魔法少女リリカルなのはVivid 漆黒の翼 作:シンタ
無人世界“カルナージ”……
そこはミッドチルダ首都クラナガンから臨行次元船で約四時間。
標準時差は七時間、一年を通して温暖な気候で大自然の恵み豊かな世界である。
ただいま、なのはたち御一行は次元航行船に乗っている。
目的地に着くまでの間、各々自由な時間を過ごしていた。
そして、七時間後………
なのはたちは、無人世界カルジーナに到着する。
そのまま、みんなは宿で押さえてある“ホテル・アルピーノ”に向かった。
「みんな、いらっしゃ~~い♪」
「ようこそ、ホテル・アルピーノへ!」
ホテルを切り盛りする主人のメガーヌとその娘ルーテシアが、なのはたち一行を出迎える。
「こんにちはー♪」
「お世話になりまーす♪」
メンバーを代表してなのはとフェイトが挨拶を返した。
「みんな、来てくれて嬉しいわ♪美味しい食事もいっぱい用意したから、ゆっくりしていってね♪」
「わぁー楽しみ!ありがとうございます!」
「お久しぶりですね?メガーヌさん……こうして、直接会うのは二年ぶりですか?」
「そうですわね。JS事件でエリスさんに保護されて……その節はお世話になりました。おかげさまで体の調子も良いですよ♪」
「いいえ~良かったです。時間が開いたら久しぶりに私のフィジカルチェックを受けてみませんか?」
「え?エリスさん、良いんですか?」
「私は大丈夫ですから……今夜あたりにね?」
「じゃあ、お願いします♪」
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「ルーちゃん!」
「ルールー!久しぶり~♪」
「うん、久しぶりだね。ヴィヴィオ、コロナ♪リオは、直接会うの初めてだったね?」
「うん、今までモニター越しだったもんね。」
「やっぱり、モニターで見るより可愛い♪」
そう言って、ルーテシアはリオの頭を撫でる。
「エヘヘー////嬉しいな~♪」
「それにアベルも久しぶりだね?その娘が新しいデバイス?」
「そーだよー♪モルガン、自己紹介してあげて?」
「はいですぅ!私、“ADF-X01モルガン・ル・フェイ”と言いますぅ!最新式の生体型アームドデバイスですぅ!ヨロシクですよぉ♪」
「モルガンちゃん……古代ベルカの妖精の名前だね。コチラこそよろしく!」
「あ、ルールー!こちらがメールでも話した私たちの先輩で……」
「初めまして、アインハルト・ストラトスです……////」
アインハルトは、緊張しながら頭を下げた。
「ルーテシア・アルピーノです。ここの住人でヴィヴィオたちの友達の14歳♪」
「アインハルトさん、ルーちゃん歴史とかスゴいんですよ~!」
「ほぉ~~」
関心するアインハルト。
「えっへん!そうなのだ~~♪」
コロナに言われ、ドヤ顔のルーテシア……子供たちもルーテシアと仲良く話している。
「あれ?そう言えば、エリオとキャロはまだでしたか?」
エリオとキャロに早く会いたかったスバルは辺りをキョロキョロと見回しているその時だった。
「お疲れさまでーす!」
スバルたちには、聞き覚えのある女の子の声が聞こえる。
声が聞こえた方を見ると、そこには薪を抱えたエリオとキャロの姿があった。
「エリオ!キャロ♪」
二人の保護責任者……
早い話、親代わりであるフェイトが笑顔になる。
二人と直接会うのは約一年ぶりだった。
「おー!エリオ!見ない間に背も伸びて、また一段と大人っぽくなったね!」
「それに比べ、キャロは相変わらずお子さま体形のままね……」
ティアナはキャロのことを鼻で笑う。
「ぶぅー!失礼な!ただいま私は、大人の女性へ脱皮中なんです!見ててください、いつかティアナさんを超えるグラマスなレディになりますから!」
キャロは鼻息荒く、ティアナに宣戦布告した。
「アインハルト、紹介するね?」
「あ、はい……」
「二人とも私の家族で………」
「エリオ・モンディアルです。」
「私はキャロ・ル・ルシエ……それと、飛竜のフリードヒです♪」
「クキュ~~♪」
「まあ……いちおう言っとくけど、私たち三人で同い年なの。一人お子さまがいるけどね♪」
「なんですとッ!!?私は成長期!1.5cmも伸びましたー!」
この日キャロの人格が崩壊したが、また別の話である。
その後、突然現れたルーテシアの召喚虫ガリューにアインハルトが驚いたりと色々あった。
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それぞれ、割り当てられた部屋に荷物を置いたメンバーはロッジに再び集まる。
大人組はお昼前の軽いトレーニング、ノーヴェとルーテシア、子供たちは近くの川で遊ぶことになった。
川遊びにアインハルトは乗り気ではなかったが、ヴィヴィオやノーヴェの誘いを断ることも出来ず着いて行くことに……
一方のアベルは、ヴィヴィオ達の誘いを断ってモルガンと共に大空を自由に飛び回っていた。
「やっぱり、何もない大空を自由に飛ぶのって、気持ちいいねぇ♪」
『はいですぅ!』
「じゃあ、アフターバーナー出力最大ッ!極超音速飛行ッ!!!」
『了解ですぅ!極超音速飛行!ただいまM5+を記録してますぅ!』
白い飛行機雲を引きながら、アベルは高々度を猛スピードで飛んで行く。
「ねえ、モルガン?……」
『はい、何でしょう?マスター……』
「今のうちに飛行型時の魔導兵装を試そうか?明日の練習会で使ってみたいからさ♪」
『え?マスター、明日の練習会は陸戦試合のみでしょう?四足歩行獣化形態(ビーストモード)は使いますが、飛行型(ファイターモード)は使う必要が………』
「モルガンは分かってないなぁ〜僕はフェイトおば様かなのはさんのどちらかを……あわよくば、両方を空に誘い出して空戦を挑もうと思ってるんだ♪」
『ええーッ!!!む、ムリですよ!マスター!お分かりですかぁ?!!マスターが相手にしようと思っているのは、管理局屈指のエリート執務官とあの“エースオブエース”ですよぉ?!!』
「知ってるよ、だからこそ燃えるんだ!」
『うーーーーん………分かりました。マスターの言うとおりにしますぅ……では、戦闘機動が可能な速度までスピードを落とすですぅ。』
「うん、了解♪」
徐々にアベルのスピードが落ち、それにともない高度も低くなった。
「じゃあ、始めようか……対空魔導兵装展開!」
『対空魔導兵装、起動するですぅ!』
アベルの声に反応してモルガンは“極超音速誘導魔力弾(テンペスト)”が起動させる。
両方のエアインテーク上部に秘匿されていた砲が姿を表した。
「起動・発射可能までのタイムラグ……0.087秒。うん、完璧♪次は“多目標追尾型高機動魔力弾(MLRS)”だよ!」
『了解ですぅ!MLRS起動しますぅ!』
腰のスカートアーマー部に搭載しているMLRSのシステムが起動する。
「うん、これも大丈夫みたいだね♪」
その他にも、“無線誘導攻撃兵装(モルガナイト)”の射出動作の確認などを行った。
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魔導兵装システムのチェックを一通り終えた、アベルとモルガンはホテル上空まで戻って来ていた。
「じゃあ、モルガン……ヴィヴィオたちの所に行こうか?」
『はいですぅ♪………って、マスター?ヴィヴィオちゃん達は何をしているんですかぁ?』
モルガンが聴く。
アベルが画像を拡大するとヴィヴィオたちが楽しそうに右の正拳突きで川面の水を切っていた。
彼女たちの身長の倍以上の高さがありそうな水柱が前へ進みながら起こっている。
「あれは“水切り”だね。遊び感覚でできる打撃チェックなんだって。ヴィヴィオたちは相変わらずスゴいね♪アインハルトさんは……初めてなのかな?あんまり上手くいってないみたい……」
ヴィヴィオたちの上空を旋回しながら、アベルはモルガンに水切りを教えていた。
その時アベルは、ふと悪知恵を働かせる。
「そうだ。僕たちもちょっと水切りをしてみない?」
『え?ええ……ワタシは構いませんよ?』
「じゃあ、行こうか…………僕流の水切り見せてあげる。」
アベルは不敵に微笑むのだった。
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場所は変わり、こちらはヴィヴィオたちが遊ぶ川辺……
ヴィヴィオたちはアインハルトと“水切り”を楽しんでいる。
「水切り……なかなか難しいですね。」
「だけど、さっきよりも少し前に進みましたよ!」
「じゃあ、もう一度……ッ!!!」
アインハルトは精神を集中し、再び右の正拳突きを放った。
最初より二回目、二回目より三回目と回数を追うごとに、アインハルトは水切りを上達させていく。
そんな時、ヴィヴィオたちのもとへアベルから通信が入ってきた。
『ヴィヴィオたち楽しそうだねー♪僕も混ぜてもらって良いかな?』
「え?ぜんぜん良いけど……アベルくん、どこにいるの?」
『………ヴィヴィオたちの真上だよ♪』
「「「「「「え?………………」」」」」」
彼に言われ『?』マークを浮かべた五人が上を見ると、ファイターモードのアベルがヴィヴィオたちのもとへ急降下してくる姿が見えた。
「見せてあげる……僕流の“水切り”ッ!!!」
急降下してきたアベルは川面に激突するギリギリのところで体勢を立て直し、超低空でヴィヴィオたちの頭上を飛び去る。
「バカ野郎ぉぉぉッ!!!あぶねぇだろうがぁぁーーーーッ!!!」
彼女たちの頭上を通過した時に、ノーヴェが何か叫んでいたけど気にしない……アベルが彼女たちの頭上を通過して数秒後、爆音と衝撃波が川面を凪ぎ払う。
「「「「「きゃああぁぁーーーッ!!!!!!」」」」」
ヴィヴィオたちは吹き飛ばされないように必死だった。
その後アベルは、なのはにフェイト、エリスから盛大な“O☆HA☆NA☆SI”を聞かされるのだった。
次回に続く。