どうかその身を削るようなやり方だけは、しないでくださいね。見るしかできないというのは、とてもつらいことですから。」
抱き締められながら、どこか過去の自分を戒めていたようなその語りは、今でも耳に残っている。
当時の私は憧れの、それまでの自分を考えれば一生関われないと思っていたトレセン学園に入学できて、夢にまで見た“走る”と言うことを自分の思うまま、体のことを気にせず走り抜けられると思っていた。この体を与えてくれた神様への感謝の気持ちはあったけれど、それ以上に喜びでいっぱいだった。走れる、と言うことがとても大きかった。
ゆっくりと過去のことを思い出しながら、あの時三冠という栄光を手に入れるために出走した菊花賞、その直前のことが頭の中で回り続ける。
もうあの時はすでに神様から見放されてしまって、もう走るどころか歩くことだってしんどかった。
でも、こんな私でも応援してくれる人がいた。
一緒に走ることを望んで、菊花賞でリベンジしようとしていた子がいた。
それに私がこれを走り抜ければ神様だってもう一度くらい奇跡をくださるかもしれない。
そんな甘えが私の中にあった。
菊花賞を回避して、療養に入っていればもう少しだけ長く走れたかもしれない。
最終的に同じように歩けなくなったとしても、もう数秒だけ走れていたかもしれない。
看護師さんに窓を開けてもらって、最近顔にしわが増えて来た母に買ってきてもらった黄色い水仙を花瓶に飾り、外の景色を眺める。
もう動かない私の足は今日も棒切れみたいで、ここから眺める景色はあの日から少しずつ変わっていくけど。
同じ花、同じ景色、同じ時間。全部同じはずなのに花は朽ち果てる、景色は移り変わる、時間はただ進む。人の親、母、子供にすべてを託す年をもうかなり前に通り過ぎたはずなのに、ずっと私の中でちらついている。
あの時の分かれ道、もう片方の道を進んだとしたら私がどうなっていたのかについて、ずっと同じことを考えている。
神様が与えてくれた奇跡はすでに時間切れ、時代も娘のためだけの物。
終わった私には持ち上げるのも難しい象徴的な三つのトロフィーだけ。
「……もう一度だけ、走る。せめて自分の足で歩きたい。」
大きな奇跡を頂いたこの身がそう願うのは、どれほど傲慢なことなのでしょうか。
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