機動戦士ガンダムOOΞ   作:Gfish

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東アフリカの収容所の接収を終え、組合の仕事は海を挟んでアラビア半島に移った。いくらエコーズでも今回のクライアントに会わすのはまずいということで、組合とエコーズは一旦別行動に。


ルブ・アル・ハーリー砂漠

ルブ・アル・ハーリー砂漠、アラビア半島のかなりの部分をカバーしている砂の大地。

 

地下資源は一定数あるが、それ以外の資源はろくにない。おまけにアロウズが設置したGNジャマーのおかげで通信もろくに使えない。が、資源へのアクセスを除けばそれはむしろメリットですらあった。

 

(ミノフスキー粒子をばら撒く手間が省けたとはいえ、これじゃ味方への通信もままならないな)

 

カタロンに納品する砂漠迷彩のイナクトの中にハサウェイはいた。名目上、ダゲスタン管区で独自に試験生産された局地戦闘用イナクトの砂漠戦闘仕様機の運用テストということにしている。何の予告もなくUNKNOWNの機体が編隊を組んでいては怪しまれて当然。(今回納入する機体は6機)

 

なら輸送機を使えばいいのではという話にもなるが、クライアントはなるべく運賃を節約したいということで輸送機の案は×になった。

 

「さすがにカタロンではいくら主要基地でもお財布は厳しいからな...」

 

間もなくイナクトの編隊はカタロン狩りをしていると思われるアロウズのMS小隊(3機)と接触した。

 

「こちらアロウズ紅海方面軍所属カルタヘナ隊第4小隊隊長のジェンキンス大尉だ。そちらの所属と任務内容を請う」

 

「こちら地球連邦軍第603技術試験隊所属のジョン・マッケンジー少尉であります。」

 

(第603技術試験隊は本来ならジオンなんだけど、この隠れ蓑は有効に使わせてもらおう、ジョンなんていう偽名も)

 

「第603...またしてもダゲスタンの風紀委員会のお遣いか。」

 

「不本意ですが仕事なので仕方なく」

 

「正規軍のテストパイロットは大変だな、特に風紀委員会に関わると。」

 

「全くです、奴は恒久和平よりもルールが大事な連中ですから。」

 

「しかも既存機体の有効利用とかいってテストパイロットの人命が軽んじらているときたらなぁ。全く、ここらでは近頃不穏な動きが多い。途中までなら援護もできるが...」

 

「お心遣い感謝します。ただ、これはカタロンへの潜入任務も想定されている機体なんです。必要とあらばそのまま潜入して中から崩せという命令でして」

 

「それは恐れ入るな。おっと、任務の邪魔になってしまったな。話しができて楽しかった。アロウズで共に戦えることを願おう」

 

「ええ、恒久和平のために」

 

こうしてイナクトの編隊とアロウズの小隊は離れた。この一連の会話で残りの5機のイナクトのパイロットは歯ぎしりをしていただろうが、散発的に遭遇するアロウズの部隊はこうやり過ごす他ない。エコーズがいない以上、戦闘はもってのほかだ。

 

「組合長も人が悪いですなぁ(笑)そもそも連邦にあんな部隊ありましたっけ?」

 

ハサウェイに尋ねるのはイナクトのパイロットの1人。残り5人は皆カタロンのパイロットだ。

 

「あってないようなものだよ。(これでホンモノの603に出くわしでもしたらしばかれるだろうな...)連邦のシンパにお願いして作ってもらったんだから」

 

 

 

 

 

一方、プトレマイオスではマリーダの入れ知恵もあって沙慈はついにクレームをした。実際のところマリーダの口が堅くないのでやろうと思えばマリーダから情報を引き出したり、便宜を図ることも可能だったが、それは手札にとどめておくことに。

 

結局刹那が独断で全て明かした。誰の許可もなく。

 

「単刀直入に言う。お前は元に戻れない。」

 

「ああ、誰のせいでそうなったと思ってる!?」

 

沙慈のパンチが刹那の頬を直撃する。

 

気が付いたころにはソレスタルビーイングに関与したということで殺害対象にランクアップしていたのだ。事実、軟禁されているのでぶち切れるのは当然だ。

 

刹那がまるで何も起きなかったかのように起き上がると、さらに一言加えた。

 

「でもソレスタルビーイングから遠ざけてやることはできる。」

 

プトレマイオスには今3人の部外者がいる。なし崩し的に保護/軟禁された沙慈、組合からの営業で居候しているマリーダ、収容所で拾ったマリナ姫だ。

 

ソレスタルビーイングが国家元首の誘拐犯というレッテルを新たに貼られないよう、マリナ姫はなるべく早くプトレマイオスから遠ざける必要があった。そこで、マリナ姫については刹那がアザディスタンに移送することは決定事項だった。

 

マリーダは契約書にサインしているので居残るが、問題は非戦闘員の沙慈の扱いだった。情勢が安定しないところに放流するようではいくらなんでも酷である。

 

「アラビア半島で会談がある。その時におろす。」

 

 

 

 

「入金は確認できているので、手続きは以上です。」

 

「噂には聞いていましたが、改めて驚きがかくせません。さすがは組合長です。」

 

頭を深々とさげているのはクラウス、カタロンのリーダーにしてルブ・アル・ハーリー砂漠の秘密基地の事実上の司令官でもある。

 

「それにしてもカタロンの要員をソレスタルビーイングに送り込むなんて人が悪いですね(笑)」

 

「それはあなたたちが始めたことでしょう。同業他社は見られるものですよ」

 

「同業かどうかは知りませんが、確かに目をつけられている意味では同類ですね(笑)」

 

(アザディスタンのNo.2が今ではカタロンのNo.2か...アザディスタンはないようなものかもな...)

 

「それで、組合長殿はどうされるのです?」

 

「しばらくはここで役に立ってみせるよ、今回のイナクトはこれまでと勝手が違うからね」

 

(他にティエレンが5機あるけど、あれじゃとても戦えないな...)

 

 




次回:アザディスタン
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