誰もが願うはハッピーエンド   作:すすき(仮)

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東京地下街の愉快な住人

これは俺、函部修一の何気ない転生後の生活のはずだったものだ。

俺は、転生してから何だかんだあって東京の裏路地、『東京地下街』に定住する羽目になった哀れな一般男子に過ぎないのだ。

しかし、ふと気づいたことがある。もしかして『東京地下街』はやばい奴らの掃きだめなんじゃないか、ということである。

一例を出そう。

 

「よぉ坊主!元気にしてたか!」

 

声をかけてきたのは顔にでっかい傷跡つけて眼帯してる筋肉マッチョなおっさんだ。

いつも箱の中身を見るなよって言いながら怪しい段ボール箱を怪しい場所に配達する仕事をくれる俺の大事な雇い主だ。雇い主なんだが…

 

悪役顔だ。

転生してから会ったことあるやつは大分少ないが、その中で断トツの悪役顔だ。

絶対箱の中ヤバい系のブツを入れられてると思う(確信)

そんな悪役顔のおっさんだが、もしかしたらただの気のいいおっさんなのかもしれない…

 

「へっ?オレがどんな仕事してるかって?…あー、坊主てめぇ普段の荷物の中身知らねぇんだっけか?中身で察しろ…とは言えねぇもんなぁ…。一番合ってるのは自由業の互助組合の顔役ってとこか…」

 

ギルティ。

絶対(ヤのつく)自由業の互助組合(縄張り調整)を取り仕切る顔役だよ!

でもこんなこと言ったら『よく気付いたな坊主!』とかいって俺の頭くしゃくしゃにしながら『じゃ、次から仕事ちょっとハードにするからよろしく~』っていってくるか、『気づかれたならしゃーねぇーな…死ね』の2パターン確定だと思う。

確かに普段の配達はクッソ楽な仕事だから、それで生活してんのは卑怯かもしれない…

そう考えると、仕事をハードにされんのってまさか妥当?…いや、考えるのはやめておこう。

 

「つーか坊主、学校行きたいか?」

「は?どちらかと言ったら…まぁ行きたいほうだな…」

 

思えばこのおっさんが進めてくるような学校だ。碌なもんじゃないのはそこからはっきりしていたのだ。

しかし、その時の俺はこのおっさんの荷物って絶対やべぇ!という思考にとらわれすぎていたのかもしれない。

 

「そうか…っし!この学校行ってこい!戸籍ぐらいはあるだろ?無いなら売ってやるが。」

「いや、さすがに戸籍ぐらいは持ってるよおっさん。」

 

___

 

と、いうことでその学校が全寮制らしいので俺は荷物をまとめてもとの部屋の荷物をまとめなくてはならない。なので、引っ越しするということはよく話すような奴には言っておく必要があるだろう。

 

「…で、学校行くことになったっていうわけだ!」

「へぇ~いいなぁ~!どこの学校?」

 

まず最初に言うべきはお隣に住む美少女ちゃんだろう。

名前は聞いていないが、黒髪のボブカットでかわいい美少女ちゃんである。

 

「確か…『国立第一魔術学院』かな?」

「…!ふ~ん。なんか面白そうだね!」

 

普段の暮らしを一番癒してくれる美少女ちゃんは扉を閉めて部屋に戻った。

…そういえば美少女ちゃんの金銭事情とか聞いたことないな。ま、いっか!

 

そしてその後も、

 

「運び屋の兄貴!学校頑張ってくだせぇよ!」

「おう、兄貴!学校がんばれや!」

 

近所に住んでるモヒカンやスキンヘッドに学校に行くことを伝えて…

ってなんだてめぇら!俺は運び屋かもしれねぇが兄貴じゃねぇ!

 

「いや~でも、ねぇ?」

「そうっすよ!兄貴は兄貴ですぜ!」

 

苦笑いしながら言うんじゃねぇ!

俺がなんかしたみたいじゃねぇか!

 

___

 

まぁ近所へのあいさつは一通り終わらせたが、伝えるべき相手がまだ残っている。

 

「あの~、教授いますか~」

「いつもありがとう。助かるよ。」

 

俺のお得意様にして、地下街一の常識人。教授さんである。

何やら表の東京で少しやらかしてしまったらしく、東京地下街から復活を狙っているらしい。

性別不詳の年齢不詳だが、表の東京について地下街で一番詳しいのは教授さんである。

 

「国立第一魔術学院?あそこか!昔はあそこの前身みたいなところで教授をしていたんだ。初級魔術ぐらいだったら知ってるだろう?少し魔術を教えてあげるよ!」

 

ただ、そんな教授の唯一の欠点は魔術の話になると止まらなくなるところである。

 

「…つまりだね!私が行っていた研究は、魔術の行使範囲内を脳内拡張領域で演算する段階を『ラプラス』によって演算を代行して脳内拡張領域を持たないものでも魔術を行使できるようにする、いわば世界法則の塗り替え…」

 

「教授さん!」

 

「しかし、この研究の重大な欠陥があのような事態を招いたのは…」

 

「教授!」

 

「あ~、すまない。どうやら熱を入れすぎたようだ。」

 

早口で言ってるからほとんど聞き取れてないんだよなぁ…

 

「コホン!まぁ学院でも頑張れよ、少年。望むならば…」

 

話が長くなる前に帰る!善は急げだ!

そして、荷物をまとめた俺は国立第一魔術学院の正門から入学試験の会場に向かおうとして…

 

「君が、函部君かな?少し話がしたいんだ。」

 

学院長の部屋に引きずり込まれて学院長と話をしている。

ねぇ?学院長の秘書さん?なんで目を向けたら『分かってます』みたいにうなずいて部屋から出て行ってるの?

二人きりにしないで?ねぇ?

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