今日からはじめる 目指せデュエリスト日記   作:すずなりゆうか

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夢の記録 74日目

デュエルフィールドで激しくぶつかり合う金属音が鳴り響く。金色の閃光が地を駆け巡り、白い影は空を舞った。

 

「これで、弱いとか絶対嘘だ!!」

「いくら装備や姿を変えていても私は私だ。経験まで変わることはない…ッ!」

 

地に足つくように天井を蹴り、白い影は閃光の中心に飛び込んだ。

 

「―――〈御手付き〉」

 

パァン――と、軽快な音が響き剣が弾き飛ぶ。

目を見開き、得物が飛んでしまったことに驚くがすぐさま金色は軽い白を掴み、背負投げる。

 

「あれ、降参しないのか」

「武器を失くした程度で降参したらアカさん、興冷めするでしょ」

「まぁ…、つまらなくは思うな。体を動かすのは久々なわけだし」

「はは…ッ、まじかよ」

 

軽く受け身をとる白色は冷静に言葉を返すと、金色は冷や汗混じりに呟いた。

 

『ゆうかさん、ライくんさん、がんばれー!』

 

デュエルフィールドの外からのうのうとした美雨の歓声が響く。手を大きく振って、まるでショーでも見ているかのように目を輝かせながら。

 

「んふふ、美雨も楽しそうだしちょぉっとだけ派手にいっちゃおうかな?」

「げ…っ、まじかよ」

 

 

なんで私とライくんがデュエルフィールドを使用してデュエルするのではなく手合わせをすることになったのかは、ライくんの興味本位な一言からだった。

「混沌としてた時代からの生き残り…?うわ、どれだけ強かったのか気になる…」と。

私は『そこまで強くなかった』と言ったのだが信じてもらえず"しかたなく"当時の姿に戻り、当時持っていた装備の模倣品を装備して手合わせし始めたのが始まりだった。

 

「安心しなよ。ライくん、この頃の私が使えるのは誰にでも使える簡単な魔法だけだから…さ!!戦闘には役に立たん!」

「いやいやいや!?服に〈種火〉を使われた後だから信用できねぇよ!!アカさん!」

「あっ、それもそうだね?」

 

焦げつき、半身濡れた白シャツ。それは間違いなく私が燃やしたものだった。

 

「まぁ、隙だらけだったから燃やしただけだけど。」

「生活魔法も侮っちゃいけないってよぉく反省しました!!」

 

人にダメージも与えられない幻想の魔法弾を打ち出した。しかし、それをライくんは警戒してか全てスレスレで避け

 

「この剣、返すよ」

 

生活魔法の一つ、〈重量変化〉によって軽々と持ち上げられた剣を投擲すればライくんは刃を再び避けて、その柄を掴み振り抜き―――受け止める。

 

「甘いねぇ、ライくんは」

「うーわぁ…一瞬で重量変化と硬化かぁ」

 

ほんの一瞬に再度行われた重量変化により急激に重くなった剣に太刀筋がずれ、その歪みを利用してデュエルディスクで受け止めたのだ。

 

「便利でしょ。生活魔法」

「それをちゃんと戦闘に活かそうとしたのはアカさんだけだ。今は魔法道具もあるし」

 

生活魔法って昔は旅をするにあたって必需だったけど、今は魔道具があるからわざわざ覚える必要もないか…。時代の流れって早いなぁなんて思いつつ更に荷重をかける。

 

「一体、どれくらいまで耐えられるかなー」

「…ホント、こういうところズルい」

「武器を持った相手の武器を封じるのは基本でしょ。あと、剣ばっかりに集中してると…そろそろ―――弾け飛ぶよ?」

 

背後に突如出現した巨大な魔法弾。

ライくんは咄嗟に受け身を取るものの、すぐには起き上がれない程度にはダメージを負うことになっていた。もう、手合わせは終わりかな、と。僅かに欠けたデュエルディスクを操作し、デュエルフィールドは消失した。デュエルフィールドを利用したからだろうか。ライくんの焼けて濡れた服も傷も消えてリビングに戻っていた。

 

「いてて…やっぱり、弱いなんて絶対嘘だ」

「そりゃ、今の私という意識が戦ってるんだから実力差あっても人の枠にいる限りはそうそう負けないよ。まぁ、マジで来られたら負けちゃうかもだけど」

 

くすくすと笑って、言えばデュエルフィールドが解除されたことで近づけるようになった美雨がコップを持って歩いてきた。

 

「ゆうかさん、ライくんさん。お水です」

「ありがとう、美雨」

「助かるよ」

 

そうして、私とライくんの手合わせは終わった。

 

「次はモンスター込みで手合わせしようか。アクティビティデュエル」

「それ、室内じゃできないよな!?」

「どこかの施設を借りるしかないと思います」

「んじゃ、その時はできる施設行こっか」

「私、応援しますね!」

 

そんな会話をしながら。

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