魔法少女リリカルなのはVivid 漆黒の翼 作:シンタ
はじめまして、僕は『アベル・ガーネット』です。
ミッドチルダに住んでおり、今日から『St.ヒルデ魔法学院初等科』の4年生になります。
僕の家族は母親と二人です。
だけど、母は時空管理局地上本部の幹部職員なので、家を開けている事がほとんどです。
事実、僕は家で一人暮らしをしています。
これは、アベルと魔法少女たちとの友情を書いた物語である。
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先程もアベルが説明をしたように、今日から彼は『St.ヒルデ魔法学院初等科』の4年生になる。
いつものように、アベルは一人っきりの朝食をすませ、学校に行く準備をしていたら、家の呼び鈴が鳴った。
「はーい!」
アベルはひとこと返事をし、玄関に向かいドアを開ける。
「アベルくん、おはよー!」
元気なあいさつと共にドアの前で待っていたのは、金色の髪を腰の辺りまで伸ばした少女。
名前を『高町ヴィヴィオ』という。
紅(ロート)と翠(グリューン)の鮮やかで特徴的な瞳をしている。
「うん、おはよー♪ヴィヴィオのお母さまもおはようございます。」
アベルはヴィヴィオと一緒いた女性にも丁寧に頭を下げた。
彼女は『高町なのは』。
栗色の長い髪をサイドで一つに纏めた笑顔が素敵な女性で、ヴィヴィオの母親でもある。
ちなみに、アベルの母親とも中学校時代から交友があるため、高町家とは家族ぐるみの付き合いをしていた。
「はい、おはよー♪」
なのはは笑顔であいさつを返す。
その後、登校の準備と自宅の戸締まりを終わらせたアベルは、高町家の二人と共に歩き出した。
「そう言えば、二人って今日は始業式だけでしょう?」
「え、まあ……」
「そうだよーあ、帰りにちょっと寄り道してくるけど……」
「だったら、今日の夜ごはんは4年生進級のお祝いモードにしよっか?ママもちょっとは早めに帰ってこれるからね♪」
「おおー!なのはママ、ナイスだよ!」
「じゃあ、決まりだね♪アベルくんも良いよね?」
「えっと……どういう事ですか?」
「アベルくんもウチで一緒に食べようよ♪」
アベルはなのはから、夕食の誘いを受ける。
「だけど、今夜はヴィヴィオと家族水入らずだし、僕がお邪魔するには………」
「そんなことないない!」
「むしろ、大歓迎!ねぇー!」「ねぇー!」
「じゃあ、お言葉に甘えて、ご馳走になります……」
「じゃあ、けってーだね♪」
その後、アベルとヴィヴィオはなのはと別れ学校に向かった。
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「ヴィヴィオー!」
「アベルくーん!」
二人は学校に着くなり、友人から声をかけられる。
長い髪を二つに纏めた落ち着いた雰囲気の少女『コロナ』と八重歯がチャームポイントの快活な少女『リオ』だ。
「あ、リオ!」
「コロナも……」
「ねぇ、クラス分けって、もう見た?」
「うん!見た見た!」
「4人一緒のクラス♪」
「「「イェーーーィ!」」」
ヴィヴィオ、リオとコロナはハイタッチをしている。
それを乾いた笑みを浮かべて見るアベル。
「ねぇ、アベルくんも一緒にしようよー!」
「そうだよー。アベルくんのいけずぅ~!」
「だって回りを見てみなよ。他の生徒たちに笑われているよ?」
確かに回りの生徒はヴィヴィオたちを見ながらクスクスと笑っていた。
「ね?だから、あえて僕はしなかったの……」
そう言って、アベルはさっさと自身のクラスへ向かう。
「あ、待ってよー!」
ヴィヴィオたちもアベルを追いかけて、クラスへ向かった。
そして無事に始業式を終えた、アベルは適当な理由を付けてヴィヴィオたちと別れると先に家路に着く。
アベルが自宅に着くと同タイミングで宅配業者がやって来た。
業者から荷物を受け取ったアベルは、家に入りリビングのソファーに座ると荷物の送り主を確認する。
送り主の名前は『エリス・ガーネット』。
アベルの母親だ。
「ママからか……手紙までいったい何だろう?」
アベルは手紙を読む。
内容は、母親としてアベルの体調の気づかいやエリス自身が滞在している場所のこと、アベルの進級に対してのお祝いの言葉が綴られてあった。
そして最後にはその箱がメインであり、お祝いのプレゼントであるとも書いてある。
アベルは一通り手紙を読み終えると、箱の包装を破り取り中身を見た。
「なんだコレ………」
中身を見たアベルの第一声がそれだった。
箱の中に入っていたのは30cmほどの幼い顔立ちの妖精のような姿をした女の子。
腰丈ぐらいに伸ばした漆黒の長髪をポニーテールに纏め、淡い紫色のインナーとプリーツタイプのミニスカート、その上に着るのは、縁の金ラインが映える黒基調のロングコートを纏っていた。
チャームポイントは胸の赤いハートをあしらった蝶ネクタイ。
また、背中には光沢がかった綺麗な青色の蝶のような羽根とお尻からはスラッとした肌触り良さそうなネコに近い尻尾を生やしていた。
アベルが彼女をじっと観察していると、その眠っていた女の子が目を覚ます。
「ふあ~ぁ……よく寝たですぅ……」
眠気眼をこすり女の子が「う~ん……」と背伸びをした。
彼女は箱の外に出ようとふわりと宙に浮く。
しかし、まだ寝ぼけているようで高さの調整がうまくいかないのか、爪先を箱の縁に引っ掛け顔面から机の上に突っ伏すような形で落ちた。
「ズベェ……ッ!!?」
「なんて声を出すんだか……」
アベルは内心呆れている。
「う~~失敗ですぅ……」
真っ赤に腫れた鼻を擦る女の子。
「だ、大丈夫?」
そんな彼女を心配したアベルは声をかける。
「まだ、鼻の頭がヒリヒリするけど何とか……初めまして、今日からマスターのお世話をします『生体型アームドデバイス“ADF-X01モルガン・ル・フェイ”』ですぅ!ヨロシクですよぉ♪」
妖精みたいな女の子こと『モルガン』は元気に挨拶をするのだった。
次回に続く。
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